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始まった新世界
第71話 似た者同士
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「さっさと行く」
結衣の声が、静かに響く。
「そこ、二歩前罠。探査くらい自分でして」
「曲がり角、右からゾンビ三」
彼女達から次々に命令が来る。
だが意識を乗せた探査の使い方は、さっき習ったばかり。
「ここでは、必須なんです」
言われてすぐ出来るかぁ。
皆がそう思ったのだが、司くんが彼女達をフォロー。
「亜矢達も、すぐできたものな」
追い打ちを掛ける。
すぐじゃない。
本人達はそう思うのだが、この場合はイエスだ。
和やかに司の言葉に乗る。
「そうそう、意識することを気を付けて、コツを掴めば簡単よ。基礎の基礎だし、各自周囲に気を付けながら探査も行って。意識を乗せた探査が出来たら、マップを鳥瞰できるから」
そう聞かされると有用性は理解できる。
それに罠も見えるようだ。
それは良いとして、すでに彼等には、ダンジョンへ入ったときの余裕はない。
「なんだあの子達。本当に人間か?」
「司さんの弟子って、俺達もそのつもりだけど、なんか全然違うぞ」
皆がザワつく。
ゾンビが来る。
それを見た瞬間に、匂いごと聖魔法が放たれて彼等が昇華される。
デカい鎌はここではじゃまなようだ。さっさとしまわれて、さっきまで無手だったのに、スケルトンが持っていた剣が装備されている。
だが剣を持っても、彼女達は、舞い踊るようにスケルトン達を切っていく。
その姿は、美しく。
神楽を見ているようだ。
「探査は出来るようになったのか?」
殿を務めている司君から声が掛かる。
「もう少しお待ちください」
「あっ」
声をかけられて、背後を気にしていたので、罠を踏んでしまった。
自分と隣にいた隊員の姿が消える。
司さんが引っ張ったのだ。
下から殺す気が満々の槍が突き上がってくる。
「一列だったから良かったものの、自分のせいで周りを巻き込むぞ。気を付けろ」
「はい。申し訳ありません」
その声が通路に響き、前方からのカツカツという音が増え始める。
「バカだろお前」
ジト目で見られてしまった。
佐々木 利明は今度結婚をする予定で、少し舞い上がっていた。
「すみません」
今度は小さな声で謝る。
「もう少しで槍に突かれて、彼女に会えなくなるところでした」
「何かあるの?」
「ええ帰ったら、結婚をする会場を見に行くんです」
幸せそうに彼は語る。
「じゃあ生きて帰らないとな。こっちは訓練でも、ダンジョンは手加減をしてくれないからな」
「はい。あっ」
また床が沈んだ。
まだ動きは無い。
「踏んじゃいました」
「そうだな」
そう言うと、司君は通路をぐるりと見て確認をする。
「そこの三人、こっちを見ていなくて良いから、もっと前へ進め」
「ですが、チームなので」
「その先、少し色の濃いタイルがあるだろ。そこまで床が落ちる」
そう言われて、さっき言っていたチーム云々はなんだったのかと言う感じで、すささと皆が離れる。
「ほい」
佐々木の首元を司が引っ張ると、床がぱかんと開く。
中には殺す気が満々の槍が立っていた。
「上手く貫かれれば即死できるが、中途半端だと散々苦しむような幅だな」
床かから生えている槍は、おおよそ三十センチ間隔。
足だけとか、腕だけとか貫かれたときは、三メートル近く飛び上がって槍を抜くか、自分で腕を切るか、剣がなければ、貫かれたところを自らの意思でちぎらなくては脱出できないだろう。
それに、誰かが落ちれば、すぐに床は閉じる。
仲間がいても、この罠のスイッチに気がつかれなければ、それで終わりだ。
「多分落ちると痛いぞ。気を付けろ」
首根っこを捕まえられて、息ができず、意識がもうろうとする中で佐々木はその声を聞いた。
実戦探査、休憩と称して、意識を飛ばす特訓を行う。
出来なけば危険なことは、皆が幾度も罠に捕まり、死にかかりながら覚えていった。
いつもと違い、命だけは守られているのだが、司君がいつもより冷たい。
いつもはもっと甘やかしていた。
だが今日は、レッドラスティネイルが居るために、そちらの基準に少しだけ振っているようだ。
「絶命と紙一重なせいなのか、疲労感が半端ないな」
「ああ。いつもと違う」
「彼女達がいるから、厳しいところを見せているのだろうか?」
