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【21】わたしも一緒に夏合宿⁉
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「だから! 何度も言ってるだろ。新はこの部分の音をちゃんと聴けって!」
「わかってる! 今のはミスっただけだって。もう一回、もう一回」
「⋯⋯ったく。やるぞ」
今までよりも騒がしくなった放課後。
音楽室には奏人と千里先輩、それから火花を散らす桜路くん改め律と新がいた。
律のMEBIUS加入が正式に決まってから一週間。
四人は次のライブに向けて毎日、練習に励んでいる。
校内は一週間が経った今でも新メンバー加入の話題で持ちきりで、MEBIUSのファンクラブ会員も増加中なんだとか。
海音ちゃんは「また桜路くんのピアノが聴ける」と喜ぶ女の子たちが暴走しないか常に目を光らせていて毎日忙しいと言っていた。
わたしはというと、八月末締め切りのコンテストに向けて男女六人が寮で繰り広げる青春ラブコメディを執筆中。
今は奏人と相談しながら次のライブで披露するラブソングの歌詞について話し合っている。
「そういえば今年の夏合宿はどうする?」
夏休みに向けて練習予定表を作っていた千里先輩が手を止めた。
新のドラムの音と、律のピアノの音もピタッと止まる。
「夏合宿ですか?」
「うん。今までは三人だったからお互いの家に泊まって練習してたんだけど、今年はメンバーも増えたしどうしようかなと思って」
今まで一度も部活に入ったことのないわたしにとっては合宿なんて無縁の言葉だ。
お家に泊まって練習⋯⋯なんだか楽しそう。
「律んちは? まだ行ったことないしワクワクしねぇ?」
「新、合宿の目的を忘れてない? お泊まり会じゃないんだから」
千里先輩に注意されてしょんぼりする新。
「うちは無理。でも、別荘なら全員泊まれると思う。防音室も完備されてるし」
「別荘⁉ 防音室⁉ 律んちって金持ち⁉」
新はイスに座っていた律の肩を背後からぶんぶんと揺らす。
相変わらず立ち直りが早いな。
そこが新の良いところなんだけど。
「別に普通」
別荘があるのが普通⋯⋯?
律のファンの子たちが知ったらリアル王子様だって大騒ぎになりそう。
「じゃあ、今年は律んちの別荘に決まりだね。それでいい奏人?」
「ああ」
千里先輩は八月の予定表に赤ペンで夏合宿と書き入れた。
「合宿楽しんできてね」
わたしが次にMEBIUSのみんなと会えるのは夏休み明けか⋯⋯なんて考えていたら、奏人が「何言ってるんだよ」と真顔で口にする。
「何って⋯⋯」
「咲茉も一緒に決まってるだろ」
「わ、わたしも⋯⋯⁉」
わたしもみんなと一緒に合宿に行くの⁉
「当たり前だろ。咲茉もMEBIUSの一員なんだから。日中俺たちは練習、咲茉は小説の執筆。あとは一緒に飯作ったり、花火したり?」
それって日中は好きなだけ小説を書けるってことだよね⁉
他にも一緒にご飯を作ったり、花火をしたり⋯⋯まるで今書いてる小説のワンシーンみたい。
実際に経験できたら小説を書く上でも活かせそう!
でも⋯⋯。
「みんなとの合宿はすごく楽しそうだし、執筆も進みそうだけど、お母さんとお父さんがなんて言うか」
男の子四人とのお泊まりの許可なんて簡単にはもらえないと思う。
「それなら俺が咲茉のお母さんとお父さんに合宿の許可をもらう」
「どうやって?」
「俺にいい考えがある」
いい考えってなんだろう⋯⋯?
数日後、奏人は言葉どおりわたしの両親からあっさりとお泊まりの許可を得た。
「わかってる! 今のはミスっただけだって。もう一回、もう一回」
「⋯⋯ったく。やるぞ」
今までよりも騒がしくなった放課後。
音楽室には奏人と千里先輩、それから火花を散らす桜路くん改め律と新がいた。
律のMEBIUS加入が正式に決まってから一週間。
四人は次のライブに向けて毎日、練習に励んでいる。
校内は一週間が経った今でも新メンバー加入の話題で持ちきりで、MEBIUSのファンクラブ会員も増加中なんだとか。
海音ちゃんは「また桜路くんのピアノが聴ける」と喜ぶ女の子たちが暴走しないか常に目を光らせていて毎日忙しいと言っていた。
わたしはというと、八月末締め切りのコンテストに向けて男女六人が寮で繰り広げる青春ラブコメディを執筆中。
今は奏人と相談しながら次のライブで披露するラブソングの歌詞について話し合っている。
「そういえば今年の夏合宿はどうする?」
夏休みに向けて練習予定表を作っていた千里先輩が手を止めた。
新のドラムの音と、律のピアノの音もピタッと止まる。
「夏合宿ですか?」
「うん。今までは三人だったからお互いの家に泊まって練習してたんだけど、今年はメンバーも増えたしどうしようかなと思って」
今まで一度も部活に入ったことのないわたしにとっては合宿なんて無縁の言葉だ。
お家に泊まって練習⋯⋯なんだか楽しそう。
「律んちは? まだ行ったことないしワクワクしねぇ?」
「新、合宿の目的を忘れてない? お泊まり会じゃないんだから」
千里先輩に注意されてしょんぼりする新。
「うちは無理。でも、別荘なら全員泊まれると思う。防音室も完備されてるし」
「別荘⁉ 防音室⁉ 律んちって金持ち⁉」
新はイスに座っていた律の肩を背後からぶんぶんと揺らす。
相変わらず立ち直りが早いな。
そこが新の良いところなんだけど。
「別に普通」
別荘があるのが普通⋯⋯?
律のファンの子たちが知ったらリアル王子様だって大騒ぎになりそう。
「じゃあ、今年は律んちの別荘に決まりだね。それでいい奏人?」
「ああ」
千里先輩は八月の予定表に赤ペンで夏合宿と書き入れた。
「合宿楽しんできてね」
わたしが次にMEBIUSのみんなと会えるのは夏休み明けか⋯⋯なんて考えていたら、奏人が「何言ってるんだよ」と真顔で口にする。
「何って⋯⋯」
「咲茉も一緒に決まってるだろ」
「わ、わたしも⋯⋯⁉」
わたしもみんなと一緒に合宿に行くの⁉
「当たり前だろ。咲茉もMEBIUSの一員なんだから。日中俺たちは練習、咲茉は小説の執筆。あとは一緒に飯作ったり、花火したり?」
それって日中は好きなだけ小説を書けるってことだよね⁉
他にも一緒にご飯を作ったり、花火をしたり⋯⋯まるで今書いてる小説のワンシーンみたい。
実際に経験できたら小説を書く上でも活かせそう!
でも⋯⋯。
「みんなとの合宿はすごく楽しそうだし、執筆も進みそうだけど、お母さんとお父さんがなんて言うか」
男の子四人とのお泊まりの許可なんて簡単にはもらえないと思う。
「それなら俺が咲茉のお母さんとお父さんに合宿の許可をもらう」
「どうやって?」
「俺にいい考えがある」
いい考えってなんだろう⋯⋯?
数日後、奏人は言葉どおりわたしの両親からあっさりとお泊まりの許可を得た。
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