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第2話 後編 距離感
四月中旬、いきなり遅刻。
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電車の椅子に座りながら、貧乏ゆすりをしていた。前に抱えている旅行かばんは、あまりにも強い力で抱きしめられているせいで、変形してしまっている。
「やっちまったぁぁあああ!!」
車内の人が一斉にこちらを見た。が、そんなことを気にしている場合ではない。
とりあえず、冷静にならなければ。
四月の中旬に、スタディキャンプと呼ばれる新入生強制参加型の勉強合宿がある。一泊二日もの間、宿に軟禁され勉強の仕方とやらを学ぶ。二日目の最後には、とどめと言わんばかりにテストが待ち受けるという、地獄のような合スケジュールである。そこまでは、まだいい。
問題は、スタディキャンプの宿が都心から離れていることだ。少なくとも、普段起きている時間に起き、のんびり電車に乗って間に合うような距離ではない。
「まただ、またこれだ」
スマホのアプリを確認する。どんなに急いでも集合時刻に十五分以上遅刻する。
「とりあえず遅刻の電話を……」
合宿のしおりを開こうとする。ない。家に忘れた。最悪だ。
担任の田中先生の電話番号は、しおりにしか書いていない。
電話番号を交換している友達もいない。住良木さんや、黒狐さまの電話番号すら、わからないありさまだった。
しかも、クラスチャットにも入会していなかった。学校の事案を家に持ち込みたくなかったからだ。家の中くらい一人でゆっくりさせてほしい、そんな身勝手な思いがあだとなった。
「どうしよう」
遅刻の電話すらできない。詰みだ。
ネットで学校の電話番号を検索し、担任の電話番号を聞き出す──その手段を思いついたのは、田中先生から電話がかかってきた直後だった。
「やっちまったぁぁあああ!!」
車内の人が一斉にこちらを見た。が、そんなことを気にしている場合ではない。
とりあえず、冷静にならなければ。
四月の中旬に、スタディキャンプと呼ばれる新入生強制参加型の勉強合宿がある。一泊二日もの間、宿に軟禁され勉強の仕方とやらを学ぶ。二日目の最後には、とどめと言わんばかりにテストが待ち受けるという、地獄のような合スケジュールである。そこまでは、まだいい。
問題は、スタディキャンプの宿が都心から離れていることだ。少なくとも、普段起きている時間に起き、のんびり電車に乗って間に合うような距離ではない。
「まただ、またこれだ」
スマホのアプリを確認する。どんなに急いでも集合時刻に十五分以上遅刻する。
「とりあえず遅刻の電話を……」
合宿のしおりを開こうとする。ない。家に忘れた。最悪だ。
担任の田中先生の電話番号は、しおりにしか書いていない。
電話番号を交換している友達もいない。住良木さんや、黒狐さまの電話番号すら、わからないありさまだった。
しかも、クラスチャットにも入会していなかった。学校の事案を家に持ち込みたくなかったからだ。家の中くらい一人でゆっくりさせてほしい、そんな身勝手な思いがあだとなった。
「どうしよう」
遅刻の電話すらできない。詰みだ。
ネットで学校の電話番号を検索し、担任の電話番号を聞き出す──その手段を思いついたのは、田中先生から電話がかかってきた直後だった。
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