隊員達の考えは、完全に間違っていた。
彼等が甘やかされていたのだ。
彼女達なら、腕が落ちたくらいなら戦闘させられる。
「大丈夫、綺麗にくっ付くから」
戦闘後に、和やかにそう告げられるだけだ。
流石に胴体への直撃は、即死に繋がるから司は手を出す。
それに胴体だと、色々と……
女の子相手だと、男と違うので治療がしにくい。
流石に恥ずかしいから。
だが、人間手足なら気合いで生える、くらいには思っていた。
これは、シンが悪い。
うん。彼は力があるから、司が死にかかっていても死なせてくれなかった。
「とろくせえ。ほら治ったぞ。いけ」
そんな事など日常茶飯事だった。
ある意味、レッドラスティネイルの連中でもヌルい位なのだ。
手足の欠損くらいで助けてくれるのは司の優しさである。
彼女達を鍛えているのは、死なないように、力を付けるという目的がある。
逆を言えば、死ななければ問題ない。
そのため、レッドラスティネイルの三人も、司の特訓基準だから、死ななければ良いんだよねと思っている。
「ぐわあぁ、矢が」
「矢が刺さったくらいで、やかましい。騒げば声を聞いてゾンビが来る。仲間を殺したいのか?」
すでに、警官や自衛隊員に対して遠慮は無くなっている。
力量が知れたから、私たちは教え導く立場だと理解をした。
この前まで、ひ弱でボロい男どもを訓練した経験が顔を出す。
甘やかせばつけあがる。
甘やかせるのは良くないこと。
そうだ、甘さは彼等のためにはならない。
指導は厳しく。
そう、司さんのように……
訓練は厳しく行わなくては。
「すっ、すみません」
彼女が、苦しむ彼を見下ろす目は、どこまでも冷たく平坦で、彼の存在がこんな所で怪我を負う程度の愚か者としか見られていないことを感じる。
十八歳の女の子がする目じゃねえぞ。
今まで、一体どんな地獄を見てきたんだ?
その子達はどう見ても、普通の女子大生。
だがよく見れば、匂いの出る化粧品とかは一切使っていない。
どういう状態でも周囲を見ている。
完全不可視の壁の向こう、曲がり角から突然現れたスケルトンに、隊員達が気が付いた時にはすでに切られて崩れていく。
「普通じゃない……」
彼等の背中に冷たい汗が流れる。
「一体、彼女達に何があったんだ……」
そんなことを思っていたら、矢が折られて無造作に引っこ抜かれ、治癒魔法が掛けられた。
その行動に躊躇など無い。
結衣の声が、静かに響く。
「そこ、二歩前罠。探査くらい自分でして」
「曲がり角、右からゾンビ三」
彼女達から次々に命令が来る。
だが意識を乗せた探査の使い方は、さっき習ったばかり。
「ここでは、必須なんです」
言われてすぐ出来るかぁ。
皆がそう思ったのだが、司くんが彼女達をフォロー。
「亜矢達も、すぐできたものな」
追い打ちを掛ける。
すぐじゃない。
本人達はそう思うのだが、この場合はイエスだ。
和やかに司の言葉に乗る。
「そうそう、意識することを気を付けて、コツを掴めば簡単よ。基礎の基礎だし、各自周囲に気を付けながら探査も行って。意識を乗せた探査が出来たら、マップを鳥瞰できるから」
そう聞かされると有用性は理解できる。
それに罠も見えるようだ。
それは良いとして、すでに彼等には、ダンジョンへ入ったときの余裕はない。
「なんだあの子達。本当に人間か?」
「司さんの弟子って、俺達もそのつもりだけど、なんか全然違うぞ」
皆がザワつく。
ゾンビが来る。
それを見た瞬間に、匂いごと聖魔法が放たれて彼等が昇華される。
デカい鎌はここではじゃまなようだ。さっさとしまわれて、さっきまで無手だったのに、スケルトンが持っていた剣が装備されている。
だが剣を持っても、彼女達は、舞い踊るようにスケルトン達を切っていく。
その姿は、美しく。
神楽を見ているようだ。
「探査は出来るようになったのか?」
殿を務めている司君から声が掛かる。
「もう少しお待ちください」
「あっ」
声をかけられて、背後を気にしていたので、罠を踏んでしまった。
自分と隣にいた隊員の姿が消える。
司さんが引っ張ったのだ。
下から殺す気が満々の槍が突き上がってくる。
「一列だったから良かったものの、自分のせいで周りを巻き込むぞ。気を付けろ」
「はい。申し訳ありません」
その声が通路に響き、前方からのカツカツという音が増え始める。
「バカだろお前」
ジト目で見られてしまった。
佐々木 利明は今度結婚をする予定で、少し舞い上がっていた。
