133 / 135
第7章 宇宙(そら)へ
第133話 解放? 布教?
しおりを挟む
天から舞い降りた船は、我らの救いだった。
貴族達をあっという間に駆逐し、人々を解放をする。
貧困にあえいでいた我々に、糧を与え衣類を与える。
「この施しは、我らが崇拝する神。ヨシュート様の命令による物だ。像を建立する」
「ロニー様、また像だと、ご本人がお怒りになり、壊される恐れがあります」
「むう。そうだな。教団のシンボルにしよう。裏側にこっそり小さな像を置いて。これでどうだ」
「素晴らしいです」
「よしこれを、村ごとに建てていけ」
この教団のシンボル。
魔導具であり、どんな日照りでも水を創り続ける。
当然、飲むことが出来る安全な水。
ロニーの副官、ライムント=ヴェルクマイスター伯爵。
元々は名の通り魔導具師。
ロニーと馬が合い、貴族として重用をして、副官となっている。
ロニーが、業務のためヨシュートについていないときには、二人で色々と行う。
彼がいれば魔導具の設置や開発まで行うことができるため、軍の工作班長官を兼任している。
皆がなぜか、彼ら二人は危険だと言うが、理解できない。
彼らが行ってきた業績は、かなりの物だ。
「仕事は出来るのですが、とにかく危険です」
とまあそんな感じで……
そして、解放された星々で、二人は遺憾無くその力を発揮する。
魔導具による奇蹟。
それを、神の力、神の奇跡とうそぶいて、住民を洗脳していく。
伝えられた新宗教、それは、今までのような、万物を作り出す王の絶対的な力を崇拝するのではなく、ヨシュート様を讃えるもの。
与えてくださるのは、安心な暮らし。
それは、前王の教え、そして統治とは違う。
王は神であり、選ばれた権力者が威張り散らかし、大事な物だろうと奪っていった理不尽。人々はそれに耐えて暮らすしかなかった。
伝承では、始祖王イシュンバグ=イブリースは魔法使いであり、物質創造が行え、創造神となった。
科学が発展した頃から、裏では単に錬金術だったのではと言われていた。
だが当然そんな物は、粛正されて広がることはなく統治が続いていった。
現王、アズラエル=ウラヲミロヨヴィチ=プッチン王。
そう、現王は魔法使い天帝の子孫? と言われており力を引き継いでいると言うが見た物はいない。
ただ力と領地に固執。
その範囲を拡げていった。
だけど、広がりすぎた領地は支配できず、周辺はほぼ独立状態だった。
今回、ロニー達が解放し、ゲートを設置。
農業用地には潅漑を行い、農業用魔導具、男は黙って掘るんです君や刈るんです君が貸し与えられた。
そして快適な魔導具が埋め込まれた家まで建てた。
生ゴミやし尿はこれまた魔導具で分解発酵され、肥料となる。
運搬や散布は、黙って埋める君が自動で散布または埋め込む。
水まきは、ぶっかけ君飛行タイプが定期的に水を散布。
わずか数週間で、人々の暮らしは大きく変わった。
そして耕していた土地は、そのまま個人が有して良いという御触れ。
つまり国の土地ではなく、個人の財産となった。
これには、村人驚嘆。
そして、貴族の屋敷がいきなり潰されて、行政出張所が建設される。
驚くことに、獣人が受付を行っていた。
「宇宙は広い」
そして、王が創造神として君臨していたが、やってこられた人々は、大なり小なりそんな力が使える。
村人の中で、神の国から来られた人々と噂されるようになった。
「その頂点がヨシュート様…… えっ、頂点は女神アデル様?」
村人は当然だが、行政官達は話を聞き、皆が困惑をしていた。
「ですが、ロニー=ウィル様はそう仰いました」
「ああ、あのお方か……」
がっくりと机につっぷす。だけど、何か納得をした様だ。
「ロニー=ウィル様達の前では、そうしておいた方が平和だ。ヨシュート様はアデル様の使徒であるが、夫でもある」
神の世界でも、何やら複雑な事情がおありのようだ。
そうして星々はゲートによりつながり、他の星系とも物資の行き来が始まっていく。
そうして急速に発展する中、主星であるヘリオポリスでは、まだ何も起こっていない。
そう、鬼となった人々が星を支配。
人々は建物や、地下へと避難してしまった。
歴史の中で、大きな戦争はなかったはずだが、隕石の衝突が数回あった。
そのため、そんな設備もあったようだ。
その様子を眺めながら、嬉しそうなロニーからの報告を聞いていた。
「もう分子変換をしようぜ」
ヴァレリーとベルトーネも、さすがに鬼の生態観察は飽きたようだ。
「仕方が無い、ゴーレム部隊出陣」
「やったぁ」
ヴァレリーが喜んでいるが、あれは変異した人間なんだが……
まあ戦闘風景は、見ていて多少楽しい。
鬼達は、現れたゴーレム達に興味津津。
上から目線でメンチを切る。
スピードでは、ゴーレム達より鬼の方が早い。
必殺技、自由砲台。ゴーレム達の背中に刺さっていたパネルが射出される。
きっと鬼達は、放熱板など切り離して何になると思っただろう。
だがこいつは、リモートで飛び回り、火魔法を槍として撃ち出せる。
そう、ようやっとヨシュート達が動き始める。
それはロニーから、辺境の制圧と編入が終わりましたと、連絡が来たからだ。
半年はかかると思ったのに、一月ちょっとで終了をしたらしい。
「優秀だろ」
「そうですね」
そう言ったユキの顔は、なぜか悔しそうだった。
