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依頼者シュザンヌ嬢は微笑む
第14話 戦争へ出発
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戦争とは、戦いである。
それも国同士の、自国の意思を強要するために武力を用いる。
話が通じれば良いが、相手が猿だったり、今回のようにあんたの国が欲しいなどと言う奴も居る。
そう一方的に、他の国を奪いにくる。
これは抵抗しなければ、蹂躙と殺害あるのみ。
そう徴兵した農民達に対するご褒美は、敵国での略奪と強姦、そして奴隷だと言うから驚きだ。
「この世界、まだそんな事をしているのか?」
つい言ってしまう。
「この世界? カグラ、自分の言葉には気を付けろ、自らばらすのは得策じゃないだろう」
そう言って、ギルドマスターのアンジェラに、引きつった笑いで睨まれる。
「ああ悪い」
なぜか、冒険者ギルドトップクラスの、戦争対策会議に俺まで出席させられている。
貴族達は、自腹で食い物を用意するが、物資がなくなったら遠慮無く徴用しにくるらしい。つまり強制的に接収をすると。
そのため、行軍時でもいくつかの班は周囲の森に入り、獲物を狩ってこなければならない。
そして、普段入らない森はどんなモンスターがいるのか判らないから、低位の冒険者では危険。だからここに居るトップクラスが、率先をして山へ入って欲しいとのことだ。
「俺、鉄級ですが」
そう言って手を上げる。
「全く。数百パーセの索敵能力、一瞬でオークの首を狩る。それも何十匹も…… そこでだ、実績だけならすでに銅級だが、この戦時中のみ銀級にしてやる。皆を従えろ」
そう言って、あらかじめ準備をしていたのだろう銀色のプレートが投げられる。
革紐を通して、首からぶら下げることになっている。
二階級じゃなく三階級特進。
俺死ぬのかな?
ふとそんな事を考えてしまった。
出発前に、薬処安心堂店主アバドンに、秘密の薬草園があることを説明をしておく。
簡単な地図と、岩扉の開け方。
餌の説明。
「なんとワームが?」
「ああそうだ、ほとんど日が差さなくても元気だった。魔石もきっと関係をしている」
「そうか、薬草類は雑草と違い魔力濃度が高い、そういう事か」
ふむふむと納得をしてくれた。
「戦争で、もし俺達が帰ってこなければ世話をしろ。そうすれば安定的に薬草が入手できる。それに適当に持って来たから、よく判らない薬草も植わっている」
「どんな物じゃ?」
「こんな感じの葉っぱで」
画を描くと、クワッと目が開く。
「花は、花は咲いていなかったか?」
そう聞かれても、葉っぱだけだった。
「時期じゃないんだろ」
ふーむ。という感じ。
「もし、上むきに咲く釣り鐘のような花なら…… 釣り鐘草…… 単なる雑草じゃ」
もったいぶったのに、雑草かよ。
だけどあそこに生えていたんだ、通常じゃ無いと思うのだけどな。
「雑草かよ」
「じゃが、頭を垂れ、その花に水をたたえるなら虹色草」
「虹色草」
「ああ、その雫を集めて、患者に飲ませると、どんな病気にも効く」
「そうなのか?」
「ああ、めったに見ないし、朝早い時間じゃないと雫は採れない。言わば伝承レベルの薬草じゃな。値段はつかんくらい高い」
ああそうか、花のついている時期、それも朝早く…… 使いにくい薬だ。
だけど、その時期に集めて、冷凍でもしておけば良い薬になりそうな気がする。
「その雫、集めて冷凍をしておけば良いんじゃ無いか?」
「冷凍というと、凍らせるのか…… どうやって?」
「えっ魔法で、こうやって冷たくすれば良いだろう?」
目の前でやってみせる。
「そんな魔法、ずっと誰かが、つきっきりで?」
「いや箱を作って、こうして断熱、そうすれば冷たさは長持ちをする」
冷蔵庫の概念を教え込む。空気は最高の断熱材だと教える。
「ならそうか、魔導具でなんとかなるかも知れぬ」
「魔導具でも何でも良いから、試せ。上手く行けば儲けだろう」
「そうじゃな」
そうして、じじいから聞いた魔導具屋が試作、半年後には冷蔵庫が発明されていた。
俺は一銭も貰っていないが……
それは、大陸中に広がり、大商いとなる。
そして出発前夜、ギルド前で壮行会と称してビアガーデン。
オーク祭と同じ様な感じだ。
街の人達からも激励と乾杯。
すぐに宴会をする。
「だけどね、戦争だからお別れ会でもあるのよ。この中で毎回幾人かは帰ってこないから」
「そうか、そうだよな」
「だから今夜は、町娘が危険。目を付けていた人に種を貰おうとやって来るから」
そう言って、ユスティは周囲警戒中。
俺の座っているテーブルには、アンジェラが座っているし、テューニが走り回っている。
よく見ると、オークに攫われていた人達も出てきている。
意外と元気そうだ。
最初は教会に引きこもっていたが、オークに捕まっていたにしては、壊れていないから復活できたようだ。
そう体も精神も、あの時治癒させた。
それが良い事かどうかは不明だったが、元気そうなので良かった。
それでまあ、大量に酒を飲んだ翌日、当然ゲロゲロ状態。
重い足取りでゾンビのように出発をする。
この光景を見ると、勝てると思えないが、あるいている内に皆復活をしてくる。
「さて、トップチームは先行をして狩りにいくぞ」
