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出会い
28話(sideアシュレイ)
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「気を使わせてしまったようだな。」
「そうですな。ミランダが時間を作ってくれましたし先程の件について話し合ましょう。」
アシュレイはリリーから聞いた話を思い出す。“帝国から報酬を貰う”そう言っていた。この件には帝国が絡んでいるのではないか。もしかするとこの件だけでなくこの村で昔からある獣人による女性の連れ去りは国が絡んでいるのではないか、そう考えていた。
「ところで村長、何故赤髪でなく黒髪なのに俺だとわかったんだ?新聞の写真と随分違っていただろう?」
「ほっほっほっ。この村にはジョアンが居ましたからの、彼奴も魔力が多かったですから色々話は聞いていたのですじゃ。黒い狼が湖に出たと聞いた時はとても焦りましたわい…。」
村長は手遅れになる前にリリーに出会えたようで良かったとホッと息を吐く。
「心配をかけてすまなかったな。しかし彼女がこの村にいたとはな。」
アシュレイはミランダがこの村にいたことを知らなかったようで村長に聞くと
「彼女はジョアンに追われてこの村にやって来たのですが、まぁジョアンの粘り勝ちですな。この村で2人で暮らすようになったのですじゃ。アシュレイ様も2人と知り合いだったようで。」
そう聞かれアシュレイは気まずくなった。ジョアンとは10年前に出会った。まだまだ若かった自分を叱ってくれる貴重な人だった。ミランダもそうだ。あの2人には頭が上がらない。しかしその話を村長にするのは少し抵抗があったので少しはぐらかす。
「あぁ、10年前にちょっとな。」
「そうですか。ジョアンのお陰で村のものが連れ去られる被害も減りましてな、今はガイとホークが森の警戒をしてくれておりますから殆ど被害はなかったのですじゃ。しかし先日はアシュレイ様の捜索の方に人手を集めたためその隙を狙われてしまったようじゃの…」
村長はアシュレイに深くは聞かず、今回のリリーの誘拐未遂について話を戻す。
「そうか…ということは森の警戒が甘くなったところに今回の誘拐がたまたま起きたとは考え難いな。タールのこともそうだが帝国の狙いもまだ分からん。国が絡んでいるのか、個人的な依頼なのかもな。この件は個人的に調べる事にする。村長もいつも通りに過ごしてくれ。森の警戒は怠らずにな。あの3人には何も言わないように。」
アシュレイは今後について話すと村長に普通に過ごすようにと指示を出す。村長はその指示に頷くと話は終わりとお茶を飲み干す。
「さて、あの2人も準備も終わった頃だと思いますじゃ。荷物もありますじゃろ、私が留守番しておくので迎えに行ってはいかがですかの?」
村長の気遣いにアシュレイはすまないと言うと席を立ち玄関に向かう。ドアを開ける前に振り返ると
「村長今回は助かった。感謝する。」
そうお礼を言うとサッとドアを開けて家から出て行った。
「不器用な人じゃ。」
そう笑いながらアシュレイを見送った。
***
ミランダの家から出てリリーの家に行きながらアシュレイは考えていた。まさか帝国が王国の者の誘拐を主導しているとは考えたくもたない。しかし可能性は排除できない。今は考えても仕方がない、キールには相談して2人で調査しようと考えをまとめた。
リリーは家族と決別したことを後悔していないだろうか。自分の花嫁でなかったとしてもきっとあの家族はリリーをぞんざいに扱っていただろう。しかしリリーはギリギリまで家族を信じて許そうとした。だが、そんな家族などいらない。今はミランダさんに心を許しているようだが、いずれは俺だけを頼るようになってほしい。俺のことだけを考えて俺がいないと生きていけないくらい俺でいっぱいになってほしい。そんなことを考えながら歩いていると前方に荷物を抱えたリリーたちが見えた。
「アシュレイさーん!」
こちらに気づいたリリーが笑顔で自分に手を振っている。
