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冬
6.
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どこで失敗したんだろう。後で考えると良く分からない。そんなに分かりやすいポイントがあるんだろうか。でも、ひとつ上げるとすれば、あの初詣の日だろうなと思う。何でそう思うのか、その理由は正直に言うと、良く分からない。でも、何となく、その時に、自分の役割、役目を終えてしまったような気がした。
だからと言って、あの日、彼女を誘って初詣に行った事を後悔はしていない。たぶん、それは本当の事だ。それでも、その日が原因だと思っている。何か理屈に合っていない答えのような気もする。でも、そう思ってしまう。
端的に言ってしまえば、ちゃんと勉強してこなかった自分が悪いんだろう。それは間違いないし、それは分かっている。
センター試験はまずまずの感触だった。実力並みの結果で、自己採点をした結果は、これぐらいかなと予想していたぐらいだった。それだと、目指している国立には厳しいんだけど、一応、本番で自分の実力がちゃんと出せたというところは納得できた。ギリギリまで迷っていた私立の大学は僕のレベルで言えば、順当と思えるところと、ひとつ上のレベルのところを受ける事にした。
自信があったのかどうかは後になってみると分からない。ただ、その時には大丈夫だろうという気持ちはあったんだと思う。不安が全くなかった訳ではないけど、実力が出ればひとつは受かるだろう。もう一つは厳しいとは思っていたけど、安全なところをもうひとつ受ける気にはなれなかった。この選択が正しかったのか、結果を見れば失敗と言う事になるのか、それは分からない。でも、その時には、それでいいと考えていた。
ただ、結果として、私立の二つが不合格だった事を考えると、やっぱり、失敗だったんだなと思う。どれだけ言い訳しても、それは覆る事の無い事実だった。
正直な所、自分がショックを受けているのか良く分からない。何となく、そうなるという予感があっただろうか。いや、そういう予感があったというのは、その結果を見た時の言い訳に過ぎない気もする。予感があったなら、受かる確率が高い方を選ぶべきだった。でも、そうしなかったのは自分だ。だったら、そんなの言い訳に過ぎない。
現実感が無かったというのは確かだろうと思う。三月になれば卒業で、四月からは新生活が始まる。それは言葉として分かっていても、実感としては分からない。だから、合格、不合格と言われても、ピンと来ていなかったのかもしれない。それも不合格だった現実を誤魔化すだけの言い訳に過ぎなかったのかもしれないけど。
だからと言って、あの日、彼女を誘って初詣に行った事を後悔はしていない。たぶん、それは本当の事だ。それでも、その日が原因だと思っている。何か理屈に合っていない答えのような気もする。でも、そう思ってしまう。
端的に言ってしまえば、ちゃんと勉強してこなかった自分が悪いんだろう。それは間違いないし、それは分かっている。
センター試験はまずまずの感触だった。実力並みの結果で、自己採点をした結果は、これぐらいかなと予想していたぐらいだった。それだと、目指している国立には厳しいんだけど、一応、本番で自分の実力がちゃんと出せたというところは納得できた。ギリギリまで迷っていた私立の大学は僕のレベルで言えば、順当と思えるところと、ひとつ上のレベルのところを受ける事にした。
自信があったのかどうかは後になってみると分からない。ただ、その時には大丈夫だろうという気持ちはあったんだと思う。不安が全くなかった訳ではないけど、実力が出ればひとつは受かるだろう。もう一つは厳しいとは思っていたけど、安全なところをもうひとつ受ける気にはなれなかった。この選択が正しかったのか、結果を見れば失敗と言う事になるのか、それは分からない。でも、その時には、それでいいと考えていた。
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