異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり

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第六章 星の救済

第83話 魔人属領はまあいい

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 色々考えると、獣人族領が一番面倒だ。
 細かにある自治領。

 よく分からないが、戦争時からの因縁で亜人差別。
 その様子は十分見た。

 魔人属領は、何故かお祭り騒ぎになっているが、まあ良い。

 今勝手に淘汰と革新の波となり、大騒ぎ中だしな。

 人の大陸はフィーデ=ヨーシュとノーブル=ナーガが、鬼の湯から指示を出して朝廷を巻き込み何かをしている。

 まあ何もないだろうが、鬼の湯近くの火山をちょろっと見て、炎呪のいう、魔素の濃い原初の呪い。その地下へ向かい、どこから来ているのか探るのが正解か?
 無駄足かもしれないが、ひょっとすると、手がかりがあるのかもしれない。

 とにかく手探り。思いつくものはすべて手を出してみよう。


 と言うことで、鬼の湯でフィーデ=ヨーシュとノーブル=ナーガに進捗とこれからのことを聞き、状態により獣人の大陸も平定する事になることだけ伝える。

 火山の場所を聞き、行くのだが、何故か四天王が付いてくる。
 仕事は、宰相に四人がかりで、周りを囲み、お願いしたそうだ。

 彼は、涙をこぼして喜び、事務方が優秀になったから大丈夫と言ったそうだが、その涙は違う気がする。
 四人で威圧されると、宰相は文官よりだからな、きっと精神的ブレーカーが仕事をしたのだろう。


 そして、来たのだが、富士山? 随分小型だが形は綺麗。
 でだ、嫌な感じの風穴が口を開いていて、濃密な魔素が吹き出している。
 ちょろっと、見に来ただけなのに、いきなり大当たりか?

「あー。やだやだ」
 絶対何者かの、意思が働いている気がする。

 風穴に足を踏み入れようとしたら、謎のじいさんが、叫びながらやって来て、魔人族を見て驚き、後ずさる。

「お前達何もんだ? そこは、はいっちゃならねえ。火の神さまがお怒りになる」
 とまあ、フラグを立てる。

「入ると、山が火を噴くのか?」
「そうだ。昔からの習わしだ」
「言い伝えでは、どのくらいで火を噴くんだ?」
「じいさまが子どもの頃、肝試しで入った奴らがいた」
 この国のじいさんなら、結婚が早いから一七歳で三世代。五〇歳くらい? このじいさんがすでにじいさんだから一〇〇年くらいかな? どっちにしろ、ぼちぼち危ないな。

「大丈夫だ、入らなくてもぼちぼち噴火。山は火を噴く頃合いだ。じいさん逃げろ」
「誰がじいさんだ。わしはまだ若い。孫もおらんしな」
「幾つだ?」
「五四だ」
「あーそりゃ。若いのか?」
 波○さんと同い年?

「サミュエルよりも、5つも若い」
 そう言われても、サミュエルさんを知らないからな。

「まあいい。逃げろ」
 そう言って、風穴へ足を踏み入れる。

「此処の魔素は良いな」
 炎呪がお気に召したようだ。

「かなり濃いな。そう言えば、原初の呪いで、何の魔道具に魔素を補充をしていたんだ?」
「魔結晶のリングだ。魔結晶はものにより、かなりの魔素を蓄える。あの時、右手と一緒に消滅してしまった」
 そう言って、しょぼんと落ち込む炎呪。

「それはすまない。魔結晶は珍しいのか?」
「へっ? もとは封印石で使ってしまえば、魔結晶になる」
「ああ。これだな」
「一体、幾つ持っているんだ?」
 呆れられた。

「原初の呪い。あそこの周りのダンジョンを攻略したときに貰ったんだ。各種あるぞ」
 そう言うと、さらに呆れられる。こんどは、やれやれという感じで。

「さてと、気温は低い。風穴という事は、どこか抜けているのだろうなあ。登っているからこっちが下か」

 そして、じいさんの「入っちゃならねぇ」という応援を聞きながら、奥へと進む。
「この雰囲気、ダンジョンぽいな」
 前魔王、ベネフィクスが、そんな怪しいことを言う。

「ダンジョンへ入ったことがあるのか?」
「ああ、あるぞ。魔人属領にも一個あるんだ」
「「「えっ」」」
 炎呪達まで驚く。

「魔王の引き継ぎ資料に書いてある。読んでおけよ。あそこの管理も魔王の仕事だ」
「そんなのは聞いていないな」
「だから、今言っている。あそこは階によって環境が変わる。結構面倒でな。熱かったり寒かったり」
「ほーそれは大変だ」
 魔王とそんな事をしゃべっていると、周りの四天王が興味芯々のようだ。

「じゃあ此処が終わったら、行ってみるか?」
 炎呪の目が、キラキラになっている。

「誰でも入れるのか?」
「魔王のメダルが鍵になっている。あそこは基本封印をされているからな」
「これか」
 無造作に取り出す。

「そう、それだが、いつもどこから取り出しているのだ。気になっていたが」
 聞かれて悩む。空間系魔法は神の御業。
 だが、こいつらおバカだから良いか。それに、こいつら空間魔法の転移は使うしな。

「亜空間を創り、そこへ収納してある。亜空間というのはまあ小さな別の世界だな」
 言った瞬間、皆の動きが止まる。
 おくれて、全員が叫ぶ。
「「「非常識な」」」
「失礼だな。なんだよ」
 するとだな、ベネフィクスが教えてくれる。

「いいか、魔王様。亜空間という概念はある。確かに、魔導書にも新しい世界を構築しそこに新しい理想郷を創るルームとか言う魔法も概念としてある。だがそれは、けして人では、なしえないものとなっている」
 すごく興奮しながら説明してくれる。

 これはごり押しだな。
「できたんだもん。知らんな」
「だもんてガキかぁ」
 突っ込まれるが、炎呪が助けてくれた。

「道照は存在自体が、非常識だからな。仕方が無い」
「ああまあ、そうだな」
 何故か納得される。

「絶対ヒト族じゃないし」
「そうそう、悪さして落とされた神族じゃないか?」
「昔見た文献に、廃ヒューマンという記述があったぞ」
 四天王が口々に言いだして、収拾が付かない。
 それに、気になる言葉。

「廃では無くて、ハイヒューマンだろう」
「そうなのか?」
「そうだ、階位の上がった。そうだ、神の領域に片足を突っ込んだ人間だな」
 サンゼンは炎呪の元婚約者だが、なかなか博識のようだ。

「じゃあ、道照。新魔王はハイヒューマンという事にしよう。そうすれば反対派の奴らも納得するだろう」
 そう言って、炎呪が胸を張る。

「そうだな、そうしよう。じゃあ、魔王様はハイヒューマンという事で公示するからな」
 ベネフィクスが嬉しそうなのは、人間に負けたのより、謎の種族に負けた方がダメージが少ないと考えたな。悪そうな顔をしている。

「よくわからんが、別に良いぞ」
 それにしても、反対派なんていたのか。そりゃ居るか。魔人族ではないものが魔王だ。そうなるよな。

「さて穴が分岐。魔素が濃いのはどっちだ?」


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