90 / 91
第五分章:アッヅ環礁破壊作戦(仮題)
第二次ベンガル湾海戦 海戦前の状況
しおりを挟む
大日本帝国が紀元節に震旦共和国とロシア新政府軍の設立を宣言している最中のことである。いわゆる第二次バトルオブブリテンが開始されたことによってイギリス東洋艦隊は進退窮まっていた。もちろん、イギリスという国家形態を守るのならば即座に本国へ帰還し、ブリテン諸島の防衛に当たるべきだったのだが、彼等はインドの喪失を憂慮し、結果的にインド洋へ残留せざるを得なかった。まあ結果的に、その決断こそがインドを失う、否、イギリス本土決戦の末に英連邦の解体ということになるのだが、誰もが未来を予測できるとは限らない。イギリス海軍の高級将校といえど、見渡せる景色には限界があった。
だが、その葛藤はわずかな隙をイギリス東洋艦隊の艦隊行動に宿すことになる。その隙を見逃すほど、帝国海軍の俊英達はお人好しではなかった……。
まず最初の契機といいうる出来事は、最早定例となったコロンボ戦略機動部隊所属の偵察行為であった。その戦略機動部隊の司令官である醍醐は諸事情あってコロンボを離れていたものの、偵察部隊の未帰還という一報を聞き、急ぎインド洋へと戻ることとなる。
そして、未帰還の偵察機は未帰還であることによって、役目を達成した。そう、その未帰還の偵察機が担当していた区域こそ、イギリス海軍の秘密基地であるアッヅ環礁が存在した区域だったからだ。
詳細な位置こそ探れなかったものの、イギリス東洋艦隊の秘密基地の存在を察知した醍醐は、急ぎ艦隊を派遣、コロンボ戦略機動部隊の所持している艦隊は空母や大和型、長門型こそ不在であったものの、新鋭艦である乾坤型超甲巡の一番艦乾坤、二番艦菊水を配備|(三番艦、四番艦は布哇方面に駐屯中)しており、基地航空機と合わせた戦力であるならば、決して戦闘力に不足する状況ではなかった。
一方で第一次ベンガル湾海戦で惨憺たる結果を残したイギリス東洋艦隊は第二次バトルオブブリテンが始まる前に本国艦隊より補充を受けており、まだ到着していない艦艇も存在したものの、戦艦だけで10隻あまりの艦艇を投入していた。その中には、まだ進水式どころか起工して半年も経過していないヴァンガード級まで人員を集中させてむりやり進水させて員数に含める予定だったというのだから、どれだけイギリスがインドの喪失を恐れていたのかが見て取れるだろう。まあ結局、イギリスという帝国は看取られることになるのだが、それを知る者は、現段階ではまだ誰も居ない。
バトル・オーダー
日本軍側軍艦・航空隊
第三戦隊|(金剛型四隻)、第二水雷艦隊|(乾坤あるいは菊水を旗艦とし、三水戦と四水戦を合流させた艦隊)
基地航空隊に多数(少なく見積もって1機種だけで100単位)の航空機|(零戦二一型はもちろんのこと、すでに何故か存在している紫電改、陸爆形態ながら彗星など。一部の精鋭にはすでに行き渡っている一式陸攻の他試作機のレベルではあろうが天山|(この当時ならまだ「十四試艦上攻撃機」か?)などが存在)
イギリス側軍艦・航空隊|(但し2月段階ではまだ全員が揃っているわけではない)
戦艦:ヴァンガード、キングジョージ5世、デューク・オブ・ヨーク、アンソン、ハウ、クイーンエリザベス、ヴァリアント、マレーヤ、ネルソン、ロドネイ、ロイヤル・オーク
空母:イラストリアス、ヴィクトリアス、インプラカブル、インディファティガブル、ユニコーン、イーグル、ヴィンディクティヴ、フューリアス、アーガス
巡洋艦以下、割ととんでもない数
見ての通り、イギリスも後先考えぬ支援を東洋艦隊に行っていた。殆ど総力戦といってもいいだろう。流石にフューリアスやアーガス、ヴィンディクティヴなどの旧型は航空機の輸送のために派遣されただけで、任務を終えたら本国に帰還するように伝えられていたが、彼等はその命令を完遂することなく戦没することとなる。
