麻雀食堂−mahjong cafeteria−

彼方

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その7『家族』編

第四話 朝のコーンスープ

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第四話 朝のコーンスープ




 朝起きるとマキから

 

"おはよ~(アタシは今から寝るけど)"




 というメッセージが届いてた。メッセージが来ていたのは15分前。返信はどうしよう。絶妙に時間が経過している。今から寝るって言ってるのに返信したら迷惑になるか? いやでもたった15分だし。ウーム。悩む、が! もし自分なら(返信くるかなくるかな)とワクワクしてなかなか寝付けない可能性まである。ここは1つ、一刻も早く返信しよう。うん、それがいい。




 考えた末に今すぐ返信という結論に至り(その結論に達するまでにさらに10分くらいかけた)。




"おはよう! もう寝てたらゴメン"とメッセージを送った。すると送信するや否や既読がついて。




"大丈夫、今から寝るとこ。ぐんなーい♡(朝)"




 という返事が帰ってきた。良かった、正解だった。俺はもう仕事に行く時間なのでこれに返信することはなく急いでバタバタと家を出た。返信するしないで悩んでるうちにムダに時間をかけてしまったのだ。布団の中で悩むんじゃなくて朝ごはんでも食べながら悩めばいいのにな。効率の悪い自分に呆れる。




(強い雀士の武器は共通して素早い決断力だ。こんなことじゃダメだな、もっと精進せねば。せっかくネギ切ってあったのに。納豆ご飯くらい食べておきたかったな)なんてことを思いながら駅までの何もない住宅街を早歩きで進む。

 本当にこのへんは何もない。自販機すらない。駅前まで行けばコンビニとスーパーがあるがスーパーはまだ開いてないし、コンビニは寄る時間があるか微妙だ。

 朝の買い物はそこでしか出来ないので出勤時間の駅前コンビニはやたらと混んでる。行列に並んでいるような時間の余裕は今日は無い。




 チラリと店内を覗き見て、右手にしてる腕時計と相談する。

(うん、無理だな。諦めよう)

 空腹のまま俺は改札を抜け、ホームに降りる。自販機で飲み物を買うくらいの時間はあったので冷たいコーンスープを買うことに。少しだけでも腹に何か入れたい。




 実を言うと俺は両利きだから仕事に行く時は電子時計を右手首につけている。その方が改札を通る時に楽だから。左手首につけてると改札が全然スマートに通れないからな。

 なぜ、通常左につけるものに電子定期券機能をつけたのか。そもそも改札も改札だ。いい加減、電子時計利用者用に左側にもセンサーをつけるべきでは? もうかなり前から発売されてるものに未だに対応しようとしないのはなんなのか。電子時計の会社と鉄道業界は仲悪いのか?




 ちなみに麻雀は右手でやるようにしてる。麻雀はその方がやりやすいのだ。なのであやの食堂に行く時は基本的に時計は外すか左に付け替えるかして対応してる。けど、たまに忘れてて左手も使っちゃうんだよな。左側の山から取る時とか。リーチ棒出す時とかね。

 良くないことらしいんだけど(使う手は片手で、右手なら右手、左手なら左手で徹底するものらしい。なんでも昔は両手を使って器用にズルをする『イカサマ師』というのが居たらしく、それを防ぐという風習のなごりなんだとか)意識してないとつい両手使っちまうな。




 冷えたコーンスープは空きっ腹にしみた。




(うまい! ザラリとした舌ざわりがコーンスープを『食ってる』感があって腹を満たす!)




カーンカーンカーンカーン

(おっ、ちょうどいいタイミングだ)

 丁度スープを飲み終わったタイミングで電車が来た。だが捨ててるヒマはない。スープの缶はカバンの横ポケットに入れておこう。蓋付きだからカバンに入れても大丈夫なのが助かる。




(よし! 少し元気出た!)




 今日も一日、頑張ろう。

 







 





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