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第4章 大陸統一に向けて
第39話 水は低きに流れる
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「こっちだ」
「ちっ、王太子こちらへ」
「父上は?」
「もう捕まりました。急いで」
そう、夜中に突然始まった騒ぎ。
王族に対して、臣下がいきなり牙をむいた。
今まで従順だった者達が、剣を抜き追いかけてくる。
あっという間に、父上も母上も捕まったようだ。
ええい不甲斐ない。
家庭教師だった卿に連れられ、城の抜け穴をひた走る。
入り口は潰したから、すぐには来ないだろう。
城の外へ出ると、用意されていた馬に乗り、暗い森の中へ入っていく。
いくつか存在するセーフハウス。
一見すると、猟師小屋。
だがその地下には、王族が潜む為の施設がある。
「状態は知らせよ」
「はっ」
幾人かの兵が、城へと戻る。
「おい閉じたか?」
「はい、出られないはずです」
「それで良い。後はベルンハルト王国の方が来られたときに沙汰をしていただこう」
そう彼らは、最初王太子など殺してしまえと考えていた。
だが、責任を取るものは、多い方が良いのではないかと考え直した。
死体を並べておいても良かったのだが、まあ、生きていればそれを吊るすことで、多少は怒りを静めてくれるだろうと考えた。
そうあくまでも、彼らは、この世界の常識で物事を考える。
ヨシュート達は、労することなく王都へとやって来る。
そこでは、迎える準備が出来上がり、国の重要な役職に就く者達が出迎えていた。
ベルンハルト王国軍を見ると、一斉に頭を下げ迎える。
「どういう事かな?」
「見ての通り、戦わずにして、あなた様に従うことを選択をしたのでしょう」
ロニーはそう言って嬉しそう。
実際、一人我らの元にやって来る。
「遠路、お疲れ様です。我が国において好き勝手を行い、滅亡への道を進めてきた王達を捕らえてあります。ぜひ、さばきをお願いいたします」
そう言われて、俺達は王都へと足を踏み入れる。
中央の大通りには、住民が並び俺達を歓迎する。
その感嘆の声が、うねりとなって聞こえる。
「ベルンハルト王国、ばんざーい」
そんな声ばかり。
どう考えてもおかしな雰囲気。
敵国を歓迎。
「噂が、流れておるそうです。交易で、ヨシュートオピディウムを訪れ、その商人が自国で吹聴し噂が広がる。その結果がこれです」
そう言って、ロニーは手を振る。
確かに、大きな町だが、建物は妙に煤け、細い通りはゴミ捨て場状態。
いやな匂いも立ちこめている。
そのままゆっくりと、城へと入る。
ずっと兵達は両側で並んで、俺達を迎え入れる。
泣いている者までいる。
上階へ上がっていくと、王妃様がお迎え。
礼を取ろうとして、ロニー達に止められる。
「こっちが上です、向こうに礼を取らせてください」
そう言ってそのまま、謁見の間でひな壇に上がっていく。
椅子にすわり見下ろす。
手を上げると、部屋内が静かになる。
そう、慣れないオレはおっかなびっくりだが、無理を通す。
ストレスで禿げそうだ……
だが、挨拶をしようとして、困る。
帝となったが、まだ国名を定めていない。
「真の神教国並びにベルンハルト王国連合共和国、帝のヨシュートだ。皆ご苦労だった」
適当に国名を名乗る。
あっ、一国忘れた。まあいい。
先ほどの、王妃様が出てくる。
俺に一礼した後、報告をしてくる。
「帝様自ら、玉体をお運びいただきまして、ありがとうございます。我が国を私物化して、他国にまでご迷惑をおかけした者達。まことに勝手ながら、こちらで捕らえております」
そう言った後、宰相ではなく近衛だろうか、頭を下げると捕まえている人名を読み上げる。
王から始まり、宰相とか軍務卿その他色々主立った者達の名前が読み上げられる。
こうして聞くと、王の忠臣達が根こそぎのようだ。
まあ内部の人間が調べて、捕まえたんだ。抜かりはないだろう。
まあそんな、式典のようなものが終わる。
「ご苦労だった、その者どもの処遇はおって考える」
そう言って、話しは済んだのだが、その頃俺達の後を万の兵達が追いかけていたことを知らなかった。
そう、心配をした、国王アレクサンデル=エーヴァストがあわてて兵を出したようである。
だがその兵達が、追いかける中で戦闘の跡がないことに驚く。
そんな様子を見つめていた者達がいた。
この大陸、カルデロン山脈を回り込んだ南側にあるもう一つの帝国、ヴァルデマル帝国である。
物見の連中が走っていく。
その後、ロニー達の意見や、王妃様の意見そのあたりをを総合的に加味して、王達を吊るす事に決める。
そんな中で、忘れていた王太子達。
捕まえに行くと、どこかに逃げ延びていた。
祭の中で見世物のように、王達が吊るされていく。
印象的なのは、王妃が喜んでいたこと。
心の中でずっと思っていた事がなされたようだ。
立場はあるが、権力とのバランス、従うしかなかった自分がやっと解放された瞬間だったのであろう。
そんな頃、やっと遅れていた王国軍が到着をする。
無理をしていたのか、疲労困憊で隊列は千切れ、本当に戦闘をするならすぐ負けそうな状態。
「ヨシュート様、今回の遠征軍大将のハリー=バイアット公爵であります。ここから貴下に入ります」
