ダンジョンのできた世界で、俺は世界を救えと望まれる。えっ、やだよ。ーその男、神の遊戯に巻き込まれて最強となるー

久遠 れんり

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迫り来る脅威

第134話 無謀な者達

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 そして同盟では無い者達は、その情報を仕入れる。

「フェイクだろう。日本はとっくに終わった国。我が国に貢いでいれば良いのだ」
「だが政権が変わり、海外支援という名目で投資という名の資金供与をしていれば良いものを、これから減るかもしれないと連絡があった」
「こざかしい。奴らはただ従順に金を出しておれば良いものを」
 日本が発展途上国に金を出す。
 それを我が国の企業が受注をして金が循環をする。
 この三十年盲目的に我が帝国の発展に貢いできた愚かな国。
 パンダ一匹に何億も出し、その裏で何兆もの金を持ってきた。

「一応探れ。もう失敗はするな」
「はい」

 幾度か魔導具とやらの秘密を探ろうとして失敗をして、開発者の拉致を拉致しようとして失敗。
 同士が幾人も主席の逆鱗に触れて粛正をされた。
 私も後が無い。

「おい。チームを選抜しろ。とっておきのエリート連中を召集するのだ。今回はもう失敗は許されない。失敗は即、死だと考えろ。一族も同罪だ」
 彼等は、無駄に面子などにこだわる。
 非効率な考え。
 だが未だにそれが重要らしい。


 それと時を同じくして、バチカンなど唯一神を信仰する組織の暗部が動き始める。

「東洋の島国で、自らを神だと名乗る輩がいるようじゃ……」
「はっ。聞き及んでおります」
「向かいて、調査を行い。必要なら粛正を行いなさい」
「承知いたしました。世の安寧のために、心なき者に天のさばきを与えてまいります」
 
 歴史の転換点に表れ、粛正をして、または民を先導してきた者達。
 
 古くは、世にペストが流行れば、それを魔女のせいとして粛正を行い、聖地エルサレムをイスラム教諸国から奪還することを目的に遠征軍を派遣してみたり。

 世の動乱、その裏側で蠢めいていた組織が今、再び動き始めた。
 エクソシストでもある、カルミネ・デル・コルヴォは廊下に出ると闇に向けて独白をする。
「おそらくは、あの悪魔の穴に入り、特別な力を得た者だろう。悪魔に憑依された者が、その力に振り回されて、嘯いているのだろう。粛正せねばならんだろう」
 すると、闇の中から幾人もの影がにじみ出てきた。
「粛正せねば…… 世の安寧のために」

 
 ―― そして数日が経ち。
「お疲れ様です。パスポートのご提示をお願いします」
 その明らかに怪しい団体は、ずいっとパスポートを提示する。
「渡航の目的は何ですか?」
「観光だ」
 ブラックスーツに黒ネクタイ。
 まるで記憶を失わせる、ピカッと光る棒でも持っていそうな出で立ちの東洋人達。

 おおよそ十人ほどがメンバーなのだろう。
 空港の担当官から密かに連絡が行き、何人か公安の者が彼等を追跡をする。


 そして、時を同じくして、神父様の集団も到着をする。
 黒くて判り辛いが、何か染みていて、鉄臭い匂いが体に染みついているようだ。
「渡航の目的は何ですか?」
「観光だ」
「地域教会との交流です」
「ビジネスだ」
 七人ほどの集団だが、目的はバラバラ。

 担当官から連絡が行き、彼等にも公安職員が張り付く。

 実は彼等全員、別室で軽く質問が行われた。
 そしてその部屋には、黒い招き猫が目を光らせていた。

 それは既視感。
 司の研究所にあった、ある魔導具とそっくりな物がそこに……

 これが空港に設置された後、密輸がほぼゼロとなった。
 画期的なアイテム。
 何せ、相手がすべて自白をしてくれるのだ。
 言った場所を調査すれば物はそこにある。

 だが今回は、ハッキリした証拠がなかった。

 東洋人の集団は、調査と情報収集。
 だが調査対象が、マル特であり公安に連絡が行った。

 もう一つの神父様達も、これまた調査だという。
 全身から血の匂いをさせているのに……

「数人張り付かせろ。対象があの方だと言うから、いつもの様に対処されるだろうが……」

 いくつかの組織や軍関係者が今までも来た。
 かなり気合いが入った連中も、なぜか途中で目的を変えて、性格もすっかり変わった様になり、日本観光を満喫して陽気に帰って行った。

 そう、日本魔導具開発と言う研究所。
 あそこが今、日本で一番ホットな場所で、世界中からエージェントがやって来る。

 友好的な者達は、知的好奇心を刺激されて喜び帰る。
 もしくは交渉決裂で苦々しい顔で帰る。

 そして、もう一種類。
 暴力を持って、何かを成そうとする者達は、調査中にすっかり性格が変わり、観光を楽しんで帰る事が多い。
 一部は、出国しない者が居るのだが、その多くはダンジョンに入った形跡を残して、二度と姿を見ていないとか……


 カルミネ・デル・コルヴォ達は、日本魔導具開発近くのマンションの一室に集まる。

 日本魔導具開発は、小高い山の上を削り建てられた。
 そこに続く道は一本。

 実は、もう一本あるのだが、司の趣味で曲がりくねった山道にはゲートがあり、麓と研究所の間には決められたタイムがある。
 なんと言うのか、私設サーキットコース、峠仕様。

 反射神経を鍛えるために、最近バイクや車にハマっていて、専用コースを造った。
 タイムがたりないと、ゲートが開かずにもう一度となる。

 だがそのルートは、職員の一部には好評なようである。
 技術者達は大抵マニアで、何でも改造するものである。

 そして、その限界を見たくなるもの……
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