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第1章 異世界との遭遇
第3話 話を聞く。うんなしだな。
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「アミサムはアミサム王国。ほかに言い様は無い。コンテネンス大陸を真ん中の山脈で分けて、アルテリウム王国とこの大陸を統治していた」
「ほう。そうなのか。そりゃあれだな、全く聞いたことがない」
横を見ると、真一も首をひねっている。
「なあばあさん。地球って聞いたことがあるか?」
「誰がばあさんだ。私はまだ55歳だ」
「そうなのか? 欧米系のせいかな。それとも苦労しているのか?」
俺が言葉を濁したのに、真一が
「そうだな。ないな」
と言いやがった。
「ないって何がじゃ」
「いや気にするな。で、地球だが?」
「そんなもの知らん」
自称ばあさんじゃないと言い切った、ばあさんみたいなおばさん?が知らんと言いきった。
「知らんか。真一どう思う?」
「そんなもの、ダンジョンを抜ければ、異世界だったに決まっている」
「なら、やることは一つ。速やかに、戻れるか確認しないと、まずくないか?」
「そうだな。帰らないと俺も通販で買った例のあれが届く。親に見られるとさすがに引かれるからな」
「なんだ? そんな怪しい物買ったのか」
そう聞くと一瞬悩むが、白状した。
「ああ。999の再現を作ろうと思って、レール用に透明アクリル材料買ったんだよ」
「そんなもの見られたって、恥ずかしくないじゃないか」
「いや折角だし、同梱で送れそうだから、スペイン語で持つって言うのもついでに試そうかと思ってな」
「スペイン語?ああ。若いなお前。まあ、行方不明にされる前に帰ろうか。時間軸が同じとは限らんからな」
「おいばあさん」
「ばあさんじゃないと、言っておろうが」
「じゃあ、お嬢ちゃん。俺たちの荷物は何処だ?」
「フン言うもんか」
そう言って、顔をそむける。
かわいくないぞ。
「なんだと。人のものを盗って返さないのを、盗人というんだ。さっき人の事を盗賊扱いしたが、お前らの方が盗人じゃないか?」
「ぐっ。いや宿泊料だ。あんな危険な所で寝ていたのを、助けやったんだ。感謝しな」
「口の減らないやつだな。まさか海賊の女船長か? ド○ラとか言う名前じゃないよな、おとなしく返さないとな。恐ろしいことが起こるぞ」
「なんじゃ。脅しても駄目じゃ」
じっと見つめていると、ふっと目をそらしたばあさん。
「よし。真一。返してくれと駄々っ子のように泣け」
「できるかぁ。馬鹿だろ。お前」
「ここには知り合いはいない。旅の恥はかき捨てだぁ」
「じゃあ、お前がやれよ」
「えっやだよ。あ~あ。あれ、高かったのに。山田の土佐打ち刃物の逸品なんだぞ」
「まあ。ばあさんが言わないなら、向こうにいる奴らに聞けば知っているだろ」
「それもそうか。そんじゃあね」
「あっ、ちょっと待て」
文句を言っているばあさんを置いて、声のする方へ走る。
まあ、俺たちの身体能力なら一瞬だ。
開けた場所に居たのは、年寄りと子供だな。
「あれ、おじちゃんたち。出てこられたの?」
小学校低学年くらいの女の子が走って来た。
「うん。お兄ちゃんたちの、持っていた道具は何処かな? 教えてくれたら飴ちゃんあげるよ」
「飴ちゃんてなあに?」
うん。ああそうか。
「はい、あーん。前金だよ。口開けて」
飴玉を取り出し、口に押し込む。
今のはパインかな? 絵面は通報案件だな。
「んー。あまあい」
「良し喰ったな。教えろ」
「えーでもー。もっとくれたら教える」
やはり女の子。この年で、男を手玉に取る術(すべ)を知っているとは。
「一方的な搾取は認められん。対価は必要だ。答えないなら、その腕一本置いていけ」
「ひっ…… うわーん」
あー。ギャン泣きされた。
これだよ。さっき真一がこれをすれば、きっと道具を返してくれたのに。
泣く声を聞き、殺気立った者が集まってくる。
「おら、道具を返せ」
そう言って、立ち上がる。
殺気のお返しに、こっちもちょっと殺気を振りまいてみる。
阿鼻叫喚とはこれ如何に。
目線は、あっちか。
爺が、ちらっと見た。
「あっち、ぽいぞ」
そう言って、奥の通路へ二人で進む。
やっぱり、ダンジョンの中だったか。
「3つ下がってドア。あそこ7階だったのか?」
「いや、向こうと同じで、10階ごとにボス部屋とは限らないんじゃないか?」
「それもそうか、このドアってさ、中に別のチームが居たら開かないとかあるのかね」
「さっき出てきていたのって、ゴブリンに、あとはコボルトとかホブ系もほんのちょっと前に出たくらいだ。絶対階層は浅いぜ」
「開けるか。……へいへいお邪魔しますよ」
そう言って、ドアを開けて踏み込む。
その瞬間、聞こえてくる怒声。
居たのは、オーク君と兵隊ゴブリン。
爺さん達とばあさん達が、俺たちの道具を握りしめ戦っている。
「あれって、ドロップ狙いか?」
「そうだな。豚肉が落ちるもんな」
俺たちも山のように持っている。
亜空間収納庫の中で眠っているから、傷んではないだろ。
「あのゴブリン。杖持っているし、少し大きいな。ホブだぜ」
「どうする?」
「目の前で死なれても面倒だし、道具も壊されちゃ困る」
「行くぞ」
「ほいよ」
その瞬間。空気がはじけた。
