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迫り来る脅威
第143話 人の可能性
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「うふふ。楽しい」
今まで想像をしたことも無い、楽しい時間を過ごすピリッタ。
アトラクションを回り、食事の時間になると現実に戻る。
司しか見ていない時間は終わり、家族が目の前に集まる。
僅か三時間ほどの夢の時間だった。
「そっちはどうだった?」
「おう。説明だと子ども向けと言ったのだが、あの列車という物はいいな」
何か気に入ったようで目がキラキラだ。
「ああ。それな。今向こうで計画中だ。各町を繋ぐ。興味があるならレーヴィさん。社長をするか? 獣王には俺から話しをするが?」
「良いのか?」
「ああ。でも、勉強をしろよ」
「判った」
すると、その話しに長兄アンット君と次兄ルーヌ君が入ってくる。
「勉強は俺達もしたい」
すると雪崩のように、長女アルマや三女のリーナまで手を上げる。
「そうか、勉強は良い事だ。人間知識があると可能性が広がる。知らないと、しようとも出来ないから、選択肢が狭くなるからな」
「選択肢が狭くなる?」
横からピリッタが聞いてくる。
「そう、探査を正面に絞っていると詳しくは見られるのだが。これは視野が狭い状況だ」
テーブルの上に、司は拍手をする感じで手の平を向かい合わせに置き、指先を狭める。
「狭いと、今はコップしか見えていない状況。勉強も同じだ。この星に来て自分たちの星と随分違うのは見ただろう」
「うん」
「おう」
「はい」
皆が頷く。
「これは、獣人の星。ムンダス=ビスタリウム星には無かった物だから、皆が知らなかった。でもお前達は今、それ以外のことを知った。これも知識だ。勉強はこの知らなかった世界を見ることを手伝ってくれる。この手の範囲外には、カトラリーもお手拭きもある。見ようとして、知識という視野を広げることでこれからが変わる。あいつらが来たことで苦労もあったが、空を飛ぶ船や、別の星がある事も知ることが出来ただろう。それはまあ、あの厄災の中で、よかったことかもしれないな」
すると、横から声が聞こえる。
「司さんとも、お知り合いになれましたし」
「ああ、まあ。そうかな」
「では頼む」
親父さんが頭を下げてくる。
「じゃあ、明日はダンジョンだな。獣人達は多分持っている魔力回路が小さいんだ。多分ダンジョンへ行けばそれが強化されるだろう」
なんとなく司にはそんな核心があった。
元々の身体能力が強い獣人達。
強化をすればもっと強くなれるだろう。
ついでに精霊達の力も使えるようになれば……
司の怪しい笑顔を見て、皆が一瞬引いてしまう。
見たこともない料理に子ども達は喜ぶ……
いや、レーヴィさんまで泣いているし。
横を見ればピリッタさんまで……
これって、兎じゃないよな……
カレーに乗っているカツを、まじまじと見て考えてしまう。
どう見ても豚だが、鑑定の魔法が欲しい。
今度創ろう。
「こんな複雑な味、始めてです」
「そうか」
何を食べて良いのか判らないというので、適当に頼んで分けているのだが、ラーメンとかカレーの類い。フードコートだから仕方が無いのだが、船の中でも昨日の家でももっと良いものを食わせた気がするのだが?
「どうして皆、泣いているんだ?」
「この国では、これが普通なのですよね」
「うん。まあ、そうかな」
ピリッタの質問に司が答えると、マリソルから説明が来る。
「向こうから船でやって来て、今やっと実感しているんだと思いますよ」
「実感?」
「うん。初めて船に乗って、どんどんと小さくなる町を空から見て、星を出たらまん丸だし。外は真っ暗で他にも色々な星があって…… そんな事、私たちは一切知りませんでした。知らないというか想像もしていませんでした。食べ物だって全然違うし。向こうじゃ、芋を煮るか焼くか。たまにお肉がはいっても、味付けは塩があれば良い方ですし」
「そう言えばそうだったな」
城で出された料理を思い出す。
血抜きすらきちんとせず、熟成などと言うものはない。
結構、獣臭い肉だった。
それに葉物が添えられていたくらい。
庶民はもっぱら根菜を食うようだが。
多分、肉が臭くとも、獣人達は食べ慣れていて、気にならないのだろう。
「ポテト食うか?」
なんとなくやりたくなって、マリソルの前に突き出すと、パクッと咥える。
「むふふっ」
なんか気持ち悪い笑顔になったのだが……
それよりもだ、周りから何かを期待する目が、こっちを向いている。
仕方が無いから、皆の口に突っ込んで行く。
何が楽しいのか、喜んでいるから良いか。
無事に食事を済ませて、ピリッタは子守り。
レーヴィは、修行だ修行だと言っていたのだが、落下系と、戦闘アトラクションで魔法をぶっ放して、大騒ぎになったり……
地味に賠償金がデカい。
そのため、その後に行く予定だったお化け屋敷みたいなものはパスをした。
だけど、子ども達も喜んだようで、帰りには眠り込んでいた。
翌朝、レーヴィだけではなく、家族全員ダンジョン前に立つことに。
一般向けではなく、ここは富士のダンジョン。
「さあ、とりあえず。勉強をする基礎創りにダンジョンだ。皆行くぞ」
「「「「「おー」」」」」
昨日の遊園地のイメージがあるから、うちのメンバー以外は元気だ。
「さあ、第一歩。こいつはモンスター。生き物に見えるのだが生き物ではない。殺れ」
「「「「「えっ?」」」」」
「大丈夫。怖いのは最初だけだ。慣れれば何も考えずに殺れるようになるから。ほら、こんぼう。これを使え……」
