麻雀食堂−mahjong cafeteria−

彼方

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その7『家族』編

第六話 美咲の強運

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第六話 美咲の強運




 俺はその日家の近くのスーパーにある宝くじ売り場にいた。

 何か大当たりしたら買いたいものがあるとか、そういう目的があったわけではないが1枚300円のスクラッチくじを3枚買ってみた。別になんとなくだ。そういう時ってあるだろ? まあ、購入の理由は全く無いわけじゃないが。というのも今回のスクラッチくじが『麻雀スクラッチ』というくじだったから。どんだけ麻雀好きなんだよ。




 宝くじを買うのは3枚くらいがいいんだ。4枚買おうとすると1000円超えてしまうから。それはちょっと使いすぎな気がする。遊びなんだから、こんなのは。




(この10円玉で削るのが楽しいんだよな。童心に帰れるというか。昔の雑誌の付録で遊んでるみたいで)




 俺は削る前に裏面に書いてあることを読んだ。どうせならどれが大当たりかとか理解してから楽しみたい。




(ええと、なになに赤伍萬が3つ暗刻ると大当たり120万円。赤⑤筒3つだと2等30万円。赤5索3つだと3等10万円。4等から7等は東南西北の順ね。これ企画したやつ相当麻雀好きだな。三元牌とかじゃなくて赤牌を1等にもってくるのは本物の雀士の感覚じゃん!)




 まず1つ目を削る。




カリカリカリカリ




西




西




(お、いきなりリーチ? 6等1000円)




 こういうのは金額の問題以前に『当たりそう』ということだけでワクワクする。




 さあ、1000円は当たるのか? 最後の1マスを削る。




カリカリカリカリ









「ちゅん! ブハッ!」




 赤3種と風牌以外のやつも出てくんの? と思わず笑ってしまった。いや、別に笑わそうとしてるわけじゃないかもだけど無関係なやつ出てくんのって予想外じゃない?




「何笑ってんのお兄ちゃん」

「美咲。学校帰りか。早いな」

「うん、今日テストだったから」

「そっか。お疲れ様。……そうだ!」

「? なに?」




 俺は自分より強運を持っている感じのする妹に削ってもらうことにした。




「これ、宝くじ。あと2枚あるからおまえが削ってみてくれよ」

「えー、いいの? 楽しそー!」

「1マスずつ、1マスずつな……」




 俺の言う事を聞く前に美咲はもう一気に削っていた。




北 北 北




「当たった!」




「美咲はホントもう早すぎんだよ。もっとゆっくり楽しめよ! でも300円当たったな」




 言ってるうちに美咲はもう一つのくじも削っていた。




「えっ、なんか言った?」




赤伍萬 赤伍萬 白




「ほら~。これだって1個1個じっくり削っていたら大当たり120万円かもとワクワクしながら最後を楽しめたのにさぁ。……ん?」




「どしたの?」




「この白、真ん中に何かあるな」




 美咲の削り方は雑で削りきれてない部分があった。その真ん中に何かある。普通の白じゃない。




カリカリ……




「赤い、点?」




 俺は裏面のルールをもう一度よく読み返した。




 特殊牌『白ポッチ』これがリーチ後の最後のマスにあった場合は半額の当たりです。




「あ、当たっ……た?」







 …………………………………………………………………………………………………………………………………………え?







「「60万円が当たったーーー?!」」



































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