戦っていた爺さん達は、目の前でモンスターが爆散するのを見た。
あるものは、鎌を振り上げた瞬間。
あるものは、鉈を横なぎに振った瞬間。
相手か消えた。
「ほう。そうなのか。そりゃあれだな、全く聞いたことがない」
横を見ると、真一も首をひねっている。
「なあばあさん。地球って聞いたことがあるか?」
「誰がばあさんだ。私はまだ55歳だ」
「そうなのか? 欧米系のせいかな。それとも苦労しているのか?」
俺が言葉を濁したのに、真一が
「そうだな。ないな」
と言いやがった。
「ないって何がじゃ」
「いや気にするな。で、地球だが?」
「そんなもの知らん」
自称ばあさんじゃないと言い切った、ばあさんみたいなおばさん?が知らんと言いきった。
「知らんか。真一どう思う?」
「そんなもの、ダンジョンを抜ければ、異世界だったに決まっている」
「なら、やることは一つ。速やかに、戻れるか確認しないと、まずくないか?」
「そうだな。帰らないと俺も通販で買った例のあれが届く。親に見られるとさすがに引かれるからな」
「なんだ? そんな怪しい物買ったのか」
そう聞くと一瞬悩むが、白状した。
「ああ。999の再現を作ろうと思って、レール用に透明アクリル材料買ったんだよ」
「そんなもの見られたって、恥ずかしくないじゃないか」
「いや折角だし、同梱で送れそうだから、スペイン語で持つって言うのもついでに試そうかと思ってな」
「スペイン語?ああ。若いなお前。まあ、行方不明にされる前に帰ろうか。時間軸が同じとは限らんからな」
「おいばあさん」
「ばあさんじゃないと、言っておろうが」
「じゃあ、お嬢ちゃん。俺たちの荷物は何処だ?」
「フン言うもんか」
そう言って、顔をそむける。
かわいくないぞ。
「なんだと。人のものを盗って返さないのを、盗人というんだ。さっき人の事を盗賊扱いしたが、お前らの方が盗人じゃないか?」
「ぐっ。いや宿泊料だ。あんな危険な所で寝ていたのを、助けやったんだ。感謝しな」
「口の減らないやつだな。まさか海賊の女船長か? ド○ラとか言う名前じゃないよな、おとなしく返さないとな。恐ろしいことが起こるぞ」
「なんじゃ。脅しても駄目じゃ」
じっと見つめていると、ふっと目をそらしたばあさん。
「よし。真一。返してくれと駄々っ子のように泣け」
「できるかぁ。馬鹿だろ。お前」
「ここには知り合いはいない。旅の恥はかき捨てだぁ」
「じゃあ、お前がやれよ」
「えっやだよ。あ~あ。あれ、高かったのに。山田の土佐打ち刃物の逸品なんだぞ」
「まあ。ばあさんが言わないなら、向こうにいる奴らに聞けば知っているだろ」
「それもそうか。そんじゃあね」
「あっ、ちょっと待て」
文句を言っているばあさんを置いて、声のする方へ走る。
まあ、俺たちの身体能力なら一瞬だ。
開けた場所に居たのは、年寄りと子供だな。
「あれ、おじちゃんたち。出てこられたの?」
小学校低学年くらいの女の子が走って来た。
「うん。お兄ちゃんたちの、持っていた道具は何処かな? 教えてくれたら飴ちゃんあげるよ」
「飴ちゃんてなあに?」
うん。ああそうか。
「はい、あーん。前金だよ。口開けて」
飴玉を取り出し、口に押し込む。
今のはパインかな? 絵面は通報案件だな。
「んー。あまあい」
「良し喰ったな。教えろ」
「えーでもー。もっとくれたら教える」
やはり女の子。この年で、男を手玉に取る術(すべ)を知っているとは。
「一方的な搾取は認められん。対価は必要だ。答えないなら、その腕一本置いていけ」
「ひっ…… うわーん」
あー。ギャン泣きされた。
これだよ。さっき真一がこれをすれば、きっと道具を返してくれたのに。
泣く声を聞き、殺気立った者が集まってくる。
「おら、道具を返せ」
そう言って、立ち上がる。
殺気のお返しに、こっちもちょっと殺気を振りまいてみる。
阿鼻叫喚とはこれ如何に。
目線は、あっちか。
爺が、ちらっと見た。
「あっち、ぽいぞ」
そう言って、奥の通路へ二人で進む。
やっぱり、ダンジョンの中だったか。
「3つ下がってドア。あそこ7階だったのか?」
「いや、向こうと同じで、10階ごとにボス部屋とは限らないんじゃないか?」
「それもそうか、このドアってさ、中に別のチームが居たら開かないとかあるのかね」
「さっき出てきていたのって、ゴブリンに、あとはコボルトとかホブ系もほんのちょっと前に出たくらいだ。絶対階層は浅いぜ」
「開けるか。……へいへいお邪魔しますよ」
そう言って、ドアを開けて踏み込む。
その瞬間、聞こえてくる怒声。
居たのは、オーク君と兵隊ゴブリン。
爺さん達とばあさん達が、俺たちの道具を握りしめ戦っている。
「あれって、ドロップ狙いか?」
「そうだな。豚肉が落ちるもんな」
俺たちも山のように持っている。
亜空間収納庫の中で眠っているから、傷んではないだろ。
「あのゴブリン。杖持っているし、少し大きいな。ホブだぜ」
「どうする?」
「目の前で死なれても面倒だし、道具も壊されちゃ困る」
「行くぞ」
「ほいよ」
その瞬間。空気がはじけた。
戦っていた爺さん達は、目の前でモンスターが爆散するのを見た。
あるものは、鎌を振り上げた瞬間。
あるものは、鉈を横なぎに振った瞬間。
相手か消えた。
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