それは、一同が見たことのない司の一面だった……
今まで想像をしたことも無い、楽しい時間を過ごすピリッタ。
アトラクションを回り、食事の時間になると現実に戻る。
司しか見ていない時間は終わり、家族が目の前に集まる。
僅か三時間ほどの夢の時間だった。
「そっちはどうだった?」
「おう。説明だと子ども向けと言ったのだが、あの列車という物はいいな」
何か気に入ったようで目がキラキラだ。
「ああ。それな。今向こうで計画中だ。各町を繋ぐ。興味があるならレーヴィさん。社長をするか? 獣王には俺から話しをするが?」
「良いのか?」
「ああ。でも、勉強をしろよ」
「判った」
すると、その話しに長兄アンット君と次兄ルーヌ君が入ってくる。
「勉強は俺達もしたい」
すると雪崩のように、長女アルマや三女のリーナまで手を上げる。
「そうか、勉強は良い事だ。人間知識があると可能性が広がる。知らないと、しようとも出来ないから、選択肢が狭くなるからな」
「選択肢が狭くなる?」
横からピリッタが聞いてくる。
「そう、探査を正面に絞っていると詳しくは見られるのだが。これは視野が狭い状況だ」
テーブルの上に、司は拍手をする感じで手の平を向かい合わせに置き、指先を狭める。
「狭いと、今はコップしか見えていない状況。勉強も同じだ。この星に来て自分たちの星と随分違うのは見ただろう」
「うん」
「おう」
「はい」
皆が頷く。
「これは、獣人の星。ムンダス=ビスタリウム星には無かった物だから、皆が知らなかった。でもお前達は今、それ以外のことを知った。これも知識だ。勉強はこの知らなかった世界を見ることを手伝ってくれる。この手の範囲外には、カトラリーもお手拭きもある。見ようとして、知識という視野を広げることでこれからが変わる。あいつらが来たことで苦労もあったが、空を飛ぶ船や、別の星がある事も知ることが出来ただろう。それはまあ、あの厄災の中で、よかったことかもしれないな」
すると、横から声が聞こえる。
「司さんとも、お知り合いになれましたし」
「ああ、まあ。そうかな」
「では頼む」
親父さんが頭を下げてくる。
「じゃあ、明日はダンジョンだな。獣人達は多分持っている魔力回路が小さいんだ。多分ダンジョンへ行けばそれが強化されるだろう」
なんとなく司にはそんな核心があった。
元々の身体能力が強い獣人達。
強化をすればもっと強くなれるだろう。
ついでに精霊達の力も使えるようになれば……
司の怪しい笑顔を見て、皆が一瞬引いてしまう。
見たこともない料理に子ども達は喜ぶ……
いや、レーヴィさんまで泣いているし。
横を見ればピリッタさんまで……
これって、兎じゃないよな……
カレーに乗っているカツを、まじまじと見て考えてしまう。
どう見ても豚だが、鑑定の魔法が欲しい。
今度創ろう。
「こんな複雑な味、始めてです」
「そうか」
何を食べて良いのか判らないというので、適当に頼んで分けているのだが、ラーメンとかカレーの類い。フードコートだから仕方が無いのだが、船の中でも昨日の家でももっと良いものを食わせた気がするのだが?
「どうして皆、泣いているんだ?」
「この国では、これが普通なのですよね」
「うん。まあ、そうかな」
ピリッタの質問に司が答えると、マリソルから説明が来る。
「向こうから船でやって来て、今やっと実感しているんだと思いますよ」
「実感?」
「うん。初めて船に乗って、どんどんと小さくなる町を空から見て、星を出たらまん丸だし。外は真っ暗で他にも色々な星があって…… そんな事、私たちは一切知りませんでした。知らないというか想像もしていませんでした。食べ物だって全然違うし。向こうじゃ、芋を煮るか焼くか。たまにお肉がはいっても、味付けは塩があれば良い方ですし」
「そう言えばそうだったな」
城で出された料理を思い出す。
血抜きすらきちんとせず、熟成などと言うものはない。
結構、獣臭い肉だった。
それに葉物が添えられていたくらい。
庶民はもっぱら根菜を食うようだが。
多分、肉が臭くとも、獣人達は食べ慣れていて、気にならないのだろう。
「ポテト食うか?」
なんとなくやりたくなって、マリソルの前に突き出すと、パクッと咥える。
「むふふっ」
なんか気持ち悪い笑顔になったのだが……
それよりもだ、周りから何かを期待する目が、こっちを向いている。
仕方が無いから、皆の口に突っ込んで行く。
何が楽しいのか、喜んでいるから良いか。
無事に食事を済ませて、ピリッタは子守り。
レーヴィは、修行だ修行だと言っていたのだが、落下系と、戦闘アトラクションで魔法をぶっ放して、大騒ぎになったり……
地味に賠償金がデカい。
そのため、その後に行く予定だったお化け屋敷みたいなものはパスをした。
だけど、子ども達も喜んだようで、帰りには眠り込んでいた。
翌朝、レーヴィだけではなく、家族全員ダンジョン前に立つことに。
一般向けではなく、ここは富士のダンジョン。
「さあ、とりあえず。勉強をする基礎創りにダンジョンだ。皆行くぞ」
「「「「「おー」」」」」
昨日の遊園地のイメージがあるから、うちのメンバー以外は元気だ。
「さあ、第一歩。こいつはモンスター。生き物に見えるのだが生き物ではない。殺れ」
「「「「「えっ?」」」」」
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それは、一同が見たことのない司の一面だった……
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