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その7『家族』編
第三話 冷凍うどんとタピオカ
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第三話 冷凍うどんとタピオカ
「お兄ちゃん知ってる? キャッサバってうどんにも使われてるのよ」
またキャッサバの話か。ていうか、うどん?
「へぇー、なんのために?」
「なんか歯応えがどーとか言ってた気がする。とにかく冷凍うどんにタピオカ使ってんだって【加工デンプン】とか書いてあるのがそれ。そのおかげでコシあるうどんが再現できてるとかなんとか」
「ふ~ん」
「試しに食べてみよう。冷凍うどんは冷凍庫にあるはずだから」
「え、今からかよ。俺はいいよ」
俺にとって今はもうすぐ寝る時間だ。学生の美咲とは違う。
「私はまだ今日は勉強しなきゃいけないから、お夜食作ってくれたらテスト勉強頑張れると思うなぁ。大好きなお兄ちゃんの手作りならなおさらだなぁ」
「…たく、調子のいいことばかり言って」
と言いつつも、妹からこうお願いされると弱い。年の離れた兄妹というものはえてして兄が妹の言いなりになりがちなのだ。年齢差があるがゆえに可愛くて仕方ない。
で、俺は結局うどんを作ってやった。つゆには白だし、醤油、みりん、昆布だし、かつおだしを使い2種の旨味成分による相乗効果を利用。具材はワカメ、揚げ玉、最後に薬味としてネギと柚子七味をかけたら完成だ。
「ネギすごい切るじゃん。多くない?」
「ああ、母さんが朝には帰ってくるだろ。ネギ切っておけばうどんなり納豆なり食べるかなって」
「お兄ちゃんは優しいねー」
「できたぞ」
「わあぁ~! 美味しそう」
「食べたらまた勉強がんばれよ」
「うん。お兄ちゃんありがとう。いただきます!」
ズゾゾゾゾ……チュル
「んまい!」
「そりゃよかった」
「お兄ちゃんも食べる?」
「俺はいいよ、歯磨いたし」
「お兄ちゃんにも食べて欲しいよー。すごく美味しいよ? この美味しさを分かち合いたいよぉ~」
食わなくても大体の味はわかってる。俺が作ったんだから当たり前だ。この味付けで作ったのも初めてじゃない。けど、妹がどうしてもと言って聞かない。仕方ないな。
「じゃあ一口だけ」
チュル……
(確かにうまいな。だしが効いてる)
「どう? 美味しいでしょ?」
「ああ。うまい」
俺がそう言うと美咲はニカーッと満足そうに笑顔を見せた。
(何がそんなに嬉しいんだか)
「じゃあ、俺はそろそろ寝るから。食べたら食器は片付けろな。洗わなくてもいいから水に漬けておくこと」
「はーい。おやすみ、お兄ちゃん」
「ん、おやすみ」
しかし冷凍うどん確かにうまかったな。美咲が言うようにコシがあったように感じる。これがキャッサバの効果なのかはよく分からないが、麺が美味かったのは間違いない。
俺はそのあともう一度軽く歯を磨いてから自分の部屋へと寝に行った。
寝る前にケータイを開く、するとあやのさんからメッセージが届いてた。
それは、たった一言。
"おやすみー"というものだった。
そういう挨拶とかをするだけのメッセージが届くのってなんとなく愛されてる感じがして嬉しい。だって送る必要のないことだから。それを送らなくても何も問題ない。だけど、送ってきた。そこが嬉しい。
長文のやり取りをするのもいいが、ほんの一言のメッセージが来るのはそれ以上に嬉しいものがあるな、と思い俺も"おやすみなさい"と返信した。
第三話 冷凍うどんとタピオカ
「お兄ちゃん知ってる? キャッサバってうどんにも使われてるのよ」
またキャッサバの話か。ていうか、うどん?
「へぇー、なんのために?」
「なんか歯応えがどーとか言ってた気がする。とにかく冷凍うどんにタピオカ使ってんだって【加工デンプン】とか書いてあるのがそれ。そのおかげでコシあるうどんが再現できてるとかなんとか」
「ふ~ん」
「試しに食べてみよう。冷凍うどんは冷凍庫にあるはずだから」
「え、今からかよ。俺はいいよ」
俺にとって今はもうすぐ寝る時間だ。学生の美咲とは違う。
「私はまだ今日は勉強しなきゃいけないから、お夜食作ってくれたらテスト勉強頑張れると思うなぁ。大好きなお兄ちゃんの手作りならなおさらだなぁ」
「…たく、調子のいいことばかり言って」
と言いつつも、妹からこうお願いされると弱い。年の離れた兄妹というものはえてして兄が妹の言いなりになりがちなのだ。年齢差があるがゆえに可愛くて仕方ない。
で、俺は結局うどんを作ってやった。つゆには白だし、醤油、みりん、昆布だし、かつおだしを使い2種の旨味成分による相乗効果を利用。具材はワカメ、揚げ玉、最後に薬味としてネギと柚子七味をかけたら完成だ。
「ネギすごい切るじゃん。多くない?」
「ああ、母さんが朝には帰ってくるだろ。ネギ切っておけばうどんなり納豆なり食べるかなって」
「お兄ちゃんは優しいねー」
「できたぞ」
「わあぁ~! 美味しそう」
「食べたらまた勉強がんばれよ」
「うん。お兄ちゃんありがとう。いただきます!」
ズゾゾゾゾ……チュル
「んまい!」
「そりゃよかった」
「お兄ちゃんも食べる?」
「俺はいいよ、歯磨いたし」
「お兄ちゃんにも食べて欲しいよー。すごく美味しいよ? この美味しさを分かち合いたいよぉ~」
食わなくても大体の味はわかってる。俺が作ったんだから当たり前だ。この味付けで作ったのも初めてじゃない。けど、妹がどうしてもと言って聞かない。仕方ないな。
「じゃあ一口だけ」
チュル……
(確かにうまいな。だしが効いてる)
「どう? 美味しいでしょ?」
「ああ。うまい」
俺がそう言うと美咲はニカーッと満足そうに笑顔を見せた。
(何がそんなに嬉しいんだか)
「じゃあ、俺はそろそろ寝るから。食べたら食器は片付けろな。洗わなくてもいいから水に漬けておくこと」
「はーい。おやすみ、お兄ちゃん」
「ん、おやすみ」
しかし冷凍うどん確かにうまかったな。美咲が言うようにコシがあったように感じる。これがキャッサバの効果なのかはよく分からないが、麺が美味かったのは間違いない。
俺はそのあともう一度軽く歯を磨いてから自分の部屋へと寝に行った。
寝る前にケータイを開く、するとあやのさんからメッセージが届いてた。
それは、たった一言。
"おやすみー"というものだった。
そういう挨拶とかをするだけのメッセージが届くのってなんとなく愛されてる感じがして嬉しい。だって送る必要のないことだから。それを送らなくても何も問題ない。だけど、送ってきた。そこが嬉しい。
長文のやり取りをするのもいいが、ほんの一言のメッセージが来るのはそれ以上に嬉しいものがあるな、と思い俺も"おやすみなさい"と返信した。
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