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玖音を束縛したい訳じゃない。
ただ、どんなことでも俺を頼って欲しいし甘えて欲しい。
何度も謝る玖音を再度抱きしめ背中をさすりポンポンと叩いて落ち着かせる。
唇が触れる所にキスを落として何度も好きだ、と伝える。
「秋人さんが帰ってこなくなって、すごく、不安で悲しかった、寂しかった。あのときの、秋人さんの、気持ちわかった。死んじゃいたく、なった。」
「今日、秋人さん誕生日でしょ?仲直りして、お祝いしたかった、。何回も連絡して、電話したのに、お、女の、人の声が、聞こえて、苦しくて」
「今日、ずっと一緒に、いたかったのに、帰ってきてくれなくて、女の人は秋人さんと一緒なの、嫉妬した。悲し、かった。」
「無視、ずっとされてて、悲しかった、俺のせいだけど、空気みたいに扱われるの、昔みたいで、悲しくて、死にそうだった。仲直り、したかったのに。」
死にたい、なんて恋人に言わせちゃいけないのに。それを言わせた自分が許せない。
「本当にごめん。いくら謝っても許されないことした。
…玖音はこんな俺でいいの?
きっと玖音が思ってるほど俺は大人じゃないよ。すぐ嫉妬するし、面倒くさいよ。
……玖音が嫌だったら俺は」
秋人は今回のことで玖音に幻滅されたと思った。
今まで大人ぶって余裕があるように見せていた男が実は大人気ないし嫉妬深い男だと気づかれてしまったのだ。
振られても仕方がないとさえ思っていた。
「別れたくないよ…!
俺はずっと秋人さんしか好きじゃないよ!
…秋人さんの好きな食べ物はハンバーグと唐揚げでしょ?
それにフルーツタルト。いつも口いっぱいにして食べてるところ、子供っぽくて好きなんだ。」
秋人が別れよう、と言う前に玖音はその言葉を遮って別れたくない、と言う。
子供っぽいところが好きだと照れたようにへへ、と笑う。
「……俺も嫉妬深いよ。女の人と話してるのも不安になるから嫌だし、秋人さんが今まで付き合ってきた人にも嫉妬してる。俺は秋人さんが嫌だと思ったことはしたくないし俺の全部あげたいんだ。
…秋人さんはこんな俺でもいいの?」
「俺はそんな玖音が大好きだよ。俺も玖音に全部あげる。玖音が嫌なら女と関わらないよ。
…過去は戻せないけどこれから先ずっと全部俺を玖音にあげるよ」
玖音のまぶた、頬、唇と次々にキスを落とす。
擽ったそうに照れて笑う玖音を見て愛おしさを感じて自然と口角が上がる。
何度か繰り返している中でふと目が合う。
秋人がおでこ同士をくっつける。
「…俺、最低なことしたのに本当にいいの?
もう離してあげれないよ?」
「……む、むしろ離さないで欲しい…。
俺もずっと一緒にいたい」
「…っ。
これからはもっとそうやって甘えて欲しいし頼って欲しいな」
至近距離で潤んだ瞳と照れて赤くなった頬と服をぎゅっと握る玖音が甘えるように紡いだ言葉に秋人はたじろぐ。
…可愛すぎる。俺の方が耐えられないかもしれないな………。
「じゃあ、もっと我儘言ってもいい?」
うん?いいよ、と髪を撫でる。
「…き、今日一緒にお風呂入って寝て欲しい。
……いい?」
「そんなの我儘に入らないよ。そのつもりだったよ。むしろいいの?」
甘えなれてない玖音の最初の我儘はとても小さなもので。
これからは雪見だいふく1個ちょうだい!ぐらい言えるようになるまでもっと甘やかさないといけないなと心に決めた。
くしゅんっ!!と玖音がくしゃみをした。
「体、冷えちゃってるもんね。もうすぐ沸くしお風呂入ろっか」
こくりと頷いて秋人の膝から降りようとする。
待って、と腕を掴んで元の場所に戻す。
はてなを浮かべてされるがままにされる玖音の腕をそのまま肩に乗せて思い切り抱きしめさせると腰と足を抱いてそのまま抱っこの状態で起き上がる。
わっ、と驚いてぎゅうと秋人に抱きつくと可愛い、と言いながら耳にキスを落とした。
「今日はずっと俺に全部やらせてね。
服を脱がせるのも体洗うのもご飯食べさせるのも……トイレも?」
「と、トイレは恥ずかしいからダメだ……!」
「ははっ、そっか残念だな」
そんな話をしながら風呂場に向かう。
その言葉通りその日は全て玖音の身の回りの事は秋人がやり、トイレにも扉前までついて行く始末だった。
玖音が恥ずかしさの限界が来てその日限りになってしまったが。
玖音が甘え上手になれるにはまだまだ時間がかかりそうだ。
ただ、どんなことでも俺を頼って欲しいし甘えて欲しい。
何度も謝る玖音を再度抱きしめ背中をさすりポンポンと叩いて落ち着かせる。
唇が触れる所にキスを落として何度も好きだ、と伝える。
「秋人さんが帰ってこなくなって、すごく、不安で悲しかった、寂しかった。あのときの、秋人さんの、気持ちわかった。死んじゃいたく、なった。」
「今日、秋人さん誕生日でしょ?仲直りして、お祝いしたかった、。何回も連絡して、電話したのに、お、女の、人の声が、聞こえて、苦しくて」
「今日、ずっと一緒に、いたかったのに、帰ってきてくれなくて、女の人は秋人さんと一緒なの、嫉妬した。悲し、かった。」
「無視、ずっとされてて、悲しかった、俺のせいだけど、空気みたいに扱われるの、昔みたいで、悲しくて、死にそうだった。仲直り、したかったのに。」
死にたい、なんて恋人に言わせちゃいけないのに。それを言わせた自分が許せない。
「本当にごめん。いくら謝っても許されないことした。
…玖音はこんな俺でいいの?
