54 / 57
第十二話 童貞を殺す鎧 その3「読んでて心に刺さった? あっそう」
しおりを挟む
通りすがりに斬られようとする男性を間一髪で、バーベラが救出する。
「タナカ、何やってる!」
「わからねえ! でも急にそいつを殺したくなったんだ!」
タナカはバーベラに抱えられている男性目掛けて何度も剣を振るい続ける。無論、彼女の高速で避けられてはいるが。
「タナカあああああ! 何やってんだああああ!」
アストリアが駆けながら、タナカの剣をめがけて拳を振るう。
本来ならその腕力で剣など簡単に折ってしまうのだが、鎧から出る黒い煙が剣を覆い、彼女の拳を防いでしまう。
「なんだ!!?」
煙に覆われた剣は、やがて漆黒のオーラを纏った大きなの剣へと変化する。
「邪魔だ! どこださっきのあいつは!」
タナカは先程斬りかかった男性を探すも、既にバーベラが遠くへと避難させていた。
「じゃあ、次はお前だー!」
すると、タナカはお店を出している別の男性の元へと走り出す。
「ちょっとちょっと落ち着きなよー。なんか変な主義に目覚めたの?」
ローナがタナカにとり憑いて動きを止めようとするも、彼女の霊体は鎧に弾かれてしまう。
「ありゃまあ……思ったより呪いの力が凄まじいや」
ローナのことはよそに、タナカは店主の男性の元に駆けていく。
「いらっしゃい。何か欲しいものありますか」
「お前の命だああああ!」
その男性に漆黒の剣を振り下ろすタナカ。しかし、そうはさせんとデーツのムテの剣がそれを防ぐ。
「タナカ! いい加減にしろ!」
ムテの剣に押し切られ、タナカは後ろへと弾き返されるも足で踏ん張り、そのまま倒れることはなかった。
「なんでなんだなんでなんだ!!」
一方、アストリアは自分の拳が通じなかった事を未だに不思議がって佇んでいた。
そこにマァチがやってくる。
「アスティ、どうせその頭で考えたって無駄でしょ」
「それもそうだな!!! それより、マァチは攻撃しないのか?!」
「駄目。人が多い。ここじゃ私の魔法は強力過ぎて、周りが危ない」
マァチの言う通り、通りは突如始まった喧嘩を見ようと野次馬で溢れ返っていた。普段はその圧倒的な力を振りかざす彼女だが、今回はそれが仇となった。
やがて、タナカは店主の男性を諦めて野次馬の中の一人の男性に襲いかかる。
「ターゲットが変わったか!」
デーツが急行してまたしても防ぐ。そしてひとしきり剣を交えた後、タナカはまた別の男性を襲おうとする。
今度も防ぐが、タナカはデーツと剣を交えるよりも、その男性に斬りかかることを優先しているようであった。
「一体何がしたいんだお前は!」
タナカとしての意識は既に失ってしまったのか、彼はデーツの言葉に返答することもなく、怒りの形相と虚ろな瞳だけが彼の顔に残されていた。
そこに、バーベラが一人の老人を連れてやってくる。
「ねえ団長! 連れてきたよ!」
「誰、このじいさん?」
と、ローナがバーベラに質問する。
「鎧の売主さ。彼なら何か知ってるはずさ」
「いや、ワシただ売っただけで」
「でも、童貞が着たら死ぬって言ってたろ」
「ああ。それ適当じゃ。ただ童貞を殺す鎧としか聞いてなくての。
だから仲間内で「おい、これ着ようとしないなんてお前童貞かよー」とか言って盛り上がるぐらいしか使ったことないんじゃよ」
「くだらないことやりやがって!」
そう憤るバーベラに、タナカが一瞬だけ動きを止める。
「お、お前らも同じことやってたろ」
「タナカ! 意識が戻ったのか!」
喜ぶの束の間、彼は再び別の男性に斬りかかる。どうやら、頑張って意識を戻してまでもツッコミたかったようだ
「こ、殺す! 童貞殺す!」
「何!?」
タナカの言葉に、デーツは剣で応戦しながらも一瞬だけ動きを止めた。
「まさか! おいそこのお前!」
「自分ですか?!」
タナカが斬りかかろうとする男性に向けてデーツが吠える。
「お前、童貞か!」
「え? あ、いや、その」
「童貞かと聞いている!!」
「は、はい! そうですよ! ええ、そうですとも!」
「殺す!!」
男の言葉にますます殺気立って睨みつけるタナカ。
「成る程、これは着た童貞を死に至らしめる鎧じゃない!
