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始まった新世界
第66話 常識?
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彼等は進む。
砂漠という環境を、力業で破壊しながら。
あっという間に十キロなど踏破。
蟻地獄のような、下り階段へと入って行く。
「ふわあぁ」
周りは砂の壁。
「水と違って美しくない」
「暑い」
皆から、ぼやきというクレーム。
向こうに立っているノームも困惑。
来た早々、文句を言われても、デザインをしたのはシンなのだ。
ちなみに周りの壁は流砂で、流れに取り込まれると、一七階の入り口へ戻ってしまう。
「あそこで腕組みをしている、大きな小人風のオッサンがノームです。サイズ感がおかしいとかは突っ込まないように」
伝承では、一メートルちょっとの小人とか書いている本がある。
「服を着てるじゃない」
「そうですね」
よく見る小人の格好。色がおかしいサンタクロースもどき。
「じゃあ始め」
突っ込まれる前に、なぜか司から試合開始の合図が出る。
彼女達は周りを囲いながら一気に、水魔法をぶっ放す。
驚いたノームは土壁を創るのだが、そんな物、精霊の力を持つ彼女達には意味をなさない。
一気に削られて、周囲に壁を創ったために、彼は溺れ始める……
なんと言うことでしょう。
あっという間に倒されて、彼は成仏……
黒い霧となって、消えていく。
「楽勝!!」
皆は喜び、もだえ始める。
「お疲れ様です」
その時大分慣れたのか、莉愛は周りの皆がもだえる姿を見て少し恥ずかしくなる。
だが、柚花はこれ幸いと、司に見せつけようとする。
それに気がつき、周りもまねようとする。
「みんな元気そうなので、次に行きましょうか?」
視線を出口に移動させて、司が提案。
「流石にちょっと無理」
怜奈がそう言うと、結心も動きを止める。
少しだけ休憩をして、移動を開始。
司は、気がつく。
レッドラスティネイルの皆と、数歳しか年が違わないのに、彼女達が持つ色気が恐ろしい。
怜奈と柚花は、男性経験があるとシンが言っていた事を思い出す。
美人系の怜奈と、細かな事にこだわらない柚花。
経験があると、恥ずかしさに差があるのかと納得をする。
そう言えば、細かな意見もこの二人は多いな。
ふむふむと少しだけ納得。
そんなことを考えながら、サラマンダーの待つ一八階へと向かう。
そこは火の国。
周囲を溶岩が流れ、放射熱だけで顔が焼けて肺が痛い。
「はい。このまま進むと、死にますから。水のベールか土壁のシールドを張りながら進む。または魔力シールドを張って、その中を適温に保ってください」
それは、水宮で莉愛がやっていた技。
こんなにすぐに必要になるとは……
いつもながら、司が言い始めた物はすぐに必要になる。
レッドラスティネイルの三人もそうだが、彼女達もその事に気がつき少しうんざり。
シールドを張り、移動に合わせて少しずつ修正。
「これは駄目だわ」
「そうね。莉愛のように物体として固定しなきゃ」
「氷だと、同じような感じに出来るけれど、すぐに溶けるわ」
司は生暖かい目で見守る。
「―― だー。そんなに簡単にできるかぁ」
「やれ。できんと死ぬぞ。この先は温度が上がり一千度を超えてき始める。確かおぬし達、炭素系生物は二百度くらいで死ぬんだろ」
そう言ってニヤニヤ。
本当はそこまで耐えられないことを知っていて、司をいじっているシン。
「馬鹿言え。四十度ちょいの風呂が精一杯だ」
まだ、この頃は素直な司。
真面目に答えを返す。
あの時は、結局水魔法をぶっ放して、水蒸気爆発で死に掛かったよなぁ。
なんか懐かしい。
