42 / 76
その5『三角関係』編
第四話 美味しい温度
しおりを挟む
42.
第四話 美味しい温度
美咲が米をセットしてる間におれはじゃがいもを切ってた。皮むきしたじゃがいもを半分にし、切断面をまな板に下にして厚さ5ミリ程度に切る。
「美咲ー。ベーコンってあるっけ」
「ウインナーもベーコンもあるよ。どっちも期限今日までだから使うなら両方使っちゃって」
「OK」
じゃがいもとベーコンとウインナーをフライパンで大雑把に炒める。炒める油にはオリーブオイルなんか使っちゃって。ちょっとオシャレ。火を通したら最後に上からバジルソルトをふりかけて、見た目も味も完成だ。
「ほれ! 完成、バジルソルトがオシャレで美味そうな感じにしてるだろ」
「わー! 絶対おいしいやつじゃん」
「麻雀と同じだな、見た目を良くしたら自然と味(打点)も良いものになる」
「でもお兄ちゃん料理作るの早すぎるよー、お米炊けるの25分後だよ!」
「これは……手順を間違えたか。先にサラダでも作れば良かったなぁ。温かいものを先に作るのは違ったわ」
そう、料理には『美味しい温度』というのがある。とくに揚げ物などは出来たてに勝る美味はない。炒め物もどうせなら温め直すより出来たてのものを食べるべきだ。
「ま、せっかくだし、米は無いけど少しつまむか」
「そーね」
パク、モグモグモグモグモグモグ……
パク、モグモグモグモグモグモグ……
「「うっまーーーーーい!!」」
いや、これはかなりうまい。ベーコンの焼き加減が絶妙で(まぐれ)塩味が移ったホクホクのじゃがいもも完璧と言える食感(これもまぐれ)になってて、ウインナーは普通にうまいし。エッ、俺は天才だった? 何となく作った料理でここまでのクオリティなものを作り出すやつってそうそう居なくない? と感動のあまりもう一口食った。うん! うますぎる。もう一口、止まらない。
「あーーー! お兄ちゃんまた食べてる! ダメだよ、ご飯炊けた時少なくなっちゃうじゃん! お母さんの分もあるんだからね!?」
「あっ、ヤベ。そーだった。今日の夕飯は帰ってくるんだっけ」
「そーだよ、もう! 明らかに足りないじゃん!」
「お、俺はふりかけで食べるから2人で分けていいよ」
そう言って俺は冷蔵庫からキュウリとレタスとミニトマトを取り出してサラダを作ることにした。
切るだけだ、誰でも出来る。とは言えミニトマトをうちの切れない包丁で切るにはコツがいるけどな。
まず、持ち手の近くの包丁の角をミニトマトにプスッと刺して、そこから刃を入れると切りやすいんだ。そうしないと皮がうまく切れない。
あと、レタスは包丁を使わない方がいい。あんなもんは手で千切れるんだから。
むしろ包丁を使うと次第にレタスの色が悪くなり見た目が劣ってしまう。
キュウリは包丁で小口切りに。スライサーを使ってもいいが、今は出すのが面倒だった。
別にここは料理屋じゃない。家族で食べるための料理なんだから俺の切ったイビツな小口切りでいいだろ。太かったり、たまーにペラペラすぎて透けてるのとかあったり。そういうのも味ってもんだ。
切り終えて大皿に盛ったあたりで『ピーーーー』と炊飯器が鳴る。炊き上がりの合図だ。
「あっ、お兄ちゃん。いいものあったよ」
そう言って美咲が冷蔵庫から取り出したのは炉端漬けだった。ナイス発掘。
────
「お母さん遅いね」
「そろそろ帰ってくんだろ。まあ先に食おう」
「そだね。じゃあ食べよっか」
「「いただきます!!」」
俺はおかずをさっき食べたので炊きたてのご飯を冷蔵庫の奥にしまわれたまま忘れられてた期限ギリギリの炉端漬けと広島県産の小魚粉末ふりかけでいただいた。紙パックのパンプキンスープもサラダもあるし、充分だ。
第四話 美味しい温度