貴族達をあっという間に駆逐し、人々を解放をする。
貧困にあえいでいた我々に、糧を与え衣類を与える。
「この施しは、我らが崇拝する神。ヨシュート様の命令による物だ。像を建立する」
「ロニー様、また像だと、ご本人がお怒りになり、壊される恐れがあります」
「むう。そうだな。教団のシンボルにしよう。裏側にこっそり小さな像を置いて。これでどうだ」
「素晴らしいです」
「よしこれを、村ごとに建てていけ」
この教団のシンボル。
魔導具であり、どんな日照りでも水を創り続ける。
当然、飲むことが出来る安全な水。
ロニーの副官、ライムント=ヴェルクマイスター伯爵。
元々は名の通り魔導具師。
ロニーと馬が合い、貴族として重用をして、副官となっている。
ロニーが、業務のためヨシュートについていないときには、二人で色々と行う。
彼がいれば魔導具の設置や開発まで行うことができるため、軍の工作班長官を兼任している。
皆がなぜか、彼ら二人は危険だと言うが、理解できない。
彼らが行ってきた業績は、かなりの物だ。
「仕事は出来るのですが、とにかく危険です」
とまあそんな感じで……
そして、解放された星々で、二人は遺憾無くその力を発揮する。
魔導具による奇蹟。
それを、神の力、神の奇跡とうそぶいて、住民を洗脳していく。
伝えられた新宗教、それは、今までのような、万物を作り出す王の絶対的な力を崇拝するのではなく、ヨシュート様を讃えるもの。
与えてくださるのは、安心な暮らし。
それは、前王の教え、そして統治とは違う。
王は神であり、選ばれた権力者が威張り散らかし、大事な物だろうと奪っていった理不尽。人々はそれに耐えて暮らすしかなかった。
伝承では、始祖王イシュンバグ=イブリースは魔法使いであり、物質創造が行え、創造神となった。
科学が発展した頃から、裏では単に錬金術だったのではと言われていた。
だが当然そんな物は、粛正されて広がることはなく統治が続いていった。
現王、アズラエル=ウラヲミロヨヴィチ=プッチン王。
そう、現王は魔法使い天帝の子孫? と言われており力を引き継いでいると言うが見た物はいない。
ただ力と領地に固執。
その範囲を拡げていった。
だけど、広がりすぎた領地は支配できず、周辺はほぼ独立状態だった。
今回、ロニー達が解放し、ゲートを設置。
農業用地には潅漑を行い、農業用魔導具、男は黙って掘るんです君や刈るんです君が貸し与えられた。
そして快適な魔導具が埋め込まれた家まで建てた。
生ゴミやし尿はこれまた魔導具で分解発酵され、肥料となる。
運搬や散布は、黙って埋める君が自動で散布または埋め込む。
水まきは、ぶっかけ君飛行タイプが定期的に水を散布。
わずか数週間で、人々の暮らしは大きく変わった。
そして耕していた土地は、そのまま個人が有して良いという御触れ。
つまり国の土地ではなく、個人の財産となった。
これには、村人驚嘆。
そして、貴族の屋敷がいきなり潰されて、行政出張所が建設される。
驚くことに、獣人が受付を行っていた。
「宇宙は広い」
そして、王が創造神として君臨していたが、やってこられた人々は、大なり小なりそんな力が使える。
村人の中で、神の国から来られた人々と噂されるようになった。
「その頂点がヨシュート様…… えっ、頂点は女神アデル様?」
村人は当然だが、行政官達は話を聞き、皆が困惑をしていた。
「ですが、ロニー=ウィル様はそう仰いました」
「ああ、あのお方か……」
がっくりと机につっぷす。だけど、何か納得をした様だ。
「ロニー=ウィル様達の前では、そうしておいた方が平和だ。ヨシュート様はアデル様の使徒であるが、夫でもある」
神の世界でも、何やら複雑な事情がおありのようだ。
そうして星々はゲートによりつながり、他の星系とも物資の行き来が始まっていく。
そうして急速に発展する中、主星であるヘリオポリスでは、まだ何も起こっていない。
そう、鬼となった人々が星を支配。
人々は建物や、地下へと避難してしまった。
歴史の中で、大きな戦争はなかったはずだが、隕石の衝突が数回あった。
そのため、そんな設備もあったようだ。
その様子を眺めながら、嬉しそうなロニーからの報告を聞いていた。
「もう分子変換をしようぜ」
ヴァレリーとベルトーネも、さすがに鬼の生態観察は飽きたようだ。
「仕方が無い、ゴーレム部隊出陣」
「やったぁ」
ヴァレリーが喜んでいるが、あれは変異した人間なんだが……
まあ戦闘風景は、見ていて多少楽しい。
鬼達は、現れたゴーレム達に興味津津。
上から目線でメンチを切る。
スピードでは、ゴーレム達より鬼の方が早い。
必殺技、自由砲台。ゴーレム達の背中に刺さっていたパネルが射出される。
きっと鬼達は、放熱板など切り離して何になると思っただろう。
だがこいつは、リモートで飛び回り、火魔法を槍として撃ち出せる。
そう、ようやっとヨシュート達が動き始める。
それはロニーから、辺境の制圧と編入が終わりましたと、連絡が来たからだ。
半年はかかると思ったのに、一月ちょっとで終了をしたらしい。
「優秀だろ」
「そうですね」
そう言ったユキの顔は、なぜか悔しそうだった。
1
あなたにおすすめの小説
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる