恋愛 短編集

noraneko

文字の大きさ
12 / 13

恋愛未満

しおりを挟む
ぶっきらぼうで、愛想が悪くて、見た目だってかっこよくない。


なんで、私は彼と付き合ったのだろうか?


あんまり笑わないし、私と居ても楽しそうでもないし、それでもいつも隣にいて私の話を静かに聞いている。


告白されて、別に好きな人も居なかったから付き合ってみたけれど、恋人というよりも付き人な彼は私に自分から好きだとも言わなければ、私をほめるような言葉さえ言わない。


「ねぇ? 私と居て楽しい? 」

「楽しいよ」

「私のこと好き? 」

「うん」

「どこが好き? 」

「……」


沈黙が長い。


好きな所も分からないのに付き合っている意味はあるんだろうか。

「あのさ……これ」

彼は鞄から何かを取り出した。

彼の太い指の間から私が気に入っている柴犬のマスコットぬいぐるみがこちらを向いている。

「うわっ、これ私が好きなやつだ」

「あげる」

彼とぬいぐるみの顔を交互に見るが、彼は恥ずかしそうにうつむいていた。

「嬉しい。ありがとう」

受け取ったぬいぐるみはキーホルダーになっていた。
私は鞄にすぐにつけた。

「好きなの知ってたの? 」

「うん」

「私が好きだから買ってきてくれたの? 」

「そうだよ」

彼の顔は少し赤くなっていた。

恥ずかしがりやなんだろうか。

「私のことすき? 」

「さっきも言ったよ。もちろん」

「じゃあ、どこが好きなの? 」

「……ぜ……んぶ……」

彼は小さな声で呟いた。


私は笑った。
なんかこの人面白い。


彼はおでこに手を当てて、顔を真っ赤にしていた。

付き合ったばかりの恋人はこれからどうなっていくのだろうか。

まだ、私の恋はよく分からないけれど、
これから面白いかもしれない。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

この離婚は契約違反です【一話完結】

鏑木 うりこ
恋愛
突然離婚を言い渡されたディーネは静かに消えるのでした。

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます

おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」 そう書き残してエアリーはいなくなった…… 緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。 そう思っていたのに。 エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて…… ※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

幸せになれると思っていた

里見知美
恋愛
18歳になったら結婚しよう、と約束をしていたのに。 ある事故から目を覚ますと、誰もが私をいないものとして扱った。

断罪された薔薇の話

倉真朔
恋愛
悪名高きロザリンドの断罪後、奇妙な病気にかかってしまった第二王子のルカ。そんなこと知るよしもなく、皇太子カイルと彼の婚約者のマーガレットはルカに元気になってもらおうと奮闘する。  ルカの切ない想いを誰が受け止めてくれるだろうか。  とても切ない物語です。  この作品は、カクヨム、小説家になろうにも掲載中。   

【完結】本当に愛していました。さようなら

梅干しおにぎり
恋愛
本当に愛していた彼の隣には、彼女がいました。 2話完結です。よろしくお願いします。

気づいたときには遅かったんだ。

水瀬瑠奈
恋愛
 「大好き」が永遠だと、なぜ信じていたのだろう。

処理中です...