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下剋上!ドキドキダンジョン探検会
転売屋と上級クラス
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<アキラ目線>
あれよあれよと時が過ぎ、ダンジョン探検会の当日はやってきた。
「はいはい。特等席、このお値段でいかが?」
腹巻をしたおじさんがチケットを売りさばく。
「転売屋がいるの!?」
と僕が驚いて見せると、ソナタはウィンクして見せる。
「そりゃ、王国全体から注目されているもの。学生競技の最高峰としてね」
「なんかよくわからんけど、日本で言えば甲子園や箱根駅伝、アメリカでいえばスーパーボウルみたいなものか……」
ついつい、ファンタジー世界の住人達には通じない例えをしてしまう。
スーパーボールは学生じゃないという間違いも訂正できる人もいない。
探検会は、1年生の上級クラス、中級クラスが午前10時に同時スタートし、僕たち、1年生下級クラスは11時にスタートするという段取りだ。
この探検会の花形はなんといっても15時スタートの3年生の上級クラスらしく、僕たちはいわば前座みたいなものだ。
「1時間も先に上級がスタートしてくれるのか。モンスターを先に掃討してくれたら楽なんだけどな」
僕が希望を言うとアレグロは首を横に振る。
「はっはっは。そんな楽ちんなシステムじゃないさ。なにせ、倒したモンスターは、おおよそ1分から2分で復活するようになっている」
MMORPGのような仕組みに僕は落胆するが食い下がる。
「でも、逆に言うと、1分から2分の間はボーナスタイムなわけだよね?」
「その通りよ」
とエリーゼが口を挟む。
「敵が沸くまでの1分から2分の隙間時間をモンスターインターバル、略してモンタって言うんだけど、その時間を使った駆け引きが、選手同士で行われるわね。まあ、そのうち、上中級クラスのレースがはじまるから見ておいたらいいわ」
と説明が入ったところで、アナウンスも入る。
「上級中クラスのみなさん。スタート時間が近づきましたので、スタートラインにお集まりください」
スタートラインにわらわらと胸にドラゴンバッジ、フェニックスバッジをつけた生徒が集まる。
準備体操、瞑想、ストレッチ、ボイトレなどにそれぞれ夢中になり、ゼリードリンクを飲んでいる生徒もいる。
履いている靴もスポーツメーカーの軽いやつだ。
本当にスポーツそのものだ。
緊張感が高い。
今日のためにこの学校に入ってきた生徒すらもいると聞く。
レースの状況を映し出す魔法モニタの前には老若男女が群がっていた。
緊張の一瞬がはじまる。
ピストルの音が鳴る。
全生徒が、洞窟の入り口に向かって走り出す。
ゾンビのように狭い入り口に我先にと急ぐ。
「このレースは先行優位と言われているわ。後方に付けばつくほど、洞窟のコンディションが悪くなって、変なモンスターが湧くことがあるから、みんなトップ集団に着いていきたいの」
「なるほど」
僕は、山梨、つまり、雪国出身だ。
このようなスポーツを冬のオリンピックで見たことがあった。
あれよあれよと時が過ぎ、ダンジョン探検会の当日はやってきた。
「はいはい。特等席、このお値段でいかが?」
腹巻をしたおじさんがチケットを売りさばく。
「転売屋がいるの!?」
と僕が驚いて見せると、ソナタはウィンクして見せる。
「そりゃ、王国全体から注目されているもの。学生競技の最高峰としてね」
「なんかよくわからんけど、日本で言えば甲子園や箱根駅伝、アメリカでいえばスーパーボウルみたいなものか……」
ついつい、ファンタジー世界の住人達には通じない例えをしてしまう。
スーパーボールは学生じゃないという間違いも訂正できる人もいない。
探検会は、1年生の上級クラス、中級クラスが午前10時に同時スタートし、僕たち、1年生下級クラスは11時にスタートするという段取りだ。
この探検会の花形はなんといっても15時スタートの3年生の上級クラスらしく、僕たちはいわば前座みたいなものだ。
「1時間も先に上級がスタートしてくれるのか。モンスターを先に掃討してくれたら楽なんだけどな」
僕が希望を言うとアレグロは首を横に振る。
「はっはっは。そんな楽ちんなシステムじゃないさ。なにせ、倒したモンスターは、おおよそ1分から2分で復活するようになっている」
MMORPGのような仕組みに僕は落胆するが食い下がる。
「でも、逆に言うと、1分から2分の間はボーナスタイムなわけだよね?」
「その通りよ」
とエリーゼが口を挟む。
「敵が沸くまでの1分から2分の隙間時間をモンスターインターバル、略してモンタって言うんだけど、その時間を使った駆け引きが、選手同士で行われるわね。まあ、そのうち、上中級クラスのレースがはじまるから見ておいたらいいわ」
と説明が入ったところで、アナウンスも入る。
「上級中クラスのみなさん。スタート時間が近づきましたので、スタートラインにお集まりください」
スタートラインにわらわらと胸にドラゴンバッジ、フェニックスバッジをつけた生徒が集まる。
準備体操、瞑想、ストレッチ、ボイトレなどにそれぞれ夢中になり、ゼリードリンクを飲んでいる生徒もいる。
履いている靴もスポーツメーカーの軽いやつだ。
本当にスポーツそのものだ。
緊張感が高い。
今日のためにこの学校に入ってきた生徒すらもいると聞く。
レースの状況を映し出す魔法モニタの前には老若男女が群がっていた。
緊張の一瞬がはじまる。
ピストルの音が鳴る。
全生徒が、洞窟の入り口に向かって走り出す。
ゾンビのように狭い入り口に我先にと急ぐ。
「このレースは先行優位と言われているわ。後方に付けばつくほど、洞窟のコンディションが悪くなって、変なモンスターが湧くことがあるから、みんなトップ集団に着いていきたいの」
「なるほど」
僕は、山梨、つまり、雪国出身だ。
このようなスポーツを冬のオリンピックで見たことがあった。
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