「すみません」
今度は小さな声で謝る。
「もう少しで槍に突かれて、彼女に会えなくなるところでした」
「何かあるの?」
「ええ帰ったら、結婚をする会場を見に行くんです」
幸せそうに彼は語る。
「じゃあ生きて帰らないとな。こっちは訓練でも、ダンジョンは手加減をしてくれないからな」
「はい。あっ」
また床が沈んだ。
まだ動きは無い。
「踏んじゃいました」
「そうだな」
そう言うと、司君は通路をぐるりと見て確認をする。
「そこの三人、こっちを見ていなくて良いから、もっと前へ進め」
「ですが、チームなので」
「その先、少し色の濃いタイルがあるだろ。そこまで床が落ちる」
そう言われて、さっき言っていたチーム云々はなんだったのかと言う感じで、すささと皆が離れる。
「ほい」
佐々木の首元を司が引っ張ると、床がぱかんと開く。
中には殺す気が満々の槍が立っていた。
「上手く貫かれれば即死できるが、中途半端だと散々苦しむような幅だな」
床かから生えている槍は、おおよそ三十センチ間隔。
足だけとか、腕だけとか貫かれたときは、三メートル近く飛び上がって槍を抜くか、自分で腕を切るか、剣がなければ、貫かれたところを自らの意思でちぎらなくては脱出できないだろう。
それに、誰かが落ちれば、すぐに床は閉じる。
仲間がいても、この罠のスイッチに気がつかれなければ、それで終わりだ。
「多分落ちると痛いぞ。気を付けろ」
首根っこを捕まえられて、息ができず、意識がもうろうとする中で佐々木はその声を聞いた。
実戦探査、休憩と称して、意識を飛ばす特訓を行う。
出来なけば危険なことは、皆が幾度も罠に捕まり、死にかかりながら覚えていった。
いつもと違い、命だけは守られているのだが、司君がいつもより冷たい。
いつもはもっと甘やかしていた。
だが今日は、レッドラスティネイルが居るために、そちらの基準に少しだけ振っているようだ。
「絶命と紙一重なせいなのか、疲労感が半端ないな」
「ああ。いつもと違う」
「彼女達がいるから、厳しいところを見せているのだろうか?」
隊員達の考えは、完全に間違っていた。
彼等が甘やかされていたのだ。
彼女達なら、腕が落ちたくらいなら戦闘させられる。
「大丈夫、綺麗にくっ付くから」
戦闘後に、和やかにそう告げられるだけだ。
流石に胴体への直撃は、即死に繋がるから司は手を出す。
それに胴体だと、色々と……
女の子相手だと、男と違うので治療がしにくい。
流石に恥ずかしいから。
だが、人間手足なら気合いで生える、くらいには思っていた。
これは、シンが悪い。
うん。彼は力があるから、司が死にかかっていても死なせてくれなかった。
「とろくせえ。ほら治ったぞ。いけ」
そんな事など日常茶飯事だった。
ある意味、レッドラスティネイルの連中でもヌルい位なのだ。
手足の欠損くらいで助けてくれるのは司の優しさである。
彼女達を鍛えているのは、死なないように、力を付けるという目的がある。
逆を言えば、死ななければ問題ない。
そのため、レッドラスティネイルの三人も、司の特訓基準だから、死ななければ良いんだよねと思っている。
「ぐわあぁ、矢が」
「矢が刺さったくらいで、やかましい。騒げば声を聞いてゾンビが来る。仲間を殺したいのか?」
すでに、警官や自衛隊員に対して遠慮は無くなっている。
力量が知れたから、私たちは教え導く立場だと理解をした。
この前まで、ひ弱でボロい男どもを訓練した経験が顔を出す。
甘やかせばつけあがる。
甘やかせるのは良くないこと。
そうだ、甘さは彼等のためにはならない。
指導は厳しく。
そう、司さんのように……
訓練は厳しく行わなくては。
「すっ、すみません」
彼女が、苦しむ彼を見下ろす目は、どこまでも冷たく平坦で、彼の存在がこんな所で怪我を負う程度の愚か者としか見られていないことを感じる。
十八歳の女の子がする目じゃねえぞ。
今まで、一体どんな地獄を見てきたんだ?
その子達はどう見ても、普通の女子大生。
だがよく見れば、匂いの出る化粧品とかは一切使っていない。
どういう状態でも周囲を見ている。
完全不可視の壁の向こう、曲がり角から突然現れたスケルトンに、隊員達が気が付いた時にはすでに切られて崩れていく。
「普通じゃない……」
彼等の背中に冷たい汗が流れる。
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