とまあ、こんな感じになってしまう。
その頃、逃げた王太子は……
「ちっ、王太子こちらへ」
「父上は?」
「もう捕まりました。急いで」
そう、夜中に突然始まった騒ぎ。
王族に対して、臣下がいきなり牙をむいた。
今まで従順だった者達が、剣を抜き追いかけてくる。
あっという間に、父上も母上も捕まったようだ。
ええい不甲斐ない。
家庭教師だった卿に連れられ、城の抜け穴をひた走る。
入り口は潰したから、すぐには来ないだろう。
城の外へ出ると、用意されていた馬に乗り、暗い森の中へ入っていく。
いくつか存在するセーフハウス。
一見すると、猟師小屋。
だがその地下には、王族が潜む為の施設がある。
「状態は知らせよ」
「はっ」
幾人かの兵が、城へと戻る。
「おい閉じたか?」
「はい、出られないはずです」
「それで良い。後はベルンハルト王国の方が来られたときに沙汰をしていただこう」
そう彼らは、最初王太子など殺してしまえと考えていた。
だが、責任を取るものは、多い方が良いのではないかと考え直した。
死体を並べておいても良かったのだが、まあ、生きていればそれを吊るすことで、多少は怒りを静めてくれるだろうと考えた。
そうあくまでも、彼らは、この世界の常識で物事を考える。
ヨシュート達は、労することなく王都へとやって来る。
そこでは、迎える準備が出来上がり、国の重要な役職に就く者達が出迎えていた。
ベルンハルト王国軍を見ると、一斉に頭を下げ迎える。
「どういう事かな?」
「見ての通り、戦わずにして、あなた様に従うことを選択をしたのでしょう」
ロニーはそう言って嬉しそう。
実際、一人我らの元にやって来る。
「遠路、お疲れ様です。我が国において好き勝手を行い、滅亡への道を進めてきた王達を捕らえてあります。ぜひ、さばきをお願いいたします」
そう言われて、俺達は王都へと足を踏み入れる。
中央の大通りには、住民が並び俺達を歓迎する。
その感嘆の声が、うねりとなって聞こえる。
「ベルンハルト王国、ばんざーい」
そんな声ばかり。
どう考えてもおかしな雰囲気。
敵国を歓迎。
「噂が、流れておるそうです。交易で、ヨシュートオピディウムを訪れ、その商人が自国で吹聴し噂が広がる。その結果がこれです」
そう言って、ロニーは手を振る。
確かに、大きな町だが、建物は妙に煤け、細い通りはゴミ捨て場状態。
いやな匂いも立ちこめている。
そのままゆっくりと、城へと入る。
ずっと兵達は両側で並んで、俺達を迎え入れる。
泣いている者までいる。
上階へ上がっていくと、王妃様がお迎え。
礼を取ろうとして、ロニー達に止められる。
「こっちが上です、向こうに礼を取らせてください」
そう言ってそのまま、謁見の間でひな壇に上がっていく。
椅子にすわり見下ろす。
手を上げると、部屋内が静かになる。
そう、慣れないオレはおっかなびっくりだが、無理を通す。
ストレスで禿げそうだ……
だが、挨拶をしようとして、困る。
帝となったが、まだ国名を定めていない。
「真の神教国並びにベルンハルト王国連合共和国、帝のヨシュートだ。皆ご苦労だった」
適当に国名を名乗る。
あっ、一国忘れた。まあいい。
先ほどの、王妃様が出てくる。
俺に一礼した後、報告をしてくる。
「帝様自ら、玉体をお運びいただきまして、ありがとうございます。我が国を私物化して、他国にまでご迷惑をおかけした者達。まことに勝手ながら、こちらで捕らえております」
そう言った後、宰相ではなく近衛だろうか、頭を下げると捕まえている人名を読み上げる。
王から始まり、宰相とか軍務卿その他色々主立った者達の名前が読み上げられる。
こうして聞くと、王の忠臣達が根こそぎのようだ。
まあ内部の人間が調べて、捕まえたんだ。抜かりはないだろう。
まあそんな、式典のようなものが終わる。
「ご苦労だった、その者どもの処遇はおって考える」
そう言って、話しは済んだのだが、その頃俺達の後を万の兵達が追いかけていたことを知らなかった。
そう、心配をした、国王アレクサンデル=エーヴァストがあわてて兵を出したようである。
だがその兵達が、追いかける中で戦闘の跡がないことに驚く。
そんな様子を見つめていた者達がいた。
この大陸、カルデロン山脈を回り込んだ南側にあるもう一つの帝国、ヴァルデマル帝国である。
物見の連中が走っていく。
その後、ロニー達の意見や、王妃様の意見そのあたりをを総合的に加味して、王達を吊るす事に決める。
そんな中で、忘れていた王太子達。
捕まえに行くと、どこかに逃げ延びていた。
祭の中で見世物のように、王達が吊るされていく。
印象的なのは、王妃が喜んでいたこと。
心の中でずっと思っていた事がなされたようだ。
立場はあるが、権力とのバランス、従うしかなかった自分がやっと解放された瞬間だったのであろう。
そんな頃、やっと遅れていた王国軍が到着をする。
無理をしていたのか、疲労困憊で隊列は千切れ、本当に戦闘をするならすぐ負けそうな状態。
「ヨシュート様、今回の遠征軍大将のハリー=バイアット公爵であります。ここから貴下に入ります」
とまあ、こんな感じになってしまう。
その頃、逃げた王太子は……
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