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0話 あっ……死んだ。と思う件
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見渡す限りの荒野に、所々に5、6人が身を隠せそうな大岩が点在している。
基本的な分かりやすいハンドサインで指示を出す。
数人始めたばかりの新人がいるらしく、周りのベテランプレイヤーが音を立てない走り方を教える。
相手中隊との距離は約2kmほどだろう。
スコープを覗けば、チラホラ小さな影が動いて見える。見えるといってもゴマより小さな点だ。
「そろそろ始まるぞ。気を引き締めていこう」
後ろを向いて声を掛けると、自身の小隊メンバーが頷いてくれる。
ある程度近くに配置されているはずの右にいる他の小隊たちを見ると、なにやらあたふたしている。
「おい!どうした!?」
仲間の一人が声を掛けるが、パニックになっているのか返事が返ってこない。
左を見てみると……無事だ。
そう思った時だった。
「っ!?」
左に配置されている小隊長の頭が吹き飛んだ。
これは……
「狙撃だ!岩陰に隠れろ!頭は絶対に出すなよ!」
この場にいてもジリ貧だと思い、落ち着き始めた小隊達に合図を出し、一斉に走り出す。
「ぐわっ!?」「くそっ!」「ッチ!」
自陣の小隊長というリーダー格が次々とヘッドショットでやられていく。
近くの岩陰に隠れて、メニューから相手チームの名前を見ていくと探していたが、いて欲しくなかったプレイヤーの名前があった。
「rioか。あの化け物スナイパーと同じマッチとは運が無かったな」
諦めに近い笑いが出た後、勢いよく岩陰から飛び出し走り出した3歩目の瞬間眉間に何かが当たり体が吹っ飛ぶ。
目の前には『You Dead!』の文字。
観戦ボタンを押すと、相手中隊の後方の方にある岩山の上に寝そべって、大きいスナイパーライフル を構えるプレイヤーが一人。
「ははっ……流石世界ランカーだな」
◇
目の前の画面には『You Win!』の文字と、
『21キル』『MVP』の文字が。
今やっていたのは、リスポーン不可の中隊(60人)vs中隊(60人)で、ソロで入っていた。
満足行く結果に心をウキウキさせていると、チャットに「もう一戦やりませんか?」やら、フレンド登録の嵐だ。
時間を見ていい時間だったので、「ごめん、時間」とだけ送りログアウトする。
◇
別ゲームである剣と魔法のVRMMOで、フレンドと狩りに行く約束している時間まで、まだ時間があるので、休憩しに一階の冷蔵庫に飲み物を飲みに行く。
ふと、目に付いた畳んでなかった制服を畳み直し、下に行き冷蔵庫を開けると目的のものがない。
「あれ、エナドリ飲み切っちゃったっけ。時間は……まだあるし、買いに行くか」
いつもケース買いしていて、ゲームに欠かせないと、ストックしているエナジードリンクがない。
パーカーを羽織り、靴を履いてドアを開けると雨が降っていた。
「行く気を削いでくるなぁ」
傘立てに刺さってあるビニール傘(壊れかけ)を手に持ち、徒歩3分のコンビニに向かう。
歩いていると傘の内部から水が垂れてくる。
「これ、もう破れてたのか」
後で処分しないとな、と思いつつ歩いていると結構近くに雷が落ちた。
「……今の結構近かったな」
止まってしまった歩みを再び始める。
コンビニが見えてきた時、再び空からゴロゴロと音が聞こえてきて、次の瞬間、体が熱くなり力が抜け地面に倒れる。
(煙?動かない……あぁ、雷が当たったのか。まじかー、父さん、母さん、ごめんね)
◇
「見ておったぞ、災難じゃったな」
目の前にいるのは魔法学校の校長をイメージしてしまうお爺さんだった。
周りは畳にちゃぶ台、湯のみがあった。
「えーっと?ここどこ?」
「ここは神域というやつじゃな。で、儂が地球の神じゃ」
ふむ……雷当たったと思ったけど、そんなことなかったのか?
「お主は雷が直撃したぞい」
やっぱりそうだよな。ということは頭がやられたか?……ん?
