ダンジョンのできた世界で、俺は世界を救えと望まれる。えっ、やだよ。ーその男、神の遊戯に巻き込まれて最強となるー

久遠 れんり

文字の大きさ
102 / 156
迫り来る脅威

第102話 思惑と異常

しおりを挟む
 探査船は、魔法を使い空間をゆがめる。
 適当なポイントに付くと探針をする。

 それを繰り返す。

 そうして、有人惑星を見つける。

 そこは……

 
 地球で言われてる、巨大なペルセウス渦状腕の中である。
 地球が存在する、オリオン腕の端と近いと言えば近い。


 現地人が言う、マグナス=カセリウム星系のファビタブルゾーンである四番目の惑星、ムンダス=ビスタリウム。

 地球と同じように、哺乳類が進化した様であるのだが、まだ彼等は宇宙に出てはいなかった。
 地球の中世ほどの文明。

 そして、地球人とは違い犬とかネコとか、その特徴を備えている人達。

 そう、異世界の物語で語られる獣人のような人達。


 そして、別の星系では爬虫類から進化した、水の惑星アクアプラ・ネータムに住むドラゴニュートの様な人達。
 こいつらに近い人種は、ダンジョンで散々司に殺されていたのだが、どうやら本物がいたようだ。
 見た目が違うから大丈夫だろうけれど、要注意だ。

 
 そして、樹冠が生い茂る惑星プアネタウ・ビィスピリ・タスビビュント星には、エルフ族やドワーフ族が居たようだ。


「多数の種族がいるようです」
「そうか、文化レベルはどうだ?」
「未開に近いですな」
「じゃあ、計画通り攫ってこい。首輪の制作はできているな」
「はい」
「逃げそうになったら、数人でテストを行って見せしめにしろ」
「はっ」
 新賢者アスモデは、そんな極悪非道な命令を下す。


 そして、探査船は地球の近くまでやって来る。
「うん? 来たのか…… まだ早いな。どれ」
 シンはそう言うと、プチュンと潰す。

 このエリアは彼の担当。
 他の神は律儀に不干渉を決めているようだが、シンは干渉をしまくる。
 まあまだ、無人の機械だから問題は無いだろうと考えた。
 生物が居ると殺すのは、少し因果律に問題が出るので手を出せない。

 多分、幻術を見せてごまかそうとか考えていたのだが……

 だが……


「オリオン腕の端で、探査船が消息不明」
 無論これは地球の近く。
 シンが潰したからだ。

 それは、彼等にばれたようだ。

「事故か?」
「不明です。いきなりのシグナル消失です」
「該当範囲に、複数送れ。超重力星とか、重力異常を回避するように設定」
「空間異常も回避に加えます」
「その辺りは任せる。時間がかかるから破損は避けろ。発見された星については、団を送れ。穏便にな」
「そうですな、彼等も資源…… いや失礼。失言でしたな」

 そうして、仮称魔族達は各星系に兵を派遣する。

 進んだ技術と、進化したことにより取得した魔法を持って。

 シンによる魔法を白の魔法とすれば、彼等は悪しき魔人から与えられた黒い魔法。

 出会えば、相容れず戦闘となるだろう。

 こうして、一方的な侵略は宇宙全体へと広がっていく。


 ―― その頃地球では……
「うへっ?」
「うへへ」
「気合いを入れろ。死にたいのか?」
「うへへへ」
 三人共が、使い物にならなくなっていた。

 隙があれば、司をちらっと見ては、情事を思いだしてうヘヘと……

「駄目だなこれは……」
 だが確かに、音や色による刺激の影響は減ったようで、もだえまくってはいないようだが、精神がどうもおかしい。

「怪我をしないうちに、かえ……」
 帰ろうと念話を飛ばそうとしたのだが、この階層に出てくる質の悪い相手、デーモンやサキュバスが近寄ってくる。

「気を付けろ。来るぞ」
 今まで何回も、彼女達は精神を乗っ取られて、おかしな事が起こっていた。

 だが今日は、そもそもがおかしいのだが、心の充足が限界突破。
 魔の入り込む隙など、彼女達の心にはなかった。

 あふれかえる司への愛。

 全方位へ性魔法が……


 聖魔法が放出される。

「こんなバカなあぁ……」
 きっとそんなことでも言ったのか、奇妙な色を残して彼等は消滅していった。

 どうやら、愛の力は魔など物ともしないようだ。

 今までハッキリせず、一方的かもしれないと思い続けていた不安。
 それがなくなり、彼女他は脳みそごと羽ばたいているようだ。

 彼女達はまるでゾンビのように、うへへ、うへへと言いながら階層を踏破していく。

 後ろから付いていく司には、恐ろしく奇妙に見えたのだが、実際は無敵状態だから良いかと諦めた。

 こうして、二ヶ月以上進めなかった階層を、一日で突破した。

 ダンジョン攻略には、愛が必要なようだ。
 愛は世界を救う。

 ジャジャーンと言う感じで、二十二階へ。
 再び闇ゾーン。
 そこに潜むシャドウウルフ達。
 彼等は凶悪だが、台所に出る小さな黒い虫のようにどこからでも湧いてくる。

 時には、魔法を使ったときにできる、己の影から湧いて出て足などを攻撃。倒れたら最後、床から体を食われる凶悪さ。

 最悪の階層だと言える。

 だがもう、呼吸をするように探査を使う彼女達。
 最悪の階層は、二十一階層に比べれば、温い物となっていた。

 まあ、心の隙とかが無ければ、二十一階層の方が簡単なのだが、色々と乙女の事情が悪さをして、足止めをされていたようだ。

 そう、すでに乙女では無くなったし、彼女達にもう死角はない。
 凶悪な戦闘巫女として覚醒をしたのだ。

「うへへへ……」
 不気味な笑いが、ダンジョンにこだまする。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

異世界では地味な俺が、なぜか神々に最愛されて無双してる件

fuwamofu
ファンタジー
平凡な高校生・桐生ユウは、女神の手違いで異世界に転生した。 チートもスキルも貰えず、冒険者登録すらままならない落ちこぼれ……のはずだった。 しかし周囲の異常な好感度、意味不明な強運、そして隠された神格スキルによって、ユウは「無自覚に全能」な存在へと覚醒していく。 気づけば女神も姫騎士も魔王娘も彼に夢中。誤解と崇拝が加速する中、ユウの“地味な日常”は世界を揺るがす伝説になっていく。 笑いあり、胸キュンあり、ざまぁありの最強(なのに本人だけ気づいてない)異世界ファンタジー開幕!

異世界転移したら、神の力と無敵の天使軍団を授かったんだが。

猫正宗
ファンタジー
白羽明星は気付けば異世界転移しており、背に純白の六翼を生やした熾天使となっていた。 もともと現世に未練などなかった明星は、大喜びで異世界の大空を飛び回る。 すると遥か空の彼方、誰も到達できないほどの高度に存在する、巨大な空獣に守られた天空城にたどり着く。 主人不在らしきその城に入ると頭の中にダイレクトに声が流れてきた。 ――霊子力パターン、熾天使《セラフ》と認識。天界の座マスター登録します。……ああ、お帰りなさいルシフェル様。お戻りをお待ち申し上げておりました―― 風景が目まぐるしく移り変わる。 天空城に封じられていた七つの天国が解放されていく。 移り変わる景色こそは、 第一天 ヴィロン。 第二天 ラキア。 第三天 シャハクィム。 第四天 ゼブル。 第五天 マオン。 第六天 マコン。 それらはかつて天界を構成していた七つの天国を再現したものだ。 気付けば明星は、玉座に座っていた。 そこは天の最高位。 第七天 アラボト。 そして玉座の前には、明星に絶対の忠誠を誓う超常なる存在《七元徳の守護天使たち》が膝をついていたのだった。 ――これは異世界で神なる権能と無敵の天使軍団を手にした明星が、調子に乗ったエセ強者を相手に無双したり、のんびりスローライフを満喫したりする物語。

処理中です...