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第四章「陽を見あげる向日葵のように」
第十六話「お鍋ごはんの炊き方講座~」
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「……先生。ご指導、よろしくお願いしますっ!」
ほたか先輩があまちゃん先生に頭を下げる。
そう。これからお鍋でご飯を炊く練習なのだ。
ほたか先輩はどうやらご飯を焦がしてしまう常連さんのようなので、お鍋の炊飯に慣れている先生に指導されることになったわけだ。
私と美嶺もお鍋での炊飯に慣れていなかったので、改めて先生に深々とお辞儀をした。
「よろしくお願いしま~す」
「……ふむ。では始めるわよぉ。特に梓川さんはよ~く見ておくのよぉ」
「はい!」
あまちゃん先生はテントの脇にある水飲み場で、お鍋にお米を入れていく。
「五人分だから、お米は三合でいいわよね。まずは普通にお米を研いで、お水を調整して……」
しかし、いきなり困ったような顔をし始めた。
「あら、お鍋には線が書いてないのね。どこまでなのかしら」
「いつもは……お米の高さまで水を入れた後、入れたお米の容量と同じ水を、入れてた」
「ほぉぉ……。そういうやり方もあるのね」
「あまちゃん先生……お鍋でご飯を炊くの、慣れてたんじゃないの?」
「せ、先生が使ってたお鍋には線が……書いてあった気がするのよぉ!」
先生はちょっと慌てながらも、千景さんの言葉に従って水を調整する。
そして山用のコンロ『シングルバーナー』の上にお鍋を置いた。
「じゃあ、火にかけま~す。ええっと……『はじめちょろちょろ、なかぱっぱ』でしたっけ。……『ちょろちょろ』って何?」
初めて聞く呪文のような言葉を口にする先生。
『ちょろちょろ』と言われても、何のことなのかわからない。
「いや……知らないっす」
美嶺も首を振った。
先生はしばらく何かを考えているように黙り込んでしまったが、「調べものをしてくるわぁ」と言って、お鍋を放置してどこかに行ってしまった。
△ ▲ △ ▲ △
そして待つこと三十分。
空が少し暗くなってきた頃に先生はようやく戻ってきたのだった。
「は~い。もう完璧で~す」
「あぅぅ……。すっごく待ってましたけど……」
「ふっふっふ。この待ち時間は計算通りなので~す。お米に水を吸わせないと、芯が残っちゃいますからね! 一時間ぐらいだと完璧ですけど、暗くなっちゃいますし、この状態でいいと思うわぁ」
「……本当に計算通りなんすか?」
美嶺の冷静なツッコミにも動じない。
あまちゃん先生は改めてお鍋をシングルバーナーに乗せた。
「では火にかけるわね。最初は強火! このまま沸騰するまで行きますよぉ」
ガスの栓を緩めると同時に、着火装置が火花を吹く。
そして一気に最大火力で勢いよく青い炎が吹きあがった。
五分ぐらいたつと、蓋がカタカタを音を立て、湯気が勢いよく噴き出してくる。
「沸騰したら、すぐに弱火! 重しになる物を蓋に乗せて圧力を高めながら、中の水がなくなるまでじっくり炊くのよぉ~」
そう言って、先生は近くにあるステンレスのマグカップを蓋の上に置いた。
湯気の勢いは弱まりながらも、常に出続けている。
ご飯のいい匂いが周囲に広がり始めた。
「結局、『はじめちょろちょろ、なかぱっぱ』って何だったんですか?」
「『はじめちょろちょろ』の部分はどうやら吸水の時間だったらしいわぁ。昔は弱火でじっくり温めながら水を吸わせていたらしいの。『なかぱっぱ』の部分が火を強めて沸騰させる部分ね」
聞けば「なるほど」と思うけれど、吸水の時間だったとは、少しまぎらわしい言葉だと思った。
お鍋を見ると、さっきまでと変わらずに湯気が出続けている。
