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第4章 大陸統一に向けて
第48話 あぁ? 女神様
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「前回の使徒が使い物にならなかったため、その保険よ」
女神が、ため息を付く。
そういえば、オオカミの中に一匹ユキが混ざっていた。
おかしいと言えば言える。
そして、どうぞとでも言うように、押し出してきたし……
さっきも、あいつ……
誰だっけ? 前の使徒。
殺す気は無かったのに、ユキがとどめを刺したし……
あのアナウンスがなくなっても、ずっと見られていたのか……
俺はなんとなく納得だが、周りは土下座状態。
ヴァレリーとベルトーネの持ち上がっているお尻が気になる。
「さて、この大陸は制覇をいたしました。その点は褒めてあげます」
センスでびしっと刺される。
地味に痛い…… あれ?痛くない。
また何か変わったようだ。
俺の考えに気がついたのか、女神がにやっと笑う。
「気がついた? さきほど与えたもので、寿命はおそらく千年。強化ボデイに、魔法ではなく、あなたの記憶にある超能力とか色々と突っ込んであげたわ。おかげで多少神に近付いたけれどご褒美ね。これからも、この子はサポートに付けるから」
そう言うと、ユキは頭を下げてくる。
「さあてと、それじゃあ、これからもお願いね」
そう言われて驚く。
「此処以外?」
そう聞くと、やれやれという感じの顔をされる。
「この世界には、他の大陸があるの、精霊種の住む大陸、魔人族の住む大陸。そして獣人族の住む大陸。おわかり?」
「えっ? それも、統一をしろって?」
そう聞くと、何を言っているのかしらと言う感じがひどくなる。
「言ったじゃない、この世界を統べろと…… それにこの星が終われば、別の星もあるから」
「はっ?」
「ああ、言葉は通じるからね。だけど、戦闘力が強くて好戦的な人種も居るから気を付けて、多分今のあなたなら負けないから、じゃあね」
そう言って、女神は本当に好き勝手なことを言って帰って行った。
やっと拘束が解けたのか、皆が頭を上げる。
そしたら、思い出したように机が出現。
「おおっ」
皇帝さんが潰された。
近衛達があわてて動き始める。
そして、おれの横ですまし顔で控えている、ユキ……
人型で、戻っていないし……
じっと見ていると、こてんと首をかしげるのは変わっていない。
つい頭をなでると、目を細める。
なんか長ったらい名前だったけど、ユキで行こう。
「あーなんか来てたが、話を始めよう…… なんだったかな?」
「えーと、なんでしたっけ?」
ロニーもぼけてしまったようだ。
「そちらの皇帝さんが、降伏をするというお話の続きです」
ユキが嬉しそうに教えてくれた。
「ああ、そうだった。では、条件をつめて文書を作ろう」
それから、調印用の文書をしたため、調印を行う。
あの騒動から、一週間が経ち、皇都の中も落ち着いてきたようだ。
帝国内の国々には通知を出して人を集める。
来たときには、散々文句を言っていたが、なぜか俺を見ると押し黙り、それぞれが調印を行っていく。
この大陸では、結果一つの国としてまとまり、管理をするのだが何とかしないと情報の伝達が遅い。
日本人の感覚からすると、一言言って、帰ってくるのに一月以上というのがどうにも我慢ができない。
気の長い方だと思ったが、だめだ……
ユキに相談をする。
そうだユキは、フェンリルのときから甘えんぼだったが、人型でも同じで、話を聞くと、女神のドーピングにより俺の方が、階位とやらが高いらしい。
子どもはできないが、触れ合うことは好きなのだそうだ。
もめるかと思ったが、ヴァレリーとベルトーネから特に苦情もなく、一番上のポジションに収まった。
そして、教皇であるマリーナだ。
会って話をした瞬間、泣いた……
あんないい加減な女神だが、会いたかったようだ。
だけど、ユキを紹介をすると、床に倒れた。
よくわからんが、最高の礼を取ったのだとか……
昔、何かで読んだ五体投地という奴だろうか?
