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迫り来る脅威
第133話 日出ずる国
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彼等は諦めた。
だが、本当の心、その内は判らない。
確かな事は、国家予算を投入して、かの船を購入することがその国の力となると言う事。
それは確実なことだと、決断をした。
何せ現代の最新装備が、すべて過去の技術となるのだ。
あれから後、すぐにまた日本を訪れて、艦載機の視察なども行った。
対船戦闘機シャドウハウンド。
その船は、全長十八メートル。
全幅も十五メートルほどで、アメリカのF22よりも一廻り小さい。
だが、搭載武器は無尽蔵。
敵機を分解するパルスレーザー、形を登録すればどこまでも追尾する魔導ミサイル。搭載魔法は、地獄の黒炎。
一度火が付けば、燃やし尽くすまで消えない極悪な炎。
爆発じゃないのは、搭乗員に逃げる時間を与えるため。
だが燃え尽きるまでは数分。
そしてこの船は、シンハスターと同じく、シャドウスキップと名付けられた攻撃が出来る。だが実は、影など無くとも空間を移動する。
シンと司、そしてシンクタンクである土屋 紗奈の監修により、極めて厨二的な『カッコ良い』が満載されている。
変形させようとしたが、どう考えても意味が無いだろうとシンに却下された。だが、司と紗奈はカッコいいだろうとこだわり、諦めずに密かに開発を行っている。
さて、そんな事は置いておいて、対象国は考えた。
欲しい。だが高い。
幸いにも魔導回路部分以外は、自国でも何とかできる。
司の造る土魔法の作品とは違い溶接だらけで、フレームは不細工になるのだが、強度が必要な所に使われる、複雑なハニカム構造はパネルごと購入を行い、溶接をする。
基本の形を造り、そこに魔導回路を組み込むエセ魔導船が各国に広がる。
そう、日本からの提示額が、各国の国家予算数年分となったのだ。
これはどんぶり一杯幾らなどと言う、適当な数字ではない。日本側が各方面のスペシャリスト達に計算させた結果だ。
未知の技術がてんこ盛りで、実際に宇宙を航行して安全性は担保している。
最強なのは、最新のレーダーや武器がすべて無効化されて核ミサイルの直撃でも平気。なんせ、宇宙を飛ぶのに隕石の直撃でも大丈夫にしていないと危ないでしょうと、司が説明をしたため、絶対今の技術で造るのは無理だとなった。
各国から秘密のお話がやって来る。
NATOは連携をせず……
いや、表向きは連携をしているのだが、各個に注文がやって来る。
なんとか、各方面から圧力を掛けて、出席日数をごねごねして貰う事で、力業で大学の卒業をした面々。
卒業の条件でもあった、魔導具開発庁の傘下となり、半公半民の企業、日本魔導具開発を起業する。
昔の電電公社とか、日本郵便のようなもの。
最高機密の固まりだから民間には出来無い。
だが、表立って予算と人員は増やせない。
まあ国立大学法人のようなもの。
運営費交付金は出す、研究機関的な立ち位置のようだ。
そして彼等は、魔人軍が持っていたパワードスーツをパク……
参考にして、対人白兵戦用スーツも開発。
これも後に、ヒット商品となる。
一見すると……
「小さいパト○イバーみたいね」
どこかからそんな声が聞こえたが、色も黒だし、どちらかと言えば敵側の……
そんなこんなで、司所長は就任してすぐに、ウッハウハ状態となる。
だが日本では、出る杭は打たれる気風がある。
怪しい大企業達が手を回そうとするのだが、工作者は気がつけば檻の中にいた。
他国からのハニトラもあった……
だが……
「無理です。あんなの」
周りを囲む女性達はしたたかで強く、隙が無かった。
司に近付く女性は、必ず彼女達による面接を受けることになる。
「何を狙っているの?」
優しい笑顔なのに、目は笑っておらず無表情な…… いや無機質な彼女の表情は、人工物のような印象さえ受ける。
結衣たちは、各機関のハニトラ要員達とは、経験をした修羅場の数が違う。
主に命のやり取りだが、それはぞっとする何かを彼女達に与える。
そう、アジア人独特の幼さを持つ彼女達。だが、その見た目の奥には、まるで黒豹か何が、目の前にいるような錯覚を与える。
「答えなさい」
「えっ、いえ。何も。御社との契約を結びたいと思いまして、飛び込みで……」