着た者が童貞を殺すようになる鎧なんだ!」
「「な、なんだってー!」」
デーツの結論に、まるで示し合わせたかのように声を合わせて驚くムテ騎士団達。だが、これが正しいリアクションなので仕方がない。
「童貞は消さなければならない。
お前達は生殖という、生命が生まれながらに与えられた使命を全うしようとしない屑だ。
この世にいる価値などない。死ね」
「うぐぅ!」
まだ剣に刺されていないものの、グサっと心を貫かれる男。
「で、でも卒業するチャンスはいくらでもあるし!」
「いや、お前にはない。決してない。生涯かけても童貞だ。顔を見ればわかる。
だからいっそ殺して、お前を楽にしてやる!」
「うぐぐぅ!」
またしても心を刺される男。
「あと、そこの奴とそこの奴、あとお前もだ」
「「うぐぐぐぅ!」」
次々と男性を指差すタナカ。次なる犠牲者がどんどん増えていく。
しかし、本当に刺された者はまだいないので、ムテ騎士団は先手を打つ事にした。
「よくわかんないけど、そんな理由で人を斬っちゃ駄目だぞ!!!」
背後から近づき、アストリアがタナカを羽交締めする。
「これでもう動けないだろ!! 参ったか!!」
そしてその間に、バーベラがタナカが狙った男性達を遠くに避難させていく。
そして、ローナとマァチが他の者に避難を呼びかける。
「童貞の方ー童貞の方は今の内に逃げてくださーい」
「童貞ー童貞はおらんかいー」
しかし、堂々と逃げ出す者はいなかった。
「いやはや、命の危機がかかっているのに童貞と思われる方が嫌だとはなんとも情け無い」
そう達観しているのは鎧を売った老人だ。そんな彼にデーツが近づく。
「なあ、爺さんよ。鎧について他に何か知らないか」
「うーん、説明書なら家にあったはず」
「それを先に言え。ていうか一緒に売れ」
「適当にしまってて探すのが面倒なものでのう」
「バーベラに取りに行かせるか。アストリアー、もうしばらく抑えててくれ」
「わかった!!!」
タナカへの羽交い締めを続行するアストリア。
タナカは最初こそ抵抗していたものの、急に大人しくなってしまう。
「参ったか!!!」
喜ぶアストリアだったが、それはぬか喜びであった。
タナカの持つ剣の先が伸びて、あちこちを這い回り、そして老人の腹を刺したのだ。
「爺さん!! あんた……童貞だったのか!」
「恥ずかしながらこの歳でサクランボなんじゃよ」
そう言い残して果てる老人。彼を介抱するデーツは空かさず脈を取る。
「大丈夫、まだ息はある。ローナ、マァチ。乗り物でこの人を近くの病院まで。傷が深いから慎重にな」
「わかった」
「ローナちゃんに任せろー!」
「それからバーベラはいるか!」
「今戻ったよ団長」
「お前も同行して、その人の住所をなんとか聞き出せ。鎧の説明書がそこにあるそうだ」
「出来るだけ早く持ってくるよ」
そして命令を受けた3名は、傷が広がらないように老人を優しく抱えて、タイガーマーク2号が出せる場所まで担いでいく。
「それでアストリアは、我と共にタナカを応戦するぞ」
「もうやってる!!!」
取り押さえていては、伸びた剣で攻撃されるとわかったアストリアは、タナカを放して彼と戦っている。
だが、彼女のありったけの拳で殴っているのにも関わらず、鎧も剣もびくともしていない。
「かったいなー!!!」
「アストリア、もしかするとこの鎧、我らの親類かもしれんぞ」
「親類? 鎧に血縁があるのか!!!?」
「そういう意味じゃない。我のムテの剣と、お前の体のことだ」
アストリアは動きを一瞬止め、そしてデーツの言葉の意味を考えた。
「成る程!! そっちのことか!!!」
しかし、一瞬動きを止めたのが悪かった。その隙にタナカは走り去る。
「タナカ、何やってる!」
「わからねえ! でも急にそいつを殺したくなったんだ!」
タナカはバーベラに抱えられている男性目掛けて何度も剣を振るい続ける。無論、彼女の高速で避けられてはいるが。
「タナカあああああ! 何やってんだああああ!」
アストリアが駆けながら、タナカの剣をめがけて拳を振るう。
本来ならその腕力で剣など簡単に折ってしまうのだが、鎧から出る黒い煙が剣を覆い、彼女の拳を防いでしまう。
「なんだ!!?」
煙に覆われた剣は、やがて漆黒のオーラを纏った大きなの剣へと変化する。
「邪魔だ! どこださっきのあいつは!」
タナカは先程斬りかかった男性を探すも、既にバーベラが遠くへと避難させていた。
「じゃあ、次はお前だー!」
すると、タナカはお店を出している別の男性の元へと走り出す。
「ちょっとちょっと落ち着きなよー。なんか変な主義に目覚めたの?」
ローナがタナカにとり憑いて動きを止めようとするも、彼女の霊体は鎧に弾かれてしまう。
「ありゃまあ……思ったより呪いの力が凄まじいや」
ローナのことはよそに、タナカは店主の男性の元に駆けていく。
「いらっしゃい。何か欲しいものありますか」
「お前の命だああああ!」
その男性に漆黒の剣を振り下ろすタナカ。しかし、そうはさせんとデーツのムテの剣がそれを防ぐ。
「タナカ! いい加減にしろ!」
ムテの剣に押し切られ、タナカは後ろへと弾き返されるも足で踏ん張り、そのまま倒れることはなかった。
「なんでなんだなんでなんだ!!」
一方、アストリアは自分の拳が通じなかった事を未だに不思議がって佇んでいた。
そこにマァチがやってくる。
「アスティ、どうせその頭で考えたって無駄でしょ」
「それもそうだな!!! それより、マァチは攻撃しないのか?!」
「駄目。人が多い。ここじゃ私の魔法は強力過ぎて、周りが危ない」
マァチの言う通り、通りは突如始まった喧嘩を見ようと野次馬で溢れ返っていた。普段はその圧倒的な力を振りかざす彼女だが、今回はそれが仇となった。
やがて、タナカは店主の男性を諦めて野次馬の中の一人の男性に襲いかかる。
「ターゲットが変わったか!」
デーツが急行してまたしても防ぐ。そしてひとしきり剣を交えた後、タナカはまた別の男性を襲おうとする。
今度も防ぐが、タナカはデーツと剣を交えるよりも、その男性に斬りかかることを優先しているようであった。
「一体何がしたいんだお前は!」
タナカとしての意識は既に失ってしまったのか、彼はデーツの言葉に返答することもなく、怒りの形相と虚ろな瞳だけが彼の顔に残されていた。
そこに、バーベラが一人の老人を連れてやってくる。
「ねえ団長! 連れてきたよ!」
「誰、このじいさん?」
と、ローナがバーベラに質問する。
「鎧の売主さ。彼なら何か知ってるはずさ」
「いや、ワシただ売っただけで」
「でも、童貞が着たら死ぬって言ってたろ」
「ああ。それ適当じゃ。ただ童貞を殺す鎧としか聞いてなくての。
だから仲間内で「おい、これ着ようとしないなんてお前童貞かよー」とか言って盛り上がるぐらいしか使ったことないんじゃよ」
「くだらないことやりやがって!」
そう憤るバーベラに、タナカが一瞬だけ動きを止める。
「お、お前らも同じことやってたろ」
「タナカ! 意識が戻ったのか!」
喜ぶの束の間、彼は再び別の男性に斬りかかる。どうやら、頑張って意識を戻してまでもツッコミたかったようだ
「こ、殺す! 童貞殺す!」
「何!?」
タナカの言葉に、デーツは剣で応戦しながらも一瞬だけ動きを止めた。
「まさか! おいそこのお前!」
「自分ですか?!」
タナカが斬りかかろうとする男性に向けてデーツが吠える。
「お前、童貞か!」
「え? あ、いや、その」
「童貞かと聞いている!!」
「は、はい! そうですよ! ええ、そうですとも!」
「殺す!!」
男の言葉にますます殺気立って睨みつけるタナカ。
「成る程、これは着た童貞を死に至らしめる鎧じゃない!
着た者が童貞を殺すようになる鎧なんだ!」
「「な、なんだってー!」」
デーツの結論に、まるで示し合わせたかのように声を合わせて驚くムテ騎士団達。だが、これが正しいリアクションなので仕方がない。
「童貞は消さなければならない。
お前達は生殖という、生命が生まれながらに与えられた使命を全うしようとしない屑だ。
この世にいる価値などない。死ね」
「うぐぅ!」
まだ剣に刺されていないものの、グサっと心を貫かれる男。
「で、でも卒業するチャンスはいくらでもあるし!」
「いや、お前にはない。決してない。生涯かけても童貞だ。顔を見ればわかる。
だからいっそ殺して、お前を楽にしてやる!」
「うぐぐぅ!」
またしても心を刺される男。
「あと、そこの奴とそこの奴、あとお前もだ」
「「うぐぐぐぅ!」」
次々と男性を指差すタナカ。次なる犠牲者がどんどん増えていく。
しかし、本当に刺された者はまだいないので、ムテ騎士団は先手を打つ事にした。
「よくわかんないけど、そんな理由で人を斬っちゃ駄目だぞ!!!」
背後から近づき、アストリアがタナカを羽交締めする。
「これでもう動けないだろ!! 参ったか!!」
そしてその間に、バーベラがタナカが狙った男性達を遠くに避難させていく。
そして、ローナとマァチが他の者に避難を呼びかける。
「童貞の方ー童貞の方は今の内に逃げてくださーい」
「童貞ー童貞はおらんかいー」
しかし、堂々と逃げ出す者はいなかった。
「いやはや、命の危機がかかっているのに童貞と思われる方が嫌だとはなんとも情け無い」
そう達観しているのは鎧を売った老人だ。そんな彼にデーツが近づく。
「なあ、爺さんよ。鎧について他に何か知らないか」
「うーん、説明書なら家にあったはず」
「それを先に言え。ていうか一緒に売れ」
「適当にしまってて探すのが面倒なものでのう」
「バーベラに取りに行かせるか。アストリアー、もうしばらく抑えててくれ」
「わかった!!!」
タナカへの羽交い締めを続行するアストリア。
タナカは最初こそ抵抗していたものの、急に大人しくなってしまう。
「参ったか!!!」
喜ぶアストリアだったが、それはぬか喜びであった。
タナカの持つ剣の先が伸びて、あちこちを這い回り、そして老人の腹を刺したのだ。
「爺さん!! あんた……童貞だったのか!」
「恥ずかしながらこの歳でサクランボなんじゃよ」
そう言い残して果てる老人。彼を介抱するデーツは空かさず脈を取る。
「大丈夫、まだ息はある。ローナ、マァチ。乗り物でこの人を近くの病院まで。傷が深いから慎重にな」
「わかった」
「ローナちゃんに任せろー!」
「それからバーベラはいるか!」
「今戻ったよ団長」
「お前も同行して、その人の住所をなんとか聞き出せ。鎧の説明書がそこにあるそうだ」
「出来るだけ早く持ってくるよ」
そして命令を受けた3名は、傷が広がらないように老人を優しく抱えて、タイガーマーク2号が出せる場所まで担いでいく。
「それでアストリアは、我と共にタナカを応戦するぞ」
「もうやってる!!!」
取り押さえていては、伸びた剣で攻撃されるとわかったアストリアは、タナカを放して彼と戦っている。
だが、彼女のありったけの拳で殴っているのにも関わらず、鎧も剣もびくともしていない。
「かったいなー!!!」
「アストリア、もしかするとこの鎧、我らの親類かもしれんぞ」
「親類? 鎧に血縁があるのか!!!?」
「そういう意味じゃない。我のムテの剣と、お前の体のことだ」
アストリアは動きを一瞬止め、そしてデーツの言葉の意味を考えた。
「成る程!! そっちのことか!!!」
しかし、一瞬動きを止めたのが悪かった。その隙にタナカは走り去る。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる