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夏

６．

デートに行くのに格好を全く気にしていなかった事を彼女の姿を見て思った。細かく表現するのは難しいけど、一言で言えば可愛い格好と言う感じだ。別にお姫様のようなヒラヒラした格好じゃなかったけど、そう思ってしまった。意外と何て言葉使うのは失礼だし、自分が言える立場だとは思わないけど、こういう格好も似合うんだなと思ってしまう。Ｔシャツにジーンズなんて、普通の格好をしてきてしまった自分が恥ずかしくなる。

久しぶりにあった事もあり、何だかお互いに恥ずかしさを感じる。初々しいカップル、文字通りそうなんだけど、周りから見てもそう思うだろう。久しぶりとか声を掛け合って、その格好可愛いねと思わず言ってしまった。彼女の顔が赤くなる。それを見て僕の顔も赤くなっている気がした。そんな風にして遊園地デートが始まった。

今日は受験勉強の事は忘れようと思っていたけど、お互いの近況を話すと、やっぱり、その話題は避けられない。彼女は夏期講習についていくのが大変みたいだった。僕の方はそこまで大変と感じていなかったのだけど、それはそれで受験勉強になっているんだろうかと言う不安にもなってしまう。でも、そういうのも遊園地に着くまでだった。

よく考えると、遊園地にまともに来たのは初めてかもしれない。小学校の時に、遠足で行ったような記憶があるけど、あんまりはっきりとは覚えていない。テレビとかでやっているのをたまに見る事はなるから、何となく知っている気分になっていたけど、実際に来てみるといろいろと違いがあるなと思ってしまった。

細かいプランは考えていなかったけど、遊園地と言えば、ジェットコースターと観覧車は乗るべきかなと思っていた。後は、お化け屋敷も有名なところだったので、行ってみたいなとは思っていた。彼女が怖いの苦手だったりするんだろうか。少しだけ気になったけど、この遊園地に遊びに来るというのは言っておいたから、そこまで心配する必要はないだろう。嫌がったら、止めればいいだけだ。メリーゴーランド、コーヒーカップなんてのもある。ちょっと恥ずかしい気がしたけど、遊園地に来ているんだから、そういうのを楽しまないといけないだろうと思う。

まずはどこから回ろうか、そう彼女に相談してみたら、迷わずにジェットコースターと言った。良しと気合を入れる。ちょっと気合を入れないと怖いと思ってしまいそうだ。彼女の事を心配しているけど、僕自身、怖いと思ってしまわないか、心配しているところもあった。