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最悪な国、ニコ国
第41話 ニコ国は解体へ
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「おらー行けぇ」
叫んでいるのは、アナクレート=ランディ侯爵。
だが、国を挟んでニスカ国の三貴族。
ガイア=ヘルツォー伯爵、マッシュ=ハルトヴィン伯爵、オルテガ=オーゲンベルク男爵も絶好調にニコ国を攻めていた。
「誰か、なんとかしろよ」
隊長がこのざま。
「何とかするのはあなたの仕事です。三方から好きに陵辱されて、我が軍は壊滅寸前です」
「判っている。だからってどうしろって言うんだぁ」
大将のはずだが、リシャール=ポワロ伯爵から出てくるのは、弱音と懇願のみ。
無論周りに控える者達は、これは駄目だと首を振る。
特に盗賊の連中は、やばい場面でラルスが下す、迅速な命令を知っている。
当然危機感を覚えて、なんとかしようとし始める。
「おい。何とかするぞ」
「なんとかってどうすんだ? もう勝ち目はないぞ」
「判っている。一旦王都に戻って、金目の物を持ってずらかるぞ」
盗賊らしい分かりやすい話。だが、問題がある。
「そんなの、バレたら頭に殺されるぞ」
「この後、敵軍が雪崩れ込んでくるのは判っている、頭達だって逃げられないさ。ああいや、報告をして逃げる様に言えば良い」
自分で言って納得をしている、盗賊達。
ランヴァルド、パール、ステンマルクはそんな事を決めて、逃げる準備を始める。
だがその時には、王都には誰も居ないし、彼らの判断も少し遅すぎたようだ。
準備をしていると、森の中の警戒部隊がいつの間にか撃破され、オルテガ=オーゲンベルク男爵が率いる遊撃隊が、本陣へと雪崩れ込んできた。
「敵襲だぁ」
それから、数時間でニコ国軍は全滅をした。
それに遅れること数時間。
気合いと練度の差でニコ国を撃破して、ヨウシア国ニコ国攻撃隊も、街道を王都に向けて進軍をしていった。
そして、奇しくもほぼ同時に、ニコ国王都テイネィへとたどり着いた。
「此処で争っても仕方が無い。共に戦おうぞ」
両国は共闘することを選択。
なぜか開いていた大門を押し通る。
だが抵抗らしい抵抗はなく、町の人々は家に籠もっているようで、そのまま城へとたどり着く。
そう実質戦争は終わっていた。
国を司る人間はすでに逃げ出し、どうしていいのか判らない兵達。
国を守ろうとした気概を見せた人間もいたのだが、同僚に諭される。
「何を守るんだ? 国はすでに終わっている。敵軍が民に手を出せば、守るくらいで良いんじゃ無いか?」
そんな話し合いがあり、兵達は市中へと散らばっていた。
そのため、城はすでに開城されていた。
無論我先にと両国の兵が雪崩れ込んだが、めぼしい物は無い。
すでに町では、徴用された兵達が略奪を始めようとしていた。
だが、それはカグラの逆鱗に触れた。
真っ青な空から、いきなり雷が落ち、城にある尖塔の一つが吹っ飛ぶ。
そしてその音は、王都中に鳴り響く。
奇しくも、あの尖塔は、嫌な思い出が残る所。
だがその音と同時に声が響く。
「略奪をやめろ。お前達がそれをしたことで、今後ここを治める者が危害に遭う可能性を考えろ」
その声が伝えた内容は、この世界では非常識な言葉。
だが、二つの国が入り込んでいる状態。
供に管理をしても、何か影響が出そうな気がすると思ったのは、目端が利く者達。
異例の、略奪禁止が言い渡された。
後に、両国の話し合いにより、ここは中立の商業都市として栄えることになる。
特別交易都市テイネィが誕生した。
その会議のときに、なぜか呼ばれていたカグラが、特別自治区ならばフェザーンと言ったようだが、却下されたようだ。
その後、トシュテン商会で時間を掛けて木材パルプの研究と、磁器の作製を行っていたカグラ。
気がつけば、二年の年月が流れていた。
そして、謎の地下室では銃が作られていた。
当然、魔法が使えれば魔法の方が便利だし、近距離なら矢の方が敵に気がつかれにくい。
だけど、イーリスが行商に行ったりするときに、大きな音がして仲間が血を流して倒れるというのは、盗賊達にとって恐怖を与えるには十分だった。
そう、護身用のサブマシンガンは必須だよね。
ウージー、無論沖縄方言で言う、サトウキビではない。
イスラエル製のミニ機関銃とかが結構有名である。
フルオートでの連射速度が、毎分九五〇発と非常に速く、盗賊退治にはもってこいだろう。
むろん、それが開発された後、トシュテン商会、トリヤキー商会、ミノヤキーノ商会の標準装備となった。
まあ無敵だよ。
そうそう、ニコ国は丁度中央に存在していた、王都が商業都市として両国の中継地として残り、その両側は、ヨウシア国とニスカ国が分割を行った。
それは小国家群のバランスを少し崩したが、今はまだたいした影響はなかった。
カグラはテイネィに居たとき、当然のように暗闇を走り回っていた。
両軍による略奪はなかったはずなのに、この町で隆盛を誇っていた布問屋エチゴーヤ商会、ボタン問屋オイセ―商会、貴族向け仕立て屋ミノーヤ商会の倉庫から、商品や書類、そして金銭が消え破産したとか。悪は罰を受けたようだ。
町の人は、占領軍が何かしてくれたと思ったようだが、そんな事はなく。七不思議として残った。
叫んでいるのは、アナクレート=ランディ侯爵。
だが、国を挟んでニスカ国の三貴族。
ガイア=ヘルツォー伯爵、マッシュ=ハルトヴィン伯爵、オルテガ=オーゲンベルク男爵も絶好調にニコ国を攻めていた。
「誰か、なんとかしろよ」
隊長がこのざま。
「何とかするのはあなたの仕事です。三方から好きに陵辱されて、我が軍は壊滅寸前です」
「判っている。だからってどうしろって言うんだぁ」
大将のはずだが、リシャール=ポワロ伯爵から出てくるのは、弱音と懇願のみ。
無論周りに控える者達は、これは駄目だと首を振る。
特に盗賊の連中は、やばい場面でラルスが下す、迅速な命令を知っている。
当然危機感を覚えて、なんとかしようとし始める。
「おい。何とかするぞ」
「なんとかってどうすんだ? もう勝ち目はないぞ」
「判っている。一旦王都に戻って、金目の物を持ってずらかるぞ」
盗賊らしい分かりやすい話。だが、問題がある。
「そんなの、バレたら頭に殺されるぞ」
「この後、敵軍が雪崩れ込んでくるのは判っている、頭達だって逃げられないさ。ああいや、報告をして逃げる様に言えば良い」
自分で言って納得をしている、盗賊達。
ランヴァルド、パール、ステンマルクはそんな事を決めて、逃げる準備を始める。
だがその時には、王都には誰も居ないし、彼らの判断も少し遅すぎたようだ。
準備をしていると、森の中の警戒部隊がいつの間にか撃破され、オルテガ=オーゲンベルク男爵が率いる遊撃隊が、本陣へと雪崩れ込んできた。
「敵襲だぁ」
それから、数時間でニコ国軍は全滅をした。
それに遅れること数時間。
気合いと練度の差でニコ国を撃破して、ヨウシア国ニコ国攻撃隊も、街道を王都に向けて進軍をしていった。
そして、奇しくもほぼ同時に、ニコ国王都テイネィへとたどり着いた。
「此処で争っても仕方が無い。共に戦おうぞ」
両国は共闘することを選択。
なぜか開いていた大門を押し通る。
だが抵抗らしい抵抗はなく、町の人々は家に籠もっているようで、そのまま城へとたどり着く。
そう実質戦争は終わっていた。
国を司る人間はすでに逃げ出し、どうしていいのか判らない兵達。
国を守ろうとした気概を見せた人間もいたのだが、同僚に諭される。
「何を守るんだ? 国はすでに終わっている。敵軍が民に手を出せば、守るくらいで良いんじゃ無いか?」
そんな話し合いがあり、兵達は市中へと散らばっていた。
そのため、城はすでに開城されていた。
無論我先にと両国の兵が雪崩れ込んだが、めぼしい物は無い。
すでに町では、徴用された兵達が略奪を始めようとしていた。
だが、それはカグラの逆鱗に触れた。
真っ青な空から、いきなり雷が落ち、城にある尖塔の一つが吹っ飛ぶ。
そしてその音は、王都中に鳴り響く。
奇しくも、あの尖塔は、嫌な思い出が残る所。
だがその音と同時に声が響く。
「略奪をやめろ。お前達がそれをしたことで、今後ここを治める者が危害に遭う可能性を考えろ」
その声が伝えた内容は、この世界では非常識な言葉。
だが、二つの国が入り込んでいる状態。
供に管理をしても、何か影響が出そうな気がすると思ったのは、目端が利く者達。
異例の、略奪禁止が言い渡された。
後に、両国の話し合いにより、ここは中立の商業都市として栄えることになる。
特別交易都市テイネィが誕生した。
その会議のときに、なぜか呼ばれていたカグラが、特別自治区ならばフェザーンと言ったようだが、却下されたようだ。
その後、トシュテン商会で時間を掛けて木材パルプの研究と、磁器の作製を行っていたカグラ。
気がつけば、二年の年月が流れていた。
そして、謎の地下室では銃が作られていた。
当然、魔法が使えれば魔法の方が便利だし、近距離なら矢の方が敵に気がつかれにくい。
だけど、イーリスが行商に行ったりするときに、大きな音がして仲間が血を流して倒れるというのは、盗賊達にとって恐怖を与えるには十分だった。
そう、護身用のサブマシンガンは必須だよね。
ウージー、無論沖縄方言で言う、サトウキビではない。
イスラエル製のミニ機関銃とかが結構有名である。
フルオートでの連射速度が、毎分九五〇発と非常に速く、盗賊退治にはもってこいだろう。
むろん、それが開発された後、トシュテン商会、トリヤキー商会、ミノヤキーノ商会の標準装備となった。
まあ無敵だよ。
そうそう、ニコ国は丁度中央に存在していた、王都が商業都市として両国の中継地として残り、その両側は、ヨウシア国とニスカ国が分割を行った。
それは小国家群のバランスを少し崩したが、今はまだたいした影響はなかった。
カグラはテイネィに居たとき、当然のように暗闇を走り回っていた。
両軍による略奪はなかったはずなのに、この町で隆盛を誇っていた布問屋エチゴーヤ商会、ボタン問屋オイセ―商会、貴族向け仕立て屋ミノーヤ商会の倉庫から、商品や書類、そして金銭が消え破産したとか。悪は罰を受けたようだ。
町の人は、占領軍が何かしてくれたと思ったようだが、そんな事はなく。七不思議として残った。
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