獣人騎士団長の溺愛

スミー

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出会い

27話

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「それでタールのことじゃが…何もわからん今はここだけの話にしといた方がいいじゃろうな。」

 アシュレイも村長の言葉に頷き同意を示す。

「そうだな。タールのこともそうだがガイとホークのこともここだけの話にしておいた方が良さそうだ。本当は王にも報告しなければならない内容だが分からないことが多すぎる…こちらでも少し調べてよう。」

「お願いしますじゃ。こちらも何か分かれば報告しますじゃ。」

 アシュレイと村長の間で話がまとまると2人はリリーの方を見た。リリーが不思議に思っているとアシュレイが少し言いにくそうにリリーに問いかける。

「嫌なこと思い出させるようで悪いが、リリー森の中で何があったんだ?」

 そういえばきちんと説明してなかったとリリーは3人に森での出来事を話すことになった。


***



「………それで私の足が傷ついて血が出ちゃったから魔物が集まってしまったみたい。私をさらった人は流石に私を抱えて逃げるのは難しかったようで置いて行かれちゃったの。」

 リリーが話し終えると3人は眉間に皺を寄せいた。ミランダさんはリリーちゃん怖かったでしょう!と、涙を流している。
 とても怖かった。もうダメだと思った。けれどアシュレイが助けてくれた。リリーは隣に座っているアシュレイの手をギュッと握って3人と目を合わせると

「皆さん助けてくれてありがとうございました。」

 今無事にここにいられるのは村の人とアシュレイのおかげだ。リリーはそのことに感謝して改めてお礼を言った。
 ミランダは更に涙を流し、村長は無事で良かったとうんうんと頷いている。

「リリーが無事でよかった…。俺の花嫁、これからはずっと俺にお前を守らせてくれ。」

 そう言ってリリーの手を両手で握り返す。
 リリーは照れながらもどう返事をしようかと戸惑っていると

「うぉっほん。」

 村長がわざとらしく咳を出す。
 パッとリリーが手を離すとアシュレイはジロリと村長の方を見やる。

「…邪魔をするな。」

「申し訳ありませんが話の続きをお願いしますじゃ。後でお二人でゆっくり話して下され…。」

 アシュレイは渋々と村長の方に向き合う。

「リリーや、お主を拐った獣人の特徴やその時何か言っていなかったか教えてもらってもいいかの。」

 村長はリリーに詳しく話すようお願いする。
誰が味方で敵か、敵の目的も何もわからない今何か少しでも情報が集まればと思ってのことだった。
 リリーはその時の状況を思い出しながら口を開いた。

「えっと、狐の獣人でした。長い銀色の髪で…なんか私を引き渡して帝国から報酬を貰うってブツブツ言ってました。」

 その話しを聞いて村長とアシュレイは無言で目配せをする。

「嫌なことを思い出させて悪かったの。話してくれてありがとうの。」

 話が終わると次はミランダがリリーに問いかける。

「それでこれから2人はどうする予定なの?」
 
「これから話し合います。王都に行くにしてもリリーに準備が必要でしょうし…」

 アシュレイがそう言うとミランダが目を輝かせる。

「そうよね!まだ準備したり色々あるわよね!リリーちゃん出発までこの家で暮らさない?部屋は昨日使ってもらった部屋が空いてるし、リリーちゃんはこれまで一生懸命働いたもの。少しの間だけど一緒にお茶したりしてゆっくり過ごしましょう?」

「いや、リリーは俺の宿で一緒に…」

 アシュレイはそう言いかけて口をつぐむ。隣に座っているリリーがミランダの提案に目を輝かせていたからだ。
 ミランダはニコニコとしている。アシュレイは溜息をつくとリリーにどうしたい?と問いかける。

「私今までお泊まりとかもしたことなくて…ミランダさんとたまにするお茶の時間がとても楽しかったの。王都に行くまでにまだ時間があるのならミランダさんと一緒に過ごしたい。もちろんアシュレイ様とも一緒にいたいけれど…。」

 そう言うリリーの頭を優しく撫でると

「リリーのしたいようにすれば良い。と言っても出発までの短い期間だがな。毎日会いに来るさ。」

「話は決まりね!それじゃリリーちゃんの家に行って必要な物だけこちらに持ってきちゃいましょう。お二人には申し訳ですがお留守番お願いしたいわ。私たちが戻るまでお話ししてて下さいな。」

 ミランダはリリーの手を取ると二人で出かけて行った。
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