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第十三話 ローナちゃんの夜遊び その1「夜に駆けたり駆けなかったり」
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ムテ騎士団の夕食は、現代日本に置き替えるとだいたい18時頃に始まり、そこから断章を交えながら40分程度をかけて行われる。
その後はたまにみんなでゲームに興じる事もあるが、基本的には自由行動であるため、各々の自室へと戻って数時間後に就寝する。寝るタイミングも皆様々ではあるが、現代日本と違って娯楽が少ないために平均21時頃までに全員眠る。
ただし、眠らない者が一人だけいる。
「よーし、みんな寝たなー? じゃあここからはローナちゃんの時間だぞー」
そう、幽霊のローナだけは眠る必要がない。いや、眠るということが出来ないのだ。
そもそも睡眠とは、身体の休息、成長ホルモンの分泌、脳の整理を主に目的とした行動であるため、肉体を持たないローナにそのような習慣は存在しないのだ。
「じゃあ早速見回りツアーに出発!」
よって、その特殊な性質を活かしてムテ騎士団の根城、要塞ガルガレオスの夜間の見張を担当するのが彼女の勤め。あるいは単なる暇つぶしである。
「今日はお供でも連れてってあげようかな」
ローナはぬいぐるみや人形や拷問器具がいっぱい詰まった宝箱から、念力でウサギのぬいぐるみを取り出した。
「ピョンピーナ隊員! 今日は君にこのローナちゃん見張り隊の一員として同行してもらう!
“はい! ローナちゃん隊長! ピョンピーナ隊員頑張ります!”
よろしい。では出発!」
念力でぬいぐるみを動かし、一人でお人形遊びに興じながら城内の見張りへと出発するローナ。
果たして、こんな遊び半分で見張りで務まるのか。答えは務まる。なぜなら、侵入者が出たとしても、ムテ騎士団相手では盗みも殺しも絶対成功しないからだ。
その証明をしてくれた男がいる。その名はタナカ。ローナは早速、そんな哀れにも暗殺失敗で返り討ちとなって捕虜となったタナカのいる牢屋へとやって来る。
「うんうん。大人しく寝てるねタナカ君」
牢屋の中ではすっかり地べたで眠る事に慣れてしまったタナカが就寝している。
本来なら、牢屋の捕虜への見張りといえば脱走していないかの確認が主だが、ローナにとっては彼がよく眠ってるかの確認する作業となっている。
そもそも牢屋とは名ばかりで鍵はかかっておらず、いつでも自由に出入りできるという彼専用の個室と相違なくなっていた。
「タタタータタタータタタのタナカー」
謎の歌と謎の踊りを彼の周りで繰り広げるローナ。
余談だが、声帯を持たない幽霊がどうやって声を出しているのか。それは単に、無意識のうちに念力で空気を震わせて音を作っているからである。
では逆に、どうやって音を聞いているのかというと、それはまた別の余談なのでまた今度。
「タタタータタタータタタのタナカー」
流石にしつこ過ぎたのか、その声にタナカは眠りながら眉をひそめる。
「おっとあぶなーい」
ローナは慌ててその場を去る。これも余談だが、暗殺者であるタナカの感性は鋭く鍛えられており、本来なら誰かが自分の半径10メートル以内に入った瞬間に目が覚めるようになっており、ここまで至近距離に近づけるのは幽霊のローナだけである。
「タタタータタタータタタのタナカー」
なので、こうやって戻って来たローナにまた謎の歌と踊りをお見舞いされるのであった。
「さて、非常警報機は寝てるかなー?」
お次は非常警報機ことアストリアの部屋にやって来たローナ。タナカの侵入時に利用したように、有事の際、彼女はアストリアの声でみんなを起こす気でいるのである。
「ほんと、黙ってれば美人だよねアスティは。
てか、本当にアスティ? 実は別人なんじゃない?」
アストリアは普段の騒がしさが嘘のように、いびきどころか寝息すら聞こえない程静かに眠るのである。それも立ちながら。
一応、彼女の部屋の奥にはベッドは用意されてはいるのだが、滅多に使う事はない。
「あーあ。今日は絵を描いてる途中で寝てるよ」
ベッドで眠らないのは、彼女は何かをしている最中に眠たいと思ったらその場で寝る癖があるからだ。
これは所謂ナルコレプシーのように強い眠気のために眠ってしまうからではなく、彼女が僅かに眠気を感じたのなら、何をしていても眠ろうという気持ちに切り替えてそれを実行しまうためである。
「しかし、相変わらず何描いてるかわかんないなー。
なんだろう? 潰れた犬? ピョンピーナ隊員はどう思う?
