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第3章 本格的侵攻開始   か?

第37話 新年度

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 結局、二人の女の子。
 川瀬なつみちゃんと、伊織霞ちゃんは社員になった。

 新年度になったのは、彼女たちが通っていた学校からクレームが入ったからだ。
 結局、みんな同じ高校に編入して、新年度から社員となった。

 するとなぜか、一翔や芳雄がもて始めたようだ。
 大体において、彼女が出来たりして言動や見た目が変化すると、モテだす事はよくある。
 芳雄は大丈夫だろうが、一翔が調子に乗らないかが心配の種ではある。

 無茶ぶりのダンジョン潰しのおかげか、うちの会社は特外種駆除ランキングトップをぶっちぎっている。
 でも、東北から北海道。
 2月3月の、雪に埋もれたダンジョンは地獄だった。
 場所を確認してゲートを繋ぎ、一歩踏み出すとリアル壁のなか状態。
 まあ雪だけどね。

 そして、本社はうち一軒だが、なぜか官公庁の全国対応企業としてトップに載っていると会計課の課長永瀬さんから連絡が来た。
 会社の代表の電話は一応固定電話だが、リストに載っている連絡先は、俺の携帯ナンバーが書かれているようだ。
 固定電話だと、居留守をつかわれるとの注記が明記されているらしい。

 この頃から、世界各国で人工衛星のロストがささやかれ始めた。
 中にはそんな情報は一切出さない国もあるようだが、各国がお互いで見張っているためそんなウソは、通らない。

 それに天文台や市民の情報で、謎の光が月の方面から発せられていることも、知られて来始めた。
 もちろん、惑星開発責任者コバルト君の仕業である。
 なぜかここの所、魔素の濃度が上がらなくて、暇つぶしのようだ。

 魔素が上がらないのは、一司が作った魔道具。それも発電機が馬鹿のように売れているからである。特に大きなビルや工場が、買い取ってしまえば維持費は点検費用のみで、高額な電気代が必要無くなるという口コミで一気に広がった。
 ああ魔石消費用に被せたケースはすぐばれた。
 代わりに、溶鉱炉の燃料として使用先を進めた。温度がこの位で熱を発してねと言えばずっと一定の温度で燃えるらしい。



 それに合わせて、なぜか国の常用自家発電設備に係る届出や法律が一気に緩和された。対外的には、某国の天然ガスの輸入等に係る規制や石炭の輸入に関し大きく削減をする為と理由が付いている。ばい煙や、放射線の発生しない魔道具は今現在明確な害が認められていない。
 最もクリーンなエネルギーと言うことで推奨をうけた。
 これには世界各国から苦情が出たが、明確な反論が出せず、コアとなる魔道具をいま取り扱えるのが日本のみというのが気に入らないだけで、変な反論を出せば、自国が開発できなくなってしまうジレンマに陥っているようだ。

 実は、とっても忙しい3月に一つ総理に言われて作ったものがある。
 魔石一つを使って、魔力感応型フルダイブ未確認飛行物体UFO君1号機。重力調整型飛行システム搭載。飛行エネルギーは魔素の為どこまでも飛べる。
 精神波はゲートによりヘッドセットとつながっている。これにより、タイムラグもないしゲートを開き、物を落とせる構造になっている。総理に言われて作ったが、よく考えるとすごくやばいものだ。

 大きさは、5cmほどのタコ型だが、足を広げた同心円状にゲートは3mくらいまで開くことができる。
 タコが全く音を出さず飛んで来て、いきなり爆弾を産み落とす。逆に攫ってくることもできる。
 それをどこに見せて、何の話をしたかはしらない。
 どこの国で起こるのかは不明だが、ある日の夕暮れに、空をタコの軍団が飛行をしているのを見たらトラウマ一直線だろう。
 喜ぶのはモルジブとイタリア、日本くらいだろうが……いや怖いか。
 価格はいくらと聞かれて指一本と答えたら、一個100万円のつもりだったが、一億円入っていた。
 


