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第五章 星々は移ろい、種族は邂逅する。
第100話 遠く、銀河同士は重なり合う
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従来、銀河系とアンドロメダ銀河の衝突合体は、約40億年以内に発生すると予測されていた。
だが、すでにこれが起こり始めた。
天の川銀河はその大きさで、一〇五七〇〇光年あり、それが起こってもはるか遠くの話し。だがそれは、ものすごいスピードで進み始める。
当初、双方の距離は二〇〇光年はあると計算されていた。
だが、一気にその距離は詰まり、接触を開始した。
星々は衝突し、破壊と融合を繰り返す。
ただ静かに。
竜司が移動のために宇宙船へ来ると、アラートが鳴っていた。
「なんだ?」
「通信のようです。録画を出します」
マイリがそう言って、モニターに出すとばあさんがどアップで映る。
「ミー=キャエル。よくお聞き。ついに銀河同士の重なりが始まった。そちらの惑星系にもシールドは張ったから大丈夫だと思うが、何が起こるかはわからない。むろん演算結果では大丈夫となっているが、妙なエネルギーを感知した。何かがあればあんたが何とかをしな。それと近々我々の存在をそちらに示すため使者を送る。伝えられるなら伝えといてくれ」
さらっと、そんな無茶情報が投げられた。
「あー。シールドはありがたいが。来ると言ったら。来るんだろうな」
頭に浮かぶ軍の対惑星高機動部隊。
それの殲滅隊と呼ばれた、我々を運ぶ箱船パンゲア。
「あいつら元気かな?」
ふと部隊の面々。副官だったセル=ビームとスローム=カーンが脳裏に浮かぶ。
「とりあえず、いつ来るのかはわからないが、星々の現状とドラガシメル人が来ること。それとシールドのことを、橋本さん経由で伝えよう。たまには仕事させないと、あの人達、単なる居候になっているからな」
竜司がお気楽に伝えたその情報は、世界中をあっという間に巡り、来たときにその代表を選ぶことで騒動になる。
まあ、アメリカはもちろんだが、声の大きい国は幾つもある。
「騒ぎになっている様だが、言葉はどうするんだろ?」
「船から送った情報があります。そして、作戦の中でいくつかは私が聞いた言葉を送っています」
有能マイリが、お仕事をしていたらしい。
そして通知した情報を精査するが、少し前にあった空間のゆがみは消えたようだ。
それは、シールドを張ったときの、エネルギー干渉で起こったモノらしく今は無くなったようだ。
そのため、今どうなっているのかは見られない。
だが、異常な力を持つ、竜司からの情報。
彼が、天使だという情報は、今では公然の事実となっており、世界のトップでは信じられている。
そうして、ある日。月の近くに光点が幾つも光り出す。
その船は、全長三キロ程度。
形は、黄金三角形であり。長い2辺と短い辺の長さの比 が黄金律である、二分の一プラス、ルート五になっている二等辺三角形である。
艦載機や、パワードスーツに居住区。重力は底面側に一G。
その主力は、アドトリテスと呼ばれる主砲。
性能は主な惑星を、一撃で粉砕できる振動粒子砲を装備している。
そして、地殻破壊弾。クラスター型気化爆弾。
とまあ、一艦で、一星系を破壊できる。
そいつが、五隻もやってきた。
月から地球までの距離は、およそ三八万キロメートル。
光の速さで表すと一・三光秒の距離。と言う事は、一・三秒後には、気づく人間は気がつく。
そして、彼らにしてはゆっくりと。
地球人にしてみれば超高速で、彼らはやって来た。
「隊長がいるのは、あのでかい大陸の外れ。そこの島らしいぞ」
「でかい海があるから、丁度良い。そこへ降ろせ」
権限もないのに、上官を無視して艦隊に命令を出すスローム=カーン達。
とまあ、東京沖にやって来る。
当然だが、いきなりスクランブルの、日米。
だが、接敵をすると、その大きさに戸惑う。
「大きい。そしてどうやって浮いているのか不明」
「絶対手を出すな。彼らは、地殻を破壊する武器や、ユーラシアレベルを一瞬で焼き払う武器を持っているようだ」
そして、ニュースでそれを見た竜司は、マイリと共に腰を上げる。
「ちょっと行ってくる」
そう言って宇宙船から飛ぶかと考えたが、きっちりブロックをされていた。
仕方ない。
翼を生やし、船の前に転移をする。
いきなり、高エネルーギー生物出現。
「モニター」
「はっ」
そして映される竜司その背中には、輝く三対の羽。
「セクスタプレト。アストラルスキャン」
「地球産の知的生命体で、羽を持つ者は居なかったはずだが」
「スキャン終了。登録があります。軍方面隊隊長ミー=キャエル様です。現在もなぜか登録済みで階級中将」
「はっ?」
報告を受けた、この地球方面臨時使節部隊の司令アンジェル=カンテ准将は困惑をする。
「ミー=キャエル様? 階級中将? かの方は亡くなったはずでは」
カンテ准将は、在りし日のミー=キャエルを思い浮かべる。
だが目の前に、浮かんでいるのは、どう見ても翼の生えた猿。
「スキャン結果。再確認」
とまあ少し焦っているところに、通信が割り込んでくる。
「なんだ。本国から?」
その影像は、五隻全部に割り込む。
「そろそろ、ミー=キャエルに出会っただろう」
そうしゃべる相手は、賢者様。
映像を見た全員が、跪く。
「少し、色々あってね。地球人としてあの子は蘇った。だからついでにあの子を特使としたから。皆従うようにね。それじゃあ」
竜司は考える。見えているはずなのに、反応が無いな?
「遅いな」
「攻撃をしますか?」
「ちょっと待とうか」
最近ちょっと攻撃的なマイリ。あわてて止める。
だが、すでにこれが起こり始めた。
天の川銀河はその大きさで、一〇五七〇〇光年あり、それが起こってもはるか遠くの話し。だがそれは、ものすごいスピードで進み始める。
当初、双方の距離は二〇〇光年はあると計算されていた。
だが、一気にその距離は詰まり、接触を開始した。
星々は衝突し、破壊と融合を繰り返す。
ただ静かに。
竜司が移動のために宇宙船へ来ると、アラートが鳴っていた。
「なんだ?」
「通信のようです。録画を出します」
マイリがそう言って、モニターに出すとばあさんがどアップで映る。
「ミー=キャエル。よくお聞き。ついに銀河同士の重なりが始まった。そちらの惑星系にもシールドは張ったから大丈夫だと思うが、何が起こるかはわからない。むろん演算結果では大丈夫となっているが、妙なエネルギーを感知した。何かがあればあんたが何とかをしな。それと近々我々の存在をそちらに示すため使者を送る。伝えられるなら伝えといてくれ」
さらっと、そんな無茶情報が投げられた。
「あー。シールドはありがたいが。来ると言ったら。来るんだろうな」
頭に浮かぶ軍の対惑星高機動部隊。
それの殲滅隊と呼ばれた、我々を運ぶ箱船パンゲア。
「あいつら元気かな?」
ふと部隊の面々。副官だったセル=ビームとスローム=カーンが脳裏に浮かぶ。
「とりあえず、いつ来るのかはわからないが、星々の現状とドラガシメル人が来ること。それとシールドのことを、橋本さん経由で伝えよう。たまには仕事させないと、あの人達、単なる居候になっているからな」
竜司がお気楽に伝えたその情報は、世界中をあっという間に巡り、来たときにその代表を選ぶことで騒動になる。
まあ、アメリカはもちろんだが、声の大きい国は幾つもある。
「騒ぎになっている様だが、言葉はどうするんだろ?」
「船から送った情報があります。そして、作戦の中でいくつかは私が聞いた言葉を送っています」
有能マイリが、お仕事をしていたらしい。
そして通知した情報を精査するが、少し前にあった空間のゆがみは消えたようだ。
それは、シールドを張ったときの、エネルギー干渉で起こったモノらしく今は無くなったようだ。
そのため、今どうなっているのかは見られない。
だが、異常な力を持つ、竜司からの情報。
彼が、天使だという情報は、今では公然の事実となっており、世界のトップでは信じられている。
そうして、ある日。月の近くに光点が幾つも光り出す。
その船は、全長三キロ程度。
形は、黄金三角形であり。長い2辺と短い辺の長さの比 が黄金律である、二分の一プラス、ルート五になっている二等辺三角形である。
艦載機や、パワードスーツに居住区。重力は底面側に一G。
その主力は、アドトリテスと呼ばれる主砲。
性能は主な惑星を、一撃で粉砕できる振動粒子砲を装備している。
そして、地殻破壊弾。クラスター型気化爆弾。
とまあ、一艦で、一星系を破壊できる。
そいつが、五隻もやってきた。
月から地球までの距離は、およそ三八万キロメートル。
光の速さで表すと一・三光秒の距離。と言う事は、一・三秒後には、気づく人間は気がつく。
そして、彼らにしてはゆっくりと。
地球人にしてみれば超高速で、彼らはやって来た。
「隊長がいるのは、あのでかい大陸の外れ。そこの島らしいぞ」
「でかい海があるから、丁度良い。そこへ降ろせ」
権限もないのに、上官を無視して艦隊に命令を出すスローム=カーン達。
とまあ、東京沖にやって来る。
当然だが、いきなりスクランブルの、日米。
だが、接敵をすると、その大きさに戸惑う。
「大きい。そしてどうやって浮いているのか不明」
「絶対手を出すな。彼らは、地殻を破壊する武器や、ユーラシアレベルを一瞬で焼き払う武器を持っているようだ」
そして、ニュースでそれを見た竜司は、マイリと共に腰を上げる。
「ちょっと行ってくる」
そう言って宇宙船から飛ぶかと考えたが、きっちりブロックをされていた。
仕方ない。
翼を生やし、船の前に転移をする。
いきなり、高エネルーギー生物出現。
「モニター」
「はっ」
そして映される竜司その背中には、輝く三対の羽。
「セクスタプレト。アストラルスキャン」
「地球産の知的生命体で、羽を持つ者は居なかったはずだが」
「スキャン終了。登録があります。軍方面隊隊長ミー=キャエル様です。現在もなぜか登録済みで階級中将」
「はっ?」
報告を受けた、この地球方面臨時使節部隊の司令アンジェル=カンテ准将は困惑をする。
「ミー=キャエル様? 階級中将? かの方は亡くなったはずでは」
カンテ准将は、在りし日のミー=キャエルを思い浮かべる。
だが目の前に、浮かんでいるのは、どう見ても翼の生えた猿。
「スキャン結果。再確認」
とまあ少し焦っているところに、通信が割り込んでくる。
「なんだ。本国から?」
その影像は、五隻全部に割り込む。
「そろそろ、ミー=キャエルに出会っただろう」
そうしゃべる相手は、賢者様。
映像を見た全員が、跪く。
「少し、色々あってね。地球人としてあの子は蘇った。だからついでにあの子を特使としたから。皆従うようにね。それじゃあ」
竜司は考える。見えているはずなのに、反応が無いな?
「遅いな」
「攻撃をしますか?」
「ちょっと待とうか」
最近ちょっと攻撃的なマイリ。あわてて止める。
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