夢ノコリ

hachijam

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旅行の前の日の夢

4.

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同じ夢、しかも、全く同じ夢の続きとして見る夢というのが、どれくらいあるのだろうか。夢の中の夢の記憶は曖昧で、その時に見た事なのか、それ以前の物なのかという区別がはっきりしない事がある。夢日記をつけ始めてからは、意外と同じような夢を見ているようで、見ていないんだなと思う。

それは夢日記をつけ始めたから、区別されるようになって、そう感じる事になったのか、それ以前の夢の記憶がある訳ではないので、はっきりは分からないけど、これだけはっきりと続きと思える夢を見るのは、やっぱり、珍しいのではと思ったりする。

正確に言えば、全く同じというのは語弊があるかもしれない。現実で課題が完成したからなのか、その夢の中でも今度はちゃんと課題は完成していて、ちゃんと提出して、それなりの評価ももらえているという状況になっていた。その夢の中での僕の認識はそんな風に変わっていた。

再び旅行の準備の続きをする。心配事は無くなったのでどこか浮かれた気分になっていた。そうなるともう旅行の目的は遊びに行くというのに変わっていた。だったら服装も変えた方が良いかもしれない。そんな気分になる。

この時期だと、やっぱり、南国のリゾートだろうと思う。過去にそういうところに行ったことも無いのに、そのイメージが浮かんでくる。麦わら帽子にアロハ、浮き輪を抱えて…。その想像が正しいのかはさておき、浮かんでしまったのは仕方ない。僕は早速用意する事にした。当然、水着も用意して、一気に準備が終わった。

荷物を全て旅行鞄に入れて、ちょっと一息ついた。さて、これで準備は万端だ。これで後は明日を待つだけだと思う。途端に何か寂しさを感じる。旅行に行く前、準備をしている時には楽しいと思っているのに、準備が終わってしまうと感じるこの寂しさ、虚しさと言うのは何なんだろうと思った。そんな事を考える僕が珍しいだけなのかもしれないけど、良く感じる事でもあった。

ギリギリまで準備していれば、そういうことを考える余裕が無くてすむけど、ちょっと早く終えてしまうと、そんな風に考えてしまう。時間がちょっと余ってしまい、他にする事が無く、かと言って何かをするというほど時間がある訳でもなく、明日の事を考えればじっとしている方が良いとか思ったりするからだろうか。

そんな風にいろいろと考えてしまうと、旅行に行くのが面倒くさくなってしまう。変な風にテンションが下がっているのを感じて、さっきの浮かれた気分とのギャップで何だか落ち込んでしまった。
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