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その7『家族』編
第一話 咲刃
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58.
ここまでのあらすじ
乾春人は髙橋彩乃と犬飼真希という二人の女性に好意を向けられていた。そのどちらもハルトには甲乙つけがたく。また、その二人もお互いにかけがえのない親友同士であることから三人は今後もそのままの関係で良いとした。
未婚のままどちらも愛し合うことでハルトの愛を片方だけが奪うことなく解決という方向に落ち着いたが、そんなことが本当にずっと可能なのかは不明だった。
【登場人物紹介】
乾春人
いぬいはると
主人公。美女二名から同時に愛されるモテモテな麻雀大好きサラリーマン。あまりに常識外の急展開に当事者でありながらいまいちついていけてない感が否めない。幸せが一気に全部押し寄せてきた26歳。
髙橋彩乃
たかはしあやの
麻雀が打てる定食屋『あやの食堂』の店主。最近自分の気持ちに気付いて乾春人に猛アプローチする。甲斐あってその恋は成就した感じだが、なんだか変な形で成就したようだ。
麻雀の実力はプロなみの37歳。
犬飼真希
いぬかいまき
乾春人のことを愛するもう一人の女。髙橋彩乃とは親友で、店を手伝ったりもする。普段はあやの食堂の近くにあるカラオケスナックでオーナーとして働いている。年齢的には45歳だが若々しいメンタルからか、見た目も中身も若者に見える素晴らしい美女。
髙橋幸太郎
たかはしこうたろう
通称『メタ』の名で通っている髙橋彩乃の元夫。彩乃とは3回結婚して3回離婚した。現在は引退しているが、元競技麻雀プロで一部のトッププロしか参加出来ない『プラスアルファリーグ』にチームリーダーとして参加していた過去のある一流雀士。
左田純子
ひだりたじゅんこ
元編集長で『月刊マージャン部』という雑誌を創り出した人。行動力があり策士で野心家。どうやら『あやの食堂』も彼女の計画と支援によって作られたようである。
寒沢司
かんざわつかさ
『カン』の愛称で親しまれるあやの食堂の常連客。21歳の若さにして麻雀の腕は一流の域。勘が良くてそう簡単には放銃しない。唐揚げ定食が大好き。たまにカレーライスも頼む。
乾美咲
いぬいみさき
乾春人の妹。一流雀士のメタから麻雀の腕を褒められたことをきっかけにプロ雀士を目指して勉強中。兄妹揃ってゲームの才能があり、初心者ながらに高い勝率を出す。
髙橋祈
たかはしいのり
メタとあやのの間に産まれた娘。利発な7才。あやのの事を尊敬していてお料理の手伝いをしたがる。最近は餃子を包むのが上手くなってきた。手先が器用な小学2年生。
その7『家族 編』
第一話 咲刃
ジュンコさんとたくさん話したあの日、俺はジュンコさんと連絡先を交換した。元編集長との繋がりを持ちたいと思ったからだ。
だってほら、うちの妹のあの才能見ただろ? 本格的に小説家になれそうじゃん。本人は麻雀プロになるつもりらしいけど、兼業ってのもアリだろう? 俺は美咲の将来が楽しみなんだ。あの子は俺と違って色々な才能を持って生まれたタイプだから。
────
美咲にあやの食堂にちょくちょく来てるオバさんは左田純子さんと言って『月刊マージャン部』の元編集長だったと教えたら驚いてた。
「えっ、月刊マージャン部ってあの? 現代麻雀とで2大巨頭となる麻雀界の代表的雑誌と言ってもいい、あの月刊マージャン部??」
「そんなに有名なのか」
「当たり前じゃない。てか、お兄ちゃん先月号買ってたじゃん。あれどこで買ったか覚えてる? お兄ちゃんのことだからこのあたりで買ったでしょ?」
そうなのだ。俺は地元で買えるものは必ず地元で買うと決めている。
買い物をすることで自分の住んでいる地域を応援しているつもりなのだ。もし地元の店がどんどん閉店していったら困るのは俺だからな。
「コンビニだな。駅前の」
「でしょう? こんな田舎の小さな駅前コンビニで取り扱いされる雑誌っていうのは一流雑誌だけよ。小さな店内のほんの少しの雑誌コーナーにそれでも置いておく価値があるものと判断されてるの。それが『月刊マージャン部』ってこと」
「たしかに、そうか」
編集長というだけで充分すごいと思ったが、ジュンコさんは俺のイメージするよりもさらに上の、超すごい人なのかもしれない。
「それでな、ジュンコさんと連絡先を交換したから今度お前の小説を見てもらおうと思って」
「はっ?」
「いや、だから。この前お前麻雀小説と言えなくもない小説書いたろ。闘牌シーンなどは一切無くとも雀荘従業員と、その恋人の青春を見事に描いてた。そういうのは麻雀雑誌に載せたら読まれると思うんだよ」
「な、なるほど……。そう言う考えは全く無かったなァ。あ、そうか、なるほどなるほど……」
美咲は何かを想像して納得しているようだった。
「美咲、この前の小説を俺のケータイに転送してくれよ。そのままジュンコさんに送ってみるからさ」
「待って待って、最後に誤字脱字のチェックするから」
「そんなのAIでチェックすればよくないか?」
「私は私自身の目でチェックしておきたいの。AIチェックはそのあと」
「ふうん」
そうして、完成したほんの短い物語はジュンコさんに見事に認められ『月刊マージャン部』に新たな専属作家が登録されることになった。
そのペンネームは『咲刃』
ここまでのあらすじ
乾春人は髙橋彩乃と犬飼真希という二人の女性に好意を向けられていた。そのどちらもハルトには甲乙つけがたく。また、その二人もお互いにかけがえのない親友同士であることから三人は今後もそのままの関係で良いとした。
未婚のままどちらも愛し合うことでハルトの愛を片方だけが奪うことなく解決という方向に落ち着いたが、そんなことが本当にずっと可能なのかは不明だった。
【登場人物紹介】
乾春人
いぬいはると
主人公。美女二名から同時に愛されるモテモテな麻雀大好きサラリーマン。あまりに常識外の急展開に当事者でありながらいまいちついていけてない感が否めない。幸せが一気に全部押し寄せてきた26歳。
髙橋彩乃
たかはしあやの
麻雀が打てる定食屋『あやの食堂』の店主。最近自分の気持ちに気付いて乾春人に猛アプローチする。甲斐あってその恋は成就した感じだが、なんだか変な形で成就したようだ。
麻雀の実力はプロなみの37歳。
犬飼真希
いぬかいまき
乾春人のことを愛するもう一人の女。髙橋彩乃とは親友で、店を手伝ったりもする。普段はあやの食堂の近くにあるカラオケスナックでオーナーとして働いている。年齢的には45歳だが若々しいメンタルからか、見た目も中身も若者に見える素晴らしい美女。
髙橋幸太郎
たかはしこうたろう
通称『メタ』の名で通っている髙橋彩乃の元夫。彩乃とは3回結婚して3回離婚した。現在は引退しているが、元競技麻雀プロで一部のトッププロしか参加出来ない『プラスアルファリーグ』にチームリーダーとして参加していた過去のある一流雀士。
左田純子
ひだりたじゅんこ
元編集長で『月刊マージャン部』という雑誌を創り出した人。行動力があり策士で野心家。どうやら『あやの食堂』も彼女の計画と支援によって作られたようである。
寒沢司
かんざわつかさ
『カン』の愛称で親しまれるあやの食堂の常連客。21歳の若さにして麻雀の腕は一流の域。勘が良くてそう簡単には放銃しない。唐揚げ定食が大好き。たまにカレーライスも頼む。
乾美咲
いぬいみさき
乾春人の妹。一流雀士のメタから麻雀の腕を褒められたことをきっかけにプロ雀士を目指して勉強中。兄妹揃ってゲームの才能があり、初心者ながらに高い勝率を出す。
髙橋祈
たかはしいのり
メタとあやのの間に産まれた娘。利発な7才。あやのの事を尊敬していてお料理の手伝いをしたがる。最近は餃子を包むのが上手くなってきた。手先が器用な小学2年生。
その7『家族 編』
第一話 咲刃
ジュンコさんとたくさん話したあの日、俺はジュンコさんと連絡先を交換した。元編集長との繋がりを持ちたいと思ったからだ。
だってほら、うちの妹のあの才能見ただろ? 本格的に小説家になれそうじゃん。本人は麻雀プロになるつもりらしいけど、兼業ってのもアリだろう? 俺は美咲の将来が楽しみなんだ。あの子は俺と違って色々な才能を持って生まれたタイプだから。
────
美咲にあやの食堂にちょくちょく来てるオバさんは左田純子さんと言って『月刊マージャン部』の元編集長だったと教えたら驚いてた。
「えっ、月刊マージャン部ってあの? 現代麻雀とで2大巨頭となる麻雀界の代表的雑誌と言ってもいい、あの月刊マージャン部??」
「そんなに有名なのか」
「当たり前じゃない。てか、お兄ちゃん先月号買ってたじゃん。あれどこで買ったか覚えてる? お兄ちゃんのことだからこのあたりで買ったでしょ?」
そうなのだ。俺は地元で買えるものは必ず地元で買うと決めている。
買い物をすることで自分の住んでいる地域を応援しているつもりなのだ。もし地元の店がどんどん閉店していったら困るのは俺だからな。
「コンビニだな。駅前の」
「でしょう? こんな田舎の小さな駅前コンビニで取り扱いされる雑誌っていうのは一流雑誌だけよ。小さな店内のほんの少しの雑誌コーナーにそれでも置いておく価値があるものと判断されてるの。それが『月刊マージャン部』ってこと」
「たしかに、そうか」
編集長というだけで充分すごいと思ったが、ジュンコさんは俺のイメージするよりもさらに上の、超すごい人なのかもしれない。
「それでな、ジュンコさんと連絡先を交換したから今度お前の小説を見てもらおうと思って」
「はっ?」
「いや、だから。この前お前麻雀小説と言えなくもない小説書いたろ。闘牌シーンなどは一切無くとも雀荘従業員と、その恋人の青春を見事に描いてた。そういうのは麻雀雑誌に載せたら読まれると思うんだよ」
「な、なるほど……。そう言う考えは全く無かったなァ。あ、そうか、なるほどなるほど……」
美咲は何かを想像して納得しているようだった。
「美咲、この前の小説を俺のケータイに転送してくれよ。そのままジュンコさんに送ってみるからさ」
「待って待って、最後に誤字脱字のチェックするから」
「そんなのAIでチェックすればよくないか?」
「私は私自身の目でチェックしておきたいの。AIチェックはそのあと」
「ふうん」
そうして、完成したほんの短い物語はジュンコさんに見事に認められ『月刊マージャン部』に新たな専属作家が登録されることになった。
そのペンネームは『咲刃』
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