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第三章 終末へと向かう世界
第44話 さらに五年後。
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さらに五年。
幾度かの、光の侵攻を退け。町全体が、俺たちのテリトリーとなった。
子供たちもあらたに生まれ大きくなって来ると、おもしろいことに、俺の子供は闇を操れた。
心配していた花蓮も、無事に子供が出来たが、杏果の方が先に2人目が出来て悔しがっていた。
そして、里村のじじい。
疾(と)うに八十歳は越えたはずだが、無茶苦茶元気。
どこかから、レーザーカラオケを見つけてきたようで、張り切って歌っている。
そんな平和を享受している折、遠くから来ただろう、気圧の変化を感じる。
「でかいチーム同士がやり合ったか。それとも、核でも誰かが使ったのか?」
「だが、光とかは、見えないし振動も無かったのう」
里村のじいさんと、圧力の来た西の空を見つめる。
「これまで、文化的生活を必死に守ってきたが、一度周りを見てきた方が良いのかもしれんな」
里村のじいさんが、ぼそっとつぶやく。
「そうだな。俺たちと同じように、光も遺伝をするのなら、時間と共に勢力を増す。司など、まだ十歳にもなっていないのに、力はかなり強い」
「あー司坊な。わしたちとは違い、魂との親和性が高いのか、手足のように扱っておるからの」
遊ばせている、あいつらに仕事をさせるか。
「カメレオン部隊に偵察をさせるか?」
「そうじゃな。たまには仕事をさせるか」
そう言って、里村のじいさんもにんまりする。
「と、言うことだ、明智。仕事をしろ」
壁に向かって、話しかける。
「どうして、分かるんだ?」
「秘密だ。七彩を、連れて行って良いから」
「本当か?」
それを聞いて、明智の顔がほころぶ。
「ああっ。でも、おまえを受け入れるかどうかは知らん」
七彩は神御との戦いの後、俺の首を落とそうとした女の子。
今では二十五歳になり、立派な娘になった。
かなり、ボーイッシュで活発だが、みんなには人気がある。
能力も、明智より上だろう。
大体明智も、千夏との間に五歳の男の子と三歳の女の子。子どもが二人居る。
よしんば、手を出せば、夫婦喧嘩になるのが目に見える。
それに、明智には内緒だが、2週に一度くらいは、俺の寝所へ忍び込んでくる。
この世界、ともかく人を増やさないといけないので、自由恋愛を主として、生まれた子供は全員が見て育てている。
無論夫婦もいるが、法的なものでは無く、周りに言えばそれは守られる。
それに、闇による支配で、同意なしの行為は制限がされていて出来ない。
その辺りは、実に平和だ。
数日後、正式に明智達へ偵察を頼む。
変化前の物だが、地図を渡す。
あと、白地図も見つけたので一緒に渡す。周囲で、光の集落があれば偵察。
距離と、規模。それを調べ、帰ってこいと言って送り出す。
今回の偵察。異変のあった西側だけでは無く、七彩の意見で三方位に同時に出る。
明智は泣いていたが、各方面の隊長と言うことで、泣き笑い状態。
同じく、カメレオン能力者。各チーム五人ずつ。
「全員。無事に帰ってくること。物理的トラップもあるかもしれない。気を付けろ」
だが、出がけに「行ってきます」そう言って、七彩が俺にハグとキスをして、明智のみ士気が落ちたようだ。
だらだらと、各方面に走り始める。
さてその間に、俺たちは日課になっている、インフラのチェックとメンテナンスを行う。
特に、上水近くは、きっちりチェックと警戒をしないといけない。
俺たちには毒など効かないが、他の住人には弱い者達もいる。
農産物の備蓄と、海産物の冷凍庫。大分くたびれてきているが、何とか稼働している。
「冷媒を造るプラント、どこにあったかな?」
「エアコンを作っているメーカーが、持っていたイメージじゃな」
「その辺りも探すか」
「馬鹿な、光たちが壊していなければ良いがな」
「そうだな」
備蓄用には、海側にあった倉庫を利用している。
魚の冷凍も重要だが、米なども、十度以下で低温貯蔵しないと虫食いになる。
温度を、チェックする。
「何とか、大丈夫そうだ」
用心の為、此処の電源は、専用の発電機を使っている。
光たちは、特に僕(しもべ)になっている奴らは、自由意志がない為安全だが、能力者が力に振り回されておバカになる傾向がある。
破壊と、略奪が大好物。
そのため、食い物が無くなると移動をする。
イナゴの大群、蝗害(こうがい)と同じだ。
そう言いながら移動して、じいさんと目の前に広がる田んぼを見る。
少し前までは、麦が植えられていて、完全二毛作。
隙間隙間に、大豆を植えている。
大豆は必需品だし、多少は、緑肥になる。
それに、大豆は日本食すべての基本。
醤油、豆腐、味噌。
無くてはならない。
今はすでに、人の住んでいない家屋は潰して畑になっている。
無論その他の野菜も、種を取っているが、品種改良されているものは種ができても育たないとか、育っても別物になったりする。
そのため、腋芽とかで挿し芽を使って増やすらしい。
農家のじいさんから、詳しくて教えて貰った。
こういう知識の伝承は重要だ。
本屋の本もきっちり保護してある。