すると、ほたか先輩が不安そうに先生にたずねた。
「……あの、先生。お姉さんとしてはいつも失敗するのがこの後なんです……。どうしても中の水がなくなるタイミングがわからなくて……」
「勘よ」
「あの……先生?」
「勘よ」
「先生。ふざけては、ダメ」
あまちゃん先生がまともに答えないでいると、千景さんがぴしゃっと言った。
千景さんは真剣な目で先生を見つめている。
「伊吹さん、怒ると怖いのね……。冗談よぉ。……あのね、梓川さん。大事なのは湯気と匂いなのよ~」
「湯気と匂い……ですか?」
「この弱火の状態で湯気が出なくなった頃が、火を止めるタイミングなの。……でも止めるのが早すぎると水が残ってて、遅すぎると焦げてしまう。だから匂いを嗅ぐのよ」
「でも、あまちゃん先生。もう炊き立てご飯のいい匂いがしてますよ?」
「普通のご飯の匂いだとまだ早いのよ。ほんの少しだけ焦げっぽいにおいがしたタイミングが正解なの。梓川さん、確認してみて~」
「は……はい」
ほたか先輩はお鍋に鼻を近づけ、匂いを嗅ぎ始める。
しばらくすると、先輩の表情が変わった。
「あ……。ちょっと焦げっぽい匂いがしてきた気がします」
「そうね、今よ!」
ほたか先輩は先生の指示に従って火を止める。
そして蓋を開けようとした。
しかし先生の「まだよ!」という一声が響いた。
「……蓋を開けるのはまだ早いわ。『蒸らし』こそが大切なの。じゃあ、ここは先生に任せて!」
そう言うと、先生は鍋の蓋の上のマグカップをどかし、その代わりにまな板を置いた。
そして片手に軍手とタオルを巻き、鍋を横からつかむ。
「あの……先生。何をされるんですか?」
「梓川さん、黙ってて! 先生も初めてなんだから……。フンッ!」
先生は気合を入れて、一気に鍋をひっくり返した。
上下さかさまになった鍋は、まな板の上に置かれる形になる。
さらに先生は、その鍋全体をタオルでくるみ始めた。
「あまちゃん先生、なにしてるの?」
「言ったでしょう。『蒸らし』よ。まだこの状態のお鍋の中は少しだけ水が残ってるらしいの。それを上下さかさまにすることで全体に水が拡散し、均一な炊きあがりになると言っていたわ。そして熱いなべ底から離すことで焦げ付きも防いでくれる!」
その解説に、私たちは感嘆のため息を漏らした。
△ ▲ △ ▲ △
すっかり暗くなったグランドで、ランタンの光が揺れる。
ご飯は最高の炊きあがりだった。
「わぁぁ……」
ほたか先輩はつやつやとしたご飯粒に見とれて、言葉もでないようだ。
千景さんも嬉しそうにお鍋の中を見つめている。
「炊飯は、もう大丈夫」
「うん。これで美味しいご飯が食べれるね……」
その嬉しそうな声を聞くと、いったいどれだけの間、焦げたご飯に苦しんでいたんだろうと可哀想になってきた。
遠くに人影が見えたので視線を送ると、校舎のほうから先生がやってきた。
手にはご飯とは別の鍋を持っている。
「は~い、お待たせ~。今日はお鍋ですよぉ~」
そう言って先生が鍋の蓋を開けると、ほわほわと沸き立つ湯気の向こうには、交互に重ねられている白菜や豚肉が入っていた。
ネギやエノキも入り、薄く切られたニンジンが彩を添えている。
「ミルフィーユ鍋だぁ~! 大好きなの! ショウガとダシが効いてて最高なんだよ! あぁ~。なんか懐かしい香りがする~」
ほたか先輩が手を叩いて喜ぶ。
確かに白菜と豚肉が交互に重なっているので、この見た目がミルフィーユということなのだろう。
見ているだけでよだれが出てくるほど、美味しそうな香りが立ち上っていた。
「あまちゃん先生、いつの間に作ってたの?」
「ふっふっふ。先生だから何でもできるので~す」
「大葉も入ってるんすね。こだわりなんすか?」
「そうね。香りがいいのよねぇ~。じゃあ、冷めないうちに食べましょうか!」