「残念ね。我が社は一見さんお断りなの。それに、あなたの会社…… 実態が無いわよね」
彼女は驚く。
名刺を渡して数分。
登記だけされて休眠中だった会社名を使い、それを利用している。
調査をされても、すぐにはそれとは判らないはず。
たとえ国の調査期間が調査をしても、こんなに早くばれるはずなど……
彼女だけが知らなかった。
受付用魔導具、為人判断装置、面接君初号機『さあ、君のすべてを聞かせたまへ』。
精神操作を一瞬で行い、掛かった者はすべてを告白する。
受付に来て早々、彼女は来社の目的をすべて語っていた。
「いらっしゃいませ。本日は弊社にお越しくださいましてありがとうございます。アポイントメントはございますでしょうか?」
にっこりと結衣は笑顔で問いかける。
背後の巨大な壁はトレント材、そこには、一見すると趣味の悪そうな巨大な鎌が三つ、インテリアとして掛けられている。
受付カウンターにポンと置かれた、黒いにゃんこのマスコットが、その目を怪しく光らせる。
「えーと、ここの社長新世 司とか言う男なんでしょう? まあ、とにかく寝て、スキャンダルのネタを作らないといけないの。東洋人の相手などいやだけど、これも国の為なのよ。嫌になっちゃうわ。生まれた家が貧乏だったから、街角に立っていたら政府にスカウトされたのよ。ああ、このビジネスカードの会社? この会社は、日本にあったものを適当に使っているだけ。登記だけはしっかりしているから、設立から三十五年。立派なものでしょ。日本はザルね。まあ、探したりなんかは専任のエージェントが行ったから、私は細かな事は知らないから。とにかく何とかして社長に会ってたらし込まないと……」
結衣達は受付であり、鉄壁のガーディアン。
何人も怪しい者は、それ以上進めない。
言い草を聞いて、亜矢の手が壁に掛けられたデスサイズに伸びたのだが、結衣がそれを制する。
「この位で殺っちゃ駄目」
術を解き、フロアに結衣の声がしずかに重く響く。
「何を狙っているの?」
「ひっ」
「答えなさい。それにうちは所長なの。社長はいないわ」
彼女は言い訳をするが、なぜかすべてばれている。
嘘を言うだけ、フロアの空気は重く冷たくなっていく……
彼女は結局逃げだして、本国に泣き言を漏らすことになる……
だが、本当の心、その内は判らない。
確かな事は、国家予算を投入して、かの船を購入することがその国の力となると言う事。
それは確実なことだと、決断をした。
何せ現代の最新装備が、すべて過去の技術となるのだ。
あれから後、すぐにまた日本を訪れて、艦載機の視察なども行った。
対船戦闘機シャドウハウンド。
その船は、全長十八メートル。
全幅も十五メートルほどで、アメリカのF22よりも一廻り小さい。
だが、搭載武器は無尽蔵。
敵機を分解するパルスレーザー、形を登録すればどこまでも追尾する魔導ミサイル。搭載魔法は、地獄の黒炎。
一度火が付けば、燃やし尽くすまで消えない極悪な炎。
爆発じゃないのは、搭乗員に逃げる時間を与えるため。
だが燃え尽きるまでは数分。
そしてこの船は、シンハスターと同じく、シャドウスキップと名付けられた攻撃が出来る。だが実は、影など無くとも空間を移動する。
シンと司、そしてシンクタンクである土屋 紗奈の監修により、極めて厨二的な『カッコ良い』が満載されている。
変形させようとしたが、どう考えても意味が無いだろうとシンに却下された。だが、司と紗奈はカッコいいだろうとこだわり、諦めずに密かに開発を行っている。
さて、そんな事は置いておいて、対象国は考えた。
欲しい。だが高い。
幸いにも魔導回路部分以外は、自国でも何とかできる。
司の造る土魔法の作品とは違い溶接だらけで、フレームは不細工になるのだが、強度が必要な所に使われる、複雑なハニカム構造はパネルごと購入を行い、溶接をする。
基本の形を造り、そこに魔導回路を組み込むエセ魔導船が各国に広がる。
そう、日本からの提示額が、各国の国家予算数年分となったのだ。
これはどんぶり一杯幾らなどと言う、適当な数字ではない。日本側が各方面のスペシャリスト達に計算させた結果だ。
未知の技術がてんこ盛りで、実際に宇宙を航行して安全性は担保している。
最強なのは、最新のレーダーや武器がすべて無効化されて核ミサイルの直撃でも平気。なんせ、宇宙を飛ぶのに隕石の直撃でも大丈夫にしていないと危ないでしょうと、司が説明をしたため、絶対今の技術で造るのは無理だとなった。
各国から秘密のお話がやって来る。
NATOは連携をせず……
いや、表向きは連携をしているのだが、各個に注文がやって来る。
なんとか、各方面から圧力を掛けて、出席日数をごねごねして貰う事で、力業で大学の卒業をした面々。
卒業の条件でもあった、魔導具開発庁の傘下となり、半公半民の企業、日本魔導具開発を起業する。
昔の電電公社とか、日本郵便のようなもの。
最高機密の固まりだから民間には出来無い。
だが、表立って予算と人員は増やせない。
まあ国立大学法人のようなもの。
運営費交付金は出す、研究機関的な立ち位置のようだ。
そして彼等は、魔人軍が持っていたパワードスーツをパク……
参考にして、対人白兵戦用スーツも開発。
これも後に、ヒット商品となる。
一見すると……
「小さいパト○イバーみたいね」
どこかからそんな声が聞こえたが、色も黒だし、どちらかと言えば敵側の……
そんなこんなで、司所長は就任してすぐに、ウッハウハ状態となる。
だが日本では、出る杭は打たれる気風がある。
怪しい大企業達が手を回そうとするのだが、工作者は気がつけば檻の中にいた。
他国からのハニトラもあった……
だが……
「無理です。あんなの」
周りを囲む女性達はしたたかで強く、隙が無かった。
司に近付く女性は、必ず彼女達による面接を受けることになる。
「何を狙っているの?」
優しい笑顔なのに、目は笑っておらず無表情な…… いや無機質な彼女の表情は、人工物のような印象さえ受ける。
結衣たちは、各機関のハニトラ要員達とは、経験をした修羅場の数が違う。
主に命のやり取りだが、それはぞっとする何かを彼女達に与える。
そう、アジア人独特の幼さを持つ彼女達。だが、その見た目の奥には、まるで黒豹か何が、目の前にいるような錯覚を与える。
「答えなさい」
「えっ、いえ。何も。御社との契約を結びたいと思いまして、飛び込みで……」
「残念ね。我が社は一見さんお断りなの。それに、あなたの会社…… 実態が無いわよね」
彼女は驚く。
名刺を渡して数分。
登記だけされて休眠中だった会社名を使い、それを利用している。
調査をされても、すぐにはそれとは判らないはず。
たとえ国の調査期間が調査をしても、こんなに早くばれるはずなど……
彼女だけが知らなかった。
受付用魔導具、為人判断装置、面接君初号機『さあ、君のすべてを聞かせたまへ』。
精神操作を一瞬で行い、掛かった者はすべてを告白する。
受付に来て早々、彼女は来社の目的をすべて語っていた。
「いらっしゃいませ。本日は弊社にお越しくださいましてありがとうございます。アポイントメントはございますでしょうか?」
にっこりと結衣は笑顔で問いかける。
背後の巨大な壁はトレント材、そこには、一見すると趣味の悪そうな巨大な鎌が三つ、インテリアとして掛けられている。
受付カウンターにポンと置かれた、黒いにゃんこのマスコットが、その目を怪しく光らせる。
「えーと、ここの社長新世 司とか言う男なんでしょう? まあ、とにかく寝て、スキャンダルのネタを作らないといけないの。東洋人の相手などいやだけど、これも国の為なのよ。嫌になっちゃうわ。生まれた家が貧乏だったから、街角に立っていたら政府にスカウトされたのよ。ああ、このビジネスカードの会社? この会社は、日本にあったものを適当に使っているだけ。登記だけはしっかりしているから、設立から三十五年。立派なものでしょ。日本はザルね。まあ、探したりなんかは専任のエージェントが行ったから、私は細かな事は知らないから。とにかく何とかして社長に会ってたらし込まないと……」
結衣達は受付であり、鉄壁のガーディアン。
何人も怪しい者は、それ以上進めない。
言い草を聞いて、亜矢の手が壁に掛けられたデスサイズに伸びたのだが、結衣がそれを制する。
「この位で殺っちゃ駄目」
術を解き、フロアに結衣の声がしずかに重く響く。
「何を狙っているの?」
「ひっ」
「答えなさい。それにうちは所長なの。社長はいないわ」
彼女は言い訳をするが、なぜかすべてばれている。
嘘を言うだけ、フロアの空気は重く冷たくなっていく……
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