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第7章 宇宙(そら)へ
第123話 そして、だれもいなくなった
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それは突然だった。
直接頭に響く声。
動物たちも騒いでいたから、動物にも聞こえたのだろう。
『我はヨシュート。この世界を統べる女神の…… くっ、使いだ。おい、これ本当に読むのか?…… むうっ。えーそれでは、この世界に住むすべての者を導き、安寧をもたらす者だ。我に従え。然すれば道は開かれん。数日あれば主星とやらにたどり着く。では…… しばし待て』
読み上げるヨシュートの横で、女神は手を叩いて喜んでいる。
ロニーの作文にしては、まあおとなしめの文言だな。
ヨシュートも大分毒されていた。
無論そんなメッセージを受ければ、相手はパニックである。
通信回路はパンクして大騒ぎ。
何せ異星人の侵攻である。
それも、謎の力を使う。
「どうする?」
当然議会は混乱。
先日の洗脳騒ぎを論じていたところだ。
あれが敵の攻撃だとすると、自由に敵を混乱させることが出来る。
それも最悪な形で、無力化できるのだ。
「防空システムを起動します」
うーんと言う感じで考え出した答えがそれ。
こいつが事務方のトップである。
「バカ。誤射でもして、惑星破壊弾でも使われたらどうする?」
敵の力は未知数。
だから、最善の手は打たないと、まずいことになる。
だが戦場を知らない事務官。
「敵にその様な武器が有りますかね?」
無いことを前提に考えてどうする。
議院代表の血管が、こめかみに浮かび上がる。
「あの声は何だ? 全く未知のシステムじゃないのか? それに神の使いと言ったぞ。我が国の神話に残っておるではないか。昔バラバラだった言語を、不自由だろうと共通言語を与えてくださったと。それもいきなり頭に流れ込んできたと記述がある。同じ物では無いのか?」
それを聞いて、今頃、ああという感じで納得をする。
「その辺りは、精査を行いませんと、何とも」
いつも通り……
「精査か、都合の良い言葉だな。検討もするか?」
「当然です」
それを言い切る事務方。
議院達はため息を付く。
だーが。相手はヨシュート。
『どれ、話は決まったかね』
『いま、あなたの星にたどり着いたの。もうすぐ行くからね』
アデルがおもしろがって割り込む。
この前話してあげた、人形が電話をしながら近付いてくる奴だな。
「へー、出来るわよ私」
「俺も出来るが、そこじゃない。これは意思を持たないはずの人形が帰ってくるのが怖いんだよ」
「ゴーレムじゃないの?」
「向こうは、そう言うのはないんだ」
「結構不便ね」
とかさぁ。
「恨みを持って、井戸から出てくるんだよ」
「結構あるんじゃない?」
さらっと、ベルトーネがそんな事を言う。
「ああ貴族とかやりそうね。どこかの村でも、井戸を使わせて貰ったら釣瓶の中に頭蓋骨が入って驚いたことがあったわ。何かの事故で落ちたんだよきっと」
「良くある話しね」
ヴァレリーとベルトーネの話が、地味に怖いよ。
まあスケルトンとかゾンビが普通にいる世界、皆慣れているのか……
そう、さっき言って、もう着いた。
座標を読んで、艦隊を転移させただけだが。
「早い分には良いでしょう」
まあそう言うことだ。
現在地上から千メートルくらい。
成層圏のギリギリ。
だが首都なのか、メガストラクチャーな建物が目の前にある。
「すごいな。基礎部分だけで、数十キロありそうだ」
「精霊国にあった木みたいだね」
それは世界樹。確かに大きさは…… 世界樹の方が大きいな。
「敵船消えました」
「すぐに連絡を入れろ」
「敵船団消えたそうです」
「ではあれは、やはりそうなんだな」
