僕は今夜、黒歴史を作ってやろうと思う。

「お」

公募ガイド2月号を買いました。

第19回『このミステリーがすごい！』大賞の受賞インタビューがあって、今年は新川帆立さんという女流作家さんが取ったらしい。

新川さんは、取るための小説を書いたと言います。傾向と対策。編集者に向けて、こんなん好きでしょ？っていう小説。

シンプルに、すげえなあって思いました。僕はどうもそれが出来ません。自分の書きたいことを、相手の読みたいことよりも優先してしまいます。だから、ラノベ、BL、異世界転生に悪役令嬢（なんだそれ）の需要が溢れかえるこのサイトに、誰も求めてないような小説を下ろしてしまうのです。

…そりゃあ、読者も集まらん。

これは僕の言い訳であり、逃げ場。「僕は自分の表現したいものを表現する。それが評価されなくたって、評価されるために媚び売ったような小説を書くよりはマシ！」なんて叫んじゃうんです。でも、それって評価から逃げてるだけなんじゃねえかって思いました。逃げるんじゃねえよ。

だから、僕は一つやってみようと思います。ショーレースの中に身を投じて、本当の意味で真剣に文学をしてみます。余力無く、枯れ果てて、その結果「僕には才能が無かった」と挫折をしたとしても。

傾向と対策。過去の受賞作品読み込み。一次ニ次と通過していくための書き方を学ぶこと。マスターベーションのような小説から離れて、地に足をつけた勝つための小説を書いてみます。

自分の表現したいものを表現する？そんなもん、勝ってから言えよって。勝たなきゃ何も言えないんだって。だせえだけだぞ。

公募ガイドによると、2/10〆切で『コバルト短編小説新人賞』というのがあるらしい。ひとまず、そこで本気をぶつけてきます。

勿論、並行して『オーバー・ドーズ・ファンタジア！』も執筆を続けます。僕にとって、本当の意味で書きたいのはここに載せている小説たちです。読んでほしいのもここに載せてる小説たち。

ショーレース用の小説を書き始めましたが、これは本当に気持ちの悪い作業でした。全然、僕の好きじゃない文章が立ち並ぶ。尖っていない、誰にでも書けそうな、誰にも嫌われない代わりに誰の心にも残らないような小説。

ああ、葛藤。

そうやって悩みながら進んでいきます。いつかどこかには辿り着くでしょう。そんな僕を上から目線に笑って見ててやって下さい。

2021.1.26