「安心せい、お主の頭は正常じゃ」
「……思考が読まれてる?」
「まあ一応神じゃし、普段は無闇矢鱈にしないようにしてるんじゃよ?でも今は話が長くなるとめんどいからのう」
なるほど……まあ、話聞くしかなさそうだな
「分かってるのう、そういうやつは嫌いじゃないぞ。簡単に話すと儂を助けてくれんか?」
??もうちょい詳しく
「そうじゃのう、世界は地球の他にも沢山あってそれぞれが神によって管理されておる。その中でも儂はオルディナの世界の神と仲良くてのう、ちょいとばかし借りがあるのじゃよ。それで珍しく頼まれた願いを出来るだけ叶えてあげたいのじゃよ」
その願いと俺は関係あると?
「詳しくは分からないが、儂の推薦で一人送ってほしいそうじゃ」
目が止まった理由は?
「探している最中に滅多にない雷直撃での死亡じゃったからな、目が止まったのじゃよ」
もし断ったら?
「輪廻に戻して、また探し直しじゃな」
……もし了解したら?
「それはあっちに行って説明を受けないと分からないのう。でも、悪くはされないよう言っておくぞ」
……お願いします
「そうか!じゃあ送るぞい」
お爺さんの嬉しそうな顔が見えた次の瞬間には視界が変わり、喫茶店のような場所にいた。
ここは?
「お待ちしておりました。私がオルディナの神です。どうぞお座りください」
オルディナの神は地球の神より若く、イメージ通りの喫茶店のマスター、という感じだ。
とりあえず言われた通り椅子に座ると、コーヒーが出てきた……でも、
「すみません、コーヒー苦手なんです」
「ああ、それはすいません。ココアでよろしいでしょうか?」
頷くと、すぐに湯気が出ているホットココアが出てきた。神、凄い。あ、美味しい。
「それではお願いを話しましょうかね。今、オルディナでは魔力が飽和状態に近づいておりまして、魔物の定期的な駆除をお願いしたいのですよ」
「えーっと……魔力、とは、あのゲームに出てくるようなやつであってるのでしょうか?」
「ええ、その認識で合ってます。わざわざ地球の神に頼んだ甲斐がありますね。理解が早くて助かります」
「あのー、どうして俺なのでしょう?」
「オルディナでは数多くの異世界人……
ええ、日本人もいます。多くの異世界人を召喚していましてね、中々好き勝手やっているのですよ。ですので、目には目を、歯には歯をでしたっけ?ということで、送りたいのですよ、革新をもたらす存在を」
日本人もいるのか……もしかして、今もまだ行方不明な人とか神隠しってこれか?
まあでも、拒否する権利はここまできたんだからないしな。
「どうすればいいですか?具体的には?」
「ちょくちょく頑張ればまたこうやって会えるので、その時その時にお願いしますね。言ってみれば簡単なおつかいみたいなものですよ」
「そういえばオルディナの神さまは、直接的な介入はしないのですか?」
「してもいいんですけどねぇ……世界無くなっちゃいますから、抑えてます」
いい笑顔で凄いこと言ったなこの人、神だった。
「ええっと、魔物の駆除でしたか?それって戦闘経験ゼロの俺でも大丈夫なんですか?」
「そこは安心してください。戦闘に強い種族に転生させますから」
あっ、やっぱり転生するんだ。記憶、そのままだよな?
あっ、頷いた。やっぱり思考読めるんだ。
「戦闘に強い種族ってどんな感じですか?」
「そうですね、一万年ほど前に変異を始めた人間の一種、少数部族と思っていいです。その種族はいわゆる戦闘狂というやつでしてね」
そこでコーヒーを一口含んだ。それより……戦闘狂?
「より強いものと闘うために、戦闘に全てを捧げた種族で、
より早く闘えるように「早熟」で
より長く闘えるように「長寿」で
より多く闘えるように「美麗」な
種族でしてね、色々面白いですよ?言ってみれば遺伝子レベルの戦闘狂種族ですね」
なんか聞いてる限りヤバい奴らにしか思えない。
「ぐ、具体的には?」
「だいたい生まれて5年ほどで大人と同じ大きさになりますね。5倍の成長スピードと思っていいですよ。ああ、生まれるまではあまり変わりません。
だいたい120歳まで現役で闘えますね。
容姿は非常に優れていますね。
ですが、さらに面白いのは……」
お、面白いのは?