周囲では警報が鳴りまくっていた。
宇宙外縁から一瞬で移動。
それも、全ての防空システムを無視して、本部の眼前へ。
『さて、少し早い到着だが、我々はどうすれば良い?』
問いかけるが、当然返事はない。
念話への返答など、どうややれば良いのか判らない。
うぬぬと宇宙港を思い浮かべてみたが、それでは考えただけ。
魔力を錬り、対象に向けて飛ばし、それに意識を乗せるだけなのに知らなかったようだ。
「無視のようですね。もう一度やりましょうか? はいポチッとな」
躊躇無く押されたボタン。止める時間も無く、ナイトメアが発動する。
中央議会場では、先ほどの念話に対してのコメントを出すため、議員達などが集まっていた。
無論主星を含めて、周辺居住惑星にもバッチリと全国放送。
カメラはすでに動作していた。
会場では、準備をしていたが、いきなりザワつき始める。
そして、声が聞こえる。
議員達は周りをキョロキョロと探すが、声の主は数キロ先に浮かんでいる。
そしてその時が来た。
カクンと糸が切れたように皆が倒れた。
見ていた国民はざわつき始めるが、むっくりと皆が起き上がる。
そして……
ヒャッホーである。
一気に衣服を脱ぎ飛ばし、誰彼なく。黙って一突きである。
一体どんな夢を見ているのかは判らない。だが自分の望む最高の条件で相手と繋がる。
そうそこで得られるのは、最高の快感。
脳がとろけるような……
当然、一回でなど終わらない。
建物には窓があり、可視光が透過されている。
無論ミサイルが直撃をしても、びくともしない謎樹脂製。
だがヨシュート達は見ていた。
「あー止めろ。肉眼で見るとひどいな」
止めろと言われて、ロニーはつまらなそう。
一度止める。
正気に戻り、パニックが起こる。
スイッチオン。
落ち着き、そして盛る。
スイッチオフ。
またパニック。
「あーおいおい、壊れるからやめろ」
こっちでも、見ていられないと思っていたが、無論それは国民達もだ。
その日、ファビタブル高度文明の議会は、歴史に幕を下ろした。
直接頭に響く声。
動物たちも騒いでいたから、動物にも聞こえたのだろう。
『我はヨシュート。この世界を統べる女神の…… くっ、使いだ。おい、これ本当に読むのか?…… むうっ。えーそれでは、この世界に住むすべての者を導き、安寧をもたらす者だ。我に従え。然すれば道は開かれん。数日あれば主星とやらにたどり着く。では…… しばし待て』
読み上げるヨシュートの横で、女神は手を叩いて喜んでいる。
ロニーの作文にしては、まあおとなしめの文言だな。
ヨシュートも大分毒されていた。
無論そんなメッセージを受ければ、相手はパニックである。
通信回路はパンクして大騒ぎ。
何せ異星人の侵攻である。
それも、謎の力を使う。
「どうする?」
当然議会は混乱。
先日の洗脳騒ぎを論じていたところだ。
あれが敵の攻撃だとすると、自由に敵を混乱させることが出来る。
それも最悪な形で、無力化できるのだ。
「防空システムを起動します」
うーんと言う感じで考え出した答えがそれ。
こいつが事務方のトップである。
「バカ。誤射でもして、惑星破壊弾でも使われたらどうする?」
敵の力は未知数。
だから、最善の手は打たないと、まずいことになる。
だが戦場を知らない事務官。
「敵にその様な武器が有りますかね?」
無いことを前提に考えてどうする。
議院代表の血管が、こめかみに浮かび上がる。
「あの声は何だ? 全く未知のシステムじゃないのか? それに神の使いと言ったぞ。我が国の神話に残っておるではないか。昔バラバラだった言語を、不自由だろうと共通言語を与えてくださったと。それもいきなり頭に流れ込んできたと記述がある。同じ物では無いのか?」
それを聞いて、今頃、ああという感じで納得をする。
「その辺りは、精査を行いませんと、何とも」
いつも通り……
