戦闘狂種族のスナイパー

朝食はパンよりご飯派

文字の大きさ
2 / 5

1話 成長早すぎる件

しおりを挟む
あのオルディナの神との会話の後の記憶から覚えているのは、生まれて三ヶ月ほど経った頃だろう。たぶん。

現在1歳になった。体の大きさは5歳児ほどだが、近所の子供の精神はもっと幼い。
けれども知識の成長も早いらしく、既に喋れるものや、遊ぶもの、文字の読み書き……は流石にまだだけれど出来るやつもいる。

父さんことランドルフ、母さんことミラはそれはもう絶世の美男美女です。

たまに外国の13歳ぐらいのもの凄い美少年いるじゃん?それが村人全員なんだよね。

大体この歳だと外でみんなで遊んだり、チャンバラしたりしてるね。
この歳からもう闘い始めてるのだから、遺伝子的に戦闘狂は間違っていない。

女の子だろうが闘っている。


ちなみにこの村はカンナ大陸にある。はず。
なので他の種族との交流もないため、交易品というものがない。
なにしろ、ご先祖さまがこの地に来たのって数百年前だからね。
それ以来プロ族のみで繁栄してきた。血が近いような気がするけど気にしない。

たまに、この大陸から出ていってるプロ族が海を渡って帰ってくる。その際にお土産話しや、お土産を持ってくる。

週に二、三回ほど村に魔物が襲ってくるが、見張りの人が発見次第、非番の戦士たちが群がり夕食のおかずとなる。

この非番の戦士という存在。皆が皆、狩りに行きたがり村を守る存在がいなくなるため、できた制度だそうだ。
バッカじゃねーの。

うちの父さん母さんも当然戦闘狂だ。
しかし、母になると仕事が出来るそう。布を縫ったり、食事を作ったりなど家庭的なことだ。
ちなみに布は当然買う場所がないため、糸から作っている。
糸は蚕?のようなものからでる糸で作られていて、「布」と呼ばれているが絹っぽい。

俺はなにをしているかというと、ナイフで木を削って矢を作っている。
もちろん『複製コピー』のためであり、ついでに弓を練習しようと思ったのだ。

プロ族では戦闘方法は「何でもあり」な考えだ。奇襲や不意打ちはどんとこいというスタイル。
なのに弓矢を使っているのは、自称狩人のサザナミだけだ。

自称の理由は狩人なのに正面突破で獲物に近づき、弓矢は最初の一本を放ったら放り捨て背中にに挿してある大剣で挑むのだ。
どこが狩人だと?狩人に謝ってほしい。

ああ、カンナ大陸にいる獲物とは当然魔物のことであり、弓矢を一射放って結果が決まるアベル大陸とは訳が違う。
そもそも獲物(恐竜のようなもの)が獲物なのだ。

っと、これで今日ノルマの50本目と。

矢は羽根を手に入れるにはまだまだ時間がかかりそうなので、木の部分だけを作っている。
にしてもこのナイフ、「鉄」製と言っていたけど切れ味が凄くいい。
シャッ!シャッ!っとリズムよく削れていたが、この木は前世の木とは比べ物にならないほど大きく堅い。それをスパッと切れるこのナイフは凄いと思う。

さて、次は「リオン、遊ぼう」

後ろを振り向くとそこにはお隣さんの幼馴染のアイリスがいた。当然の如くめちゃくちゃ美少女だ。どちらかというと美人タイプ。
ちなみに俺の名前はリオンです。
前世の名前は理緒リオだったから、最後にンがついただけになった。変わらなくて分かりやすい。

「アイリス、なにして遊ぶの?」

「……戦士ごっこ?」

「嫌だ」

戦士ごっことはチャンバラみたいなもので、どちらかが降参するか気絶するまで闘うのだ。まだ1歳だよ?
それにアイリスは闘い方が脳筋スタイルだから、闘いやすいけどめっちゃ怖い。
あの、罠を堂々と突き進んで何事もなく突っ込んでくるのはやめてほしい。本当に心臓に悪い。

