45 / 55
第四章 脅威は広がっていた
第45話 過去の話
しおりを挟む
「おい、お前誘ってこい」
横山 晃司はクラスのいじめられっ子。
始まりは、一年のくせに彼女がいるなんて、生意気だと訳の分からない理由だった。
その子が本当に彼女なら、問題がないわけでも無いが、単なる同中で話をしていただけ。
そして先輩は、俺達にも愛情を分けておくれと彼女にねだり、股間を蹴られて逃げられた。
それでさらにまあ、生意気だと……
もうね。
そして、同じ部活に所属をするクラスメートまで、彼をぱしりとして使うようになった。
「水祭さんを? 本気ですか?」
話を聞いて驚いた。
「ああ、なんだそりゃ? てめえ、横山のくせに意見するとは百万年はええ」
そう彼女の家は、旧家で、武道か何かを教えていて、門下生には警察官とか暴力組織の人とかが居ると噂になっている。
へたに関わると沈められる。
そんな噂が立っていた。
「まあ良いですけれど、知りませんよ」
そう言ったら殴られた。
「すみません。そういう事で行ってもらえますか?」
説明をすると、彼女はきょとんとしている。
初めて身近で見たけれど、まつげは長く、色白で、本当にお嬢さんという感じ。
噂では彼女も怖いと言っていたが、そんな感じには見えない。
「ええと、すみません。よく分からないけれど、部室で同級生とか先輩が私を襲うために待機しているから…… 行って欲しいと聞こえたんだけど……」
全くその通り。
俺はうんうんと頷く。
「そうです。中に居るのは屑ですので、海に沈めるなり山に埋めるなり好きにしてください」
俺はそうお願いをする。
ついぎゅっと手を握ってしまった。
彼女はじっと見てくる。
手は繋いだままで、特に嫌がられていない。
こっちがドキドキしてきた。
「ひょっとして、虐められているとか?」
「はい、そうです」
そう言うと、うーんと、彼女は悩み始める。
「分かった何とかするから、手を離してくれる?」
「あっはい、すみません」
手を離すと、一瞬彼女の手が霞んだ気がした。
雫は、手をミストで消毒をした後答える。
「約束は十六時なのね?」
「はい、そうです」
「分かったわ、潰してみるから。安心をして」
彼女はそう言って、ニコッと笑ってくれた。
マジ天使だ……
俺は、姿が見えなくなるまで、見送る。
まあ教室目の前だから、二秒くらい?
その日、これでいじめがなくなると考えたら、ものすごく嬉しくなった。
「はっ、後日、菓子折とか必要なんだろうか?」
などと考えて、いたらあっという間に放課後になる。
クラスから、ニヤニヤしながらいじめっ子達が出て行く。
雫のクラスでも、幾人かが嬉しそうに教室を出て行く。
「なんだあれ?」
「うーん。エアサッカー部の連中が、部室で私を襲いたいらしいのよね」
「部室で襲う? なんだそりゃ?」
そう聞くと、分かっているくせにと、雫の肘打ちが、颯司の脇腹を襲う。
パシッと払うと、雫はくるっと回り力を逃がす。
「私に興味があって、色々としたいみたいよ」
そう言って雫は、颯司をじっと見る。
未だに、誘っても手を出してくれなくて雫は悩んでいた。
嫌いなの? そう聞くと好きだよと答える。
でもそれは、朱莉にも同じ。
思春期のギクシャクの中で、連携のために付き合いもありかと思うが、ギクシャクしだしたときには、命が危ないと颯司は考え一歩が踏み出せない。
無論、どっちと付き合うという問題もある。
「行こうか?」
「あーうん。潰したいからさ、先生も呼んできて、コミュニケーションアプリにメッセージを送るから分かった。うーんすでに準備はできて、部室棟の両側に見張りがいるな」
「分かった、行ってくる」
そう言うと、ぎゅっと抱きついてくる。
つい普段のつもりで、儀式をする。
そうお小遣い稼ぎで、一度ミスった後、このおまじないを望むようになった。
だがここは教室。
音が止まる。
「じゃあ行ってくるね」
そう言って、雫が出た後、ざわざわが始まる。
「うーん。あれ良いわね。私もしよう」
朱莉がニヤニヤし始める。
「あの後、雫は怖かったらしくてね」
「ああ、あの時ね」
「それでまあ、戦うための儀式が始まったんだ」
「むう。私も怖いのぉ」
朱莉がそう言うと、後ろから声が聞こえる。
「私も怖いのぉ…… ……さあ、職員室へ向かっておこうぜ」
陸斗がそう言って、抱きついてきたので躱す。
「ああ、そうだな」
そうして待っていると、『たすけてえ、犯される。エアサッカー部の部室』とメッセージが来る。
「先生大変です。学内で、強姦事件です」
そう襲われているとか行っても動かない。
重要であることを伝える。
「そんなばかな、ふざけた……」
たまたまいた先生だが、俺達の顔をみて固まる。
そう俺達が絡むと、小さな事件でも大きくなる。
「場所はどこだ?」
「エアサッカー部の部室です」
「あいつらか……」
エアサッカーがどういう部活か知らない、商品としてホバータイプの円盤はある様だが、それとは関係ないらしい。
少し前。
「おっ、本当に一人で来た」
つかつかと近寄り、部室のドアを開ける。
「あなたたちも仲間なんでしょ? 入ったら?」
そう言って外にいた二人を中に入れ、ドアを閉める。
その瞬間に、部室の隙間から水が噴き出す。
最初は、きちんと襲われるつもりだった。
そう考えたのだが、触れられるのはもってのほか、目付きも、空気もすべていや。どう考えても我慢ができないと思い、どうせ中に居るのは、汚物ね。汚物は丸洗いと、短絡的に決めた。
朱莉なら丸焼きだから、それよりはましだっただろう。
横山 晃司はクラスのいじめられっ子。
始まりは、一年のくせに彼女がいるなんて、生意気だと訳の分からない理由だった。
その子が本当に彼女なら、問題がないわけでも無いが、単なる同中で話をしていただけ。
そして先輩は、俺達にも愛情を分けておくれと彼女にねだり、股間を蹴られて逃げられた。
それでさらにまあ、生意気だと……
もうね。
そして、同じ部活に所属をするクラスメートまで、彼をぱしりとして使うようになった。
「水祭さんを? 本気ですか?」
話を聞いて驚いた。
「ああ、なんだそりゃ? てめえ、横山のくせに意見するとは百万年はええ」
そう彼女の家は、旧家で、武道か何かを教えていて、門下生には警察官とか暴力組織の人とかが居ると噂になっている。
へたに関わると沈められる。
そんな噂が立っていた。
「まあ良いですけれど、知りませんよ」
そう言ったら殴られた。
「すみません。そういう事で行ってもらえますか?」
説明をすると、彼女はきょとんとしている。
初めて身近で見たけれど、まつげは長く、色白で、本当にお嬢さんという感じ。
噂では彼女も怖いと言っていたが、そんな感じには見えない。
「ええと、すみません。よく分からないけれど、部室で同級生とか先輩が私を襲うために待機しているから…… 行って欲しいと聞こえたんだけど……」
全くその通り。
俺はうんうんと頷く。
「そうです。中に居るのは屑ですので、海に沈めるなり山に埋めるなり好きにしてください」
俺はそうお願いをする。
ついぎゅっと手を握ってしまった。
彼女はじっと見てくる。
手は繋いだままで、特に嫌がられていない。
こっちがドキドキしてきた。
「ひょっとして、虐められているとか?」
「はい、そうです」
そう言うと、うーんと、彼女は悩み始める。
「分かった何とかするから、手を離してくれる?」
「あっはい、すみません」
手を離すと、一瞬彼女の手が霞んだ気がした。
雫は、手をミストで消毒をした後答える。
「約束は十六時なのね?」
「はい、そうです」
「分かったわ、潰してみるから。安心をして」
彼女はそう言って、ニコッと笑ってくれた。
マジ天使だ……
俺は、姿が見えなくなるまで、見送る。
まあ教室目の前だから、二秒くらい?
その日、これでいじめがなくなると考えたら、ものすごく嬉しくなった。
「はっ、後日、菓子折とか必要なんだろうか?」
などと考えて、いたらあっという間に放課後になる。
クラスから、ニヤニヤしながらいじめっ子達が出て行く。
雫のクラスでも、幾人かが嬉しそうに教室を出て行く。
「なんだあれ?」
「うーん。エアサッカー部の連中が、部室で私を襲いたいらしいのよね」
「部室で襲う? なんだそりゃ?」
そう聞くと、分かっているくせにと、雫の肘打ちが、颯司の脇腹を襲う。
パシッと払うと、雫はくるっと回り力を逃がす。
「私に興味があって、色々としたいみたいよ」
そう言って雫は、颯司をじっと見る。
未だに、誘っても手を出してくれなくて雫は悩んでいた。
嫌いなの? そう聞くと好きだよと答える。
でもそれは、朱莉にも同じ。
思春期のギクシャクの中で、連携のために付き合いもありかと思うが、ギクシャクしだしたときには、命が危ないと颯司は考え一歩が踏み出せない。
無論、どっちと付き合うという問題もある。
「行こうか?」
「あーうん。潰したいからさ、先生も呼んできて、コミュニケーションアプリにメッセージを送るから分かった。うーんすでに準備はできて、部室棟の両側に見張りがいるな」
「分かった、行ってくる」
そう言うと、ぎゅっと抱きついてくる。
つい普段のつもりで、儀式をする。
そうお小遣い稼ぎで、一度ミスった後、このおまじないを望むようになった。
だがここは教室。
音が止まる。
「じゃあ行ってくるね」
そう言って、雫が出た後、ざわざわが始まる。
「うーん。あれ良いわね。私もしよう」
朱莉がニヤニヤし始める。
「あの後、雫は怖かったらしくてね」
「ああ、あの時ね」
「それでまあ、戦うための儀式が始まったんだ」
「むう。私も怖いのぉ」
朱莉がそう言うと、後ろから声が聞こえる。
「私も怖いのぉ…… ……さあ、職員室へ向かっておこうぜ」
陸斗がそう言って、抱きついてきたので躱す。
「ああ、そうだな」
そうして待っていると、『たすけてえ、犯される。エアサッカー部の部室』とメッセージが来る。
「先生大変です。学内で、強姦事件です」
そう襲われているとか行っても動かない。
重要であることを伝える。
「そんなばかな、ふざけた……」
たまたまいた先生だが、俺達の顔をみて固まる。
そう俺達が絡むと、小さな事件でも大きくなる。
「場所はどこだ?」
「エアサッカー部の部室です」
「あいつらか……」
エアサッカーがどういう部活か知らない、商品としてホバータイプの円盤はある様だが、それとは関係ないらしい。
少し前。
「おっ、本当に一人で来た」
つかつかと近寄り、部室のドアを開ける。
「あなたたちも仲間なんでしょ? 入ったら?」
そう言って外にいた二人を中に入れ、ドアを閉める。
その瞬間に、部室の隙間から水が噴き出す。
最初は、きちんと襲われるつもりだった。
そう考えたのだが、触れられるのはもってのほか、目付きも、空気もすべていや。どう考えても我慢ができないと思い、どうせ中に居るのは、汚物ね。汚物は丸洗いと、短絡的に決めた。
朱莉なら丸焼きだから、それよりはましだっただろう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる