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第三章 国との関わり
第45話 謎の最強ハンター
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「でっ、何がどうなったの?」
「はっ?」
まどかと彩。翌朝、学校へ行くときの会話。
当然だが、彩にとって、昨日から最も気になる話題だ。
まどかの方はそんな事、気にもならなくなっていた。
「伶菜の力」
むうという感じで、彩がふくれっ面になる。
完全に聞くのを忘れていたが、感じた光を思い出す。
「モンスターを倒して、その特典みたいね」
適当だが、その言葉は本質を捕らえていた。たまたまだが。
「倒した数は、圧倒的に私の方が多いのに」
「人間的な徳の差?」
軽く言った言葉だが、なにげにひどい。
だが、彩には理解できない。
「そうなんだぁ。徳ってどうやれば上がるの?」
「良いことをする? かなあ」
これまた、適当に返す。
「そうかあ。それじゃあ。頑張ろう」
そう納得をして、何かに闘志を燃やし始める彩。
竜司の幼馴染みとして、絶好のヒロインポジションにいたはずが、気がつけば最下位。考えれば、不幸ともいえる。
そんな平和な日本と違い、ヨーロッパのあるところ。
古城の跡地。
そこに存在をする、ひっそりとした地下室で、ある男が目を覚ます。
ディアヌ=ベルト=アンジェリク=マリユス伯爵。俗に言われる吸血鬼である。
いま、数百年の眠りから目覚める。
「おおう。畜生め。教会の手の者達、無茶苦茶に杭を打ちこみおって」
棺桶の蓋をずらし、這い出してくる。
「さて、時が来て目が覚めたようだが、地上はどのようになっておるのか、楽しみだ。あの舞踏会とかは、食事には持って来いだったからなあ。ふふっはっはっは」
そう言って這い出し、地上への階段を上る。
地上に向けて、爪を伸ばす。
フェンシングの剣のように鋭く伸びた爪は、石に穴を開ける。
わずかに、隙間を空けて外をうかがう。
流石に、日の光をもろに喰らうとダメージが大きい。
「うん? 大丈夫そうだな。外へ出た瞬間、焼け狂うのは避けたい」
そうして、数百キロはありそうな、石のブロックを押し上げる。
「よっ」
外へ出て吸う空気は、お世辞にも美味くかなかった。
それに、何処までも続いていた森は姿を消し、周辺にわずかに残るだけ。
「なんだこれは?」
そして町を見れば、嫌な周波数を含む光が広がっている。
「焼けるほどではないが、なんだこれは? 私は一体どのくらい眠っていたと言うんだ?」
煌々と輝く明かり、嫌な空気。
そして、周りから近付く変な気配。
そうゴブリン達が、やって来た。
「なんだおまえら、古に居たが復活をしたのか?」
そう、昔実験的に散布をされ、世界中で各種のモンスターが生まれた。
吸血鬼は、それの生き残り。
明るくなった世界と、古代の生物。
伯爵は、困惑をするばかり。
とりあえず倒してみる。
その騒動に、ウルフたちも参加。
そして、オークまで。
前菜から、メインまで倒して、伯爵はぶっ倒れる。
そう、その時代には撒かれなかった薬剤。
命を吸収して、進化をする。
その洗礼を受ける。
伯爵は目を覚ました。
日はすっかりと昇り、時間は正午くらいだろう。
いつ以来か、伯爵は日の当たる世界を見る。
うん?
一瞬焦るが、身体に異常はない。
偽装外殻である服も、異常はないようだ。
周りでは、またもやモンスター達がたむろしているが、無意識に張ったシールドが守っている。
「ほう。これは便利だ」
何か力を得たらしい。
腕を横に一閃すると、周りに居たモンスター達が半分になり倒れていく。
そこには鋭く伸びた爪。
意識をすると、元の長さに戻る。
従来の、力はそのまま。
人間離れした力と速度。
日の光も問題ない。
喉の渇きまでなくなっている。
さっきモンスターを狩ることで、少し潤された気もするが、良いだろう。
そうして町中へと歩き始める。
そうして、決まり事のように、大体イベントに遭遇をする。
襲われている女の子を見つけて、助けに入る。
「大丈夫かい?」
そう言って、伯爵から逃げようとして躓き、転がりそうになった彼女を、左手で彼女を支える。奇妙な服を着ているし、多少痩せ過ぎだがいいだろう。
「あっ。ありがとうございます。――ですが、離してもらえます?」
そう言うと、彼女は、礼は言ったぜ、みたいな感じで離れていった。
伯爵の格好は、襟やそでにジャボと呼ばれるフリルの付いた格好。
そして、セミロングに伸びた髪の毛で、小太り。それと、匂い。
よく見れば、道行く人も自分を避けていく。
すぐにパトカーが駆けつけて、逮捕される。
「名前は?」
「ディアヌ=ベルト=アンジェリク=マリユス伯爵」
「伯爵だぁ?」
「領地は、アキテーヌ公領の一部に荘園を持っていた」
「歴史で習ったな。一四世紀だったか?」
「貴族相互支援協会に聞いてみるか?」
「やめとけ。くせえし。こんなおかしな奴紹介しても、仕方が無い。ホームレスの支援団体に放り込め」
そうして適当な処置で、ホームレスの救済会へ放り込まれた。
だがそこで、能力があることが解り、ハンターとして登録される。
名前は長すぎると言って、名前は、ディアヌ=マリユスとされた。
当然だが、すぐに頭角を現す。
なんせ、死に対して、恐怖心が無い。
変異した後も、不死かどうかは解っていないのに。
陽光の下で、はっちゃける。
日本では、彩が徳を積むためにはっちゃけ。
まどかは、先の先を読む動きと、細かにコントロールできるようになった、モンスターを操り無双する。
そして。
「竜司。ここじゃ、ゆっくりできないから」
そう言って、マイリに宇宙船へ連れ込まれ、賢者からの指令を受け取る。
「はっ?」
まどかと彩。翌朝、学校へ行くときの会話。
当然だが、彩にとって、昨日から最も気になる話題だ。
まどかの方はそんな事、気にもならなくなっていた。
「伶菜の力」
むうという感じで、彩がふくれっ面になる。
完全に聞くのを忘れていたが、感じた光を思い出す。
「モンスターを倒して、その特典みたいね」
適当だが、その言葉は本質を捕らえていた。たまたまだが。
「倒した数は、圧倒的に私の方が多いのに」
「人間的な徳の差?」
軽く言った言葉だが、なにげにひどい。
だが、彩には理解できない。
「そうなんだぁ。徳ってどうやれば上がるの?」
「良いことをする? かなあ」
これまた、適当に返す。
「そうかあ。それじゃあ。頑張ろう」
そう納得をして、何かに闘志を燃やし始める彩。
竜司の幼馴染みとして、絶好のヒロインポジションにいたはずが、気がつけば最下位。考えれば、不幸ともいえる。
そんな平和な日本と違い、ヨーロッパのあるところ。
古城の跡地。
そこに存在をする、ひっそりとした地下室で、ある男が目を覚ます。
ディアヌ=ベルト=アンジェリク=マリユス伯爵。俗に言われる吸血鬼である。
いま、数百年の眠りから目覚める。
「おおう。畜生め。教会の手の者達、無茶苦茶に杭を打ちこみおって」
棺桶の蓋をずらし、這い出してくる。
「さて、時が来て目が覚めたようだが、地上はどのようになっておるのか、楽しみだ。あの舞踏会とかは、食事には持って来いだったからなあ。ふふっはっはっは」
そう言って這い出し、地上への階段を上る。