“ミミズのお祭りであります!”
成る程。その線もありよりのありだね」
次にローナが向かったのはマァチの部屋の前。どうして中ではなく、前なのかというと
「今日こそ入れますように! ろもさーす!」
と、勢いよく彼女の部屋まで飛び込むが、誰も入るなと書かれた看板から堺に、ローナの身体が砂嵐の様に崩れてしまう。
「やっぱ今日も電気の結界張ってやがる」
プライベート空間には一切人を入れたくないマァチは、夜には雷の結果を張ってローナを入れないようにしているのだ。
「1日ぐらいうっかり張り忘れたっていいのに。ケチ! クソガキ!」
と、クソガキが申しております。
さて、マァチの部屋への侵入が失敗したローナが次に向かうのはバーベラの部屋である。まず、部屋に入る前に彼女は聞き耳を立てる。
「ふむふむ。あんあん言ってる声が聞こえないし、今日は女を連れ込んでないみたいだね」
ローナはバーベラの部屋に入るときは、毎度確認してから入るようにしている。それは過去に突如飛び出て驚かしたために、楽しい夜を台無しにしてしまい、バーベラを本気で怒らせたことがあるからだ。
曰く、バーベラが自分に対して本気でキレたのはその時だけらしい。
「ん? 新しい本だ」
ローナはベッドに眠っているバーベラの枕元に置いてある本を拝借してページをめくる。
バーベラの部屋には様々な分野の本があり、大広間なのを利用してそこに巨大な本棚を備えてあるのだ。
「うん、見事に裸の絵ばっかり!」
ただし大抵はその手の本ばかりだが。
またまた余談だが、幽霊であるローナでも光の加減がわかっており、眩しさも暗さも感じ取る事ができる。
ただし、暗がりの中での視認性は人間よりも高く、こうやって明かりのない部屋でも本を読むことが可能である。
「見たまえピョンピーナ隊員。この女性をどう思う。
"結構好みであります! 特にこの二の腕がたまらないであります!"
まあ、ピョンピーナ隊員。君は意外と助べえなのだな。軽蔑してやろう」
その本をぬいぐるみに読み聞かせるローナ。その時、バーベラが目を覚ます。
「うーん・・・・・・」
「あ、ごめん。起こした?」
「ああ、ローナ。大丈夫だよ、ちょっと嫌な夢見ちゃっただけさ」
バーベラは小さく深呼吸をしてから、高速で共同洗い場に行き、井戸の水をグラスに入れて戻ってくる。
ローナは何か言ってあげようかと考えたが、特にかける言葉もない。しばらくの沈黙の後、先に口を開いたのはバーベラの方だった。
「ねえ、ローナ。一応君の方が年上だかさ、今ぐらいはちょっと甘えてもいいかな?」
「まだまだ子供でいたいけど、まあよかろう。お姉さんなローナちゃんが甘やかしてやろう!」
「ありがとうお姉さん。と言っても、ただ話を聞いてもらうだけなんだけどさ。
なんていうかこう・・・・・・時々、虚しくなる時ってない?」
「時々どころか、ローナちゃんは死んでますからね。虚しさしかないよ。しかも埋まることのない虚しさ」
「そっか」
「でも、バーベラは生きてるんだからいつかは埋まるよその虚しさ」
「でも、僕が生きたところでさ」
その言葉の先を言わずに、バーベラは黙ってしまう。
「ごめん、この話は終わりにしていい? 自分から持ち掛けておいてなんだけどさ」