きっと玖音が思ってるほど俺は大人じゃないよ。すぐ嫉妬するし、面倒くさいよ。
……玖音が嫌だったら俺は」
秋人は今回のことで玖音に幻滅されたと思った。
今まで大人ぶって余裕があるように見せていた男が実は大人気ないし嫉妬深い男だと気づかれてしまったのだ。
振られても仕方がないとさえ思っていた。
「別れたくないよ…!
俺はずっと秋人さんしか好きじゃないよ!
…秋人さんの好きな食べ物はハンバーグと唐揚げでしょ?
それにフルーツタルト。いつも口いっぱいにして食べてるところ、子供っぽくて好きなんだ。」
秋人が別れよう、と言う前に玖音はその言葉を遮って別れたくない、と言う。
子供っぽいところが好きだと照れたようにへへ、と笑う。
「……俺も嫉妬深いよ。女の人と話してるのも不安になるから嫌だし、秋人さんが今まで付き合ってきた人にも嫉妬してる。俺は秋人さんが嫌だと思ったことはしたくないし俺の全部あげたいんだ。
…秋人さんはこんな俺でもいいの?」
「俺はそんな玖音が大好きだよ。俺も玖音に全部あげる。玖音が嫌なら女と関わらないよ。
…過去は戻せないけどこれから先ずっと全部俺を玖音にあげるよ」
玖音のまぶた、頬、唇と次々にキスを落とす。
擽ったそうに照れて笑う玖音を見て愛おしさを感じて自然と口角が上がる。
何度か繰り返している中でふと目が合う。
秋人がおでこ同士をくっつける。
「…俺、最低なことしたのに本当にいいの?
もう離してあげれないよ?」
「……む、むしろ離さないで欲しい…。
俺もずっと一緒にいたい」
「…っ。
これからはもっとそうやって甘えて欲しいし頼って欲しいな」
至近距離で潤んだ瞳と照れて赤くなった頬と服をぎゅっと握る玖音が甘えるように紡いだ言葉に秋人はたじろぐ。
…可愛すぎる。俺の方が耐えられないかもしれないな………。
「じゃあ、もっと我儘言ってもいい?」
うん?いいよ、と髪を撫でる。
「…き、今日一緒にお風呂入って寝て欲しい。
……いい?」
「そんなの我儘に入らないよ。そのつもりだったよ。むしろいいの?」
甘えなれてない玖音の最初の我儘はとても小さなもので。
これからは雪見だいふく1個ちょうだい!ぐらい言えるようになるまでもっと甘やかさないといけないなと心に決めた。
くしゅんっ!!と玖音がくしゃみをした。
「体、冷えちゃってるもんね。もうすぐ沸くしお風呂入ろっか」
こくりと頷いて秋人の膝から降りようとする。
待って、と腕を掴んで元の場所に戻す。
はてなを浮かべてされるがままにされる玖音の腕をそのまま肩に乗せて思い切り抱きしめさせると腰と足を抱いてそのまま抱っこの状態で起き上がる。
わっ、と驚いてぎゅうと秋人に抱きつくと可愛い、と言いながら耳にキスを落とした。
「今日はずっと俺に全部やらせてね。
服を脱がせるのも体洗うのもご飯食べさせるのも……トイレも?」
「と、トイレは恥ずかしいからダメだ……!」
「ははっ、そっか残念だな」
そんな話をしながら風呂場に向かう。
その言葉通りその日は全て玖音の身の回りの事は秋人がやり、トイレにも扉前までついて行く始末だった。
玖音が恥ずかしさの限界が来てその日限りになってしまったが。
玖音が甘え上手になれるにはまだまだ時間がかかりそうだ。
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