その時シールドを張って、なんとかかわした後、土壁を創りながら移動したんだよなぁ。
あの頃は未熟だった。
「ほれ。行くぞ」
体の周りに、物理結界のシールドを張って司は歩き始める。
「体の周りにシールド」
司の様子を見て、怜奈も同じようにシールドを張る。
それを見て、他の子もまねをするが、目の前に自身が張った壁が行く手を遮る。
「むううっ」
怜奈は両手にシールドを張って、なんとか放射熱を遮ろうとするのだが反射による物や、熱くなった空気までは防げない。
「あーもう」
癇癪を起こして、水魔法が発せられる前に司がブロック。
魔法の発動がキャンセルされた。
「熱いからと言って、そのまま水をぶっかけると爆発をするから駄目。やるなら、冷気を当てるんだ。でも魔力が無いと厳しいよ」
怜奈が使おうとしていた水の固まりを、かなり離れた場所にある溶岩の流れへとぶち込む。
水は一瞬で蒸発をして、その体積を一気に千七百倍へと変化する。
爆発して、熱風が周囲を襲う。
当然皆の周りには、司が張ったシールドがあり、全員をガードする。
「ふわあぁっ。これってそうか水蒸気爆発だ」
さすが大学生。
そして、普段気の強い莉愛だが、口調が崩れている。
「使うなら。そう、こんな感じに冷気を当てる」
司が魔法を発動。
目の前で広がっていく黒いシミのように、冷気が赤い世界を塗りつぶしていく。
それはまるで、命の火が消えていくように感じる。
「すごいわね」
「今のうちにシールドの練習」
司から圧がか掛かる。
「透明の盾を創って、それを薬のカプセルに変形する感じよ」
莉愛がみんなに教える。
だがそもそもが、盾を創っても空間に固定される。
「氷で造って置き換えたら?」
色々と意見が出る。
その様子を見て、なんとなく良いなあと、司はほのぼの。
その内にこつを覚えたのか、全員が出来るようになってきた。
その間、暑くなかったことに誰も気がつかなかった。
黒く広がった冷気の世界は、未だに彼女達を包んでいた。
最強に非常識な存在がここに一人……
砂漠という環境を、力業で破壊しながら。
あっという間に十キロなど踏破。
蟻地獄のような、下り階段へと入って行く。
「ふわあぁ」
周りは砂の壁。
「水と違って美しくない」
「暑い」
皆から、ぼやきというクレーム。
向こうに立っているノームも困惑。
来た早々、文句を言われても、デザインをしたのはシンなのだ。
ちなみに周りの壁は流砂で、流れに取り込まれると、一七階の入り口へ戻ってしまう。
「あそこで腕組みをしている、大きな小人風のオッサンがノームです。サイズ感がおかしいとかは突っ込まないように」
伝承では、一メートルちょっとの小人とか書いている本がある。
「服を着てるじゃない」
「そうですね」
よく見る小人の格好。色がおかしいサンタクロースもどき。
「じゃあ始め」
突っ込まれる前に、なぜか司から試合開始の合図が出る。
彼女達は周りを囲いながら一気に、水魔法をぶっ放す。
驚いたノームは土壁を創るのだが、そんな物、精霊の力を持つ彼女達には意味をなさない。
一気に削られて、周囲に壁を創ったために、彼は溺れ始める……
なんと言うことでしょう。
あっという間に倒されて、彼は成仏……
黒い霧となって、消えていく。
「楽勝!!」
皆は喜び、もだえ始める。
「お疲れ様です」
その時大分慣れたのか、莉愛は周りの皆がもだえる姿を見て少し恥ずかしくなる。
だが、柚花はこれ幸いと、司に見せつけようとする。
それに気がつき、周りもまねようとする。
「みんな元気そうなので、次に行きましょうか?」
視線を出口に移動させて、司が提案。
「流石にちょっと無理」
怜奈がそう言うと、結心も動きを止める。
少しだけ休憩をして、移動を開始。
司は、気がつく。
レッドラスティネイルの皆と、数歳しか年が違わないのに、彼女達が持つ色気が恐ろしい。
怜奈と柚花は、男性経験があるとシンが言っていた事を思い出す。
美人系の怜奈と、細かな事にこだわらない柚花。
経験があると、恥ずかしさに差があるのかと納得をする。
そう言えば、細かな意見もこの二人は多いな。
ふむふむと少しだけ納得。
そんなことを考えながら、サラマンダーの待つ一八階へと向かう。
そこは火の国。
周囲を溶岩が流れ、放射熱だけで顔が焼けて肺が痛い。
「はい。このまま進むと、死にますから。水のベールか土壁のシールドを張りながら進む。または魔力シールドを張って、その中を適温に保ってください」
それは、水宮で莉愛がやっていた技。
こんなにすぐに必要になるとは……
いつもながら、司が言い始めた物はすぐに必要になる。
レッドラスティネイルの三人もそうだが、彼女達もその事に気がつき少しうんざり。
シールドを張り、移動に合わせて少しずつ修正。
「これは駄目だわ」
「そうね。莉愛のように物体として固定しなきゃ」
「氷だと、同じような感じに出来るけれど、すぐに溶けるわ」
司は生暖かい目で見守る。
「―― だー。そんなに簡単にできるかぁ」
「やれ。できんと死ぬぞ。この先は温度が上がり一千度を超えてき始める。確かおぬし達、炭素系生物は二百度くらいで死ぬんだろ」
そう言ってニヤニヤ。
本当はそこまで耐えられないことを知っていて、司をいじっているシン。
「馬鹿言え。四十度ちょいの風呂が精一杯だ」
まだ、この頃は素直な司。
真面目に答えを返す。
あの時は、結局水魔法をぶっ放して、水蒸気爆発で死に掛かったよなぁ。
なんか懐かしい。
その時シールドを張って、なんとかかわした後、土壁を創りながら移動したんだよなぁ。
あの頃は未熟だった。
「ほれ。行くぞ」
体の周りに、物理結界のシールドを張って司は歩き始める。
「体の周りにシールド」
司の様子を見て、怜奈も同じようにシールドを張る。
それを見て、他の子もまねをするが、目の前に自身が張った壁が行く手を遮る。
「むううっ」
怜奈は両手にシールドを張って、なんとか放射熱を遮ろうとするのだが反射による物や、熱くなった空気までは防げない。
「あーもう」
癇癪を起こして、水魔法が発せられる前に司がブロック。
魔法の発動がキャンセルされた。
「熱いからと言って、そのまま水をぶっかけると爆発をするから駄目。やるなら、冷気を当てるんだ。でも魔力が無いと厳しいよ」
怜奈が使おうとしていた水の固まりを、かなり離れた場所にある溶岩の流れへとぶち込む。
水は一瞬で蒸発をして、その体積を一気に千七百倍へと変化する。
爆発して、熱風が周囲を襲う。
当然皆の周りには、司が張ったシールドがあり、全員をガードする。
「ふわあぁっ。これってそうか水蒸気爆発だ」
さすが大学生。
そして、普段気の強い莉愛だが、口調が崩れている。
「使うなら。そう、こんな感じに冷気を当てる」
司が魔法を発動。
目の前で広がっていく黒いシミのように、冷気が赤い世界を塗りつぶしていく。
それはまるで、命の火が消えていくように感じる。
「すごいわね」
「今のうちにシールドの練習」
司から圧がか掛かる。
「透明の盾を創って、それを薬のカプセルに変形する感じよ」
莉愛がみんなに教える。
だがそもそもが、盾を創っても空間に固定される。
「氷で造って置き換えたら?」
色々と意見が出る。
その様子を見て、なんとなく良いなあと、司はほのぼの。
その内にこつを覚えたのか、全員が出来るようになってきた。
その間、暑くなかったことに誰も気がつかなかった。
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