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第6章 魔人族大陸平定
第110話 魔王城
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そこは、異変の前から静かだった。
人間の王城と違い、人はほとんどいない。
謁見の間に朝出勤をして、ワインのコルクを抜く。
つまみに、極炎鳥のグリルをつまみながら、ただ座っている。
「魔王様異変です、民どもが変異、多くは死人となり人を襲っております。いかがなさいましょう?」
「死人だと…… 焼け。全てな……」
「はっ承知いたしました」
今日はなんだか忙しい。
また兵が飛び込んできた。
「ご報告があります、現れた死人の中に、変異種が目撃をされました。かなりの強さであります」
「焼け、とことんな、骨も残さずだ……」
「はい、承知いたしました」
魔王ラーファエル=ケスミンは即位をして五百年、飽きていた。
人間の王とは違い、生まれた瞬間に探される。
それは魔王の魔王たる所以。
彼は死んでも生き返る。
前回は確か、究極の魔法を創っていた。
そう、錬金術で物質の質量数を高めていった。
するとだ起こるのだよ……
核分裂が…… それは一瞬で、本当にあっという間だった。
復活をしたら、数百年が経ち、王都も遷都していた。
現場には、池ができているらしい。
「何もかも懐かしい…… 若さ故の、探究心が都市をも消し去る」
うふふ、うふふと、酒を飲み笑っている魔王。
このせいで、普段人々がいなくなったと言える。
ただ誰も居ない謁見の間で酒を喰らい、一人笑う。
魔王は怖いだろう。
やがて瘴気は、魔王城を襲う。
人々は変異をして、暴れ始めた。
魔王は、座り込みただ飲んでいた。
そこにも、霧となった瘴気が押し寄せる。
魔王の技に浄化魔法はない。
だからそのままくらい、自分の物とした。
力があふれる。
湧き上がる暴力衝動は前からだし、なんだろう、単に少しだけパワーアップした気がする。
そもそも魔王は、魔人のための器で有り、それは定めとなっている。
あの女神が決めたわけではない。
だが少し変わった力と能力。
立ち上がり、誰も居ないとこへ向けて叫ぶ、
「力あるものよ、この場へ集え」
それだけいうと、ストンと王座へ腰を掛けて、またちびちびとワインを飲む。
その波動は、一瞬で大陸中に広がる。
ただ本当に強いものは、そんな命令ははじかれる。
悪意のある精神波、受け入れるわけは無い、だが弱いものは、魔王の餌となるために集まってくる。
それをつまみに、魔王は力を蓄える。
そして変異体ではなく、完全体の第一陣がやって来た。
王都に残っていたゾンビ達と戦いが始まる。
それはひどく醜悪な壊しあい。
目の前のものをひたすら殴る。
そこには理性も何もなく、ただ壊す。
その場を変異体達は餌場として使い、強くなっていく。
そこにいた完全体は、ヨハン、元農夫だった。
瘴気に巻かれ、気がつけば妻のノーラや子ども達を食い散らかしていた。
だがそのおかげで、彼女達は埋葬されたのだが、そう言って済ませるものでもない。
自身への怒りと共に走り出す。
次の嫁さんを探そう……
彼は意外と屑だった。
そうして導かれてやって来た。
途中で拾った変異体とかを従え、彼は図に乗っていた。
そうお山の大将的な、今まで村の中でも底辺だった。
それがモンスター達を従えて、命令が出来る。
彼はドンドンと、王城へと近寄っていく。
その導きに呼ばれて。
両開きのドアを景気よく開く。
そこにいたのは当然魔王。
彼は王座に座り、ワインを飲みながら焼いた何かを喰っていた。
「ほう、人の意識と姿を保っておるのか…… 来るなら来るが良い」
そういった魔王は覇気が無く、ひどく弱そうに見えた。
だがそれは、力が入っていないだけ。
見た瞬間に、力のほどは判る。
気合いを入れるほどではない。
「来ないなら行くぞ」
「こいやあぁぁ……」
魔王に向けて叫んだ……
そこで、彼の意識は消失をした。
魔王は、彼が立っていたすぐ横に、首を抱えて立っていた。
髪を掴んで首に手刀。
それだけで、変異体の体当たりにも、パンチにも平気だった首が取れた。
「ほう多少は美味だな」
そうして彼は、また待ちわびる。
多少ワクワクしながら。
「うふうふうふ、ああっ美味しい」
ヨルーオ達は歩くのが面倒になり、連台のような物を作る。
その上に二人が乗ると、すぐに暇となりいちゃつき始める。
マドゥラ、彼女は少しおかしな位彼を求める。
それは本能的なものと、力の補給。
別の所でも、すっかり甘えん坊になったベルトーネ。
実は彼女、瘴気の影響を多少受けていた。
浄化をしたって、完全ではない。
じわりじわりと侵食を受ける。
自身の欲望、ヨシュートを独り占めしたい、負けたくない。
無理矢理封じたが、そんな思いはどうしたって存在をする。
そんな心の闇に、瘴気が取り憑いていた。
そう、だが、気がつけば終わりだ。
ヨシュートに貫かれながら、内側からも浄化される。
「かはっ」
口の中から、光が空へと吐き出される。
「これで良いだろう」
ガクガクガクと痙攣をして、ぱったりと倒れる。
「意外と甘えんぼのベルトーネも、かわいかったでしょ?」
「うーん。たまにはなら良いけれど、毎日だとちょっとね」
そんな声と共に、頭をなでられる感触がする。
にへにへと喜びながら、すっきりして彼女は眠る。
今晩は悪夢を見ないだろう。
