32 / 36
世界の救済
第32話 島の創造と騒動
しおりを挟む
瀬戸内海。
香川と愛媛、広島との交わりし海域。
燧灘に、ある日突然、島が出来た。
直樹はこれをする前に、悩んだし調べた。
いや調べると、財産だから財務省? だが、瀬戸内海環境保全特別措置法とか色々あって、環境省や国交省とか色々ね。自治体も絡むようだし。
埋め立ては規定されているが、自然に出来た場合はどうなるのだろう? 普通に国有地だろうが、俺達以外が上陸できなかった場合は、さて、どうなるのか?
そんな、結論になった。
自然隆起。天地創造ではないが、神による土地の作製。
俺達以外は上陸も出来ないし、近くにも寄れない島。そう、神が導き、創りたもうた島。
神域であり、俺達意外立ち入り禁止。
どや!! と創ってみた。
「島が出来ました」
「西之島が、また噴火でもしたのか?」
内閣へ連絡が入る。
「違います。これをご覧ください」
ヘリからの映像。
横に示された地図は、瀬戸内海を示している。
「火山じゃないな、地震性の隆起か?」
「不明です。上陸どころか、近寄れません」
「岩礁か? それならヘリで行けば。平地があるじゃないか?」
そう、映された島は、奥側に小高い山がああり、裾野に平地。そして、湾がある。
大雑把に言えば、三日月。四十平方キロほどありそうで、愛媛県の大島相当の広さがある。
「いえ。前にある浜の部分。ここは少し遠浅であり、その脇に岩礁はある様ですが問題ないとのこと。ですが、上陸できません。そしてヘリも近寄れません。突然風が吹き荒れます。そして海も同じくいきなり荒れます。そして、ここを見てください」
写真がズームされると、見えてくる看板。
「なに? 『導きと救済の聖光会』神殿建設地。神の導きにより創られた土地。近寄るものには神罰が下る。注意。なんだこれは?」
「先日、『導きと救済の聖光会』については、バチカンの方からも公式声明が出ております。導き手となるものが集う会であり、メンバーは神の使いのみ。崇めよ。と言う事です。それでまあ、他の宗派も、此処の傘下となるようですね。その系統全部」
「日本での法人登録は?」
「団体としてはありませんが、代表の山上直樹という人物は、バチカンの正式な許可を受けた、省の長官クラスで登録されております。普通にVIPです」
それを聞いて、非常に面倒なことだと理解をする。
「何とか近づき、話が出来ないか試してみろ」
そう言われて、試したんだけどなぁと顔に出る。
「まあ、試しましょうか。色々と」
国土交通大臣によって、お願いが出される。
新島の調査依頼。
海上保安庁と、自衛隊。
学術チームの漁船。
てんでバラバラな者達が、当該の島に集まる。
双方で、依頼を受けた調査中だと言い合いがあったが、全部に正式命令が出ていることが確認される。
「何を考えているんだ国は?」
それぞれが、そう考えながら、神聖で象徴的な数字である、海岸線から距離三百メートルの範囲に入る。
そこまでは、何処までも晴れ渡る秋の空。
箒で掃いたような巻雲が、ゆっくりと流れていく。
揺蕩う。そう表現をするのがふさわしい、波による船体の揺らぎ。
チャポンチャポンと音を立てる船縁が、いきなり音を変える。
まず気が付いたのは、漁船団。
「こりゃまずい。先生方。引き返します」
「ああ、ターンは出来るか?」
「何とか……」
「先生方が急にターン。帰るようです」
「何か連絡でも入ったのか? うおっ」
全長二十メートルの巡視艇と、百三メートルの測量船が急に揺れ始める。
「やばい引き返せ」
見ても、目前の海は穏やか。
それどころか、船の周り、白波の一つも立っていない。
「何だ一体?」
そして自衛隊も。
輸送艇と、そばにいて展開をしていた、エアクッション型揚陸艇。
海面は静かなのに激しい揺れと、突風によりエアクッション型揚陸艇。
双方共に引き返す。
「やはり駄目か」
そう自衛隊は、幾度目かのトライ。
「おやしお型の喫水は、七百四十ミリだったな」
「多分一緒ですよ。見てください水中」
それは、ソナーではなくカメラ。
周りが平和で、船だけ揺れるおかしな現象。
だがそれを取り付けたのを、後悔していた技官。
水中で何者かの目と、視線が合ってしまう。
ただし相手は、推定で片眼三メートル。
そう、イメージでは海が見ている。
水上バイクも試してみた。
疾走し、そのまま数百メートル、真横に吹き飛ばされた。
風の割に軽かったらしい。
そして、潜水隊がアクアラングで、水中スクーターを用いた侵入を行う。
そうそこで、海中の目と出会ってしまう。
「隊長、目が……」
「ああ、見えている」
「ぐっ。掴まれました」
「何に?」
「海水です」
「逃げられるか? 引き返す意思を見せてみろ」
「あっ、解けました」
「帰ってこい」
「りょ」
「そんな感じで、絶望的です。許可が必要なら取ってください」
「許可なあ? どうやって取るんだ?」
紙が出てくる。
「『導きと救済の聖光会』総合案内。フリーダイヤル0120……」
それを見て、顎で指示が出る。
それを見て、この野郎と思ったが諦め。ダイヤルをする。
---------------------------------------
フィクションです。
実際の団体等、全く関係ありません。
そして、おそらくはこの小説。大部分はギャグで、シリアスさはありません。
香川と愛媛、広島との交わりし海域。
燧灘に、ある日突然、島が出来た。
直樹はこれをする前に、悩んだし調べた。
いや調べると、財産だから財務省? だが、瀬戸内海環境保全特別措置法とか色々あって、環境省や国交省とか色々ね。自治体も絡むようだし。
埋め立ては規定されているが、自然に出来た場合はどうなるのだろう? 普通に国有地だろうが、俺達以外が上陸できなかった場合は、さて、どうなるのか?