そして、もふもふが居なくなったことで、少し悲しそうだ。
今度探してこよう。
衝撃の展開から、少し落ち着いたヨシュートだったが、ヴァルデマル帝国皇帝、セプテンデバスはそれどころではなかった。
皇后カリスト、息子のアルカス、そして娘のヘラと次女アークトゥルス。
そして、丞相アルコル=ルーベンを集めて、今回の顛末を説明をする。
元々は、ヒエロニムス王国の王太子エバリオットが、逃げてきたことに端を発する。
「そこで欲をかき、北側の国も手中に収めようと考えた。ところが、知らぬ間に向こう側では統廃合が進み、帝、ヨシュート様が治めていた」
そう言うと、家族を見回す。
「情報がとにかく大事。大陸中に、諜報の目を広げるのだ。それができていなかったことで、今回私は、神の使い。使徒様に刃を向けてしまった。知らぬ事とは言え、自身の欲で行動し、浅はかなことだ……」
そう言うと落ち込む……
「御父様、それでわたくしが、ヨシュート様に嫁げば良いのでしょうか?」
娘のヘラが嬉しそうな顔をする。この娘、見目は良いのだが、どこで間違えたのか、性格が悪い。自分が皇帝の娘という事を笠に着て好き勝手をする。
十五歳の時に婚約が破談となり、それ以降、今二十二歳だというのに相手が決まらない。
そんな情報は、早く広がるようだ……
「いや、帝の年を考えるとアークトゥルス。お前が行きなさい。ただ、今はそんなことを考えられないと仰っていたから、お近くにいて懇意となれ」
「はい判りました、御父様」
アークトゥルスも二十歳。
姉がいかぬ者だから、行き遅れとなった。
ふふっ、どんな方かしら……
女神が、ため息を付く。
そういえば、オオカミの中に一匹ユキが混ざっていた。
おかしいと言えば言える。
そして、どうぞとでも言うように、押し出してきたし……
さっきも、あいつ……
誰だっけ? 前の使徒。
殺す気は無かったのに、ユキがとどめを刺したし……
あのアナウンスがなくなっても、ずっと見られていたのか……
俺はなんとなく納得だが、周りは土下座状態。
ヴァレリーとベルトーネの持ち上がっているお尻が気になる。
「さて、この大陸は制覇をいたしました。その点は褒めてあげます」
センスでびしっと刺される。
地味に痛い…… あれ?痛くない。
また何か変わったようだ。
俺の考えに気がついたのか、女神がにやっと笑う。
「気がついた? さきほど与えたもので、寿命はおそらく千年。強化ボデイに、魔法ではなく、あなたの記憶にある超能力とか色々と突っ込んであげたわ。おかげで多少神に近付いたけれどご褒美ね。これからも、この子はサポートに付けるから」
そう言うと、ユキは頭を下げてくる。
「さあてと、それじゃあ、これからもお願いね」
そう言われて驚く。
「此処以外?」
そう聞くと、やれやれという感じの顔をされる。
「この世界には、他の大陸があるの、精霊種の住む大陸、魔人族の住む大陸。そして獣人族の住む大陸。おわかり?」
「えっ? それも、統一をしろって?」
そう聞くと、何を言っているのかしらと言う感じがひどくなる。
「言ったじゃない、この世界を統べろと…… それにこの星が終われば、別の星もあるから」
「はっ?」
「ああ、言葉は通じるからね。だけど、戦闘力が強くて好戦的な人種も居るから気を付けて、多分今のあなたなら負けないから、じゃあね」
そう言って、女神は本当に好き勝手なことを言って帰って行った。
やっと拘束が解けたのか、皆が頭を上げる。
そしたら、思い出したように机が出現。
「おおっ」
皇帝さんが潰された。
近衛達があわてて動き始める。
そして、おれの横ですまし顔で控えている、ユキ……
人型で、戻っていないし……
じっと見ていると、こてんと首をかしげるのは変わっていない。
つい頭をなでると、目を細める。
なんか長ったらい名前だったけど、ユキで行こう。
「あーなんか来てたが、話を始めよう…… なんだったかな?」
「えーと、なんでしたっけ?」
ロニーもぼけてしまったようだ。
「そちらの皇帝さんが、降伏をするというお話の続きです」
ユキが嬉しそうに教えてくれた。
「ああ、そうだった。では、条件をつめて文書を作ろう」
それから、調印用の文書をしたため、調印を行う。
あの騒動から、一週間が経ち、皇都の中も落ち着いてきたようだ。
帝国内の国々には通知を出して人を集める。
来たときには、散々文句を言っていたが、なぜか俺を見ると押し黙り、それぞれが調印を行っていく。
この大陸では、結果一つの国としてまとまり、管理をするのだが何とかしないと情報の伝達が遅い。
日本人の感覚からすると、一言言って、帰ってくるのに一月以上というのがどうにも我慢ができない。
気の長い方だと思ったが、だめだ……
ユキに相談をする。
そうだユキは、フェンリルのときから甘えんぼだったが、人型でも同じで、話を聞くと、女神のドーピングにより俺の方が、階位とやらが高いらしい。
子どもはできないが、触れ合うことは好きなのだそうだ。
もめるかと思ったが、ヴァレリーとベルトーネから特に苦情もなく、一番上のポジションに収まった。
そして、教皇であるマリーナだ。
会って話をした瞬間、泣いた……
あんないい加減な女神だが、会いたかったようだ。
だけど、ユキを紹介をすると、床に倒れた。
よくわからんが、最高の礼を取ったのだとか……
昔、何かで読んだ五体投地という奴だろうか?
そして、もふもふが居なくなったことで、少し悲しそうだ。
今度探してこよう。
衝撃の展開から、少し落ち着いたヨシュートだったが、ヴァルデマル帝国皇帝、セプテンデバスはそれどころではなかった。
皇后カリスト、息子のアルカス、そして娘のヘラと次女アークトゥルス。
そして、丞相アルコル=ルーベンを集めて、今回の顛末を説明をする。
元々は、ヒエロニムス王国の王太子エバリオットが、逃げてきたことに端を発する。
「そこで欲をかき、北側の国も手中に収めようと考えた。ところが、知らぬ間に向こう側では統廃合が進み、帝、ヨシュート様が治めていた」
そう言うと、家族を見回す。
「情報がとにかく大事。大陸中に、諜報の目を広げるのだ。それができていなかったことで、今回私は、神の使い。使徒様に刃を向けてしまった。知らぬ事とは言え、自身の欲で行動し、浅はかなことだ……」
そう言うと落ち込む……
「御父様、それでわたくしが、ヨシュート様に嫁げば良いのでしょうか?」
娘のヘラが嬉しそうな顔をする。この娘、見目は良いのだが、どこで間違えたのか、性格が悪い。自分が皇帝の娘という事を笠に着て好き勝手をする。
十五歳の時に婚約が破談となり、それ以降、今二十二歳だというのに相手が決まらない。
そんな情報は、早く広がるようだ……
「いや、帝の年を考えるとアークトゥルス。お前が行きなさい。ただ、今はそんなことを考えられないと仰っていたから、お近くにいて懇意となれ」
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姉がいかぬ者だから、行き遅れとなった。
ふふっ、どんな方かしら……
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