「精査か、都合の良い言葉だな。検討もするか?」
「当然です」
それを言い切る事務方。
議院達はため息を付く。
だーが。相手はヨシュート。
『どれ、話は決まったかね』
『いま、あなたの星にたどり着いたの。もうすぐ行くからね』
アデルがおもしろがって割り込む。
この前話してあげた、人形が電話をしながら近付いてくる奴だな。
「へー、出来るわよ私」
「俺も出来るが、そこじゃない。これは意思を持たないはずの人形が帰ってくるのが怖いんだよ」
「ゴーレムじゃないの?」
「向こうは、そう言うのはないんだ」
「結構不便ね」
とかさぁ。
「恨みを持って、井戸から出てくるんだよ」
「結構あるんじゃない?」
さらっと、ベルトーネがそんな事を言う。
「ああ貴族とかやりそうね。どこかの村でも、井戸を使わせて貰ったら釣瓶の中に頭蓋骨が入って驚いたことがあったわ。何かの事故で落ちたんだよきっと」
「良くある話しね」
ヴァレリーとベルトーネの話が、地味に怖いよ。
まあスケルトンとかゾンビが普通にいる世界、皆慣れているのか……
そう、さっき言って、もう着いた。
座標を読んで、艦隊を転移させただけだが。
「早い分には良いでしょう」
まあそう言うことだ。
現在地上から千メートルくらい。
成層圏のギリギリ。
だが首都なのか、メガストラクチャーな建物が目の前にある。
「すごいな。基礎部分だけで、数十キロありそうだ」
「精霊国にあった木みたいだね」
それは世界樹。確かに大きさは…… 世界樹の方が大きいな。
「敵船消えました」
「すぐに連絡を入れろ」
「敵船団消えたそうです」
「ではあれは、やはりそうなんだな」
周囲では警報が鳴りまくっていた。
宇宙外縁から一瞬で移動。
それも、全ての防空システムを無視して、本部の眼前へ。
『さて、少し早い到着だが、我々はどうすれば良い?』
問いかけるが、当然返事はない。
念話への返答など、どうややれば良いのか判らない。
うぬぬと宇宙港を思い浮かべてみたが、それでは考えただけ。
魔力を錬り、対象に向けて飛ばし、それに意識を乗せるだけなのに知らなかったようだ。
「無視のようですね。もう一度やりましょうか? はいポチッとな」
躊躇無く押されたボタン。止める時間も無く、ナイトメアが発動する。
中央議会場では、先ほどの念話に対してのコメントを出すため、議員達などが集まっていた。
無論主星を含めて、周辺居住惑星にもバッチリと全国放送。
カメラはすでに動作していた。
会場では、準備をしていたが、いきなりザワつき始める。
そして、声が聞こえる。
議員達は周りをキョロキョロと探すが、声の主は数キロ先に浮かんでいる。
そしてその時が来た。
カクンと糸が切れたように皆が倒れた。
見ていた国民はざわつき始めるが、むっくりと皆が起き上がる。
そして……
ヒャッホーである。
一気に衣服を脱ぎ飛ばし、誰彼なく。黙って一突きである。
一体どんな夢を見ているのかは判らない。だが自分の望む最高の条件で相手と繋がる。
そうそこで得られるのは、最高の快感。
脳がとろけるような……
当然、一回でなど終わらない。
建物には窓があり、可視光が透過されている。
無論ミサイルが直撃をしても、びくともしない謎樹脂製。
だがヨシュート達は見ていた。
「あー止めろ。肉眼で見るとひどいな」
止めろと言われて、ロニーはつまらなそう。
一度止める。
正気に戻り、パニックが起こる。
スイッチオン。
落ち着き、そして盛る。
スイッチオフ。
またパニック。
「あーおいおい、壊れるからやめろ」
こっちでも、見ていられないと思っていたが、無論それは国民達もだ。
その日、ファビタブル高度文明の議会は、歴史に幕を下ろした。
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