「闘える敵を増やすために、髪は普通の金髪と違い黄金のようになってます。なので千年ほど前には魔女狩りのようなものが流行ったそうですね」
お、おおう。よく生きてたなその種族。
「ええ、自身を餌にしてまで闘いたい者達ですからね、一人残らずコテンパンにしてましたね。
ちなみに現在はより強敵を求めて、人類未到達の大陸に住んでますね」
そこの大陸って絶対……
「ええ、人類が繁栄している大陸……アベル大陸とは段違いに強い魔物がはこびっています。そのためこの戦闘狂種族はアベル大陸では伝説に、あるところでは神話すらなってますね」
ああ、ヤバいな。というか、ヤバいしか言ってない。
あ、
「その種族の名前はなんというのですか?」
「オルディナには人間族、森精族、獣人族、山精族、小人族、魔族、そしてプロ族がいます。これら7種族が人類ですね」
プロ族……プロフェッショナル感がいのめない。
そういえば、
「人類に魔族ってはいるんですね」
「嘆かわしいことに、人類には人間族だけという考えをしている宗教家がいるのです。
ですが人類と違うのは、動物、植物、魔物だけです」
どこの世界でも宗教はめんどくさいんだな。
「ちなみにプロ族がいるカンナ大陸、一般的には「終焉大陸」にいる魔物の四割倒すとおつかいしなくても良くなります」
どれだけ強いんだよ……
それに名前が……
というか、魔力の飽和?って倒すと治るの?
「魔物にはというか、全ての生き物には魔宝石、魔石と呼ばれるものが体内にあります。小さすぎるとわからないですが。
魔宝石、魔石は魔力の源であり、塊です。なのでそれを使い切ってもらうことにより治ります」
魔宝石は魔石の上位互換か、何が違うんだ?
「魔宝石は球型、魔石は結晶型をしており、どちらにも当てはまるのは色が白に近いほど、大きいほど価値があります。
つまり魔宝石は魔石に比べ大きく、形も綺麗なためより価値が高いのです。ちなみにプロ族の戦闘員は皆魔宝石を持ってます」
プロ族半端ないって
「ちなみに魔物は魔力溜まりか繁殖により生まれます。ダンジョン、迷宮は魔力溜まりが元となり造られます」
衝撃情報、魔物が増える方法が二種類ある。
しかも絶対カンナ大陸魔力溜まりだらけだろ。そうでしょ?ですよね~
「そろそろ転生する前に、地球の神から便宜を図ってくれと言われてます。なにかしたいこと、得意なことはありますか?」
「ゲームだと狙撃銃や弓が得意でしたけど……使えますかね?」
「ええ、VRゲームですよね。それでしたら大丈夫でしょう。そうですねえ……与えすぎるのもあれですので、『空間魔法』と『複製』のスキルの取得方法を教えてあげますか」
あっ、スキルとかあるんだ。
「まず『空間魔法』はできることは非常に多いでしょう。役に立つと思います。取得方法は至って簡単で半球状100メートルを自身の魔力で満たすことです」
あ、あの、魔力で満たすってどれほど必要なのでしょう……?
「大体人間族の宮廷魔導師の800倍、プロ族の魔法戦闘員の20倍程ですね」
プロ族って宮廷魔導師の40倍の魔力があるのか。ヤバいな。というかそのヤバい奴らの20倍って……
「それ絶対無理ですよね?」
「まあ無理でしょう。ですので、裏技を教えましょう」
裏技って少し心踊るよね
「魔力を圧縮するのです。体内で圧縮すると、質は変わらないけれど量が数分の一、百分の一まで出来るかもしれません」
おおう、それ凄い。
「なるほど、では『複製』は?」
「同じものを手作業で千個作る、です」
マジか……
同じものってどれくらい同じ?
「誤差は1mm未満ですね。まあ慣れれば出来ます。あ、鋳造はダメですよ?手作業ですから」
「やる気向上のために、『複製』ってどんなことができるのですか?」
「それはお楽しみ……と言いたところですが、大きくは2つあります。
「存在複製」は自分で見て触れたものを時間制限ありで再現するものです。「形状複製」はある形状のものを、即座に複製することができます。
使い道は……自分で考えてくださいね?」
思ったよりヤバいものだった。つまり、銃弾とか作り放題ってことですよね?
