勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり

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第4章 少しずつ変わって行く世界

第5話 初めてのお使い。

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 とりあえず、先日約束していた通り。うちの会社へ、アメリカ大使がやって来て、社員全員サインをさせられた。

 玲己も、大学でうろうろしていたから捕まえてきた。

 詳細は分らんが、ざっと説明を受け理解したところによると、アメリカ国内にいる間は、軍属相当の身分を保証してサポートもする。
 逆にこっちは、本物軍属の命令には従わなくていい。そんな、本気ですかいと叫びたくなるような、とっても便利な契約らしい。

 社員のみんなも同じで、唯一俺たちに何かを言えるのは、友人であり大統領であるジェンセン・アレクスのみ。書面にはそう書いてある。
 つまり大統領が変わったら、次の大統領には何かを言う権利はない。そんな内容。
 まあその時点で、この契約自体も終わりそうだが……。

 こっち側ではなく、書類を持ってきたアメリカ大使側も、見せると読んで呆れていたよ。

 社員各自に、社会保障番号とダンジョン軍の身分証明書それに紐づけされた銀行口座の開設。
 関係書類にサインが終わると、5月の連休前半に一度。
 軍属に俺たちの力を見せつけたいから、デモンストレーションがてら氾濫モンスター殲滅作戦をしてほしいと、紙切れ1枚の依頼書を置いて行った。

 大使から連絡してくれれば、軍が輸送機を1機出してくれるから安心してくれ。
 だが機内サービスの食事は、コンバットレーションだがなと、HAHAHAと笑いながら言われた。
 アメリカ人のジョークは分からん。
 一度食ってみたい気もするが、長々フライトするのはいやだ。

 飛行機の種類によっては興味もあるが、やはり何十時間も移動に費やしたくない。
 指定日時に合わせて勝手に行こう。
 
 作戦地は、デンバーからカンザスシティーに挟まれた広大な土地だ。
 でっかい地図に赤丸が書かれてhereと赤丸のつけられた殴り書きがあった。

〔土地が広すぎで、管理ができていないダンジョンが大量で、お手上げさあ。だから頼むよ〕
 そう言い残して、大使ご一同は帰って行った。

 5月3日10時AMにmeeting place: East Economy Lot, Denver International Airpor:なんて書いてあるけど
「時差はあーと、+15Hか、ということは4日の夜中1時だよな。夜中に出発か」

 みんなが集まっているついでに、説明をして、5月3日中に家へ集合とした。
 玲己はせっかく来たから、作戦までこっちに居ることにしたようだ。


 そんな騒動があった後。
 なつみちゃんから、壮二がこんな手紙を隠していたと、壮二を引っ張って来た。
 手紙の内容を見ると、修学旅行の案内だ。

 5月末に、2泊3日で関西方面に行くようだ。
「なんで出してこないで、黙っていた?」
 縮こまっている壮二に聞く。
「今までは、出しても殴られるだけだったから」
 その記憶があるため、出す気がなかったようだ。

「馬鹿野郎、他にも出していない物があるんじゃないか? 全部出せ」
 俺がそう言うと、一度部屋に戻り参観や発表会のお知らせが出てきた。

 そうして、壮二と話をしていると、こそっと真魚まで出して来た。
「ごめんなさい」
 真魚も行っていないな。
「そういや、いや春なら無理か。すまんな、修学旅行」
「んーん。去年通っていた学校じゃあ、友達もいなかったし良いの」
 真魚は大きく首を振った後、ニコッと笑って言う。

「とりあえず、壮二は修学旅行へ行け。友達位居るんだろう」
「行って良いの?」
 まだ緊張した感じで聞いて来る。
「あたり前だ」
 そう言って文面を見ると、
「って奈良に京都? この前、行ったなあ。まあいいや、友達と行くのは別物だろう」
 そう言って、壮二の頭をなでる。

「なつみちゃん、ありがとうな。これからも、壮二を見ておいてくれ」
 俺がそう頼むと、びしっと敬礼を返して来た。

 にへっと。顔がなっているから、お墨付き。とか思っているんだろうな。

 さっき帰った大使に、再び連絡を取る。
 真魚と壮二の分も追加で市民証をもらった。
 俺じゃなく美月が。

 ああ、言語理解みたいな魔法が欲しい。


 その後、5月3日に集まって、早めに飯を食う。
 仮眠をとることにした。
 だが、一翔の様子がおかしい。
 ちらちら、壮二となつみちゃんのじゃれあいを見ながら、ため息をつき、霞ちゃんに睨まれている。

 こいつ、そのうち霞ちゃんにも、捨てられるんじゃないか?


 さて、そんなこんなで、12時だ。
〈さて起きろ〉
 念話で叫ぶ。

 中途半端に寝たせいか、みんな辛そうだ。

 とりあえず、ダンジョン用装備に身を包む。
 構えができたようだから、ゲートを開く。
 最近の装備は、陸自に貰った装備を下半分。
 戦闘靴2型と迷彩戦闘服3型で、上は各自適当にブルゾン辺りを羽織っている。
 テッパチやアーマーも貰ったが、重いので誰も着ていない。

「じゃあ、行ってみるか」
 時刻は、12時30分。

 デンバーの空港そば、東側駐車場だったよな。
 来てみたが、広すぎてわかんないよ。
 とりあえず、マップを開き場所を確認する。

 E84TH Aveに沿って、駐車場へ移動していくと、駐車場の一角を米軍が確保していた。
「あれだな」
 ぞろぞろと移動して、二人が通路の所で立っていたから、身分証を見せる。
〔呼ばれてきました。司令部は、どこでしょうか?〕
 と美月が言うと、
〔ご案内します〕
 と言ったらしいので、付いて行く。

〔Mr.神崎さんが、到着しました〕
〔早いな。ご苦労、下がっていい〕
 さっきの兵が、出ていく。

〔はるばる悪いね。この部隊を指揮している、ハワード陸軍大佐だ。君たちは私の指揮下に、入ってもらう〕
「No way. それは話が違う」
 携帯を出し、フリフリアプリで通話ボタンを押す。
「約束が違うから、帰ると伝えてくれ」
 と伝えてから、携帯をビシッと美月に渡す。

 すると、少し美月が話をした後、「Could you hold the line please?」と言ってその携帯が、目の前の偉そうなおっさんに差し出される。
〔大統領です〕
 と言う、美月の言葉と共に。
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