だが、その葛藤はわずかな隙をイギリス東洋艦隊の艦隊行動に宿すことになる。その隙を見逃すほど、帝国海軍の俊英達はお人好しではなかった……。
まず最初の契機といいうる出来事は、最早定例となったコロンボ戦略機動部隊所属の偵察行為であった。その戦略機動部隊の司令官である醍醐は諸事情あってコロンボを離れていたものの、偵察部隊の未帰還という一報を聞き、急ぎインド洋へと戻ることとなる。
そして、未帰還の偵察機は未帰還であることによって、役目を達成した。そう、その未帰還の偵察機が担当していた区域こそ、イギリス海軍の秘密基地であるアッヅ環礁が存在した区域だったからだ。
詳細な位置こそ探れなかったものの、イギリス東洋艦隊の秘密基地の存在を察知した醍醐は、急ぎ艦隊を派遣、コロンボ戦略機動部隊の所持している艦隊は空母や大和型、長門型こそ不在であったものの、新鋭艦である乾坤型超甲巡の一番艦乾坤、二番艦菊水を配備|(三番艦、四番艦は布哇方面に駐屯中)しており、基地航空機と合わせた戦力であるならば、決して戦闘力に不足する状況ではなかった。
一方で第一次ベンガル湾海戦で惨憺たる結果を残したイギリス東洋艦隊は第二次バトルオブブリテンが始まる前に本国艦隊より補充を受けており、まだ到着していない艦艇も存在したものの、戦艦だけで10隻あまりの艦艇を投入していた。その中には、まだ進水式どころか起工して半年も経過していないヴァンガード級まで人員を集中させてむりやり進水させて員数に含める予定だったというのだから、どれだけイギリスがインドの喪失を恐れていたのかが見て取れるだろう。まあ結局、イギリスという帝国は看取られることになるのだが、それを知る者は、現段階ではまだ誰も居ない。
バトル・オーダー
日本軍側軍艦・航空隊
第三戦隊|(金剛型四隻)、第二水雷艦隊|(乾坤あるいは菊水を旗艦とし、三水戦と四水戦を合流させた艦隊)
基地航空隊に多数(少なく見積もって1機種だけで100単位)の航空機|(零戦二一型はもちろんのこと、すでに何故か存在している紫電改、陸爆形態ながら彗星など。一部の精鋭にはすでに行き渡っている一式陸攻の他試作機のレベルではあろうが天山|(この当時ならまだ「十四試艦上攻撃機」か?)などが存在)
イギリス側軍艦・航空隊|(但し2月段階ではまだ全員が揃っているわけではない)
戦艦:ヴァンガード、キングジョージ5世、デューク・オブ・ヨーク、アンソン、ハウ、クイーンエリザベス、ヴァリアント、マレーヤ、ネルソン、ロドネイ、ロイヤル・オーク
空母:イラストリアス、ヴィクトリアス、インプラカブル、インディファティガブル、ユニコーン、イーグル、ヴィンディクティヴ、フューリアス、アーガス
巡洋艦以下、割ととんでもない数
見ての通り、イギリスも後先考えぬ支援を東洋艦隊に行っていた。殆ど総力戦といってもいいだろう。流石にフューリアスやアーガス、ヴィンディクティヴなどの旧型は航空機の輸送のために派遣されただけで、任務を終えたら本国に帰還するように伝えられていたが、彼等はその命令を完遂することなく戦没することとなる。
10
あなたにおすすめの小説
改造空母機動艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
兵棋演習の結果、洋上航空戦における空母の大量損耗は避け得ないと悟った帝国海軍は高価な正規空母の新造をあきらめ、旧式戦艦や特務艦を改造することで数を揃える方向に舵を切る。
そして、昭和一六年一二月。
日本の前途に暗雲が立ち込める中、祖国防衛のために改造空母艦隊は出撃する。
「瑞鳳」「祥鳳」「龍鳳」が、さらに「千歳」「千代田」「瑞穂」がその数を頼みに太平洋艦隊を迎え撃つ。
電子の帝国
Flight_kj
歴史・時代
少しだけ電子技術が早く技術が進歩した帝国はどのように戦うか