 それはさておき、人工衛星つぶしは、ひどく散発的で、コバルト君の本体ではなく分体でのブレス。さらに魔素の問題もあり、どんどん撃てるわけではなく。地球の大気圏内に被害を及ぼす強さもなかった。
 だが、衛星を全くデブリ無しで消滅させるため。地球上ではもう姿勢制御もできず、自然落下待ったなしの古い衛星に当たったときには、地上の被害を気にすることが無くなるために喜ばれた。

 その情報を見て、真剣に地上からの高出力レーザーを開発する国がでた。破壊できなくても押し出せば良いと気が付いたからだ。ただ、古い衛星でも資源ではある。その辺りのバランスが今後の課題となりそうだ。



 そうそう、1月の末に家の入口のわきの部屋を事務所として作り直して、そこそこの形が見え始めたころ。
 井守先生から建築確認申請が必要じゃないかと話が来て、少し大騒ぎをした。
 事務所用の玄関を作った為に、柱をぶった切って鉄骨のフレームを入れたためだ。

 役場からは、作り始める前に出すものだと言われたが、DIYで作っている途中で思いついたのだから仕方がないと開き直り、うん、もめたよ。
 そのため、この際と言うことで、耐震補強から基礎補強工事まで改造を含めて申請書を出すことにした。

 そんなことを、結構な時間を取って決めたのに…… そして気が付けば。

 いつの間にか俺は…… 知らないうちに、家よりちょっと広い横の土地まで買い込んでいたようだ。
 合算で320平米、100坪にちょっと足りない96.7坪くらい。
 
 その土地に事務所込みで、新築として建てるみたいだ。
 全部の書類が、俺の名前だが、俺は詳細を知らない。
 一度、登記簿の筆をまとめるから合筆登記の専門家だと言って土地家屋調査士を井守先生が連れてきたことがあった。

 そして、気が付けば一階とは別に2階まで事務所になった、4階建ての図面が目の前にある。
 3階は、なぜかマンションな感じの住宅となっていて、4階のベランダ付き住宅が俺たちの家のようだ。
 そして気になる2階の事務所はいくつかに区切られ、その一つに、井守つぐみ法律事務所とプレートの指示があり、その横には、関口会計事務所とかプレートの指示が書かれている。

 どうやら、うちに関係する事務所をこの際でまとめたようだ。3階のマンションにも、同様に関係者の住宅らしい。計画では独身向け6部屋、家族向け2部屋らしい。

 当然俺は何も聞いていないが、実質俺の事務所に入って来る収入を完全把握している人たちだ。
 何とかなるのだろう。
 一度口を挟もうとしたら、節税ですと押し切られた。地下には、駐車場も完備とにこやかに答えられた。いやこの前の図面には書かれていなかったよね?

 でも、うちの事務所こんなに広くなくていいし、下も勝手に何か入って来るんだろうな。それなら、コンビニが欲しい。

 たしか、4畳半程度の事務所を作っていたはずなのに、壁を切ったのが悪いとはいえどうしてこうなった。

 そして、まだ横や後ろの家を買い取り、転がそうとしている計画があるようだ、これは身内の人間からではなく、そこの住人さんがにこやかに「マンションにして格安で分譲してくれるんですってね」と俺に言って来て発覚した。
 問い詰めようとしたが、井守先生や関口先生になぜだか会えない。
 どうやら、両先生には気配察知が生えたようだ。

 それと、最近役所の人間が、俺じゃなくて両先生に会いに来ているのも、不穏な気配がする。

 一体俺の周りで、何が起こっているんだ?

 美月は当然一緒に暮らしているため捕まえたが、そりゃ土地に建物を作るならお役所の人間にも申請をしないといけないでしょ。さもありなん、という感じで答えられた。

 ということで、実は2月から別のマンションで生活をしている。

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