あぁ、俺はもうリリーがいないと…
そう思いながらリリーの荷物を持とうと二人に駆け寄った。
「そうですな。ミランダが時間を作ってくれましたし先程の件について話し合ましょう。」
アシュレイはリリーから聞いた話を思い出す。“帝国から報酬を貰う”そう言っていた。この件には帝国が絡んでいるのではないか。もしかするとこの件だけでなくこの村で昔からある獣人による女性の連れ去りは国が絡んでいるのではないか、そう考えていた。
「ところで村長、何故赤髪でなく黒髪なのに俺だとわかったんだ?新聞の写真と随分違っていただろう?」
「ほっほっほっ。この村にはジョアンが居ましたからの、彼奴も魔力が多かったですから色々話は聞いていたのですじゃ。黒い狼が湖に出たと聞いた時はとても焦りましたわい…。」
村長は手遅れになる前にリリーに出会えたようで良かったとホッと息を吐く。
「心配をかけてすまなかったな。しかし彼女がこの村にいたとはな。」
アシュレイはミランダがこの村にいたことを知らなかったようで村長に聞くと
「彼女はジョアンに追われてこの村にやって来たのですが、まぁジョアンの粘り勝ちですな。この村で2人で暮らすようになったのですじゃ。アシュレイ様も2人と知り合いだったようで。」
そう聞かれアシュレイは気まずくなった。ジョアンとは10年前に出会った。まだまだ若かった自分を叱ってくれる貴重な人だった。ミランダもそうだ。あの2人には頭が上がらない。しかしその話を村長にするのは少し抵抗があったので少しはぐらかす。
「あぁ、10年前にちょっとな。」
「そうですか。ジョアンのお陰で村のものが連れ去られる被害も減りましてな、今はガイとホークが森の警戒をしてくれておりますから殆ど被害はなかったのですじゃ。しかし先日はアシュレイ様の捜索の方に人手を集めたためその隙を狙われてしまったようじゃの…」
村長はアシュレイに深くは聞かず、今回のリリーの誘拐未遂について話を戻す。
「そうか…ということは森の警戒が甘くなったところに今回の誘拐がたまたま起きたとは考え難いな。タールのこともそうだが帝国の狙いもまだ分からん。国が絡んでいるのか、個人的な依頼なのかもな。この件は個人的に調べる事にする。村長もいつも通りに過ごしてくれ。森の警戒は怠らずにな。あの3人には何も言わないように。」
アシュレイは今後について話すと村長に普通に過ごすようにと指示を出す。村長はその指示に頷くと話は終わりとお茶を飲み干す。
「さて、あの2人も準備も終わった頃だと思いますじゃ。荷物もありますじゃろ、私が留守番しておくので迎えに行ってはいかがですかの?」
村長の気遣いにアシュレイはすまないと言うと席を立ち玄関に向かう。ドアを開ける前に振り返ると
「村長今回は助かった。感謝する。」
そうお礼を言うとサッとドアを開けて家から出て行った。
「不器用な人じゃ。」
そう笑いながらアシュレイを見送った。
***
ミランダの家から出てリリーの家に行きながらアシュレイは考えていた。まさか帝国が王国の者の誘拐を主導しているとは考えたくもたない。しかし可能性は排除できない。今は考えても仕方がない、キールには相談して2人で調査しようと考えをまとめた。
リリーは家族と決別したことを後悔していないだろうか。自分の花嫁でなかったとしてもきっとあの家族はリリーをぞんざいに扱っていただろう。しかしリリーはギリギリまで家族を信じて許そうとした。だが、そんな家族などいらない。今はミランダさんに心を許しているようだが、いずれは俺だけを頼るようになってほしい。俺のことだけを考えて俺がいないと生きていけないくらい俺でいっぱいになってほしい。そんなことを考えながら歩いていると前方に荷物を抱えたリリーたちが見えた。
「アシュレイさーん!」
こちらに気づいたリリーが笑顔で自分に手を振っている。
あぁ、俺はもうリリーがいないと…
そう思いながらリリーの荷物を持とうと二人に駆け寄った。
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