明治期の工業化が少し早く進展したおかげで、日本の電子技術や精密機械工業は順調に進歩した。世界規模の戦争に巻き込まれた日本は、そんな技術をもとにしてどんな戦いを繰り広げるのか? わずかに早くレーダーやコンピューターなどの電子機器が登場することにより、戦場の様相は大きく変わってゆく。
札束艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
生まれついての勝負師。
あるいは、根っからのギャンブラー。
札田場敏太(さつたば・びんた)はそんな自身の本能に引きずられるようにして魑魅魍魎が跋扈する、世界のマーケットにその身を投じる。
時は流れ、世界はその混沌の度を増していく。
そのような中、敏太は将来の日米関係に危惧を抱くようになる。
亡国を回避すべく、彼は金の力で帝国海軍の強化に乗り出す。
戦艦の高速化、ついでに出来の悪い四姉妹は四一センチ砲搭載戦艦に改装。
マル三計画で「翔鶴」型空母三番艦それに四番艦の追加建造。
マル四計画では戦時急造型空母を三隻新造。
高オクタン価ガソリン製造プラントもまるごと買い取り。
科学技術の低さもそれに工業力の貧弱さも、金さえあればどうにか出来る!
超克の艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
「合衆国海軍ハ 六〇〇〇〇トン級戦艦ノ建造ヲ計画セリ」
米国駐在武官からもたらされた一報は帝国海軍に激震をもたらす。
新型戦艦の質的アドバンテージを失ったと判断した帝国海軍上層部はその設計を大幅に変更することを決意。
六四〇〇〇トンで建造されるはずだった「大和」は、しかしさらなる巨艦として誕生する。
だがしかし、米海軍の六〇〇〇〇トン級戦艦は誤報だったことが後に判明。
情報におけるミスが組織に致命的な結果をもたらすことを悟った帝国海軍はこれまでの態度を一変、貪欲に情報を収集・分析するようになる。
そして、その情報重視への転換は、帝国海軍の戦備ならびに戦術に大いなる変化をもたらす。
天竜川で逢いましょう 〜日本史教師が石田三成とか無理なので平和な世界を目指します〜
岩 大志
歴史・時代
ごくありふれた高校教師津久見裕太は、ひょんなことから頭を打ち、気を失う。
けたたましい轟音に気付き目を覚ますと多数の軍旗。
髭もじゃの男に「いよいよですな。」と、言われ混乱する津久見。
戦国時代の大きな分かれ道のド真ん中に転生した津久見はどうするのか!!???
そもそも現代人が生首とか無理なので、平和な世の中を目指そうと思います。
対ソ戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
1940年、遂に欧州で第二次世界大戦がはじまります。
前作『対米戦、準備せよ!』で、中国での戦いを避けることができ、米国とも良好な経済関係を築くことに成功した日本にもやがて暗い影が押し寄せてきます。
未来の日本から来たという柳生、結城の2人によって1944年のサイパン戦後から1934年の日本に戻った大本営の特例を受けた柏原少佐は再びこの日本の危機を回避させることができるのでしょうか!?
小説家になろうでは、前作『対米戦、準備せよ!』のタイトルのまま先行配信中です!
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
小日本帝国
ypaaaaaaa
歴史・時代
日露戦争で判定勝ちを得た日本は韓国などを併合することなく独立させ経済的な植民地とした。これは直接的な併合を主張した大日本主義の対局であるから小日本主義と呼称された。
大日本帝国ならぬ小日本帝国はこうして経済を盤石としてさらなる高みを目指していく…
戦線拡大が甚だしいですが、何卒!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる