異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり

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第六章 星の救済

第94話 秘密施設発見

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 いや、歩いたよ。まともな道なら、ゴーレム馬車を出すけれど、ぐっちゃぐちゃの鍾乳洞。

 鍾乳石は立っているし、池? はあるし、狭い所では、人一人がやっとで、炎呪の胸とお尻がつかえて大騒ぎになるし。

 もうね。

 食料はあるけれど、地底探検数ヶ月は辛い、世の中のケイブ(洞窟)探検家はすごいよ。あっスーツを着てぼやきながら、入る方じゃなく、本職ね。

 進むのか戻るのかを、『あなた次第』で決めさせてくれず、『行け!!』だもん。
 大昔あった、何とか少年かよ。突然部長がやって来てさ、さあ行こうかって目隠しをされて、あっ部長? あのノリは吉祥天? 

 いい加減飽きてきたので、変な事を考え出した頃、目の前が開ける。

「おっ。着いたのか?」
 背中ですやすや眠るシルヴィを、揺り起こす。

「ふえっ。はい。らいじょうぶれす。あるけましゅ」
 絶好調にぼけているな。

「違う。着いたぞ」
「んんっ。どこです? ここ」
 背中でノビをしながら周りを見回しているようだ。

「さあな。どこかから、降りられるはずだ」
 背中から、降りるシルヴィ。

 気丈に頑張っていたが、四天王達魔人族の体力はものすごく、俺と四天王のペースにはシルヴィは付いてこられなかった。

 そのため背負って移動。適度にマラソン? 
 鍾乳石の間を、縦横斜めに走るパルクールなマラソンだ。
 もう一人心配をした、ラウラは意外と強かった。

 強化した目でも、概要は見えるが、色とかまでは見えないので、魔法を唱えて明るくする。

 半球形の空間。
 真ん中に、四精霊が手を繋ぐ像があり、その中心には三メートルを超える円柱が立っている。
 その上にも誰かの像が立っているな。

 あからさまに、精霊たちの手と手には隙間があり、中へお入りなさいと言う感じ。
「怪しいし、入るのは怖いな」
 精霊たちに、順に魔力を与えていく。

 すると、四つめに魔力を与えると、床が回転しながら開き始めた。
 精霊たちの像が、丁度四隅に配置されると、幅三メートルほどの立派な階段が精霊たちの間から降りられるように出てきた。

「階段か。エレベーターの方が良かったな」
 ぼやきながら下り始める。これがフラグ。
 気がつかないが、そこに存在していた。

 そして考える。
 この階段。踏み板が一メートルほどで、やっと二〇センチメートルくらい下がる。と言う事は、五メートル歩いて、やっと一メートル降りられる。

 地球の半径が。極方向だと、たしか、むさごろー(六三五六)だよな、赤道だと末尾が納屋(七八)だった。
 最悪中心まで降りて、ええと歩幅が七〇センチくらいだから??? いや違う。

 踏み板が一メートルだと、どうしたって三歩は必要じゃないか。五枚、一五歩で一メートル。真っ直ぐに直すと一歩七センチ?
 いや違う。要するに、ああもう。距離が五倍でいいんだろう。

 と言う事でざっくり計算。
 六三五六キロメートルを、歩幅七〇センチメートル、毎分百歩で七〇メートル?
 毎時で、これで六三五六キロを割ると、一五一三? じゃあ、二四時間で六三? その五倍。どん!! 三一五日。
「あ゛あ゛あ゛あ゛。二四時間歩き続けて三一五日だと? 」
 ふっざけんなよ。
 そう思って立ち上がると、すでに誰も居ない。

「そして誰もいなくなった。by 道照」
 言ってる場合か。
「急ごう」

 そう言って、駆け下りる。

 途中で、板に乗って滑ろうとか色々考えたが、却下された。
 四天王のくせに真面目なんだぜ。

 そして、俺は途中で考案をした。
 一見普通の床。
 フロントとリアに無限軌道を取り付け、必ずどっちかが階段を降りるような状態を創る。チェーンによりリンクし、その中間にはずみ車的な円盤を取り付ける。
 むろん、前後の無限軌道の傾きに合わせ、上部は必ず平衡を保つ。

 速度は、走るよりも少し速い。右角にはアルミベアリングでは無く、木製で十分。
 ローラーを装備しているとき、妙な小さな車が頭をよぎったが、コースアウトとひっくり返るのは避けたい。
 これにより、二四時間走らなくて良くなった。

 皆、怖々乗り込み、ブレーキを解除。
 徐々にスピードを上げるが、ある程度で速度は安定をする。
 多少、床はガタガタするが、エアクッションを床に引けば苦情は出なくなった。
 そしてすぐに、皆爆睡。適度な振動が良い。


 唇への優しい刺激で、目を開ける。
「シルヴィか、どうした?」
「トイレに行きたい」
 もじもじしながら、言ってくる。

「ああ、そうか」
 そう答えながら、急いでもう一台、台車を創る。

 トイレとキッチン。風呂。
 水とお湯は、魔道具。廃水の行き先は亜空間。
 それを、階段で繋げるようにして、生活空間を広げる。

 このまま設備が育つと、どこぞの魔法使いが使っていた、奇妙な動く城になりそうだ。

 意外とすぐに皆なれてしまい、生活ができるようになってきたので、いま徐々にスピードが上がってきている。
 と言っても限界はあるからな。
 速度コントロール用のはずみ車がすごい勢いで回っているし。

 適当に、速度制御用のクラッチも修理しないといけないな。
 基本は、フロントが落ちる勢いで、リアを引っ張り速度が落ちる。
 リアが落ちるときには、フロントがブレーキになるため速度が一定となる。
 バランスは、弾み車が調整。
 そしてある程度以上に回転数が増えると、弾み車が遠心力で広がりハウジングへ接触する。

 簡単な遠心クラッチ、いやこの場合はブレーキだな。

 そんなこんなで、数ヶ月。
 両側が、設置したためブレーキが掛かる。

「うん? 何だ?」
 ふわっと甘い香り。
 これは誰だ? 炎呪ではない。ラウラも違うな。
 シルヴィとも違う。

 テントから、顔を出す。
 まぶしい光と、一面に広がる花畑。
 だがその花畑から甘い匂い。ひどく甘美で、脳みそが腐りそうだぜ。

 一気に、火焔魔法で焼こうとして、煙となって広がるとまずそうだから、手前から凍らせていく。

 するとだ、動くんだよ。
 よっこらしょと、根っこが這い出して、わさわさと。
 あわてて、片っ端から凍らせていく。

 四天王達も起き出したようで、魔法を…… あっ燃やしやがったぁ。

 途端に漂う、周囲に広がる甘い匂い。
 うわぁー。いきなり世界が広がり、妖精や精霊が地面から這い出してき始めた。
 井戸から出てくる。あのお方みたいだし、こいつら俺の知っている精霊じゃない。
 あわてて、黄色の実を囓る。

 周りでは、何故か皆が魔法で攻撃し。
 あっ、炎呪の本気えげつないな。

 ただ、さらに火力を加えると? 
「おっ、匂いまで燃やせるのか?」
 炎呪偉い。黄色を喰わせて。

 ベネフィクスは炎呪の魔法に巻き込まれて、体を焼かれて死にかかっているから、赤だな。

 カイライとサンゼンはサンゼンの呼び出した獄卒達を、カイライが操ろうとしているのか?
 千日手だな。獄卒が困ってオロオロしている。三人に黄色を食わせる。

 さて、ラウラとシルヴィは、お互いに何故か俺の名前を呼びながら愛し合っているから間に入って両手を超振動。黄色の実を口に放り込む。

 そっと寝かせて、花園の奥へと向かう。
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