「いいいよいいよ。ローナちゃんはお姉さんだからね」
ローナはバーベラを抱きしめる。しかし、霊体なので体はすり抜けてしまうが。
「こういう時、私も体があればいいのにって思う」
「だけど、温かいよ。すごくね」
そしてバーベラは水を飲み干して横になる。
「おやすみローナ」
「うん、おやすみ。また明日ね」
肉欲の権化でもあるバーベラに、肉体を持たないローナ。正反対の二人だからこそ、お互いにない何かを補う仲でもある。
次にローナが目指すのは、団長の眠る搭の最上階。その部屋はムテの剣と小さな水槽と何年も開けていない小さな宝箱とベッドだけ。
ローナの部屋が様々なおもちゃや拷問器具で溢れかえってるのにたいし、デーツの部屋は実にシンプルである。
「んごぉおおおお ぐごぉおおおお」
「うわ、豚が寝てると思ったら団長だった」
ビキニアーマーのまま、まるまると太った裸身で横たわりいびきをかくデーツ姿のに、誰もが一度は"うわ、豚いるじゃん"という感想を抱くという。
「ピョンピーナ隊員。こいつをどう思う。
"なかなかかわいらしい豚さんだと思います"
こらー。団長を豚呼ばわりしちゃダメでしょーこのメス豚!
"ごめんなさーい"
まあ、このお腹じゃそう思うのも無理ないけどさー」
ローナは念力でデーツのおなかをぶるぶるふるわせる。
「ぷふっ」
面白くなっちゃったのか、太鼓でも叩くかのように念力でぺちぺちと叩いて、脂肪が波打つさまをきゃっきゃと喜んだ。
「ぐごぉおおお んっごぉおおお・・・・・・」
「え?」
「・・・・・・」
「団長?」
すると急にデーツの呼吸が止まってしまう。
「まさか死・・・・・・」
ローナは呼吸を確認しようとデーツの口元に耳を近づける。
「ぐごおおおおおお!!!!!」
「うわああ!?」
しかし、その瞬間に再度大いびきをかき始めた。
「ああもう! 痩せろ!」
そしてそのままローナは怒って屋上にまで去って行った。
その後はたまにみんなでゲームに興じる事もあるが、基本的には自由行動であるため、各々の自室へと戻って数時間後に就寝する。寝るタイミングも皆様々ではあるが、現代日本と違って娯楽が少ないために平均21時頃までに全員眠る。
ただし、眠らない者が一人だけいる。
「よーし、みんな寝たなー? じゃあここからはローナちゃんの時間だぞー」
そう、幽霊のローナだけは眠る必要がない。いや、眠るということが出来ないのだ。
そもそも睡眠とは、身体の休息、成長ホルモンの分泌、脳の整理を主に目的とした行動であるため、肉体を持たないローナにそのような習慣は存在しないのだ。
「じゃあ早速見回りツアーに出発!」
よって、その特殊な性質を活かしてムテ騎士団の根城、要塞ガルガレオスの夜間の見張を担当するのが彼女の勤め。あるいは単なる暇つぶしである。
「今日はお供でも連れてってあげようかな」
ローナはぬいぐるみや人形や拷問器具がいっぱい詰まった宝箱から、念力でウサギのぬいぐるみを取り出した。
「ピョンピーナ隊員! 今日は君にこのローナちゃん見張り隊の一員として同行してもらう!
“はい! ローナちゃん隊長! ピョンピーナ隊員頑張ります!”
よろしい。では出発!」
念力でぬいぐるみを動かし、一人でお人形遊びに興じながら城内の見張りへと出発するローナ。
果たして、こんな遊び半分で見張りで務まるのか。答えは務まる。なぜなら、侵入者が出たとしても、ムテ騎士団相手では盗みも殺しも絶対成功しないからだ。
その証明をしてくれた男がいる。その名はタナカ。ローナは早速、そんな哀れにも暗殺失敗で返り討ちとなって捕虜となったタナカのいる牢屋へとやって来る。
「うんうん。大人しく寝てるねタナカ君」
牢屋の中ではすっかり地べたで眠る事に慣れてしまったタナカが就寝している。
本来なら、牢屋の捕虜への見張りといえば脱走していないかの確認が主だが、ローナにとっては彼がよく眠ってるかの確認する作業となっている。
そもそも牢屋とは名ばかりで鍵はかかっておらず、いつでも自由に出入りできるという彼専用の個室と相違なくなっていた。
「タタタータタタータタタのタナカー」
謎の歌と謎の踊りを彼の周りで繰り広げるローナ。
余談だが、声帯を持たない幽霊がどうやって声を出しているのか。それは単に、無意識のうちに念力で空気を震わせて音を作っているからである。
では逆に、どうやって音を聞いているのかというと、それはまた別の余談なのでまた今度。
「タタタータタタータタタのタナカー」
流石にしつこ過ぎたのか、その声にタナカは眠りながら眉をひそめる。
「おっとあぶなーい」
ローナは慌ててその場を去る。これも余談だが、暗殺者であるタナカの感性は鋭く鍛えられており、本来なら誰かが自分の半径10メートル以内に入った瞬間に目が覚めるようになっており、ここまで至近距離に近づけるのは幽霊のローナだけである。
「タタタータタタータタタのタナカー」
なので、こうやって戻って来たローナにまた謎の歌と踊りをお見舞いされるのであった。
「さて、非常警報機は寝てるかなー?」
お次は非常警報機ことアストリアの部屋にやって来たローナ。タナカの侵入時に利用したように、有事の際、彼女はアストリアの声でみんなを起こす気でいるのである。
「ほんと、黙ってれば美人だよねアスティは。
てか、本当にアスティ? 実は別人なんじゃない?」
アストリアは普段の騒がしさが嘘のように、いびきどころか寝息すら聞こえない程静かに眠るのである。それも立ちながら。
一応、彼女の部屋の奥にはベッドは用意されてはいるのだが、滅多に使う事はない。
「あーあ。今日は絵を描いてる途中で寝てるよ」
ベッドで眠らないのは、彼女は何かをしている最中に眠たいと思ったらその場で寝る癖があるからだ。
これは所謂ナルコレプシーのように強い眠気のために眠ってしまうからではなく、彼女が僅かに眠気を感じたのなら、何をしていても眠ろうという気持ちに切り替えてそれを実行しまうためである。
「しかし、相変わらず何描いてるかわかんないなー。
なんだろう? 潰れた犬? ピョンピーナ隊員はどう思う?
“ミミズのお祭りであります!”
成る程。その線もありよりのありだね」
次にローナが向かったのはマァチの部屋の前。どうして中ではなく、前なのかというと
「今日こそ入れますように! ろもさーす!」
と、勢いよく彼女の部屋まで飛び込むが、誰も入るなと書かれた看板から堺に、ローナの身体が砂嵐の様に崩れてしまう。
「やっぱ今日も電気の結界張ってやがる」
プライベート空間には一切人を入れたくないマァチは、夜には雷の結果を張ってローナを入れないようにしているのだ。
「1日ぐらいうっかり張り忘れたっていいのに。ケチ! クソガキ!」
と、クソガキが申しております。
さて、マァチの部屋への侵入が失敗したローナが次に向かうのはバーベラの部屋である。まず、部屋に入る前に彼女は聞き耳を立てる。
「ふむふむ。あんあん言ってる声が聞こえないし、今日は女を連れ込んでないみたいだね」
ローナはバーベラの部屋に入るときは、毎度確認してから入るようにしている。それは過去に突如飛び出て驚かしたために、楽しい夜を台無しにしてしまい、バーベラを本気で怒らせたことがあるからだ。
曰く、バーベラが自分に対して本気でキレたのはその時だけらしい。
「ん? 新しい本だ」
ローナはベッドに眠っているバーベラの枕元に置いてある本を拝借してページをめくる。
バーベラの部屋には様々な分野の本があり、大広間なのを利用してそこに巨大な本棚を備えてあるのだ。
「うん、見事に裸の絵ばっかり!」
ただし大抵はその手の本ばかりだが。
またまた余談だが、幽霊であるローナでも光の加減がわかっており、眩しさも暗さも感じ取る事ができる。
ただし、暗がりの中での視認性は人間よりも高く、こうやって明かりのない部屋でも本を読むことが可能である。
「見たまえピョンピーナ隊員。この女性をどう思う。
"結構好みであります! 特にこの二の腕がたまらないであります!"
まあ、ピョンピーナ隊員。君は意外と助べえなのだな。軽蔑してやろう」
その本をぬいぐるみに読み聞かせるローナ。その時、バーベラが目を覚ます。
「うーん・・・・・・」
「あ、ごめん。起こした?」
「ああ、ローナ。大丈夫だよ、ちょっと嫌な夢見ちゃっただけさ」
バーベラは小さく深呼吸をしてから、高速で共同洗い場に行き、井戸の水をグラスに入れて戻ってくる。
ローナは何か言ってあげようかと考えたが、特にかける言葉もない。しばらくの沈黙の後、先に口を開いたのはバーベラの方だった。
「ねえ、ローナ。一応君の方が年上だかさ、今ぐらいはちょっと甘えてもいいかな?」
「まだまだ子供でいたいけど、まあよかろう。お姉さんなローナちゃんが甘やかしてやろう!」
「ありがとうお姉さん。と言っても、ただ話を聞いてもらうだけなんだけどさ。
なんていうかこう・・・・・・時々、虚しくなる時ってない?」
「時々どころか、ローナちゃんは死んでますからね。虚しさしかないよ。しかも埋まることのない虚しさ」
「そっか」
「でも、バーベラは生きてるんだからいつかは埋まるよその虚しさ」
「でも、僕が生きたところでさ」
その言葉の先を言わずに、バーベラは黙ってしまう。
「ごめん、この話は終わりにしていい? 自分から持ち掛けておいてなんだけどさ」
「いいいよいいよ。ローナちゃんはお姉さんだからね」
ローナはバーベラを抱きしめる。しかし、霊体なので体はすり抜けてしまうが。
「こういう時、私も体があればいいのにって思う」
「だけど、温かいよ。すごくね」
そしてバーベラは水を飲み干して横になる。
「おやすみローナ」
「うん、おやすみ。また明日ね」
肉欲の権化でもあるバーベラに、肉体を持たないローナ。正反対の二人だからこそ、お互いにない何かを補う仲でもある。
次にローナが目指すのは、団長の眠る搭の最上階。その部屋はムテの剣と小さな水槽と何年も開けていない小さな宝箱とベッドだけ。
ローナの部屋が様々なおもちゃや拷問器具で溢れかえってるのにたいし、デーツの部屋は実にシンプルである。
「んごぉおおおお ぐごぉおおおお」
「うわ、豚が寝てると思ったら団長だった」
ビキニアーマーのまま、まるまると太った裸身で横たわりいびきをかくデーツ姿のに、誰もが一度は"うわ、豚いるじゃん"という感想を抱くという。
「ピョンピーナ隊員。こいつをどう思う。
"なかなかかわいらしい豚さんだと思います"
こらー。団長を豚呼ばわりしちゃダメでしょーこのメス豚!
"ごめんなさーい"
まあ、このお腹じゃそう思うのも無理ないけどさー」
ローナは念力でデーツのおなかをぶるぶるふるわせる。
「ぷふっ」
面白くなっちゃったのか、太鼓でも叩くかのように念力でぺちぺちと叩いて、脂肪が波打つさまをきゃっきゃと喜んだ。
「ぐごぉおおお んっごぉおおお・・・・・・」
「え?」
「・・・・・・」
「団長?」
すると急にデーツの呼吸が止まってしまう。
「まさか死・・・・・・」
ローナは呼吸を確認しようとデーツの口元に耳を近づける。
「ぐごおおおおおお!!!!!」
「うわああ!?」
しかし、その瞬間に再度大いびきをかき始めた。
「ああもう! 痩せろ!」
そしてそのままローナは怒って屋上にまで去って行った。
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