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世界の救済
第34話 それは、圧迫で通達。会議じゃなかった。
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「では。日本国も来られたので、決定を通達する」
「はっ?」
決定を通知?
当然それを聞いて驚く。
その会議室は、縦横が二十メートルほどあり、天井も高く。立派な机が彼。つまり直樹を中心にして、Uの字型に曲線を描き、入り口のドアに向けて開いていた。
そこに、ちょこんと置かれた机と椅子。
おまけに、一段低い。
そう、とても失礼な扱い。
だが目の前では、道具や資料が空を飛び、どこかの魔法学校のような光景が展開をされている。
そう、まるで。あの大人気映画で語られていた、魔法使いと一般人の区別がこの場では行われている。
案内は、和やかな表情を崩さず。着席を進めてくる。
確かに、物は良いもの。
他に比べると一段下がるだけ。
だが、どこかの大統領なら、怒って帰るだろう。
しかし、日本人。
周囲から視線が集まると、すごすごと座ってしまう。
そして、始まった宣言。
「では、日本国も来られたので、決定を通達する」
「はっ?」
そんな戸惑いとは別に、各人の前にお茶が供され、芳醇な匂いが漂う。
そして、資料かと思えば、いきなり調印書。
ラテン語と日本語で、書かれている。
その内容を要約すると、位置的には日本国内に存在するが、それはたまたまであり、ここは神から賜うた島である。
これを認め、全体を治外法権を持った教団の島として承認すること。
本来、神の許し無き者は、ここには入島できず。一般の者については、禁足地となっている。
説明らしき物は、それだけ。
「神から賜うた島」
「一般の者については、禁足地」
覚えはある。
どうやっても入れなかったが、今日はあっさり入れた。
書面を読みながら考えていると、声がかかる。
「日本国の諸君。私はⲁⲣⲟ𝛓ⲧⲟ𝓵𐌵𝛓 𝓳ⲟⲏⲛ」
直樹がそう言った瞬間に、皆が机に突っ伏する。
そう、何も知らない日本の面々まで。
机に突っ伏し、なぜか、声を聞くだけで涙があふれてくる。
力が増した影響か、言葉一つ一つが魂を揺さぶる。
圧倒的強者の前に出た生け贄。そんな感じだが、命さえ差し出しても、惜しくないとも思える。
「私は、日本人。山上直樹であり、悪いようにはしない。もし、信じられないようなら、誰ぞを駐在させることも可能だと考えている」
そう言われても、直樹が信じられないというのが、とんでもない悪行であると、自分の心が訴え掛けてくる。
そして、さらに言葉が続く。
「ここはまだ、器だけで正式に機能していない。神殿として動き始めれば、聖なる者以外は、立ち入ることすら辛くなる。そう、文字通り聖域となるであろう。どうだろうか? 日本の諸君」
そう聞かれて、反対など出来はしない。
後に、勝手に日本の領土を譲渡したと、突き上げを喰らうことになるが、この場ではそんな事を考えることも出来なかった。
まあ、その国会の特別開催議場に、各国の関係者と共に直樹が呼ばれ、緊張して力をばら撒き、テレビを通して中継を見た日本人が、数万単位で失神して大騒ぎになるが、それはもう少し後の話し。
そして、関係者が見守る中、調印がなされた。
帰りのヘリの中で、やばいことに気が付き、ごまかす根回しを命令する。
「だー。何とかなった。神殿を組んでプールを創るぞ」
直樹は、最近出来なくなっていた沐浴をしたいがため、頑張った。製品用の神殿と、沐浴用。
それが発動した後は、本当の聖域となった。
一般人が島のエリアに近付くだけで、足が震える。
そんな怪しい島。
そして、こそっと紛れ込ませた書類は、野党に見つかることになる。
「総理。瀬戸内海の新島。これの移譲について答弁を願いたい」
「これについては、非常にセンシティブで、断ることの方が日本の国益を損ねると判断し、宮内庁とも協議し決定いたしました」
「そんな重要な事を、国民にも知らせず、議会も通さず決定するのは国の私物化では?」
そんな事を言うなら、あの場にいてみろよぉ。
そう思うが、口には出せない。
「世界中の国が絡む事案。答弁できる内容について協議が必要であるため、時間を頂きたい」
とまあ、逃げてはみたが、その間に、島の周りでまた惨事が起こる。
無理して近付いたマスコミのヘリが落ち、海で右往左往していた、ご同業や野党関係者の船を巻き込んだ。
後に言われる、『天罰による愚か者の粛正』事件が発生する。
これにより、さらに叩こうとしたが、条約を破ったとして、逆に世界中の宗教連合から糾弾されることになる。
どうであれ、条約にはサインがされ、実行されている。悪いのは日本。
境界は神の目があり完璧。
双方が苦境の中、直樹達の召喚が行われる。
当然、『証人喚問』ではなく『参考人招致』だが、それ聞きつけ、各国首脳まで来日をする。
ちょっと、新興宗教の教祖として粋がっている奴を、呼んだだけなのに……
きっとそう言いたかっただろうが、世界がそれを許さなかった。
各国関係者と、随員が数百人。
来日をする騒ぎとなる。
そう。当然、それは意図的なもの。
世界には、就任時に聖書に向かい、宣誓をする国がある。
そう、アメリカとかね。
小さくすませば、きっと何度も呼ばれる。
それは面倒だし、こちらの立場を知らしめ、使徒の喧伝とプロパガンダとして利用された。
ただの新興宗教とは違うのだよ。
それを知らしめるため、利用された。
それに、気が付いたときには遅すぎた。
本会議の議場が急遽、国立競技場に決定されることになる。
「はっ?」
決定を通知?
当然それを聞いて驚く。
その会議室は、縦横が二十メートルほどあり、天井も高く。立派な机が彼。つまり直樹を中心にして、Uの字型に曲線を描き、入り口のドアに向けて開いていた。
そこに、ちょこんと置かれた机と椅子。
おまけに、一段低い。
そう、とても失礼な扱い。
だが目の前では、道具や資料が空を飛び、どこかの魔法学校のような光景が展開をされている。
そう、まるで。あの大人気映画で語られていた、魔法使いと一般人の区別がこの場では行われている。
案内は、和やかな表情を崩さず。着席を進めてくる。
確かに、物は良いもの。
他に比べると一段下がるだけ。
だが、どこかの大統領なら、怒って帰るだろう。
しかし、日本人。
周囲から視線が集まると、すごすごと座ってしまう。
そして、始まった宣言。
「では、日本国も来られたので、決定を通達する」
「はっ?」
そんな戸惑いとは別に、各人の前にお茶が供され、芳醇な匂いが漂う。
そして、資料かと思えば、いきなり調印書。
ラテン語と日本語で、書かれている。
その内容を要約すると、位置的には日本国内に存在するが、それはたまたまであり、ここは神から賜うた島である。
これを認め、全体を治外法権を持った教団の島として承認すること。
本来、神の許し無き者は、ここには入島できず。一般の者については、禁足地となっている。
説明らしき物は、それだけ。
「神から賜うた島」
「一般の者については、禁足地」
覚えはある。
どうやっても入れなかったが、今日はあっさり入れた。
書面を読みながら考えていると、声がかかる。
「日本国の諸君。私はⲁⲣⲟ𝛓ⲧⲟ𝓵𐌵𝛓 𝓳ⲟⲏⲛ」
直樹がそう言った瞬間に、皆が机に突っ伏する。
そう、何も知らない日本の面々まで。
机に突っ伏し、なぜか、声を聞くだけで涙があふれてくる。
力が増した影響か、言葉一つ一つが魂を揺さぶる。
圧倒的強者の前に出た生け贄。そんな感じだが、命さえ差し出しても、惜しくないとも思える。
「私は、日本人。山上直樹であり、悪いようにはしない。もし、信じられないようなら、誰ぞを駐在させることも可能だと考えている」
そう言われても、直樹が信じられないというのが、とんでもない悪行であると、自分の心が訴え掛けてくる。
そして、さらに言葉が続く。
「ここはまだ、器だけで正式に機能していない。神殿として動き始めれば、聖なる者以外は、立ち入ることすら辛くなる。そう、文字通り聖域となるであろう。どうだろうか? 日本の諸君」
そう聞かれて、反対など出来はしない。
後に、勝手に日本の領土を譲渡したと、突き上げを喰らうことになるが、この場ではそんな事を考えることも出来なかった。
まあ、その国会の特別開催議場に、各国の関係者と共に直樹が呼ばれ、緊張して力をばら撒き、テレビを通して中継を見た日本人が、数万単位で失神して大騒ぎになるが、それはもう少し後の話し。
そして、関係者が見守る中、調印がなされた。
帰りのヘリの中で、やばいことに気が付き、ごまかす根回しを命令する。
「だー。何とかなった。神殿を組んでプールを創るぞ」
直樹は、最近出来なくなっていた沐浴をしたいがため、頑張った。製品用の神殿と、沐浴用。
それが発動した後は、本当の聖域となった。
一般人が島のエリアに近付くだけで、足が震える。
そんな怪しい島。
そして、こそっと紛れ込ませた書類は、野党に見つかることになる。
「総理。瀬戸内海の新島。これの移譲について答弁を願いたい」
「これについては、非常にセンシティブで、断ることの方が日本の国益を損ねると判断し、宮内庁とも協議し決定いたしました」
「そんな重要な事を、国民にも知らせず、議会も通さず決定するのは国の私物化では?」
そんな事を言うなら、あの場にいてみろよぉ。
そう思うが、口には出せない。
「世界中の国が絡む事案。答弁できる内容について協議が必要であるため、時間を頂きたい」
とまあ、逃げてはみたが、その間に、島の周りでまた惨事が起こる。
無理して近付いたマスコミのヘリが落ち、海で右往左往していた、ご同業や野党関係者の船を巻き込んだ。
後に言われる、『天罰による愚か者の粛正』事件が発生する。
これにより、さらに叩こうとしたが、条約を破ったとして、逆に世界中の宗教連合から糾弾されることになる。
どうであれ、条約にはサインがされ、実行されている。悪いのは日本。
境界は神の目があり完璧。
双方が苦境の中、直樹達の召喚が行われる。
当然、『証人喚問』ではなく『参考人招致』だが、それ聞きつけ、各国首脳まで来日をする。
ちょっと、新興宗教の教祖として粋がっている奴を、呼んだだけなのに……
きっとそう言いたかっただろうが、世界がそれを許さなかった。
各国関係者と、随員が数百人。
来日をする騒ぎとなる。
そう。当然、それは意図的なもの。
世界には、就任時に聖書に向かい、宣誓をする国がある。
そう、アメリカとかね。
小さくすませば、きっと何度も呼ばれる。
それは面倒だし、こちらの立場を知らしめ、使徒の喧伝とプロパガンダとして利用された。
ただの新興宗教とは違うのだよ。
それを知らしめるため、利用された。
それに、気が付いたときには遅すぎた。
本会議の議場が急遽、国立競技場に決定されることになる。
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