ランタンの光とお鍋を囲み、みんなでご飯を食べる。
これがキャンプの醍醐味なのかもしれない。
みんなのところにご飯がいきわたり、みんなで微笑み合った。
「いただきま~すっ!」
ほたか先輩があまちゃん先生に頭を下げる。
そう。これからお鍋でご飯を炊く練習なのだ。
ほたか先輩はどうやらご飯を焦がしてしまう常連さんのようなので、お鍋の炊飯に慣れている先生に指導されることになったわけだ。
私と美嶺もお鍋での炊飯に慣れていなかったので、改めて先生に深々とお辞儀をした。
「よろしくお願いしま~す」
「……ふむ。では始めるわよぉ。特に梓川さんはよ~く見ておくのよぉ」
「はい!」
あまちゃん先生はテントの脇にある水飲み場で、お鍋にお米を入れていく。
「五人分だから、お米は三合でいいわよね。まずは普通にお米を研いで、お水を調整して……」
しかし、いきなり困ったような顔をし始めた。
「あら、お鍋には線が書いてないのね。どこまでなのかしら」
「いつもは……お米の高さまで水を入れた後、入れたお米の容量と同じ水を、入れてた」
「ほぉぉ……。そういうやり方もあるのね」
「あまちゃん先生……お鍋でご飯を炊くの、慣れてたんじゃないの?」
「せ、先生が使ってたお鍋には線が……書いてあった気がするのよぉ!」
先生はちょっと慌てながらも、千景さんの言葉に従って水を調整する。
そして山用のコンロ『シングルバーナー』の上にお鍋を置いた。
「じゃあ、火にかけま~す。ええっと……『はじめちょろちょろ、なかぱっぱ』でしたっけ。……『ちょろちょろ』って何?」
初めて聞く呪文のような言葉を口にする先生。
『ちょろちょろ』と言われても、何のことなのかわからない。
「いや……知らないっす」
美嶺も首を振った。
先生はしばらく何かを考えているように黙り込んでしまったが、「調べものをしてくるわぁ」と言って、お鍋を放置してどこかに行ってしまった。
△ ▲ △ ▲ △
そして待つこと三十分。
空が少し暗くなってきた頃に先生はようやく戻ってきたのだった。
「は~い。もう完璧で~す」
「あぅぅ……。すっごく待ってましたけど……」
「ふっふっふ。この待ち時間は計算通りなので~す。お米に水を吸わせないと、芯が残っちゃいますからね! 一時間ぐらいだと完璧ですけど、暗くなっちゃいますし、この状態でいいと思うわぁ」
「……本当に計算通りなんすか?」
美嶺の冷静なツッコミにも動じない。
あまちゃん先生は改めてお鍋をシングルバーナーに乗せた。
「では火にかけるわね。最初は強火! このまま沸騰するまで行きますよぉ」
ガスの栓を緩めると同時に、着火装置が火花を吹く。
そして一気に最大火力で勢いよく青い炎が吹きあがった。
五分ぐらいたつと、蓋がカタカタを音を立て、湯気が勢いよく噴き出してくる。
「沸騰したら、すぐに弱火! 重しになる物を蓋に乗せて圧力を高めながら、中の水がなくなるまでじっくり炊くのよぉ~」
そう言って、先生は近くにあるステンレスのマグカップを蓋の上に置いた。
湯気の勢いは弱まりながらも、常に出続けている。
ご飯のいい匂いが周囲に広がり始めた。
「結局、『はじめちょろちょろ、なかぱっぱ』って何だったんですか?」
「『はじめちょろちょろ』の部分はどうやら吸水の時間だったらしいわぁ。昔は弱火でじっくり温めながら水を吸わせていたらしいの。『なかぱっぱ』の部分が火を強めて沸騰させる部分ね」
聞けば「なるほど」と思うけれど、吸水の時間だったとは、少しまぎらわしい言葉だと思った。
お鍋を見ると、さっきまでと変わらずに湯気が出続けている。
すると、ほたか先輩が不安そうに先生にたずねた。
「……あの、先生。お姉さんとしてはいつも失敗するのがこの後なんです……。どうしても中の水がなくなるタイミングがわからなくて……」
「勘よ」
「あの……先生?」
「勘よ」
「先生。ふざけては、ダメ」
あまちゃん先生がまともに答えないでいると、千景さんがぴしゃっと言った。
千景さんは真剣な目で先生を見つめている。
「伊吹さん、怒ると怖いのね……。冗談よぉ。……あのね、梓川さん。大事なのは湯気と匂いなのよ~」
「湯気と匂い……ですか?」
「この弱火の状態で湯気が出なくなった頃が、火を止めるタイミングなの。……でも止めるのが早すぎると水が残ってて、遅すぎると焦げてしまう。だから匂いを嗅ぐのよ」
「でも、あまちゃん先生。もう炊き立てご飯のいい匂いがしてますよ?」
「普通のご飯の匂いだとまだ早いのよ。ほんの少しだけ焦げっぽいにおいがしたタイミングが正解なの。梓川さん、確認してみて~」
「は……はい」
ほたか先輩はお鍋に鼻を近づけ、匂いを嗅ぎ始める。
しばらくすると、先輩の表情が変わった。
「あ……。ちょっと焦げっぽい匂いがしてきた気がします」
「そうね、今よ!」
ほたか先輩は先生の指示に従って火を止める。
そして蓋を開けようとした。
しかし先生の「まだよ!」という一声が響いた。
「……蓋を開けるのはまだ早いわ。『蒸らし』こそが大切なの。じゃあ、ここは先生に任せて!」
そう言うと、先生は鍋の蓋の上のマグカップをどかし、その代わりにまな板を置いた。
そして片手に軍手とタオルを巻き、鍋を横からつかむ。
「あの……先生。何をされるんですか?」
「梓川さん、黙ってて! 先生も初めてなんだから……。フンッ!」
先生は気合を入れて、一気に鍋をひっくり返した。
上下さかさまになった鍋は、まな板の上に置かれる形になる。
さらに先生は、その鍋全体をタオルでくるみ始めた。
「あまちゃん先生、なにしてるの?」
「言ったでしょう。『蒸らし』よ。まだこの状態のお鍋の中は少しだけ水が残ってるらしいの。それを上下さかさまにすることで全体に水が拡散し、均一な炊きあがりになると言っていたわ。そして熱いなべ底から離すことで焦げ付きも防いでくれる!」
その解説に、私たちは感嘆のため息を漏らした。
△ ▲ △ ▲ △
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ご飯は最高の炊きあがりだった。
「わぁぁ……」
ほたか先輩はつやつやとしたご飯粒に見とれて、言葉もでないようだ。
千景さんも嬉しそうにお鍋の中を見つめている。
「炊飯は、もう大丈夫」
「うん。これで美味しいご飯が食べれるね……」
その嬉しそうな声を聞くと、いったいどれだけの間、焦げたご飯に苦しんでいたんだろうと可哀想になってきた。
遠くに人影が見えたので視線を送ると、校舎のほうから先生がやってきた。
手にはご飯とは別の鍋を持っている。
「は~い、お待たせ~。今日はお鍋ですよぉ~」
そう言って先生が鍋の蓋を開けると、ほわほわと沸き立つ湯気の向こうには、交互に重ねられている白菜や豚肉が入っていた。
ネギやエノキも入り、薄く切られたニンジンが彩を添えている。
「ミルフィーユ鍋だぁ~! 大好きなの! ショウガとダシが効いてて最高なんだよ! あぁ~。なんか懐かしい香りがする~」
ほたか先輩が手を叩いて喜ぶ。
確かに白菜と豚肉が交互に重なっているので、この見た目がミルフィーユということなのだろう。
見ているだけでよだれが出てくるほど、美味しそうな香りが立ち上っていた。
「あまちゃん先生、いつの間に作ってたの?」
「ふっふっふ。先生だから何でもできるので~す」
「大葉も入ってるんすね。こだわりなんすか?」
「そうね。香りがいいのよねぇ~。じゃあ、冷めないうちに食べましょうか!」
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