「「「おおっ」」」
なんか遠足みたいで楽しかったよ。
この時は……
それも国同士の、自国の意思を強要するために武力を用いる。
話が通じれば良いが、相手が猿だったり、今回のようにあんたの国が欲しいなどと言う奴も居る。
そう一方的に、他の国を奪いにくる。
これは抵抗しなければ、蹂躙と殺害あるのみ。
そう徴兵した農民達に対するご褒美は、敵国での略奪と強姦、そして奴隷だと言うから驚きだ。
「この世界、まだそんな事をしているのか?」
つい言ってしまう。
「この世界? カグラ、自分の言葉には気を付けろ、自らばらすのは得策じゃないだろう」
そう言って、ギルドマスターのアンジェラに、引きつった笑いで睨まれる。
「ああ悪い」
なぜか、冒険者ギルドトップクラスの、戦争対策会議に俺まで出席させられている。
貴族達は、自腹で食い物を用意するが、物資がなくなったら遠慮無く徴用しにくるらしい。つまり強制的に接収をすると。
そのため、行軍時でもいくつかの班は周囲の森に入り、獲物を狩ってこなければならない。
そして、普段入らない森はどんなモンスターがいるのか判らないから、低位の冒険者では危険。だからここに居るトップクラスが、率先をして山へ入って欲しいとのことだ。
「俺、鉄級ですが」
そう言って手を上げる。
「全く。数百パーセの索敵能力、一瞬でオークの首を狩る。それも何十匹も…… そこでだ、実績だけならすでに銅級だが、この戦時中のみ銀級にしてやる。皆を従えろ」
そう言って、あらかじめ準備をしていたのだろう銀色のプレートが投げられる。
革紐を通して、首からぶら下げることになっている。
二階級じゃなく三階級特進。
俺死ぬのかな?
ふとそんな事を考えてしまった。
出発前に、薬処安心堂店主アバドンに、秘密の薬草園があることを説明をしておく。
簡単な地図と、岩扉の開け方。
餌の説明。
「なんとワームが?」
「ああそうだ、ほとんど日が差さなくても元気だった。魔石もきっと関係をしている」
「そうか、薬草類は雑草と違い魔力濃度が高い、そういう事か」
ふむふむと納得をしてくれた。
「戦争で、もし俺達が帰ってこなければ世話をしろ。そうすれば安定的に薬草が入手できる。それに適当に持って来たから、よく判らない薬草も植わっている」
「どんな物じゃ?」
「こんな感じの葉っぱで」
画を描くと、クワッと目が開く。
「花は、花は咲いていなかったか?」
そう聞かれても、葉っぱだけだった。
「時期じゃないんだろ」
ふーむ。という感じ。
「もし、上むきに咲く釣り鐘のような花なら…… 釣り鐘草…… 単なる雑草じゃ」
もったいぶったのに、雑草かよ。
だけどあそこに生えていたんだ、通常じゃ無いと思うのだけどな。
「雑草かよ」
「じゃが、頭を垂れ、その花に水をたたえるなら虹色草」
「虹色草」
「ああ、その雫を集めて、患者に飲ませると、どんな病気にも効く」
「そうなのか?」
「ああ、めったに見ないし、朝早い時間じゃないと雫は採れない。言わば伝承レベルの薬草じゃな。値段はつかんくらい高い」
ああそうか、花のついている時期、それも朝早く…… 使いにくい薬だ。
だけど、その時期に集めて、冷凍でもしておけば良い薬になりそうな気がする。
「その雫、集めて冷凍をしておけば良いんじゃ無いか?」
「冷凍というと、凍らせるのか…… どうやって?」
「えっ魔法で、こうやって冷たくすれば良いだろう?」
目の前でやってみせる。
「そんな魔法、ずっと誰かが、つきっきりで?」
「いや箱を作って、こうして断熱、そうすれば冷たさは長持ちをする」
冷蔵庫の概念を教え込む。空気は最高の断熱材だと教える。
「ならそうか、魔導具でなんとかなるかも知れぬ」
「魔導具でも何でも良いから、試せ。上手く行けば儲けだろう」
「そうじゃな」
そうして、じじいから聞いた魔導具屋が試作、半年後には冷蔵庫が発明されていた。
俺は一銭も貰っていないが……
それは、大陸中に広がり、大商いとなる。
そして出発前夜、ギルド前で壮行会と称してビアガーデン。
オーク祭と同じ様な感じだ。
街の人達からも激励と乾杯。
すぐに宴会をする。
「だけどね、戦争だからお別れ会でもあるのよ。この中で毎回幾人かは帰ってこないから」
「そうか、そうだよな」
「だから今夜は、町娘が危険。目を付けていた人に種を貰おうとやって来るから」
そう言って、ユスティは周囲警戒中。
俺の座っているテーブルには、アンジェラが座っているし、テューニが走り回っている。
よく見ると、オークに攫われていた人達も出てきている。
意外と元気そうだ。
最初は教会に引きこもっていたが、オークに捕まっていたにしては、壊れていないから復活できたようだ。
そう体も精神も、あの時治癒させた。
それが良い事かどうかは不明だったが、元気そうなので良かった。
それでまあ、大量に酒を飲んだ翌日、当然ゲロゲロ状態。
重い足取りでゾンビのように出発をする。
この光景を見ると、勝てると思えないが、あるいている内に皆復活をしてくる。
「さて、トップチームは先行をして狩りにいくぞ」
「「「おおっ」」」
なんか遠足みたいで楽しかったよ。
この時は……
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