ヨシュートを独り占めして、高笑いをする謎の女。
その女は、ユキではないが、そんな雰囲気を持っていた……
人間の王城と違い、人はほとんどいない。
謁見の間に朝出勤をして、ワインのコルクを抜く。
つまみに、極炎鳥のグリルをつまみながら、ただ座っている。
「魔王様異変です、民どもが変異、多くは死人となり人を襲っております。いかがなさいましょう?」
「死人だと…… 焼け。全てな……」
「はっ承知いたしました」
今日はなんだか忙しい。
また兵が飛び込んできた。
「ご報告があります、現れた死人の中に、変異種が目撃をされました。かなりの強さであります」
「焼け、とことんな、骨も残さずだ……」
「はい、承知いたしました」
魔王ラーファエル=ケスミンは即位をして五百年、飽きていた。
人間の王とは違い、生まれた瞬間に探される。
それは魔王の魔王たる所以。
彼は死んでも生き返る。
前回は確か、究極の魔法を創っていた。
そう、錬金術で物質の質量数を高めていった。
するとだ起こるのだよ……
核分裂が…… それは一瞬で、本当にあっという間だった。
復活をしたら、数百年が経ち、王都も遷都していた。
現場には、池ができているらしい。
「何もかも懐かしい…… 若さ故の、探究心が都市をも消し去る」
うふふ、うふふと、酒を飲み笑っている魔王。
このせいで、普段人々がいなくなったと言える。
ただ誰も居ない謁見の間で酒を喰らい、一人笑う。
魔王は怖いだろう。
やがて瘴気は、魔王城を襲う。
人々は変異をして、暴れ始めた。
魔王は、座り込みただ飲んでいた。
そこにも、霧となった瘴気が押し寄せる。
魔王の技に浄化魔法はない。
だからそのままくらい、自分の物とした。
力があふれる。
湧き上がる暴力衝動は前からだし、なんだろう、単に少しだけパワーアップした気がする。
そもそも魔王は、魔人のための器で有り、それは定めとなっている。
あの女神が決めたわけではない。
だが少し変わった力と能力。
立ち上がり、誰も居ないとこへ向けて叫ぶ、
「力あるものよ、この場へ集え」
それだけいうと、ストンと王座へ腰を掛けて、またちびちびとワインを飲む。
その波動は、一瞬で大陸中に広がる。
ただ本当に強いものは、そんな命令ははじかれる。
悪意のある精神波、受け入れるわけは無い、だが弱いものは、魔王の餌となるために集まってくる。
それをつまみに、魔王は力を蓄える。
そして変異体ではなく、完全体の第一陣がやって来た。
王都に残っていたゾンビ達と戦いが始まる。
それはひどく醜悪な壊しあい。
目の前のものをひたすら殴る。
そこには理性も何もなく、ただ壊す。
その場を変異体達は餌場として使い、強くなっていく。
そこにいた完全体は、ヨハン、元農夫だった。
瘴気に巻かれ、気がつけば妻のノーラや子ども達を食い散らかしていた。
だがそのおかげで、彼女達は埋葬されたのだが、そう言って済ませるものでもない。
自身への怒りと共に走り出す。
次の嫁さんを探そう……
彼は意外と屑だった。
そうして導かれてやって来た。
途中で拾った変異体とかを従え、彼は図に乗っていた。
そうお山の大将的な、今まで村の中でも底辺だった。
それがモンスター達を従えて、命令が出来る。
彼はドンドンと、王城へと近寄っていく。
その導きに呼ばれて。
両開きのドアを景気よく開く。
そこにいたのは当然魔王。
彼は王座に座り、ワインを飲みながら焼いた何かを喰っていた。
「ほう、人の意識と姿を保っておるのか…… 来るなら来るが良い」
そういった魔王は覇気が無く、ひどく弱そうに見えた。
だがそれは、力が入っていないだけ。
見た瞬間に、力のほどは判る。
気合いを入れるほどではない。
「来ないなら行くぞ」
「こいやあぁぁ……」
魔王に向けて叫んだ……
そこで、彼の意識は消失をした。
魔王は、彼が立っていたすぐ横に、首を抱えて立っていた。
髪を掴んで首に手刀。
それだけで、変異体の体当たりにも、パンチにも平気だった首が取れた。
「ほう多少は美味だな」
そうして彼は、また待ちわびる。
多少ワクワクしながら。
「うふうふうふ、ああっ美味しい」
ヨルーオ達は歩くのが面倒になり、連台のような物を作る。
その上に二人が乗ると、すぐに暇となりいちゃつき始める。
マドゥラ、彼女は少しおかしな位彼を求める。
それは本能的なものと、力の補給。
別の所でも、すっかり甘えん坊になったベルトーネ。
実は彼女、瘴気の影響を多少受けていた。
浄化をしたって、完全ではない。
じわりじわりと侵食を受ける。
自身の欲望、ヨシュートを独り占めしたい、負けたくない。
無理矢理封じたが、そんな思いはどうしたって存在をする。
そんな心の闇に、瘴気が取り憑いていた。
そう、だが、気がつけば終わりだ。
ヨシュートに貫かれながら、内側からも浄化される。
「かはっ」
口の中から、光が空へと吐き出される。
「これで良いだろう」
ガクガクガクと痙攣をして、ぱったりと倒れる。
「意外と甘えんぼのベルトーネも、かわいかったでしょ?」
「うーん。たまにはなら良いけれど、毎日だとちょっとね」
そんな声と共に、頭をなでられる感触がする。
にへにへと喜びながら、すっきりして彼女は眠る。
今晩は悪夢を見ないだろう。
ヨシュートを独り占めして、高笑いをする謎の女。
その女は、ユキではないが、そんな雰囲気を持っていた……
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