ダンジョンのできた世界で、俺は世界を救えと望まれる。えっ、やだよ。ーその男、神の遊戯に巻き込まれて最強となるー

久遠 れんり

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迫り来る脅威

第103話 この先

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「あれは何だ?」
 プアネタウ・ビィスピリ・タスビビュントの上空に現れた飛行物体。

「世界樹よりも高い」
 見た目はエルフの彼等。

 空に浮かんだ葉巻型 UFO。
 ついに有人タイプがやって来た。


「―― 大気成分分析。ウィルスなどもチェックしろ」
「はっ」
 着陸した瞬間、未知のウィルスに罹患をして、全滅では笑えない。

 下降しながら、マップを作成。

 いくつかの人工衛星は、すでにばら撒いてある。
 気象や大気圧、放射線量。
 必要な情報は多い。

「問題ありません」
「そうか。総員戦闘準備」
 友好的な交渉というのはなんだったのか?
 彼等はすでにやる気が満々。
 すでに、地上にいる彼等が、未開の生物だと判断をされている様だ。

「武器は弓に剣か。一応防御レベルは二にしておけ」
 彼等の武器なら、一で十分だが火薬を使った銃をガードできる二にセットした。

 そんな侵略は、宇宙のあちこちで始まった。

 だが……

「又探査船が壊れまして……」
「重力や電位的な異常は、計測できなかったのか?」
「はっ。破壊される寸前、圧力の上昇があり、潰されたようです」
「潰されただと? 攻撃か?」
「いえ。生物反応はありません。ですが、一瞬だけ霊圧が上昇したようです」
「霊圧が? まさか、上位階層との接点があるのか?」
 まだ、ヒステリシスですら、可能性として知られている上位世界。

 今ある世界とは別の空間があり、そこには別の宇宙があると言うもの。物理法則すら違うだろうと言われている。
 魔神の影響で魔法を使い出したとき、その説がふたたび脚光を浴びた。

 霊圧センサーは、魔王である子どもを探すときに造られたもの。魔神の力を計測する。

 人はその内包する魂によって霊圧が違う。
 霊圧は物理的なものにも干渉をして、作用する。

 同一の筋肉なら霊圧が強い方が強くなる。
 地球側で言う、魔力量と考えれば良いだろう。

 従来のヒステリシス人を百とした場合、新人類は二百から四百。
 新賢者達は七百から一千を越える。

 魔王は三千だ。
 その力は強大。
 ダンジョンのエンシェントドラゴンが同じくらい……

 で……
 司は…… 一万近い事を彼等は知らない。
 シンですら、こんなふざけたことになるとは思っていなかった。
 呆れるほど繰り返された周回。
 ラスボスの面子が変わるのがおもしろいと、実は百層すら周回を行ったのだ。

 ザコの神となら、殴り合いができる強さ。
 神というのは、普通のニンゲンなら、殴った手が分解される強さ。
 それ以前に、目の前に来れば、凶悪な神気に当てられて死ぬだろう。

 神々という存在、彼等は、「ふふん。二百かザコめ」と普通に言える強さを持つ。

「ポイントへ有人の探査船を送り、次元の狭間か裂け目が無いか探査しろ。上位世界へ繋がりが出来れば、我らはもっと進化できる」
「はっ」

 ついにシンが恐れたように、有人探査が来始めることに。
 神の一柱として、生物には干渉できない。
 今更どの口がという感じだが、一応線引きがあるようだ。


「むう面倒な。おい司」
「なんだ? 目玉のおやじみたいな声で」
「なんだそれは? まあ良いこっちへ来い」
 何だなんだと、シンの前で正座。

 司の額に、ピタッと肉球が添えられて、にょきっと爪が出る。
 司の防御を軽々と越えて、額に突き刺さる。
「痛て」
「動くな」
 すると、何かの力と共に、映像が一気に流れ込んでくる。

「ぐわっ」
 膨大な情報が、司の脳を蹂躙する。

 空気感温度、そして匂い。
 惨劇のすべてを感じる。

 共通をしているのは、空に浮かぶ銀色の物体。

「これはなんだ?」
 額に肉球型の血を流した司が、シンを見つめる。
 流れた血が、肉球を迂回したために、スタンプのようになっていた。

「今この宇宙で起こっている惨劇だ。俺の管轄とは違うから手を出せないが、こっちにも今来ている。あの女子おなご達を救いたいなら仕事をしろ」
「そうなのか?」
 司から少しだけ威圧が漏れる。

 それは、家が震えるほどの波動。
 慌てて部屋に飛び込んできた千尋。

 にゃんこと向き合い、司の額には血の肉球スタンプ……
「一体何が、あ…… それなぁにぃ」
 緊迫した空気が一瞬で霧散する。

「千尋かどうした?」
「鏡を見て」
 机の上から持ってこられた手鏡。
 覗き込むと、額に肉球スタンプ。

「なんだこれ?」
「お兄ちゃん。かわいいわよ」
 スチャッと、スマホが出されて撮影された。

 次の瞬間には、白い光に包まれて消えてしまったのだが、桜たちに画像は共有された。


 その頃……
「ねえ、どうやって誘う?」
「こっちからお願いすると、エッチだと思われちゃうかなぁ?」
「でもほらこれ見て、週に二回とか三回みたいよ。三日で男の人満タンになるって」
「あっ、本当だ。出さないと、再吸収するのね。省エネなんだ」

 三人は、どうするかを相談していた。

 危機感を感じた司から、特訓のスピードアップが来るとも知らず……

 それほど悲惨な、蹂躙。
 司の鼻腔に残った濃密な血の匂いは、彼が本気になるには十分だった。

 なんとか、なりそうだな。
 歪んだ因果律。
 魔神のために歪んだ世界の予定調和。
 それの修正。

「まあ、気にするのは自分の所だけだがな」
 シンはそうぼやき、ソーマを煽る。
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