美咲が米をセットしてる間におれはじゃがいもを切ってた。皮むきしたじゃがいもを半分にし、切断面をまな板に下にして厚さ5ミリ程度に切る。
「美咲ー。ベーコンってあるっけ」
「ウインナーもベーコンもあるよ。どっちも期限今日までだから使うなら両方使っちゃって」
「OK」
じゃがいもとベーコンとウインナーをフライパンで大雑把に炒める。炒める油にはオリーブオイルなんか使っちゃって。ちょっとオシャレ。火を通したら最後に上からバジルソルトをふりかけて、見た目も味も完成だ。
「ほれ! 完成、バジルソルトがオシャレで美味そうな感じにしてるだろ」
「わー! 絶対おいしいやつじゃん」
「麻雀と同じだな、見た目を良くしたら自然と味(打点)も良いものになる」
「でもお兄ちゃん料理作るの早すぎるよー、お米炊けるの25分後だよ!」
「これは……手順を間違えたか。先にサラダでも作れば良かったなぁ。温かいものを先に作るのは違ったわ」
そう、料理には『美味しい温度』というのがある。とくに揚げ物などは出来たてに勝る美味はない。炒め物もどうせなら温め直すより出来たてのものを食べるべきだ。
「ま、せっかくだし、米は無いけど少しつまむか」
「そーね」
パク、モグモグモグモグモグモグ……
パク、モグモグモグモグモグモグ……
「「うっまーーーーーい!!」」
いや、これはかなりうまい。ベーコンの焼き加減が絶妙で(まぐれ)塩味が移ったホクホクのじゃがいもも完璧と言える食感(これもまぐれ)になってて、ウインナーは普通にうまいし。エッ、俺は天才だった? 何となく作った料理でここまでのクオリティなものを作り出すやつってそうそう居なくない? と感動のあまりもう一口食った。うん! うますぎる。もう一口、止まらない。
「あーーー! お兄ちゃんまた食べてる! ダメだよ、ご飯炊けた時少なくなっちゃうじゃん! お母さんの分もあるんだからね!?」
「あっ、ヤベ。そーだった。今日の夕飯は帰ってくるんだっけ」
「そーだよ、もう! 明らかに足りないじゃん!」
「お、俺はふりかけで食べるから2人で分けていいよ」
そう言って俺は冷蔵庫からキュウリとレタスとミニトマトを取り出してサラダを作ることにした。
切るだけだ、誰でも出来る。とは言えミニトマトをうちの切れない包丁で切るにはコツがいるけどな。
まず、持ち手の近くの包丁の角をミニトマトにプスッと刺して、そこから刃を入れると切りやすいんだ。そうしないと皮がうまく切れない。
あと、レタスは包丁を使わない方がいい。あんなもんは手で千切れるんだから。
むしろ包丁を使うと次第にレタスの色が悪くなり見た目が劣ってしまう。
キュウリは包丁で小口切りに。スライサーを使ってもいいが、今は出すのが面倒だった。
別にここは料理屋じゃない。家族で食べるための料理なんだから俺の切ったイビツな小口切りでいいだろ。太かったり、たまーにペラペラすぎて透けてるのとかあったり。そういうのも味ってもんだ。
切り終えて大皿に盛ったあたりで『ピーーーー』と炊飯器が鳴る。炊き上がりの合図だ。
「あっ、お兄ちゃん。いいものあったよ」
そう言って美咲が冷蔵庫から取り出したのは炉端漬けだった。ナイス発掘。
────
「お母さん遅いね」
「そろそろ帰ってくんだろ。まあ先に食おう」
「そだね。じゃあ食べよっか」
「「いただきます!!」」
俺はおかずをさっき食べたので炊きたてのご飯を冷蔵庫の奥にしまわれたまま忘れられてた期限ギリギリの炉端漬けと広島県産の小魚粉末ふりかけでいただいた。紙パックのパンプキンスープもサラダもあるし、充分だ。
10
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる