ルーズベルト亡き世

エトーのねこ(略称:えねこ)

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第一次赤軍亡命1937/03/07

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 1937年3月、宇垣内閣が組閣されてからおよそひとつき少々経過した頃である。ソ連の大物が大日本帝国に亡命した!当初、大日本帝国はアカを国内に入れるわけには行かないと拒絶を考えたものの、ある人物の鶴の一声で亡命が許可されることになる。その論理とは……。
「アカを国内に入れる!?」
「外相、正気か」
 いきり立つ将校達。それに対して石井菊次郎はといえば、
「ええ、至って正気ですとも。むしろ、軍人の方々こそ正気でございますか」
と、嘲弄すらしてみせる余裕を見せつけるのだった。案の定、
「なんだとっ!?」
更に青筋を立てて怒る将校。中にはサーベルに手を掛けている者も存在した。それに対して、菊次郎は、
「実は、宇垣首相にも内諾を頂いております」
と返答した。では何故、敵国民を胸中に入れるような真似を宇垣首相は許したのか。それは……。
「何ッ」
「首相……」
「まあ待て諸君、支那の孫子は知っているな?」
 小童如きに睨み付けられても何の問題も無い、といった態度で鷹揚に構える宇垣。そして、彼の話は論理とは以下の通りであった。
「当然で御座いましょう」
「孫子ぐらい、古典として学んでおりますが」
「なれば、戦争をして百回勝つには何が一番近道か、位は言えるよな?」
 そう、孫子の兵法で最も有名な章であり、載せたる処は謀攻に曰く。「故曰、知彼知己者、百戰不殆。不知彼而知己、一勝一負。不知彼不知己、毎戰必殆。」
 ……漢文が読めなくてもなんとなく意味はわかるだろう。つまりは、そういうことだ。
「……成る程」
「海相?」
「まあ、そういうことならば異存はない」
「陸相まで……」
「敵を知り己を知れば百戦危うからず。確かに、ブハーリン氏は格好の「敵」だな」
 それはいわば、ソビエトという鉄のカーテンに囲まれた内情を知るうってつけの相手であった。そして、彼らはソビエトという国家は放置していればそのうち滅ぶことを間もなく知る。
「……なるほど、我々が浅はかでございました」
「わかってくれれば、それでいいのだよ。くれぐれも、事件は起こさんようにな」
「……ははっ」
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