余談だが、確保した本は意外と人気があり、大部分の住人は、その先が続かない物語を読み、その先を考えて創作品が生まれている。人は意外とたくましい。
幾度かの、光の侵攻を退け。町全体が、俺たちのテリトリーとなった。
子供たちもあらたに生まれ大きくなって来ると、おもしろいことに、俺の子供は闇を操れた。
心配していた花蓮も、無事に子供が出来たが、杏果の方が先に2人目が出来て悔しがっていた。
そして、里村のじじい。
疾(と)うに八十歳は越えたはずだが、無茶苦茶元気。
どこかから、レーザーカラオケを見つけてきたようで、張り切って歌っている。
そんな平和を享受している折、遠くから来ただろう、気圧の変化を感じる。
「でかいチーム同士がやり合ったか。それとも、核でも誰かが使ったのか?」
「だが、光とかは、見えないし振動も無かったのう」
里村のじいさんと、圧力の来た西の空を見つめる。
「これまで、文化的生活を必死に守ってきたが、一度周りを見てきた方が良いのかもしれんな」
里村のじいさんが、ぼそっとつぶやく。
「そうだな。俺たちと同じように、光も遺伝をするのなら、時間と共に勢力を増す。司など、まだ十歳にもなっていないのに、力はかなり強い」
「あー司坊な。わしたちとは違い、魂との親和性が高いのか、手足のように扱っておるからの」
遊ばせている、あいつらに仕事をさせるか。
「カメレオン部隊に偵察をさせるか?」
「そうじゃな。たまには仕事をさせるか」
そう言って、里村のじいさんもにんまりする。
「と、言うことだ、明智。仕事をしろ」
壁に向かって、話しかける。
「どうして、分かるんだ?」
「秘密だ。七彩を、連れて行って良いから」
「本当か?」
それを聞いて、明智の顔がほころぶ。
「ああっ。でも、おまえを受け入れるかどうかは知らん」
七彩は神御との戦いの後、俺の首を落とそうとした女の子。
今では二十五歳になり、立派な娘になった。
かなり、ボーイッシュで活発だが、みんなには人気がある。
能力も、明智より上だろう。
大体明智も、千夏との間に五歳の男の子と三歳の女の子。子どもが二人居る。
よしんば、手を出せば、夫婦喧嘩になるのが目に見える。
それに、明智には内緒だが、2週に一度くらいは、俺の寝所へ忍び込んでくる。
この世界、ともかく人を増やさないといけないので、自由恋愛を主として、生まれた子供は全員が見て育てている。
無論夫婦もいるが、法的なものでは無く、周りに言えばそれは守られる。
それに、闇による支配で、同意なしの行為は制限がされていて出来ない。
その辺りは、実に平和だ。
数日後、正式に明智達へ偵察を頼む。
変化前の物だが、地図を渡す。
あと、白地図も見つけたので一緒に渡す。周囲で、光の集落があれば偵察。
距離と、規模。それを調べ、帰ってこいと言って送り出す。
今回の偵察。異変のあった西側だけでは無く、七彩の意見で三方位に同時に出る。
明智は泣いていたが、各方面の隊長と言うことで、泣き笑い状態。
同じく、カメレオン能力者。各チーム五人ずつ。
「全員。無事に帰ってくること。物理的トラップもあるかもしれない。気を付けろ」
だが、出がけに「行ってきます」そう言って、七彩が俺にハグとキスをして、明智のみ士気が落ちたようだ。
だらだらと、各方面に走り始める。
さてその間に、俺たちは日課になっている、インフラのチェックとメンテナンスを行う。
特に、上水近くは、きっちりチェックと警戒をしないといけない。
俺たちには毒など効かないが、他の住人には弱い者達もいる。
農産物の備蓄と、海産物の冷凍庫。大分くたびれてきているが、何とか稼働している。
「冷媒を造るプラント、どこにあったかな?」
「エアコンを作っているメーカーが、持っていたイメージじゃな」
「その辺りも探すか」
「馬鹿な、光たちが壊していなければ良いがな」
「そうだな」
備蓄用には、海側にあった倉庫を利用している。
魚の冷凍も重要だが、米なども、十度以下で低温貯蔵しないと虫食いになる。
温度を、チェックする。
「何とか、大丈夫そうだ」
用心の為、此処の電源は、専用の発電機を使っている。
光たちは、特に僕(しもべ)になっている奴らは、自由意志がない為安全だが、能力者が力に振り回されておバカになる傾向がある。
破壊と、略奪が大好物。
そのため、食い物が無くなると移動をする。
イナゴの大群、蝗害(こうがい)と同じだ。
そう言いながら移動して、じいさんと目の前に広がる田んぼを見る。
少し前までは、麦が植えられていて、完全二毛作。
隙間隙間に、大豆を植えている。
大豆は必需品だし、多少は、緑肥になる。
それに、大豆は日本食すべての基本。
醤油、豆腐、味噌。
無くてはならない。
今はすでに、人の住んでいない家屋は潰して畑になっている。
無論その他の野菜も、種を取っているが、品種改良されているものは種ができても育たないとか、育っても別物になったりする。
そのため、腋芽とかで挿し芽を使って増やすらしい。
農家のじいさんから、詳しくて教えて貰った。
こういう知識の伝承は重要だ。
本屋の本もきっちり保護してある。
余談だが、確保した本は意外と人気があり、大部分の住人は、その先が続かない物語を読み、その先を考えて創作品が生まれている。人は意外とたくましい。
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