いい笑顔で返されたので合っているのだろう。
「ではそろそろですね。また呼びますので頑張って下さい。楽しい来世であることを祈っています。祈る相手、居ないんですけど」
神さまジョークが最後に出た。頑張ろうかな、出来る限り。
基本的な分かりやすいハンドサインで指示を出す。
数人始めたばかりの新人がいるらしく、周りのベテランプレイヤーが音を立てない走り方を教える。
相手中隊との距離は約2kmほどだろう。
スコープを覗けば、チラホラ小さな影が動いて見える。見えるといってもゴマより小さな点だ。
「そろそろ始まるぞ。気を引き締めていこう」
後ろを向いて声を掛けると、自身の小隊メンバーが頷いてくれる。
ある程度近くに配置されているはずの右にいる他の小隊たちを見ると、なにやらあたふたしている。
「おい!どうした!?」
仲間の一人が声を掛けるが、パニックになっているのか返事が返ってこない。
左を見てみると……無事だ。
そう思った時だった。
「っ!?」
左に配置されている小隊長の頭が吹き飛んだ。
これは……
「狙撃だ!岩陰に隠れろ!頭は絶対に出すなよ!」
この場にいてもジリ貧だと思い、落ち着き始めた小隊達に合図を出し、一斉に走り出す。
「ぐわっ!?」「くそっ!」「ッチ!」
自陣の小隊長というリーダー格が次々とヘッドショットでやられていく。
近くの岩陰に隠れて、メニューから相手チームの名前を見ていくと探していたが、いて欲しくなかったプレイヤーの名前があった。
「rioか。あの化け物スナイパーと同じマッチとは運が無かったな」
諦めに近い笑いが出た後、勢いよく岩陰から飛び出し走り出した3歩目の瞬間眉間に何かが当たり体が吹っ飛ぶ。
目の前には『You Dead!』の文字。
観戦ボタンを押すと、相手中隊の後方の方にある岩山の上に寝そべって、大きいスナイパーライフル を構えるプレイヤーが一人。
「ははっ……流石世界ランカーだな」
◇
目の前の画面には『You Win!』の文字と、
『21キル』『MVP』の文字が。
今やっていたのは、リスポーン不可の中隊(60人)vs中隊(60人)で、ソロで入っていた。
満足行く結果に心をウキウキさせていると、チャットに「もう一戦やりませんか?」やら、フレンド登録の嵐だ。
時間を見ていい時間だったので、「ごめん、時間」とだけ送りログアウトする。
◇
別ゲームである剣と魔法のVRMMOで、フレンドと狩りに行く約束している時間まで、まだ時間があるので、休憩しに一階の冷蔵庫に飲み物を飲みに行く。
ふと、目に付いた畳んでなかった制服を畳み直し、下に行き冷蔵庫を開けると目的のものがない。
「あれ、エナドリ飲み切っちゃったっけ。時間は……まだあるし、買いに行くか」
いつもケース買いしていて、ゲームに欠かせないと、ストックしているエナジードリンクがない。
パーカーを羽織り、靴を履いてドアを開けると雨が降っていた。
「行く気を削いでくるなぁ」
傘立てに刺さってあるビニール傘(壊れかけ)を手に持ち、徒歩3分のコンビニに向かう。
歩いていると傘の内部から水が垂れてくる。
「これ、もう破れてたのか」
後で処分しないとな、と思いつつ歩いていると結構近くに雷が落ちた。
「……今の結構近かったな」
止まってしまった歩みを再び始める。
コンビニが見えてきた時、再び空からゴロゴロと音が聞こえてきて、次の瞬間、体が熱くなり力が抜け地面に倒れる。
(煙?動かない……あぁ、雷が当たったのか。まじかー、父さん、母さん、ごめんね)
◇
「見ておったぞ、災難じゃったな」
目の前にいるのは魔法学校の校長をイメージしてしまうお爺さんだった。
周りは畳にちゃぶ台、湯のみがあった。
「えーっと?ここどこ?」
「ここは神域というやつじゃな。で、儂が地球の神じゃ」
ふむ……雷当たったと思ったけど、そんなことなかったのか?
「お主は雷が直撃したぞい」
やっぱりそうだよな。ということは頭がやられたか?……ん?
「安心せい、お主の頭は正常じゃ」
「……思考が読まれてる?」
「まあ一応神じゃし、普段は無闇矢鱈にしないようにしてるんじゃよ?でも今は話が長くなるとめんどいからのう」
なるほど……まあ、話聞くしかなさそうだな
「分かってるのう、そういうやつは嫌いじゃないぞ。簡単に話すと儂を助けてくれんか?」
??もうちょい詳しく
「そうじゃのう、世界は地球の他にも沢山あってそれぞれが神によって管理されておる。その中でも儂はオルディナの世界の神と仲良くてのう、ちょいとばかし借りがあるのじゃよ。それで珍しく頼まれた願いを出来るだけ叶えてあげたいのじゃよ」
その願いと俺は関係あると?
「詳しくは分からないが、儂の推薦で一人送ってほしいそうじゃ」
目が止まった理由は?
「探している最中に滅多にない雷直撃での死亡じゃったからな、目が止まったのじゃよ」
もし断ったら?
「輪廻に戻して、また探し直しじゃな」
……もし了解したら?
「それはあっちに行って説明を受けないと分からないのう。でも、悪くはされないよう言っておくぞ」
……お願いします
「そうか!じゃあ送るぞい」
お爺さんの嬉しそうな顔が見えた次の瞬間には視界が変わり、喫茶店のような場所にいた。
ここは?
「お待ちしておりました。私がオルディナの神です。どうぞお座りください」
オルディナの神は地球の神より若く、イメージ通りの喫茶店のマスター、という感じだ。
とりあえず言われた通り椅子に座ると、コーヒーが出てきた……でも、
「すみません、コーヒー苦手なんです」
「ああ、それはすいません。ココアでよろしいでしょうか?」
頷くと、すぐに湯気が出ているホットココアが出てきた。神、凄い。あ、美味しい。
「それではお願いを話しましょうかね。今、オルディナでは魔力が飽和状態に近づいておりまして、魔物の定期的な駆除をお願いしたいのですよ」
「えーっと……魔力、とは、あのゲームに出てくるようなやつであってるのでしょうか?」
「ええ、その認識で合ってます。わざわざ地球の神に頼んだ甲斐がありますね。理解が早くて助かります」
「あのー、どうして俺なのでしょう?」
「オルディナでは数多くの異世界人……
ええ、日本人もいます。多くの異世界人を召喚していましてね、中々好き勝手やっているのですよ。ですので、目には目を、歯には歯をでしたっけ?ということで、送りたいのですよ、革新をもたらす存在を」
日本人もいるのか……もしかして、今もまだ行方不明な人とか神隠しってこれか?
まあでも、拒否する権利はここまできたんだからないしな。
「どうすればいいですか?具体的には?」
「ちょくちょく頑張ればまたこうやって会えるので、その時その時にお願いしますね。言ってみれば簡単なおつかいみたいなものですよ」
「そういえばオルディナの神さまは、直接的な介入はしないのですか?」
「してもいいんですけどねぇ……世界無くなっちゃいますから、抑えてます」
いい笑顔で凄いこと言ったなこの人、神だった。
「ええっと、魔物の駆除でしたか?それって戦闘経験ゼロの俺でも大丈夫なんですか?」
「そこは安心してください。戦闘に強い種族に転生させますから」
あっ、やっぱり転生するんだ。記憶、そのままだよな?
あっ、頷いた。やっぱり思考読めるんだ。
「戦闘に強い種族ってどんな感じですか?」
「そうですね、一万年ほど前に変異を始めた人間の一種、少数部族と思っていいです。その種族はいわゆる戦闘狂というやつでしてね」
そこでコーヒーを一口含んだ。それより……戦闘狂?
「より強いものと闘うために、戦闘に全てを捧げた種族で、
より早く闘えるように「早熟」で
より長く闘えるように「長寿」で
より多く闘えるように「美麗」な
種族でしてね、色々面白いですよ?言ってみれば遺伝子レベルの戦闘狂種族ですね」
なんか聞いてる限りヤバい奴らにしか思えない。
「ぐ、具体的には?」
「だいたい生まれて5年ほどで大人と同じ大きさになりますね。5倍の成長スピードと思っていいですよ。ああ、生まれるまではあまり変わりません。
だいたい120歳まで現役で闘えますね。
容姿は非常に優れていますね。
ですが、さらに面白いのは……」
お、面白いのは?
「闘える敵を増やすために、髪は普通の金髪と違い黄金のようになってます。なので千年ほど前には魔女狩りのようなものが流行ったそうですね」
お、おおう。よく生きてたなその種族。
「ええ、自身を餌にしてまで闘いたい者達ですからね、一人残らずコテンパンにしてましたね。
ちなみに現在はより強敵を求めて、人類未到達の大陸に住んでますね」
そこの大陸って絶対……
「ええ、人類が繁栄している大陸……アベル大陸とは段違いに強い魔物がはこびっています。そのためこの戦闘狂種族はアベル大陸では伝説に、あるところでは神話すらなってますね」
ああ、ヤバいな。というか、ヤバいしか言ってない。
あ、
「その種族の名前はなんというのですか?」
「オルディナには人間族、森精族、獣人族、山精族、小人族、魔族、そしてプロ族がいます。これら7種族が人類ですね」
プロ族……プロフェッショナル感がいのめない。
そういえば、
「人類に魔族ってはいるんですね」
「嘆かわしいことに、人類には人間族だけという考えをしている宗教家がいるのです。
ですが人類と違うのは、動物、植物、魔物だけです」
どこの世界でも宗教はめんどくさいんだな。
「ちなみにプロ族がいるカンナ大陸、一般的には「終焉大陸」にいる魔物の四割倒すとおつかいしなくても良くなります」
どれだけ強いんだよ……
それに名前が……
というか、魔力の飽和?って倒すと治るの?
「魔物にはというか、全ての生き物には魔宝石、魔石と呼ばれるものが体内にあります。小さすぎるとわからないですが。
魔宝石、魔石は魔力の源であり、塊です。なのでそれを使い切ってもらうことにより治ります」
魔宝石は魔石の上位互換か、何が違うんだ?
「魔宝石は球型、魔石は結晶型をしており、どちらにも当てはまるのは色が白に近いほど、大きいほど価値があります。
つまり魔宝石は魔石に比べ大きく、形も綺麗なためより価値が高いのです。ちなみにプロ族の戦闘員は皆魔宝石を持ってます」
プロ族半端ないって
「ちなみに魔物は魔力溜まりか繁殖により生まれます。ダンジョン、迷宮は魔力溜まりが元となり造られます」
衝撃情報、魔物が増える方法が二種類ある。
しかも絶対カンナ大陸魔力溜まりだらけだろ。そうでしょ?ですよね~
「そろそろ転生する前に、地球の神から便宜を図ってくれと言われてます。なにかしたいこと、得意なことはありますか?」
「ゲームだと狙撃銃や弓が得意でしたけど……使えますかね?」
「ええ、VRゲームですよね。それでしたら大丈夫でしょう。そうですねえ……与えすぎるのもあれですので、『空間魔法』と『複製』のスキルの取得方法を教えてあげますか」
あっ、スキルとかあるんだ。
「まず『空間魔法』はできることは非常に多いでしょう。役に立つと思います。取得方法は至って簡単で半球状100メートルを自身の魔力で満たすことです」
あ、あの、魔力で満たすってどれほど必要なのでしょう……?
「大体人間族の宮廷魔導師の800倍、プロ族の魔法戦闘員の20倍程ですね」
プロ族って宮廷魔導師の40倍の魔力があるのか。ヤバいな。というかそのヤバい奴らの20倍って……
「それ絶対無理ですよね?」
「まあ無理でしょう。ですので、裏技を教えましょう」
裏技って少し心踊るよね
「魔力を圧縮するのです。体内で圧縮すると、質は変わらないけれど量が数分の一、百分の一まで出来るかもしれません」
おおう、それ凄い。
「なるほど、では『複製』は?」
「同じものを手作業で千個作る、です」
マジか……
同じものってどれくらい同じ?
「誤差は1mm未満ですね。まあ慣れれば出来ます。あ、鋳造はダメですよ?手作業ですから」
「やる気向上のために、『複製』ってどんなことができるのですか?」
「それはお楽しみ……と言いたところですが、大きくは2つあります。
「存在複製」は自分で見て触れたものを時間制限ありで再現するものです。「形状複製」はある形状のものを、即座に複製することができます。
使い道は……自分で考えてくださいね?」
思ったよりヤバいものだった。つまり、銃弾とか作り放題ってことですよね?
いい笑顔で返されたので合っているのだろう。
「ではそろそろですね。また呼びますので頑張って下さい。楽しい来世であることを祈っています。祈る相手、居ないんですけど」
神さまジョークが最後に出た。頑張ろうかな、出来る限り。
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