そんな、結論になった。
自然隆起。天地創造ではないが、神による土地の作製。
俺達以外は上陸も出来ないし、近くにも寄れない島。そう、神が導き、創りたもうた島。
神域であり、俺達意外立ち入り禁止。
どや!! と創ってみた。
「島が出来ました」
「西之島が、また噴火でもしたのか?」
内閣へ連絡が入る。
「違います。これをご覧ください」
ヘリからの映像。
横に示された地図は、瀬戸内海を示している。
「火山じゃないな、地震性の隆起か?」
「不明です。上陸どころか、近寄れません」
「岩礁か? それならヘリで行けば。平地があるじゃないか?」
そう、映された島は、奥側に小高い山がああり、裾野に平地。そして、湾がある。
大雑把に言えば、三日月。四十平方キロほどありそうで、愛媛県の大島相当の広さがある。
「いえ。前にある浜の部分。ここは少し遠浅であり、その脇に岩礁はある様ですが問題ないとのこと。ですが、上陸できません。そしてヘリも近寄れません。突然風が吹き荒れます。そして海も同じくいきなり荒れます。そして、ここを見てください」
写真がズームされると、見えてくる看板。
「なに? 『導きと救済の聖光会』神殿建設地。神の導きにより創られた土地。近寄るものには神罰が下る。注意。なんだこれは?」
「先日、『導きと救済の聖光会』については、バチカンの方からも公式声明が出ております。導き手となるものが集う会であり、メンバーは神の使いのみ。崇めよ。と言う事です。それでまあ、他の宗派も、此処の傘下となるようですね。その系統全部」
「日本での法人登録は?」
「団体としてはありませんが、代表の山上直樹という人物は、バチカンの正式な許可を受けた、省の長官クラスで登録されております。普通にVIPです」
それを聞いて、非常に面倒なことだと理解をする。
「何とか近づき、話が出来ないか試してみろ」
そう言われて、試したんだけどなぁと顔に出る。
「まあ、試しましょうか。色々と」
国土交通大臣によって、お願いが出される。
新島の調査依頼。
海上保安庁と、自衛隊。
学術チームの漁船。
てんでバラバラな者達が、当該の島に集まる。
双方で、依頼を受けた調査中だと言い合いがあったが、全部に正式命令が出ていることが確認される。
「何を考えているんだ国は?」
それぞれが、そう考えながら、神聖で象徴的な数字である、海岸線から距離三百メートルの範囲に入る。
そこまでは、何処までも晴れ渡る秋の空。
箒で掃いたような巻雲が、ゆっくりと流れていく。
揺蕩う。そう表現をするのがふさわしい、波による船体の揺らぎ。
チャポンチャポンと音を立てる船縁が、いきなり音を変える。
まず気が付いたのは、漁船団。
「こりゃまずい。先生方。引き返します」
「ああ、ターンは出来るか?」
「何とか……」
「先生方が急にターン。帰るようです」
「何か連絡でも入ったのか? うおっ」
全長二十メートルの巡視艇と、百三メートルの測量船が急に揺れ始める。
「やばい引き返せ」
見ても、目前の海は穏やか。
それどころか、船の周り、白波の一つも立っていない。
「何だ一体?」
そして自衛隊も。
輸送艇と、そばにいて展開をしていた、エアクッション型揚陸艇。
海面は静かなのに激しい揺れと、突風によりエアクッション型揚陸艇。
双方共に引き返す。
「やはり駄目か」
そう自衛隊は、幾度目かのトライ。
「おやしお型の喫水は、七百四十ミリだったな」
「多分一緒ですよ。見てください水中」
それは、ソナーではなくカメラ。
周りが平和で、船だけ揺れるおかしな現象。
だがそれを取り付けたのを、後悔していた技官。
水中で何者かの目と、視線が合ってしまう。
ただし相手は、推定で片眼三メートル。
そう、イメージでは海が見ている。
水上バイクも試してみた。
疾走し、そのまま数百メートル、真横に吹き飛ばされた。
風の割に軽かったらしい。
そして、潜水隊がアクアラングで、水中スクーターを用いた侵入を行う。
そうそこで、海中の目と出会ってしまう。
「隊長、目が……」
「ああ、見えている」
「ぐっ。掴まれました」
「何に?」
「海水です」
「逃げられるか? 引き返す意思を見せてみろ」
「あっ、解けました」
「帰ってこい」
「りょ」
「そんな感じで、絶望的です。許可が必要なら取ってください」
「許可なあ? どうやって取るんだ?」
紙が出てくる。
「『導きと救済の聖光会』総合案内。フリーダイヤル0120……」
それを見て、顎で指示が出る。
それを見て、この野郎と思ったが諦め。ダイヤルをする。
---------------------------------------
フィクションです。
実際の団体等、全く関係ありません。
そして、おそらくはこの小説。大部分はギャグで、シリアスさはありません。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる