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下剋上!ドキドキダンジョン探検会
単勝オッズ
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<アキラ視点>
「オッズ?」
「予想配当率」
「ああ、競馬の倍率のことか」
アレグロが、休み時間にミラヴェニア新聞を片手に話しかけてくるものだから、なんのことだろうと怪訝な顔を僕はしていた。
「ケイバ?なんの話かよくわからんが、まあ、要は俺たちは、賭けの対象になっているわけだ。なにせ、洞窟探検会は一大イベント、全国民が注目しているからな」
「へー、まるでスポーツのイベントみたい」
「誰が最深部に探検するかを単勝・複勝で予想するわけだ。全クラス混合の部とキリンクラス単独の部があってそれぞれ3位まで予想することができる」
「なるほど、じゃあ、世間の下馬評で、誰が優勝候補か、単勝のオッズを見れば丸わかりというわけか。数字が小さい方が優勝候補に近いと」
「うちの学校の成績データはなんだかんだで世間に娯楽目的で流通してるからな」
「個人情報保護もへったくれもない世界だなここは……。んで、キリンクラスの部は誰が優勝候補なんだ?」
「本命がラルゴ、テヌートペアで圧倒的人気。1.4倍だから優勝間違いなしってところだな。んで、2番人気がちょっと倍率が落ちて、3.5倍の俺たちアレグロ、ソナタペアだ」
意外と期待されていることに驚く。
もっと、評価が低くて無視されているものだと思っていた。
「どうも、この前の社会見学んときのゴブリンやキメラ撃退は世間的には俺たちの功績ってことになっているらしくてな。本当はお前らのおかげのはずなんだけどな。自分たちの実力じゃないことでプレッシャーかけられるのもきついもんがあるぜ」
「で、僕とエリーゼは?」
「お前らは14倍。5番人気で穴ってところだな。音楽の授業の成績が優秀なところを評価されている。音楽ができるやつは実技に強い傾向があるからな。やや、過小評価ではあるが、でも、ちゃんと見ているやつはちゃんとみているってことだ」
「なるほど」
「全クラス混合の優勝候補は、やはりエリックとクララだな。さすが、学年次席。実力人気ともに追随を許さないぜ」
「主席は?」
ショパン、ブーレペア。
エリーゼのことを侮辱し、僕のことを切り刻んだ憎い相手についても興味があった。
「ううーん。どこにあるかな?あったあった。倍率54倍。大穴もいいとこだな」
「54倍……」
「学年主席とは思えないオッズだな。なんでも入学して1週間ほどしてから急激に成績が落ちて学問に身が入らなくなったとか。やつになにがあったかよくわかんねぇな」
入学して1週間とは僕たちが決闘したあの日だ。
あの日、僕が彼を立ち直れないほど傷つけてしまったのか?
いや、僕は服を切り刻んだだけだ。
体にダメージが行ってるわけじゃない。
あの日、ショパンに一体何が起きたんだ?
謎は深まるばかりだった。
「ま、下馬評は下馬評よ。いざ蓋を開けてみたら思いもよらぬ生徒が優勝ってこともあるんだから」とソナタがすかさず口を挟んだ。
何はともあれ、僕たちは、キリンクラスの有力候補として期待されていることには違いない。
本番でご期待に応えるまでだ。
そして、優勝した暁には、エリーゼに……募り募った気持ちを伝えるんだ。
「オッズ?」
「予想配当率」
「ああ、競馬の倍率のことか」
アレグロが、休み時間にミラヴェニア新聞を片手に話しかけてくるものだから、なんのことだろうと怪訝な顔を僕はしていた。
「ケイバ?なんの話かよくわからんが、まあ、要は俺たちは、賭けの対象になっているわけだ。なにせ、洞窟探検会は一大イベント、全国民が注目しているからな」
「へー、まるでスポーツのイベントみたい」
「誰が最深部に探検するかを単勝・複勝で予想するわけだ。全クラス混合の部とキリンクラス単独の部があってそれぞれ3位まで予想することができる」
「なるほど、じゃあ、世間の下馬評で、誰が優勝候補か、単勝のオッズを見れば丸わかりというわけか。数字が小さい方が優勝候補に近いと」
「うちの学校の成績データはなんだかんだで世間に娯楽目的で流通してるからな」
「個人情報保護もへったくれもない世界だなここは……。んで、キリンクラスの部は誰が優勝候補なんだ?」
「本命がラルゴ、テヌートペアで圧倒的人気。1.4倍だから優勝間違いなしってところだな。んで、2番人気がちょっと倍率が落ちて、3.5倍の俺たちアレグロ、ソナタペアだ」
意外と期待されていることに驚く。
もっと、評価が低くて無視されているものだと思っていた。
「どうも、この前の社会見学んときのゴブリンやキメラ撃退は世間的には俺たちの功績ってことになっているらしくてな。本当はお前らのおかげのはずなんだけどな。自分たちの実力じゃないことでプレッシャーかけられるのもきついもんがあるぜ」
「で、僕とエリーゼは?」
「お前らは14倍。5番人気で穴ってところだな。音楽の授業の成績が優秀なところを評価されている。音楽ができるやつは実技に強い傾向があるからな。やや、過小評価ではあるが、でも、ちゃんと見ているやつはちゃんとみているってことだ」
「なるほど」
「全クラス混合の優勝候補は、やはりエリックとクララだな。さすが、学年次席。実力人気ともに追随を許さないぜ」
「主席は?」
ショパン、ブーレペア。
エリーゼのことを侮辱し、僕のことを切り刻んだ憎い相手についても興味があった。
「ううーん。どこにあるかな?あったあった。倍率54倍。大穴もいいとこだな」
「54倍……」
「学年主席とは思えないオッズだな。なんでも入学して1週間ほどしてから急激に成績が落ちて学問に身が入らなくなったとか。やつになにがあったかよくわかんねぇな」
入学して1週間とは僕たちが決闘したあの日だ。
あの日、僕が彼を立ち直れないほど傷つけてしまったのか?
いや、僕は服を切り刻んだだけだ。
体にダメージが行ってるわけじゃない。
あの日、ショパンに一体何が起きたんだ?
謎は深まるばかりだった。
「ま、下馬評は下馬評よ。いざ蓋を開けてみたら思いもよらぬ生徒が優勝ってこともあるんだから」とソナタがすかさず口を挟んだ。
何はともあれ、僕たちは、キリンクラスの有力候補として期待されていることには違いない。
本番でご期待に応えるまでだ。
そして、優勝した暁には、エリーゼに……募り募った気持ちを伝えるんだ。
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