地上に向けて、爪を伸ばす。
フェンシングの剣のように鋭く伸びた爪は、石に穴を開ける。
わずかに、隙間を空けて外をうかがう。
流石に、日の光をもろに喰らうとダメージが大きい。
「うん? 大丈夫そうだな。外へ出た瞬間、焼け狂うのは避けたい」
そうして、数百キロはありそうな、石のブロックを押し上げる。
「よっ」
外へ出て吸う空気は、お世辞にも美味くかなかった。
それに、何処までも続いていた森は姿を消し、周辺にわずかに残るだけ。
「なんだこれは?」
そして町を見れば、嫌な周波数を含む光が広がっている。
「焼けるほどではないが、なんだこれは? 私は一体どのくらい眠っていたと言うんだ?」
煌々と輝く明かり、嫌な空気。
そして、周りから近付く変な気配。
そうゴブリン達が、やって来た。
「なんだおまえら、古に居たが復活をしたのか?」
そう、昔実験的に散布をされ、世界中で各種のモンスターが生まれた。
吸血鬼は、それの生き残り。
明るくなった世界と、古代の生物。
伯爵は、困惑をするばかり。
とりあえず倒してみる。
その騒動に、ウルフたちも参加。
そして、オークまで。
前菜から、メインまで倒して、伯爵はぶっ倒れる。
そう、その時代には撒かれなかった薬剤。
命を吸収して、進化をする。
その洗礼を受ける。
伯爵は目を覚ました。
日はすっかりと昇り、時間は正午くらいだろう。
いつ以来か、伯爵は日の当たる世界を見る。
うん?
一瞬焦るが、身体に異常はない。
偽装外殻である服も、異常はないようだ。
周りでは、またもやモンスター達がたむろしているが、無意識に張ったシールドが守っている。
「ほう。これは便利だ」
何か力を得たらしい。
腕を横に一閃すると、周りに居たモンスター達が半分になり倒れていく。
そこには鋭く伸びた爪。
意識をすると、元の長さに戻る。
従来の、力はそのまま。
人間離れした力と速度。
日の光も問題ない。
喉の渇きまでなくなっている。
さっきモンスターを狩ることで、少し潤された気もするが、良いだろう。
そうして町中へと歩き始める。
そうして、決まり事のように、大体イベントに遭遇をする。
襲われている女の子を見つけて、助けに入る。
「大丈夫かい?」
そう言って、伯爵から逃げようとして躓き、転がりそうになった彼女を、左手で彼女を支える。奇妙な服を着ているし、多少痩せ過ぎだがいいだろう。
「あっ。ありがとうございます。――ですが、離してもらえます?」
そう言うと、彼女は、礼は言ったぜ、みたいな感じで離れていった。
伯爵の格好は、襟やそでにジャボと呼ばれるフリルの付いた格好。
そして、セミロングに伸びた髪の毛で、小太り。それと、匂い。
よく見れば、道行く人も自分を避けていく。
すぐにパトカーが駆けつけて、逮捕される。
「名前は?」
「ディアヌ=ベルト=アンジェリク=マリユス伯爵」
「伯爵だぁ?」
「領地は、アキテーヌ公領の一部に荘園を持っていた」
「歴史で習ったな。一四世紀だったか?」
「貴族相互支援協会に聞いてみるか?」
「やめとけ。くせえし。こんなおかしな奴紹介しても、仕方が無い。ホームレスの支援団体に放り込め」
そうして適当な処置で、ホームレスの救済会へ放り込まれた。
だがそこで、能力があることが解り、ハンターとして登録される。
名前は長すぎると言って、名前は、ディアヌ=マリユスとされた。
当然だが、すぐに頭角を現す。
なんせ、死に対して、恐怖心が無い。
変異した後も、不死かどうかは解っていないのに。
陽光の下で、はっちゃける。
日本では、彩が徳を積むためにはっちゃけ。
まどかは、先の先を読む動きと、細かにコントロールできるようになった、モンスターを操り無双する。
そして。
「竜司。ここじゃ、ゆっくりできないから」
そう言って、マイリに宇宙船へ連れ込まれ、賢者からの指令を受け取る。
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