「じゃあ、なにするの?」

「隠れんぼとかは?」

「なにそれ?」

「一人が隠れて、もう一人がそれを探すの。大人数でも出来る遊びだよ」

「とりあえず、やってみる」

地球の遊びを提案してやってみる。じゃんけん(元々あった)をして、俺が隠れることに。
数が数えれないので、太陽がちょっと傾くまでと大雑把な時間測定をしてもらう。

家から離れすぎると魔物がいて危ないので、家の中に隠れることに。
部屋のベッドに人がいるように見えるよう、布を詰め、自分はベッドの下に隠れる。

少し待つとアイリスが入ってきた。布団の膨らみを見ると一目散に近づいてきて蹴飛ばした。
……雑に隠れてたらあの蹴りが当たってたのか。

アイリスの猪突振りに戦々恐々しながら隠れていると、アイリスが鼻をスンスンし始めベッドの下を覗いた。
犬かよ。

「リオン、見つけた」

「はい、見つけられた。どうする?役割を逆にしてやって見る?」

すると首を縦に振ったので、今度は逆にしてやった。その日はずっとやらされる羽目になった。







2歳になり、サザナミに森の歩き方やナイフの使い方、解体の仕方などを教えてもらった。
実際の狩りは、村の決まりで5歳にならないと子供は魔物を狩ってはいけないそうだ。

だからといって魔物を見たことがないわけではない。
各家族それぞれ移動手段を持っている。

陸で使う「馬」か、空を飛ぶ鷲獅子グリフォンか、または両方だ。
うちは両方飼っており、2歳の誕生日に鷲獅子の背中に乗らせてもらい、父さんと一緒に空を飛んでもらったことがある。

空からの景色は良く、風も気持ち良かった。村の全体像を見たのもその時だ。

「馬」にも乗せてもらったが、さすが異世界、俺の知っている馬と違った。
なんていったって脚が8本ある。

駆けるスピードも速く、自動車並みの速度は出てたと思う。それが普通のスピードだそうだ。

父さんの闘い方は長剣ロングソードと体術の組み合わせだ。
なのである程度動けるようになり始める2歳から、稽古が始まる。

「長剣の型は基礎だけ覚えていれば十分だ。後は父さんとの実戦で身につけろ。体術も同じだ」

というスパルタ方式だった。だけど流石戦闘狂種族プロ族の体。前世と違って思ったように体を動かせる。それでも父さんとの稽古はボロボロになって、汚れまくるけど。

母さんは珍しいプロ族の魔法戦闘を得意として、魔法の使い方や魔力の扱いを中心に教えてくれる。

「基本となる魔力を増やすには、沢山使うしかないの。だから時間があればいつでも使いなさい。人によって限界が異なるけれど、貴方なら多いと思うわ」

との言葉に従って、毎日空いてる時間や暇な時になるべく魔法を使っている。

魔法は火・水・風・地があって、火は温度、水は液体、風は気体、地は固体を操ることが出来る。他にはオルディナの神さまが言っていた空間魔法は伝説上のものだそうだ。すごいものを教えてくれた神に感謝。
あとは物凄く少ないけれど雷もあるそうだ。
この雷にも適性があり、母さんに褒められた。

なんでも5つ全てに適性あるのは100年に1人並みだそう。プロ族でこれって……

魔法は想像すれば大体なんでも出来るそうだ。
火が出ろと思えば火が付く、水が出ろと思えば水が出る、風が吹けと思えば風が吹く、土が出ろと思えば土が出る。
思っていたより簡単でびっくりした。

でも、なにもないところから出したものは時間経過で消えた。
あれ?これなんか見覚えが……

父さんとの闘い稽古、母さんとの魔法稽古、アゲットとの遊び、『複製』のための矢作り、一年はあっという間に過ぎていく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

わたし、不正なんて一切しておりませんけど!!

頭フェアリータイプ
ファンタジー
書類偽装の罪でヒーローに断罪されるはずの侍女に転生したことに就職初日に気がついた!断罪なんてされてたまるか!!!

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

処理中です...