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迫り来る脅威
第137話 迫る危険
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「くっ。追いつけない」
「おい。追いつかれたぞ」
「えっ?」
モニターに映る巨大な獣。
横に数メートルもスライドをしながらカーブを曲がり、嬉しそうに追いついてくる。
表情は極悪だが……
「やべえ」
その瞬間、車体の重さが災いをして、タイヤがスライドを始めるサイバーなトラック。
その内側を小柄な車が抜きに行く。
「ちっ」
「おいあれ。ドロテちゃんがいた。奴らプロテスタントの戦闘退魔師だ」
「なに? 本当か」
「嘘は言わん。それに女性に関しては、俺の視力はブッシュマンを越える」
ブッシュマンとは、サン人の事。
基本的に未開人の意味を持ち、蔑称のため、普通は使用されない言葉である。
コイサン系の言語を話し、南部アフリカ一帯で狩猟採集生活を営んできた人々の総称である。
一般的に四・〇から六・〇の視力を持つという。時には、それ以上の驚異的な視力を持つとも言われる。
イタリア系男性の誇りに賭けて、見たことのある女性は逃さないようだ。
「それは良いのだが、後ろに張り付かれたぞ」
はふはふと吐息の掛かりそうな距離。
ステンレス製のボディが、吐き出される酸により変色をして変性し始める。
ステンレスは所詮鉄。
だがクロムが十パーセント以上添加されて、表面に不動態皮膜が造られる。空気中の酸素と反応をして、表面にクロム被膜が作られて保護される一方で、濃硫酸、リン酸などの強い還元性または腐食性の酸には弱いという特性がある。
「やべえ逃げろ」
「今やっているが、タイヤがボロい」
コンバットタイヤは丈夫だが、耐摩耗性とかの問題でコンパウンドが固い。
サーキット走行のような目的には向いていないのだ。
特にこの車は車重が重くて、尚且つハイパワー。
タイヤにはものすごく過酷であるといえる。
タイヤ表面は限界を越えて溶け始め、白煙が上がる。
「やべえ。アクセルが踏めねぇ」
そう言ったまま彼が固まったとき、ポチによる攻撃を受ける。
ちょいっと、左手がボディ後部を横から押す。
「あっ」
声を上げた瞬間、ものすごい回転が始まる。
限界までへたっていたタイヤ。
車はコマのように回転をして、エスケープゾーンという砂利が敷き詰められた部分を突き抜けて、タイヤバリアすらも吹き飛ばす。
車重が重かったために、想定外の破壊力を見せる。
奥にあるガードレールを壊して止まったのだが、その向こうは谷になっている。
車は丈夫な分、中の人間は少し悲惨だった。
六十キロオーバーからの急停車。
その時、体に加わる減速Gは、約十四メートルの高さからの落下相当。
ビル約五階から自由落下したのと同程度の衝撃力が乗員に加わった。
鍛え上げている彼等でも、普通の人間。当然のように手や足は折れるし、首もその力に抗えない。
「わふっ」
彼は獲物に向けて加速を始める。
いつも、司達には追いつけないために悲しかった。
だが、今日の連中は、手が届くところにいる。
遊んで貰おう。
彼はウキウキしながら追いかけ始める。
凶悪な爪が少しだけにょきっと出る。
それは地面に食い込み、信じられない加速を見せる。
そう、彼は犬系のはずなのに、爪の出し入れができる。
「犬みたいだろ。でも機能的にはネコみたいなんだぜ」
などと誰かが言いそうだ。
尻尾の蛇たちも嬉しそうに毒を吐いている。
やばそうな煙が路面から上がる。
きっとこの後彼は、司に説教を喰らうだろ。
でも今は楽しく一台の車を追いかける。
「やばっ。来たわよ」
「判っている」
「早く逃げろ」
「やかましい。お前が降りれば、少し早くなるかもな」
「ちっ」
もう司の姿はどこにも居ない。
彼等はひたすら後ろのモンスターから逃げる事を選択して、いかに早く進むか。
そこに力を注ぐ。
最低限のブレーキング、細心の注意を尻のセンサーで感じて、路面とタイヤの状態を意識する。
パーシャルな状態で、タイヤが滑るか滑らないかのギリギリの状態でアクセル、ブレーキ、ハンドルを操作する。
基本、ハンドルを切ると、ヨーの変化により路面との摩擦によりブレーキングが発生する。
そこまで意識をして、奇蹟のような運転を行う。
運転をしていた退魔師ガエル・トランティはプロドライバーすら凌駕するドライビングテクニックを披露する。
『人間には無限の可能性がある。どんな困難だって乗り越えられるはずだ。』
そんな名言があるのだが、今彼は、まさにそれを実践していた。誰かが万人に叡知を授けてみろと言ったのだが、人は誰かに教わるのではなく、己の限界の中で勝手に力を得たようだ。
ただ、人間の集中力には限界がある。
今の彼はゾーンと呼ばれる特異な状況。
その持続時間は……
今途切れた……
「くわっ。ミスったぁ」
ハンドルは右に切っているのに、車体はまっすぐ外に向かう。
ブレーキングからのターンインで、わずかにオーバースピード。
車はアンダーという状態になってしまう。
サイドブレーキでリアを流したいのだが、最近の車は電気式……
彼は愕然とする。
アクセルを緩めて、グリップが回復するまで何も出来ない。
ミスとしてはわずかなもの。
だが、ポチは見逃さなかった。
離れて行く車に、悲しそうな顔をしていたのだが、その目が怪しく光る。
タングステンカーバイド並みの硬度を持つ爪が地面を掴む。
届けぇ。
ポチは気合いを入れる。
彼等の車はギリギリエスケープゾーンを踏み、コースへと戻る。
すでに、ガエルは限界を越えて、目や鼻から血を流している。
限界を越えた緊張状態。
見たことのないモンスターに追われて、死にたくない一心で逃げる。
この時彼は、今まで手に掛けた人間達が見せてきた懇願を思い出す。
「家族だけは許してくれぇ」
「許す? そうだ。君達は許される。肉体を失い…… 神に許しを願うのだ」
懇願するターゲットの前で、家族を殺したときの絶望。
あの表情はゾクゾクする。
だが、自分に死が向かって来たとき、ここまで恐怖を感じるとは……
狩る側から狩られる側に……
「ここまで、辛いのか?」
バックミラーで大きくなってくるポチに恐怖する。
そして、今、横に並ばれた……
「おい。追いつかれたぞ」
「えっ?」
モニターに映る巨大な獣。
横に数メートルもスライドをしながらカーブを曲がり、嬉しそうに追いついてくる。
表情は極悪だが……
「やべえ」
その瞬間、車体の重さが災いをして、タイヤがスライドを始めるサイバーなトラック。
その内側を小柄な車が抜きに行く。
「ちっ」
「おいあれ。ドロテちゃんがいた。奴らプロテスタントの戦闘退魔師だ」
「なに? 本当か」
「嘘は言わん。それに女性に関しては、俺の視力はブッシュマンを越える」
ブッシュマンとは、サン人の事。
基本的に未開人の意味を持ち、蔑称のため、普通は使用されない言葉である。
コイサン系の言語を話し、南部アフリカ一帯で狩猟採集生活を営んできた人々の総称である。
一般的に四・〇から六・〇の視力を持つという。時には、それ以上の驚異的な視力を持つとも言われる。
イタリア系男性の誇りに賭けて、見たことのある女性は逃さないようだ。
「それは良いのだが、後ろに張り付かれたぞ」
はふはふと吐息の掛かりそうな距離。
ステンレス製のボディが、吐き出される酸により変色をして変性し始める。
ステンレスは所詮鉄。
だがクロムが十パーセント以上添加されて、表面に不動態皮膜が造られる。空気中の酸素と反応をして、表面にクロム被膜が作られて保護される一方で、濃硫酸、リン酸などの強い還元性または腐食性の酸には弱いという特性がある。
「やべえ逃げろ」
「今やっているが、タイヤがボロい」
コンバットタイヤは丈夫だが、耐摩耗性とかの問題でコンパウンドが固い。
サーキット走行のような目的には向いていないのだ。
特にこの車は車重が重くて、尚且つハイパワー。
タイヤにはものすごく過酷であるといえる。
タイヤ表面は限界を越えて溶け始め、白煙が上がる。
「やべえ。アクセルが踏めねぇ」
そう言ったまま彼が固まったとき、ポチによる攻撃を受ける。
ちょいっと、左手がボディ後部を横から押す。
「あっ」
声を上げた瞬間、ものすごい回転が始まる。
限界までへたっていたタイヤ。
車はコマのように回転をして、エスケープゾーンという砂利が敷き詰められた部分を突き抜けて、タイヤバリアすらも吹き飛ばす。
車重が重かったために、想定外の破壊力を見せる。
奥にあるガードレールを壊して止まったのだが、その向こうは谷になっている。
車は丈夫な分、中の人間は少し悲惨だった。
六十キロオーバーからの急停車。
その時、体に加わる減速Gは、約十四メートルの高さからの落下相当。
ビル約五階から自由落下したのと同程度の衝撃力が乗員に加わった。
鍛え上げている彼等でも、普通の人間。当然のように手や足は折れるし、首もその力に抗えない。
「わふっ」
彼は獲物に向けて加速を始める。
いつも、司達には追いつけないために悲しかった。
だが、今日の連中は、手が届くところにいる。
遊んで貰おう。
彼はウキウキしながら追いかけ始める。
凶悪な爪が少しだけにょきっと出る。
それは地面に食い込み、信じられない加速を見せる。
そう、彼は犬系のはずなのに、爪の出し入れができる。
「犬みたいだろ。でも機能的にはネコみたいなんだぜ」
などと誰かが言いそうだ。
尻尾の蛇たちも嬉しそうに毒を吐いている。
やばそうな煙が路面から上がる。
きっとこの後彼は、司に説教を喰らうだろ。
でも今は楽しく一台の車を追いかける。
「やばっ。来たわよ」
「判っている」
「早く逃げろ」
「やかましい。お前が降りれば、少し早くなるかもな」
「ちっ」
もう司の姿はどこにも居ない。
彼等はひたすら後ろのモンスターから逃げる事を選択して、いかに早く進むか。
そこに力を注ぐ。
最低限のブレーキング、細心の注意を尻のセンサーで感じて、路面とタイヤの状態を意識する。
パーシャルな状態で、タイヤが滑るか滑らないかのギリギリの状態でアクセル、ブレーキ、ハンドルを操作する。
基本、ハンドルを切ると、ヨーの変化により路面との摩擦によりブレーキングが発生する。
そこまで意識をして、奇蹟のような運転を行う。
運転をしていた退魔師ガエル・トランティはプロドライバーすら凌駕するドライビングテクニックを披露する。
『人間には無限の可能性がある。どんな困難だって乗り越えられるはずだ。』
そんな名言があるのだが、今彼は、まさにそれを実践していた。誰かが万人に叡知を授けてみろと言ったのだが、人は誰かに教わるのではなく、己の限界の中で勝手に力を得たようだ。
ただ、人間の集中力には限界がある。
今の彼はゾーンと呼ばれる特異な状況。
その持続時間は……
今途切れた……
「くわっ。ミスったぁ」
ハンドルは右に切っているのに、車体はまっすぐ外に向かう。
ブレーキングからのターンインで、わずかにオーバースピード。
車はアンダーという状態になってしまう。
サイドブレーキでリアを流したいのだが、最近の車は電気式……
彼は愕然とする。
アクセルを緩めて、グリップが回復するまで何も出来ない。
ミスとしてはわずかなもの。
だが、ポチは見逃さなかった。
離れて行く車に、悲しそうな顔をしていたのだが、その目が怪しく光る。
タングステンカーバイド並みの硬度を持つ爪が地面を掴む。
届けぇ。
ポチは気合いを入れる。
彼等の車はギリギリエスケープゾーンを踏み、コースへと戻る。
すでに、ガエルは限界を越えて、目や鼻から血を流している。
限界を越えた緊張状態。
見たことのないモンスターに追われて、死にたくない一心で逃げる。
この時彼は、今まで手に掛けた人間達が見せてきた懇願を思い出す。
「家族だけは許してくれぇ」
「許す? そうだ。君達は許される。肉体を失い…… 神に許しを願うのだ」
懇願するターゲットの前で、家族を殺したときの絶望。
あの表情はゾクゾクする。
だが、自分に死が向かって来たとき、ここまで恐怖を感じるとは……
狩る側から狩られる側に……
「ここまで、辛いのか?」
バックミラーで大きくなってくるポチに恐怖する。
そして、今、横に並ばれた……
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